2024.09.27.Fri リノベーションのヒント

設計事務所にリノベーションを依頼するメリット・デメリットをご紹介

マンションのリノベーション

こんにちは!クジラ株式会社の松尾です!
設計事務所にリノベーションを依頼することで、オリジナリティあふれる住まいを実現することも夢じゃありません。一方で、費用や施工期間に注意が必要となるため、この記事では具体的なメリットとデメリットをご紹介します。

Writer
松尾翔
デザイナー WORKS
大学院中退後は設計デザイン事務所で修行を積み、2018年にクジラにジョイン。住宅から店舗まで幅広く設計案件を担当。「SEKAI HOTEL」のデザイン統括も担当している。
CREATOR’s STORY|松尾 翔

設計事務所リノベーションの概要

リノベーション 設計事務所
リノベーションを考える際に、どこに依頼するかは重要なポイントの一つです。選択肢として一般的なのが、リフォーム会社や設計事務所、そしてリノベーション専門会社です。それぞれに特長がありますが、今回は設計事務所にリノベーションを依頼する場合のメリットとデメリットについて詳しくご紹介します。

設計事務所は建物の設計やデザインを専門に行うプロフェッショナルが所属する場所で、建築家が直接、あなたの家を設計し、デザインを考案します。リノベーションを依頼することで、一般的なリフォームでは得られない、独自のデザインやオリジナルな住まいを手に入れることが可能になります。

設計事務所が対応する範囲

設計事務所にリノベーションを依頼する場合、その対応範囲は非常に広範です。設計事務所は、単なる内装の変更にとどまらず、建物全体の構造や配置、そしてデザインに至るまで、細部にわたって対応します。たとえば、間取りの変更や建物の増改築、新築と同様の大規模な改修工事まで行うことが可能です。

また、設計事務所はリノベーションのプランニングだけでなく、設計図面の作成、施工管理、さらには建築確認申請などの手続きまで一貫してサポートします。このように、設計事務所はリノベーション全体をトータルにコーディネートするため、依頼主が希望する理想の住まいを実現するための強力なパートナーとなるでしょう。

さらに、設計事務所は住まいの長期的な価値向上を視野に入れた提案ができる点も魅力です。たとえば、エネルギー効率の改善や耐震補強、バリアフリー化など、将来的なライフステージや社会的なニーズの変化に対応したプランニングが可能です。これにより、単なるリノベーションにとどまらず、資産価値の維持・向上を目指すことができるのです。また、個々の住まい手のライフスタイルに合わせたカスタマイズも実現しやすく、長く愛される住空間を作り上げることが期待できます。

リフォーム会社との違い

設計事務所とリフォーム会社の違いについても理解しておくことが大切です。リフォーム会社は、主に住宅の部分的な改修や補修を担当します。例えば、キッチンやバスルームのリフォーム、壁紙の張り替えなど、比較的小規模な工事を得意としています。リフォーム会社は工事のスピードやコスト面でのメリットがあり、迅速に対応できるのが特徴です。

一方で、設計事務所はリノベーションの企画からデザイン、施工まで一貫して対応することができます。特にデザインにこだわりたい場合や、建物の構造を大きく変更するような大規模なリノベーションを考えている場合には、設計事務所に依頼する方が適しています。設計事務所は、建築のプロフェッショナルである建築家が直接設計を担当するため、より高度なデザインや複雑なプランニングが可能です。
加えて、設計事務所は独自の視点から、建物全体のバランスや機能性を考慮した設計が可能です。これにより、家の美観だけでなく、住みやすさや耐久性も向上させることができます。

また、設計事務所はクライアントの要望を細かく反映し、オーダーメイドのプランを提供することが多いため、唯一無二の住まいを実現できます。一方、一般的なリフォーム会社は標準的な仕様や既存のプランを基にした提案が多く、迅速な施工が求められる場合に適しています。

相場観

設計事務所にリノベーションを依頼する場合の費用は、リフォーム会社に依頼する場合と比べて高くなることが一般的です。これは、設計事務所が提供するサービスがより専門的であり、デザインやプランニングに時間と労力がかかるためです。
一般的なリノベーションの費用は、工事の規模や内容によって大きく異なりますが、設計事務所を通じてリノベーションを行う場合、相場としては1,000万円以上かかることが多いです。また、設計料として工事費用の10%から15%程度が追加で発生することもあります。したがって、予算には余裕を持って計画を立てることが重要です。

しかし、費用が高いからといって必ずしも選ばない理由にはなりません。設計事務所が提供するデザインやプランニングの自由度、そして完成度の高さは、費用に見合った価値を持つことが多いです。そのため、自分たちが求める住まいにどれだけ投資できるかを考慮し、設計事務所を選ぶかどうかを判断するとよいでしょう。

また、設計事務所に依頼することで、将来的なメンテナンスコストの削減や資産価値の向上といった長期的なメリットも期待できます。高品質な素材や最先端の技術を使用することで、耐久性や断熱性能が向上し、結果として長期間にわたり快適な住環境が維持されることが多いです。さらに、細部にまでこだわったデザインは、満足度が高く、長年にわたって愛される住まいを実現します。設計事務所に依頼することで、単なる工事を超えた価値を得られるでしょう。

設計事務所にリノベーションを依頼するメリット

リノベーション 設計事務所
設計事務所にリノベーションを依頼することには多くのメリットがあります。特に、デザインや設計の自由度を重視する方にとっては、設計事務所は非常に魅力的な選択肢となります。以下に、具体的なメリットについて詳しく解説します。

