内窓・二重窓のリノベーションについて、費用と注意点を解説!

こんにちは!クジラ株式会社の三輪です!
![]() | Writer 三輪海斗 ディレクターWORKS 2018年に新卒入社後、住宅・店舗・オフィスなど幅広く担当。住宅ローンの工面など難しい状況でもお客様に寄り添ってサポート。 |
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内窓・二重窓へのリノベーションは、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置するリフォーム方法です。これにより、断熱性や防音性の向上、結露対策など様々な効果が期待できます。国の「窓リノベ」補助金など、リフォームを支援する制度も充実しており、費用負担を軽減しながら快適な住環境を実現することが可能ですよ。
目次
内窓・二重窓リノベーションの基礎知識
内窓、または二重窓と呼ばれるリフォームは、既存の窓の内側に新たな窓を取り付ける工事を指します。これにより、既存の窓と新設した内窓の間に空気層が生まれ、この空気層が断熱材のような役割を果たします。結果として、窓からの熱の出入りが抑制され、冷暖房効率の向上に繋がります。
窓リノベによって、冬は暖かく、夏は涼しい室内環境を実現しやすくなるでしょう。このリフォームは比較的短時間で施工できるため、住みながらの工事も十分に可能です。
リノベーションで内窓・二重窓を選ぶ理由
内窓・二重窓リノベーションは、住宅の快適性向上や省エネに有効なリフォーム手法です。既存の窓の内側にもう一枚窓を設置することで、断熱性や防音性を高め、結露の発生を抑える効果が期待できます。また、防犯対策としても一定の効果が見込めるでしょう。国の「窓リノベ」など、補助金制度を活用することで、費用負担を軽減しながらこれらのメリットを享受できるため、多くの方に選ばれています。
内窓・二重窓のメリット
内窓リフォームには、断熱性の向上、結露の抑制、防音効果、防犯性の向上といった様々なメリットがあります。窓が二重になることで、既存窓と内窓の間に空気層が生まれ、この空気層が外部の冷気や暖気の侵入を防ぎます。これにより、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を保ちやすくなり、冷暖房の使用を抑えることで光熱費の節約にも繋がります。
また、室内外の温度差によって生じる結露の発生を抑える効果も期待できるため、カビやダニの発生を抑制し、健康的な住環境を維持しやすくなります。さらに、窓が二重になることで外部からの騒音を軽減する防音効果や、侵入に時間がかかることによる防犯性の向上も期待できるでしょう。
内窓・二重窓のデメリット
内窓・二重窓のデメリットとしては、窓の開閉や掃除の手間が増える点が挙げられます。窓が二重になるため、換気や出入りの際に二枚の窓を開け閉めする必要があります。特に掃き出し窓など頻繁に出入りする窓では、手間に感じられるかもしれません。
また、二重になった窓の間にホコリが溜まりやすく、掃除に手間がかかることがあります。掃除を怠ると、カビなどが発生する可能性も考えられます。
さらに、内窓を設置することで既存の窓枠よりも室内側に数センチ程度出っ張りが生じ、部屋が狭くなったように感じたり、窓辺に置いていた物が干渉したりする可能性があります。
既存の窓枠の奥行きが足りない場合には、「ふかし枠」と呼ばれる部材を取り付ける必要があり、さらに室内側への張り出しが大きくなることもあります。窓の形状や寸法によっては、既製品が合わずオーダーメイドになる場合や、そもそも設置が難しいケースも存在します。
費用を抑えるために性能の低い製品を選んだり、一部の窓にのみ設置したりすると、期待したほどの効果が得られない可能性もあるため、製品選びや設置箇所は慎重に検討する必要があるでしょう。
窓のリノベーションに活用できる補助金制度
窓のリノベーションにおいて、費用負担を軽減するために様々な補助金制度を活用できます。国や地方自治体などが窓の断熱リフォームに対して補助金制度を設けており、要件を満たすことで補助金の交付を受けられます。これらの補助金制度は、高性能な窓へのリフォームを促進し、住宅の省エネルギー化を目的としています。
事前にどのような補助金制度があるか、自身の行うリフォームが対象となるかを確認することで、よりお得に内窓・二重窓リノベーションを行えるでしょう。
各補助金制度について
窓のリノベーションに活用できる国の補助金制度には、主に「先進的窓リノベ2025事業」、「子育てエコホーム支援事業」、「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」があります。
これらの補助金制度は、それぞれ環境省、国土交通省、経済産業省が管轄しており、対象となる工事内容や補助額、申請期間などが異なります。例えば、「先進的窓リノベ2025事業」は窓やドアの断熱改修に特化した補助金制度で、内窓設置も対象となります。補助額は設置する窓の性能やサイズによって定められています。
