2026.03.23
最終更新日
2026.03.23
KUJILIKE

「今日眠い人?」子どもたちの“秘密会議”から生まれた、職員さんへのサプライズ靴箱

KUJILIKEって?

「KUJILIKE」は、“DIY”を通して“子どもたちの機会格差”を減らす、クジラ株式会社独自の活動。
児童養護施設で暮らす子どもや障害のある子どもは、環境によって出会い・挑戦・成功体験が限られやすいという課題があります。
私たちは各施設を訪問し、子どもたちと一緒に「つくる」プロセスを設計。空間が整うことで日々の快適さが上がり、同時に“自分の手で変えられる”感覚を育んでいきます。
大切にしているのは、失敗してもやり直せる安全な挑戦の場を用意し、「自分にもできる」「未来を選べる」という自己効力感につなげること。

今回は、その活動のご報告です。

玄関の靴が教えてくれた、小さな困りごと

施設の玄関には、子どもたちと職員さんの靴が並びます。
しかし、その靴をきれいに整理するための場所がありませんでした。

誰の靴がどこにあるのか分かりづらく、子どもたちと職員さんの靴も同じ場所に並んでしまう状態。忙しい朝には、靴を探す小さなストレスも生まれていました。

玄関は、その場所に暮らす人が必ず通る場所です。
だからこそ、毎日少しずつ積み重なる「ちょっとした不便」は、生活の心地よさにも影響します。

以前、子どもたちの靴箱をDIYで作ったことがありました。
そこで今回は、日々子どもたちを支えている職員さんのための靴箱を作ることに。

ただ整理するだけではない、もう一つの目的を込めて。

子どもたちの“秘密のリモート会議”

今回の靴箱づくりには、ある作戦がありました。
それは、職員さんには内緒のサプライズ計画です。

事前に子どもたちと「秘密のリモート会議」を開催。
職員さんに気づかれないように、どんな靴箱にしたら喜んでもらえるか、アイデアを出し合いました。

そこで生まれたのが、靴箱に取り付ける“言葉の仕掛け”。
プラ板に書くフレーズを子どもたちと一緒に考えました。

「どんな靴箱なら喜んでくれるかな?」
「靴入れる場所にさ、なんか言葉書いてあったら面白くない?」

その一言で、会議の空気が一気に動きました。

「それいい!」
「じゃあ先生によって違う言葉にしようよ」

アイデアが次々と飛び出します。

そのとき、別の子がふっと言いました。

「“今日眠い人”とかどう?」

一瞬静かになったあと、
画面の向こうから笑い声が上がります。

「それ絶対〇〇先生じゃん!」
「朝めっちゃ眠そうなときあるよね!」

誰のことを思い浮かべているのか、
みんなすぐに分かっている様子でした。

その他にも案がどんどん飛び出し、あっという間にメモ用紙がいっぱいになりました。
今日夢見た人、お腹空いている人、肩凝っている人・・・

靴を入れる場所によって言葉が変わる、ユーモアのある靴箱になる予感がしていました。

子どもたちが職員さんに思わず話しかけたくなるような、会話が生まれる仕掛け。
靴箱を作ったあとの日常まで想像しながら、今回のDIYの設計は進んでいきました。

「職員さん、喜んでくれるかな?」

DIY当日、子どもたちはただ作業をするだけではありませんでした。

「この言葉、絶対おもしろいよ」
「〇〇先生ここに入れるかな?」

そんな会話が自然と生まれていきます。

日頃お世話になっている職員さんの顔を思い浮かべながら、
「どうしたら楽しんでもらえるか」を考えて作業を進める子どもたち。

完成まで職員さんには秘密。
だからこそ、子どもたちの表情にはワクワクがあふれていました。

モノづくりは、ただモノを作ることではありません。
誰かのことを想像し、相手のために工夫する時間そのものが、かけがえのない経験になります。

この靴箱づくりには、そんな瞬間がたくさん詰まっていました。

靴箱が生んだ、サプライズと会話

靴箱が完成したあと、いよいよサプライズの瞬間です。

職員さんに新しい靴箱を見てもらうと、そこにはユーモアのある言葉が並んでいました。

思わず笑いながら靴を入れる職員さん。
「え、なにこれ…“今日眠い人”?!」

その瞬間、
周りにいた子どもたちが声を上げます。

「ほら!やっぱり!」
「先生そこだよ!」
その様子を見て、子どもたちも嬉しそうに話しかけます。

靴箱は、ただ靴を整理するための家具ではありません。
そこには子どもたちの「ありがとう」と、「話しかけるきっかけ」が詰まっています。

玄関で生まれる何気ない会話。
その小さなコミュニケーションが、日常を少しずつ温かくしていきます。

最後に

今回のDIYで子どもたちが作ったのは、靴箱だけではありませんでした。

職員さんへの感謝の気持ち。
誰かのために考える時間。
そして、人と人をつなぐ会話のきっかけ。

それらすべてが、この靴箱には詰まっています。

KUJILIKEはこれからも、子どもたちが新しい経験に出会い、
自分の手で未来をつくるきっかけとなる場を届けていきます。

WRITERこの記事を書いた人

ディレクター

尾崎 万里菜MARINA OZAKI

ディレクター / 滋賀県近江八幡市出身 / 服が好き、美味しいご飯を食べに行くことが好きです。/ 居心地が良く、使い勝手も良い。誰かに自慢したくなるような空間ができるようお手伝いさせて頂きます!

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