2023.04.18.Tue CREATOR's STORY

CREATOR’s STORY|代表 矢野 浩一|クジラが目指す世界 【後編】

リノベーションしたリビング

第三章『とにかくファンを増やせる企業・チームを目指したい。』不動産建築業界を変える組織構造・IT業界に学ぶマーケティング

ホラクラシー型組織

三輪:クジラは従来のヒエラルキー型組織から、ホラクラシー型組織にシフトチェンジしたっていう話ですよね?
矢野:そう。これは社内でも耳タコやね。従来の日本企業はいわゆる「ピラミッド」と呼ばれるヒエラルキー組織。さらに、不動産・建築業界は業界そのものが下請け企業に外注する仕組みなので、大きなピラミッド構造になっている。

従来のヒエラルキー型組織

ヒエラルキー型組織

矢野:これは階層(階級)をつくることで責任の所在をはっきりさせる意図があるよね。様々なリレーションにおいて相互での認識の違いとか出てくると、仕事も止まるし「誰が悪い?」みたいな話になる。だから階層(階級)があると非常にシンプル。
宮澤:役職という人事制度と、仕事でのオペレーションやリレーションの機能部分を併せた組織形態ですよね。
矢野:まぁ、日本に限らず「階級社会」っていうのは歴史上よく見られた傾向でもあるので、自然と形になったんだろうけどね。でもこれによって、組織の縦割りも進んだ。
宮澤:今いろんな大手企業が部署間でのコミュニケーションに力入れてますよね。
矢野:そう。部署間での「越境行為」を良しとしないのもヒエラルキー型組織の特徴。なので、おのずと責任者クラスに権力が集中しやすいし、いろんな情報もすごく閉鎖的になっていく。そして、組織の維持・管理となると、いかに組織内でエラーがないか?を探すようになる。組織のパフォーマンスや人の配置が常に「正常・完璧」になるように意識してる。
矢野:一方でホラクラシー型組織には「正常・完璧」という概念が無い。つまり、いつも「異常」
宮澤:「組織形態に正解がないのが当たり前」っていうところが重要ですよね。

ホラクラシー型組織

矢野:そうやね。ホラクラシー型組織であれば、役職などに関係なくプロジェクト単位でチームを組成・解散していくのでとてもフレキシブル。外部変化に対応するための組織変化もスムーズ。何より一番は目的ごとに手段を変える思考にならなくてはならない。組織上層部が「正解」を決めてそれを追求するヒエラルキー型組織と違って、ホラクラシー型組織では課題解決のために「最適」を追い求める思考と行動になりやすい。
三輪:インターンシップ中もいろんなチームに参加して、いろんな人と仕事しましたね。
松田:たくさんの人と関わるのが普通になって、初対面の人とかいたら「新しいインターンの人?社外の人?新入社員?」みたいな感じでしたね。笑
矢野:特に、ホラクラシー型組織だと個性を尊重できるっていうのが一番かな。ヒエラルキー型組織だと、どうしてもオールラウンダーが主役になりがち。若手の育成でも個人のパフォーマンスにあわせてマネジメントスキルとかも求めるし。
宮澤:よくある「売上だけ上げてても、昇格できないよ」みたいな話ですよね。
矢野:これは組織を金太郎アメみたいにしちゃうし、隠れた才能を持つメンバーを見落としてしまう。ユーザーが画一的な商品やサービスに満足できず、オンリーワンを求め続ける時代に、画一的な組織を目指してちゃいけない。
宮澤:特にクジラのユーザーやファンはオンリーワン思考が強い傾向があるからなおさらヒエラルキー型組織だとニーズに柔軟に対応できないよね。
矢野:個性を尊重し、自由度の高い組織じゃないとクリエイティブなことは絶対できない。だからホラクラシー型組織としてクジラはもっと成長していく必要がある。でも業界でこういったチャレンジをしてるところはほとんどないよね。
三輪:だからよく「他の業界では〜」っていう話がでるんですね!
宮澤:矢野さんは特にIT業界でのトレンドとかを参考にしてるよ。

IT業界に学ぶ

コンテンツマーケティング

矢野:「とにかくファンを増やせる企業・チームを目指したい」って宮澤くんに相談して、クジラのコンテンツマーケティングが始まったよね。
宮澤:夜中のセブンイレブンでしたね。笑