一方で、「子育てエコホーム支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯が行う省エネ改修などを支援する制度で、内窓設置も対象工事の一つに含まれますが、必須工事と組み合わせる必要があります。
地方自治体独自の補助金制度も存在するため、お住まいの地域の情報を確認することも重要です。複数の補助金制度を併用できる場合もありますが、それぞれに条件があるため、事前に詳細を確認し、リフォーム会社と相談することをおすすめします。
補助金の申請条件
窓のリノベーションで補助金を利用するには、いくつかの申請条件を満たす必要があります。多くの補助金制度では、設置する内窓や二重窓に一定の断熱性能が求められます。
例えば、「先進的窓リノベ2025事業」では、断熱性の高い高性能な断熱窓への改修が条件の一つとなっています。また、申請者の要件として、リフォームを行う住宅の所有者であることや、税金の滞納がないことなどが挙げられる場合があります。制度によっては、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象としたものもあります。
申請手続きはリフォーム事業者が代行する場合が多く、補助金の交付申請に必要な書類として、補助金利用の同意書、工事請負契約書のコピー、本人確認書類、住宅を証明する書類、設置する窓の性能がわかる書類、リフォーム前後の写真などが必要となることも。申請期間が設けられているため、期間内に手続きを行う必要があります。
補助金の予算には上限があり、申請期間内であっても早期に締め切られる可能性もあるため、早めの検討と準備が重要です。
補助金の対象工事
窓のリノベーションで補助金の対象となる工事内容は、制度によって異なりますが、主に窓の断熱性能を向上させるための工事が対象となります。内窓・二重窓の設置は多くの補助金制度で主要な対象工事の一つです。既存の窓の内側に新たな窓を取り付け、既存窓との間に空気層を作ることで断熱効果を高める改修が該当します。
その他にも、既存の窓枠をそのままにガラスのみを高性能な複層ガラスなどに交換する工事や、既存の窓サッシごと新しい断熱性の高い窓に交換する外窓交換(カバー工法やはつり工法)なども対象となる場合があります。ドアの交換も対象に含まれる制度も見られます。これらの工事に使用される製品には、一定の断熱性能基準が設けられていることが一般的です。
補助金の対象となる具体的な工事内容や製品の基準については、各補助金制度の公募要領などで詳細が定められているため、事前に確認することが重要です。
内窓・二重窓リノベーションの費用相場
内窓・二重窓リノベーションの費用は、設置する窓のサイズや種類、選択するガラスの性能、窓の数などによって大きく変動します。
一般的に、1ヶ所あたりの費用相場は8万円から30万円程度とされています。腰高窓のような比較的小さな窓であれば4万円から6万円程度で施工できる場合もあります。
一方、掃き出し窓のような大きな窓や、断熱性能・防音性能の高いガラスを選択した場合は、費用が高くなる傾向にあります。複数の窓をまとめてリフォームすると、1ヶ所あたりの費用が割安になることもあります。費用には、内窓の本体価格と工事費用が含まれます。
内窓の取り付け工事自体は比較的短時間で完了することが多く、工賃が抑えられる要因の一つです。正確な費用を知るためには、複数のリフォーム会社から相見積もりを取り、具体的な工事内容に基づいた詳細な見積もりを確認することが重要です。
窓の工事の流れとポイント
窓のリノベーション工事は、比較的短期間で完了することが多いリフォームです。一般的な流れとしては、まずリフォーム会社に相談し、現地調査で窓のサイズや状態を確認してもらい、要望に沿った提案と見積もりを受けます。契約後、内窓の製作が行われ、準備が整い次第工事が実施されます。
工事自体は1窓あたり1時間程度で完了することもあり、大掛かりな作業になりにくい点が特徴です。ただし、窓のサイズや設置場所の状況、使用する製品によっては工期が異なる場合もあります。
工事中のポイントとしては、既存の窓枠の奥行きが内窓設置に足りない場合に「ふかし枠」を取り付けることがありますが、これにより室内側に張り出しが生じるため、事前にリフォーム会社と納まりについて確認しておくことが大切です。また、戸建ての場合、窓の種類やサイズに合わせて採寸が行われ、製作された窓を取り付ける流れとなります。
工事の手順とスケジュール
内窓・二重窓のリフォーム工事は、一般的に以下の手順で進められます。
まず、リフォーム会社に相談し、現地調査を依頼します。現地調査では、窓のサイズや既存の窓枠の状況、部屋の雰囲気などを確認し、最適な内窓のタイプや仕様を選定するための採寸が行われます。特に戸建ての場合、窓一つ一つの状態が異なることもあるため、丁寧な調査が重要です。
