窮屈な玄関から、通いたくなる場所へ。― 子どもたちとつくった、新しい“入り口”の話

目次
KUJILIKEって?
「KUJILIKE」は“DIY”を通して“子どもたちの機会格差”を減らすクジラ株式会社独自の活動です。
児童養護施設で暮らす子どもや障害のある子どもは、環境によって出会い・挑戦・成功体験が限られやすいという課題があります。
私たちは各施設を訪問し、子どもたちと一緒に「つくる」プロセスを設計。
空間が整うことで日々の快適さが上がり、同時に“自分の手で変えられる”感覚を育みます。
大切にしているのは、失敗してもやり直せる安全な挑戦の場を用意し、「自分にもできる」「未来を選べる」という自己効力感につなげることです。
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毎日ぶつかる、小さな「不便」

施設の方からは、「子どもたちの出入りが重なる時間帯になると、どうしても玄関が混み合ってしまう」という声を聞いていました。
靴を脱いだり、置いたりするスペースが十分とは言えず、動線が重なりやすい状態が続いていたといいます。
本来、玄関は気持ちを切り替え、活動へと向かうための大切な入口。
だからこそ、もう少し余白があり、落ち着いて使える空間にできたら──
そんな施設側の想いが、この取り組みの出発点でした。
“直す”ではなく、“つくり変える”という選択

私たちは、玄関そのものの在り方を見直すことにしました。
既存の玄関だけで解決するのではなく、階段を上がった先のスペースを新たな玄関として捉え直すことに。
子どもたちと一緒にシューズラックをDIYで制作し、新しい玄関と既存の居室との境目には、塩ビタイルを貼って床の切り替えを行います。
子どもたちがこの場所に通う日々の様子を思い描きながら、空間を一から考えていきました。
失敗を恐れず、やってみたいと思えた瞬間

塩ビタイルを貼ることも、靴箱をつくることも、子どもたちにとっては初めての、決して簡単ではない作業です。
使ったことのない工具を手にしながらも、普段から現場に立つスタッフがそばにつき、ひとつひとつ丁寧に伝えていきます。
失敗しても大丈夫。
そう声をかけられながら、子どもたちは少しずつ手を動かし、できなかったことが、できるようになっていく。
みんなで協力し、一つの空間を完成させる経験は、「大人ってかっこいい」「やってみたい」という憧れと、
挑戦することの楽しさを、子どもたちの中に残していきました。
玄関が変わると、通う時間の気分が変わる

完成した新しい玄関は、明るく、広がりのある空間になりました。
靴は自然と整い、立ち止まって会話ができる余白も生まれています。
外に出るときは、少し背筋が伸びる。
施設に入るときは、ふっと気持ちが緩む。
フリースクールの“顔”ともいえる玄関が変わったことで、子どもたちがこの場所へ通う時間の印象も、確かに変わりました。
学びや居場所は、誰かに一方的に与えられるものではなく、自分たちの手で、少しずつ良くしていけるもの。
その実感こそが、これから先の未来をつくる力になると、KUJILIKEは信じています。