コンテンツマーケティング
出典:コンテンツマーケティングとは?潜在顧客に「見つけてもらう」仕組みをつくる

矢野:俺自身すごくこだわりがあって、時間がかかってもいいからコンテンツ制作を社内でやりたかった。しかも専門のスタッフではなく営業・設計・施工管理のみんなで少しずつ。
宮澤:僕はものすごく反対しましたけどね。
矢野:不動産業界も建築業界も発信することに無頓着すぎひん?スタッフブログ書いてる会社か、全部を外部委託してる会社しか見たことないし。自分たちがプロとして誇りに思ってることをしっかり発信できる素養が絶対必要だと思って、社内でコンテンツ制作することにしたわけ。

UI/UX

松田:UI/UXについても何度も研修してますよね。
宮澤:UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)ですね。
矢野:UI/UXってあんまり不動産・建築業界では使わないんだけど、うちでは積極的に使うよね。ユーザーにとって最適な体験(課題解決)のために、我々はサービスとユーザーの接点をどう設計するか?っていうことやねんけど、なんせ建築業界では「普通◯◯です」って言う人が多い。
宮澤:法令遵守が大前提の業種だけにそういうシーンが増えやすいですよね。
矢野:もちろん法令遵守や一般論も大切にすべきやねんけど、多くはユーザーの課題解決を本気で考えていないケースが多い印象。

ベンチャー界隈が見えて来た

SEKAI HOTELのオープン

矢野:こういったことを組織に取り入れながらSEKAI HOTELのオープンを迎えたので、自分の中のインプット・アウトプットが一気に進んで見える景色も変わった。強烈なヴィジョンを打ち出すことでとにかくファンを募る。そのファンが社員・取引先・投資家・顧客などいろんな立場でSEKAI HOTELを一緒に作ってくれた。
資金調達や広報、採用に対しての向き合い方も本当に良くなった。常に「イノベーションを起こすには」っていう視点で妥協のない判断をするようになったしね。
宮澤:矢野さんや会社を取り巻く人や環境も一気にベンチャー感出てきましたよね。
松田:メディアの露出もめちゃくちゃ増えましたよね!

リクルートってやっぱりすごい

矢野:イノベーションを起こすってことを意識し続けて毎日を過ごすようになったときにふとリクルートについてもっと知りたくなった。ちょうどそんなときに「構想力」っていう本が発売されて。
宮澤:あの本、本当にすごいですよね。経営者の中でも共通の話題になってます。
矢野:数年前にナレッジマネジメントとかを調べようと思ったときに、リクルートの「ナレッジマネジメント」ていう本を読んだんやけど、その時も「一般の社員がここまでのレベルで仕事するのか!」ってびっくりした。そこから数年経って自分もいろいろと経験したときにもう一度リクルートを調べたいって思った。

「不」の解決

矢野:リクルートは世の中にある不平等、不便、不安を解決することのに注力している。これすごいことよね。まずは必要性を探ってから実現性を考えるっていうすごく素敵な思考。リクルートは「どのくらいの売上規模を狙えるか?」もすごく重要視してるけど、クジラではひとまず「不の解決」を取り入れようって思った。
宮澤:「みんながやりたがらないことをやる」っていうのが矢野さんの口癖ですよね。
矢野:以前経営者の友達に喫茶店で「もっと現実的なビジネスやって稼ぎなよ」って言われて、喧嘩になったなぁ(笑)「誰もがびっくりするようなことやり遂げることを目的とせずに、現実的に稼ぐことを目標とするならなんでベンチャーの経営者やってるん?ハイリスクすぎひん?」って言ってしまって。
宮澤:それ友達無くすやつや(笑)

リボンモデル

矢野:そんな話は置いといて、リクルートには「リボンモデル」っていうのもある。

リボンモデル
引用元
出典:リクルート 統合報告書 2018

リクルートのサービスがカスタマーとクライアント(企業)を結ぶリボンの結び目になるっていう考え方。これはSEKAI HOTELの仕組みにも共通するところだったので、テンション上がったなー。
宮澤:SEKAI HOTELは観光地などの一等地では無い地域にソフト・ハード両方を提供できる「ホテル」という手段をもって新しいコミュニティを形成する。地域住民×観光客×SEKAI HOTELの三者で作るこのコミュニティでその町のORDINARY(日常)を体験してもらえる。

矢野:地域住民と観光客っていきなり直接コミュニケーション取るにはハードルが高いよね。でも間にSEKAI HOTELが入ることで一気にハードルが下がる。SEKAI HOTELがきっかけとなって、地域の人が一緒に観光客を迎える体制になり、観光客はその地域のディープなところにSEKAI HOTELを通じて飛び込んでいける。
矢野:つまりSEKAI HOTELはコミュニティをつくり、ORDINARYを届けることで地域の空き家問題や衰退といった“不安”を解決し、観光客が地域のディープな部分に飛び込んでいく時の障壁という“不便”を解決しているってこと。