次に、リフォーム会社からの提案に基づき、使用する内窓の製品やガラスの種類、費用などを確認し、契約を締結します。契約後、選定した窓のサイズに合わせて内窓がメーカーに発注・製作されます。製作には通常2週間程度かかりますが、補助金申請期間などで注文が集中する場合はさらに時間がかかることもあります。
内窓が納品されたら、いよいよ取り付け工事となります。取り付けは既存の窓枠の内側に新たな窓枠を取り付け、そこに内窓を設置していく作業です。1窓あたりの工事時間は比較的短く、1時間程度で完了することが多いですが、窓の数や大きさ、取り付け箇所の状況によっては数時間かかることもあります。
全ての窓の取り付けが完了したら、最終的な確認を行い、工事完了となります。
全体的なスケジュールとしては、相談から工事完了まで1ヶ月から長くて2ヶ月程度を見込んでおくと良いでしょう。
工事中の注意点
内窓・二重窓のリフォーム工事中に注意しておきたい点がいくつかあります。
まず、工事中は作業員が室内に出入りするため、貴重品は適切に管理しておきましょう。また、工事箇所の周囲には物を置かないように片付けておくと、作業がスムーズに進みます。特に戸建てのリフォームで複数の窓を同時に工事する場合や、掃き出し窓など大きな窓の工事では、作業スペースの確保が必要になることがあります。
工事中は多少なりとも音が発生するため、在宅ワークなどで静かな環境が必要な場合は、事前にリフォーム会社に相談し、工事時間などを調整してもらうと良いでしょう。
内窓設置に伴い、既存の窓枠の奥行きが足りない場合に「ふかし枠」を取り付けることがありますが、これにより窓枠が室内側に張り出すことになるため、家具の配置などに影響がないか事前に確認しておくことも重要です。マンションの場合は、管理規約によって窓のリフォームに制限がある場合があるため、事前に管理組合に確認しておく必要があります。
リフォームを成功させるためのチェックポイント
内窓・二重窓のリフォームを成功させるためには、いくつかのチェックポイントがあります。
まず、リフォームの目的を明確にすることが重要です。断熱性向上、結露対策、防音、防犯など、何を一番改善したいのかを整理することで、最適な内窓の製品やガラスの種類を選ぶことができます。
次に、複数のリフォーム会社から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。費用だけでなく、使用する製品の詳細や工事内容、保証内容などをしっかりと確認することが大切です。安さだけで決めると、希望する効果が得られなかったり、ずさんな工事になったりする可能性もあります。
リフォーム会社の施工実績や評判も確認し、信頼できる業者を選ぶことが成功の鍵となります。特にマンションのリフォームの場合、管理規約によって窓の改修に制限があることが多いため、事前に管理組合に確認し、承認を得る必要があります。
また、補助金制度を活用する場合は、制度の要件を満たす製品選びや申請手続きが必要となるため、補助金に詳しいリフォーム会社を選ぶとスムーズに進められるでしょう。契約前には、工事内容、費用、工期、支払い条件などを明確にした契約書を交わし、内容を十分に理解しておくことが後々のトラブルを防ぐことに繋がります。
窓のリノベーションの事例
すりガラスタイプの二重窓に
もともとあった窓に断熱・寒さ対策としてすりガラスタイプの二重窓を取り付けました。すりガラスなので、カーテンなしでも視線が気になることなく、自然採光を入れながら圧迫感のないキッチンになりました。
マンションの場合、リノベーションで既存の窓を交換することができないことがほとんどです。二重窓にすることで見た目や機能面をグレードアップさせることができます。
外壁工事の予定がないなら、二重窓がおすすめ
戸建ての場合でも断熱性を高める二重窓はおすすめです。窓を交換すると周辺の外壁まで補修する必要があり、外壁の工事をするつもりのない場合には工事費用が高く感じるでしょう。一方で、二重窓の設置には内装の工事のみで設置可能なため、費用を抑えたい方におすすめです。
まとめ:窓リノベは断熱や防音など目的を明確に!
内窓・二重窓のリフォームは、既存の窓の内側にもう一枚窓を設置することで、戸建てやマンションの断熱性や防音性を向上させ、結露対策にも効果的なリフォーム方法です。
冷暖房効率が高まることで光熱費の削減にも繋がり、快適な室内環境を実現できます。費用は窓のサイズや種類、性能によって異なりますが、1ヶ所あたり数万円から数十万円が目安です。国の「窓リノベ」などの補助金制度を活用することで、費用負担を大きく軽減できる可能性も。
リフォームを成功させるためには、目的を明確にし、複数のリフォーム会社から見積もりを取り、信頼できる業者を選ぶことが重要です。特にマンションの場合は、管理規約の確認が必要です。
窓の開閉や掃除の手間が増えるといったデメリットも理解した上で、自身の住まいやライフスタイルに合った計画を立てることが大切です。今回の情報を参考に、内窓・二重窓リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。