イノベーションを目指す社風

三輪:こういった「不の解決」っていう思考を全員が持ってるってリクルート恐ろしいですね。
宮澤:基本的にイノベーション思考の人材採用を心がけているらしいからね。
矢野:リクルートって知れば知るほどバケモノやな!(笑)
でもここでもう一つ気づいて欲しいのは、SEKAI HOTELという「不の解決」は“不動産・建築業の会社が取り組んだから生まれた事例”であるってこと。
松田:「不動産・建築が変われば社会が良くなる」っていう話ですね!

第四章『不動産・デザイン・建築のワンストップはまさに「魔法」』未来に繋がるカッコいいを創る

世の中や消費者にとって我々がすべき本当のこと
矢野:こうやって色々と勉強、研究していくと我々不動産業・建築業に携わる者がやりきれていないこと、ポテンシャルっていうのが凄くたくさんあるんだと実感してきた。そして、どんどんこの業界でイノベーションを起こすことに気持ちが向いてきた。

なぜ建物寿命が先進国ワースト1なのか
矢野:まず、「建物寿命」って知ってる?

三輪:どのくらい建物が持ち続けるかってことですか?

国別住宅平均寿命

矢野:国別にひとつの建物をどれくらい大切にするかっていうグラフ。
三輪:日本短すぎますね。
矢野:つまりこれはさ、ひとつの家を作る時に「孫の代まで考えて」という国と、「自分たち世代のことを考えて」という国の住宅に対する意識の差でもある。
松田:お客さんからも「自分たちがおじいちゃん、おばあちゃんになっても〜」とは聞きますけど、「孫にも残せる様な〜」みたいなことは聞きませんね。
矢野:家族のお祝い事があっても外食が多いよね?家で友人や親戚呼んでホームパーティーっていう家庭の方が断然少ないと思う。
三輪:「家」っていうものの立ち位置が微妙かもしれませんね。

家というハードが変われば孤独が減る

矢野:俺はもっと家での過ごし方が変われば、世の中の孤独が減るんじゃないかって思ってる。でもその家を手に入れるには今の日本は複雑すぎるし、消費者とプロとの情報格差が大きすぎる。
宮澤:スマホのアプリとかであれば、使いづらい部分とかをレビューに書くことで消費者が厳しい目でサービスをジャッジするし、企業もそれを元にもっと良いサービスに改善できるよね。そのコミュニケーションが消費者にとっては知識向上にもなる。
矢野:自分の家を手に入れるタイミングで、もっと不動産・建築が分かりやすければ、将来の家族像もイメージしやすくない?「こんなリビングでこういう時間を過ごしたい」とか。
三輪:そういう視点で考えると、今の不動産・建築だと自由にはイメージしづらいですね。
矢野:遊ぶくらいラフに触れることができる不動産・建築じゃないと一生に一度の買い物も楽しくないし、将来の家族像のイメージに制限かけてるような今の不動産・建築はおかしいと思う。

人生におけるビッグイベント

矢野:同じような人生のビッグイベントである結婚式だと「なんか結局すごくお金かかりそう」っていう友達の話を聞いたら「すごく素敵な結婚式を予定してるんだね!」ってなるけど、家の購入や建築に「すごくお金かかりそう」って言うと、「それ(不動産や工務店に)騙されてない?他の会社にも相談してみた?」みたいになるよね。
宮澤:信頼されてない業界だなぁ…
矢野:将来、「クジラでリノベーションする」って言う人に周りの人が「すごく楽しそう!羨ましい!」ってなっていたら、きっとそのお客さんはすごく楽しく家族の将来と家を考えることができると思うねんなぁ。
松田:そうなったらきっと家族の過ごし方も変わってるかもしれませんね。

不動産・デザイン・建築のワンストップはまさに「魔法」

空間は印象を生む

矢野:京福電鉄の嵐山駅が最高に好きやねんなぁ。
松田:昔みんなでいきましたよね!


出典:トラベルjp|京友禅の光林「キモノ・フォレスト」の幻想美!嵐電・嵐山駅

矢野:あの雰囲気すごくない?キモノフォレストっていう京友禅を用いた幻想的なデザイン。そこに電車が走ってくる。複数の価値を組み合わせて嵐山っていうブランドに付加することでめちゃくちゃカッコいい世界観作ってると思う。人の集う場所のデザインっていうのをすごく考えさせられた。
宮澤:空間(場所)をデザインするって何かブランドや世界観を発信していくときにもすごく重要ですよね。デジタルな時代でもこのアナログの強さにはなかなか勝てない。スターバックスコーヒーやディズニーランドのようなファンの多いところには必ず空間(場所)のデザインがある。

空間や場所は人々に影響を与える

矢野:家でも飲食店でも空間や場所のデザインって人の心理や行動に勝手に影響するよね。むしろ人の心理をコントロールしていると言っても過言ではない。
宮澤:スターバックスコーヒーやディズニーランドでめちゃくちゃイライラしてる人とか見ないもんね。
矢野:この通りの考えでいくと、何十年も住む家が家族に及ぼす影響ってとてつもないよね。コミュニティデザインとかソーシャルキャピタルという言葉も広がってきている中で、「人が集う場所」が担う物理的な役割をもっと積極的に追求すべきだと思う。

対等なコミュニティを作るSEKAI HOTEL

矢野:SEKAI HOTELでは人が集う場所としての役割をはっきりと定義している。
宮澤:“対等なコミュニティを作るSEKAI HOTEL”ですね。
松田:対等っていうのは誰と誰ですか?
宮澤:SEKAI HOTELと地域住民と観光客。

フレンドシップ

矢野:これまでの観光って「サービスを提供する人」「サービスを受け取る人」の二者だけやったよね。でもこれだとオーバーツーリズムという言葉も出てきてるように、消費・消耗が進むだけやねん。
三輪:どういうことですか?
宮澤:観光地の人は観光客が増え始めた時は喜んでるけど、次第にゴミの問題に悩まされたり、もっと観光客を呼びたい人は「どうやって呼ぼうか」と悩み出したり、地域が疲弊していく場合もあるよね。
矢野:観光客側も常にガイドブック見ながら「まだ訪れたことのない観光スポット」を探してる。有名観光スポットをどんどん消費する観光になりがちやねん。
三輪:確かに僕も旅行の時は、昔行った所では無い所を探すのに友達に聞いたりします。
矢野:SEKAI HOTELが言う“対等なコミュニティ”っていうのは「消費・消耗する観光」じゃなくて「共存する観光」ってこと。観光客も町の一員になって「また帰ってくるね」と言ってもらえるような観光体験。
宮澤:そのためにSEKAI HOTEL×地域住民×観光客の居心地の良いFriendshipで回るコミュニティをSEKAI HOTELが作ってるわけ。
矢野:なので、SEKAI HOTELではHospitalityの言葉は使わない。地域住民と観光客がラフにコミュニケーション取れるような工夫をたくさん仕掛けてる。
宮澤:矢野さんが言う人が集う場所の「物理的な役割」っていうのでいくと、SEKAI HOTELは客室が点在する「まちごとホテル」だよね。フロントでチェックインしたあとは、フロントを出て町を歩いて客室に向かうから必然的にその町を歩くことになる。
矢野:それだけでなくてSEKAI PASSというものをチェックインの時に渡すから、それを地域の商店とかで見せるといろんなサービスが受けれるわけ。
松田:友達と一度SEKAI HOTELに泊まった時に使いました!たこ焼きが4つ増量になった 笑

矢野:それ以外にも銭湯に無料で入れたり、喫茶店のモーニングを無料で食べられたり、和菓子の手作り体験ができたり、その町のありのままの「日常体験」を観光客ができる仕組みになってる。
宮澤:SEKAI HOTELが人が集う場所として地域住民と観光客の接点を演出しているから、「共存する観光」というのが少しずつ出来上がってきてるよ。
矢野:人の住む家でも、働くオフィスでも、遊びに行く商業施設でもそこに集う人々にもう1人、「空間(場所)」という登場人物がいて、十分に役割を果たしていることを忘れてはならない。不動産・建築業界っていうのはそのもう1人を生み出す仕事なわけやから、そこを自在に操れたらたくさんの感動を育むことができる魔法のようなものなんよね。

業界のひとりひとりが変わらなきゃいけない

働き方を変える

矢野:今こそ不動産・建築業界は本来の社会におけるインフラとしての役割を果たすために業界変革を起こすべきやと思う。そのためには働き方を変える必要がある。
三輪:矢野さんがいつも言う「使われる働き方」から「世の中を動かす働き方」に変えるっていうやつですね。
矢野:そう。請負契約が主流の業界なので「言われた通りに動く」という働き方が当たり前になってる。でも我々は社会に直接働きかけるような仕事をしているわけやから「世の中を動かす働き方」でなくてはならない。
宮澤:基本的に職人さんやデザイナーとかスペシャリストが多い業種やけど、本質的に考えるのであれば「スペシャリストでありながらゼネラリストも目指す」必要がありますよね。
チームで行うコンサルティング
矢野:大昔は大工さんが全部こなしていたわけ。「この地域に家を建てるなら、この場所が良い。あそこの山の木を使って、こういう間取りで、こういう向きに風が入って、夏は涼しく、冬は暖かい家を建てよう」みたいな。
宮澤:今はヒエラルキー型組織の上層部の少人数が企画などのゼネラリスト領域を担って、下層部の大多数がその企画を具現化するスペシャリスト領域を担ってるよね。これが大きなヒエラルキー組織を必要とする原因だし、下層部のスペシャリストの「言われた通りに動く」という思考の原因にもなってる。
三輪:でも企画から作るところまで1人でやるのは到底難しいからチームで取り組む。そのためのホラクラシー型組織でもあるわけですね!
矢野:そう!チームでお客様の課題を解決してあげるコンサルティング業務であると考えるべき。
宮澤:だから「世の中を動かす働き方」っていうのがこれからの不動産・建築業界に必要なんですよね。

常に社会性を優先する

矢野:経済合理性を最優先にするのではなく、社会に貢献することを最優先する公益資本主義を実現する意味でも不動産・建築業界は社会の未来にとって良いものでなくてはならない。
三輪:僕らがインターンの頃からやっているKUJILIKEはまさに未来を担う子供達への活動ですよね。

DIYをする子どもたち

矢野:そう。児童養護施設の子どもたちと一緒にその施設という空間のことを真剣に考えて、デザインして、DIYで施設をアップデートしていくKUJILIKEは、施設の子どもたちとDIYを提供しているクジラスタッフの両方が成長していくコンテンツ。
松田:KUJILIKEの「世界を広げる、好きになる」っていうコンセプト大好きです!子供達に「将来建築の仕事に就きたい!」って言われてすごく嬉しかったけど、むしろ訪問してる僕たちの方が気づかされることが多いです。
宮澤:幼少期って「どの大人と接点を持つか?」ですごく価値観に影響出るから、児童養護施設の子どもたちが建築のプロフェッショナルと一緒に自分たちの住む施設の未来を考えて、創っていくという経験はまさに可能性を「広げる」し、未来を明るくする、未来の自分を「好きになる」きっかけになりますよね。
矢野:きっかけは「不動産・建築の会社として何か社会に貢献できないか」というところからだったけど、児童養護施設という空間にプロの知見や技術を寄付するKUJILIKEにたどり着いた。KUJILIKEを通じて何かを「与えたい」って思ってたけど蓋を開けてみたら、子供達とクジラスタッフが相互に受け取るgiftがあるってことに気づいて余計に感動した。
宮澤:コミュニティを共有する人たちが各々に受け取るgiftがあるのって幸せのカタチのひとつですよね。

未来に繋がるカッコいいを創る

三輪:やっぱり不動産・建築業界は社会に貢献できる仕事ですよね。
松田:今日の話、もう一回親にしてあげたいです!
矢野:不動産・建築業界が変革を遂げてひとりひとりがカッコよく仕事すること、そしてそれは一個人の住宅やまちづくりなど社会のインフラに関わる仕事。でもみんなの求める幸せな居場所は違うから、ひとりひとりの“カッコいい”を追求すること。そして常に対象は「未来の子供達」であること。クジラのMissionである“未来に繋がる「カッコいい」を創る”とはこういうことやね。
宮澤:今の世の中スマートフォン無いと不便やけど、不動産・建築に関わらない人もいないからね。アナログな領域で一番必要と言ってもいい。
松田:まずは僕たち若手がカッコいいクジラを作らなダメですね!
三輪:子供達に憧れられるようなカッコいい会社にしていきましょう!
矢野:みんなでがんばって、いつか不動産・建築業界が「将来なりたい職業ランキング」で一位になれるように目指していこう!

WRITERこの記事を書いた人

クジラ 編集部

中崎町にあるリノベーション会社です。不動産探し、住宅ローンのお手伝い、設計デザイン、施工、インテリアコーディネートまでワンストップでお手伝いさせていただきます。お客様に最適な暮らし方のご提案をさせていただきます。

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