設計士によるデザイン力の強み

設計事務所にリノベーションを依頼する最大のメリットは、何といってもデザイン力の高さです。設計事務所には、建築家としての経験と技術を持ったプロフェッショナルが多数在籍しており、これまでに培ったノウハウをもとに、オリジナリティあふれるデザインを提供します。

また、設計事務所に依頼することで、住み手のライフスタイルや趣味嗜好に合わせたカスタマイズが可能です。例えば、家族の成長に合わせて変化する空間や、趣味を楽しむための特別なスペースなど、一般的なリフォームでは実現が難しい細やかな要望にも応えてくれます。

さらに、設計事務所は最新のデザイントレンドや技術を取り入れることに長けているため、他とは一線を画す、ユニークで魅力的な住まいを実現できるでしょう。例えば、素材選びや照明の配置、窓のデザインなど、細部にわたるこだわりが感じられる家づくりが可能です。

プランの自由度が高い

設計事務所に依頼するもう一つの大きなメリットは、プランの自由度が非常に高い点です。リノベーションを行う際、既存の建物をどのように活かしつつ、新しい空間を作り上げるかは重要なポイントです。設計事務所では、間取りの変更や新たな構造の追加など、柔軟な設計が可能です。
例えば、吹き抜けのリビングを作ったり、オープンプランのキッチンを設けたりと、自由な発想でプランニングすることができます。これは、設計事務所が一から設計図を引き、依頼主の要望に合わせたプランを提案するためです。また、設計事務所では、耐震性や断熱性など、住まいの性能面にも配慮しつつ、デザイン性を高める提案を行います。

このように、設計事務所に依頼することで、既存の制約にとらわれない、自由な発想によるリノベーションが可能となり、理想の住まいを実現するチャンスが広がります。

設計事務所にリノベーションを依頼するデメリット

リノベーション 設計事務所 デメリット
設計事務所にリノベーションを依頼するメリットは多いですが、デメリットについても理解しておくことが重要です。以下に、設計事務所に依頼する際に考慮すべきデメリットを詳しく説明します。

設計料が高いことがある

設計事務所にリノベーションを依頼する際に最も気になるのが、費用の問題でしょう。設計事務所は専門的なサービスを提供するため、設計料が高く設定されていることが多いです。通常、設計料は工事費用の10%から15%程度が一般的ですが、複雑なプランニングや特別なデザインを依頼する場合には、さらに高くなることもあります。

また、設計事務所によっては、初回の相談料やプランニングの段階で費用が発生する場合もあります。このように、設計事務所に依頼する際には、リノベーション全体の予算に加え、設計料も含めて費用を見積もることが大切です。

リノベーション費用が増える可能性

設計事務所にリノベーションを依頼する際、費用が増える可能性があることは考慮しておくべきポイントです。設計事務所はデザインにこだわり、質の高い仕上がりを目指すため、予想以上のコストが発生することがあります。例えば、設計の過程でより良いアイデアが出てきたり、打ち合わせを重ねるうちに依頼主の要望が変わったりすることで、追加の設計費用や工事費が発生することがあります。

また、設計事務所が提案するデザインや素材が高品質である場合、それに伴う工事費用も高額になることが多いです。初期の予算計画では考慮していなかった部分に費用がかかることもあるため、全体の予算を慎重に管理することが重要です。設計事務所としっかりコミュニケーションを取り、予算オーバーを防ぐための対応策を事前に話し合うことが求められます。

契約前の費用発生

設計事務所にリノベーションを依頼する場合、契約前に発生する費用も注意すべき点です。多くの設計事務所では、初回のヒアリングやプランニングの段階で、見積もりや概算費用を提示することがありますが、その過程で設計料が発生する場合があります。この設計料は、契約前に支払うケースもあり、費用の発生時期について事前に確認しておくことが必要です。

設計事務所との契約は、設計図やプランが具体化した段階で行われることが一般的ですが、契約に至るまでのプロセスで発生する費用は、依頼主にとって予想外の出費となることがあります。したがって、契約前にどのような費用が発生するかを明確にしておき、それに対する準備を整えておくことが大切です。

デザインと住みやすさの均衡

設計事務所に依頼する際に考慮すべきもう一つのデメリットは、デザインと住みやすさの均衡を取ることが難しい場合があるという点です。設計事務所が提案するデザインは、非常に洗練されていて視覚的に魅力的であることが多いですが、それが必ずしも住みやすさや実用性を兼ね備えているとは限りません。

例えば、斬新なデザインのキッチンやバスルームが提案されたとしても、それが日常生活の中でどれほど使いやすいかは別の問題です。設計事務所はデザインに重きを置く傾向があるため、依頼主が実際に暮らす上での利便性や快適性が犠牲になる可能性があります。そのため、デザイン性と住みやすさのバランスを考え、設計事務所との打ち合わせの際には自分たちのライフスタイルや優先事項をしっかり伝えることが重要です。

完成までに時間がかかることがある

設計事務所にリノベーションを依頼すると、完成までに時間がかかることがあるのもデメリットの一つです。設計事務所はデザインやプランニングに時間をかけるため、リノベーションのプロジェクト全体が長期にわたることがあります。特に、オリジナルデザインやカスタムメイドの要素が多い場合、その設計や施工にかかる時間はさらに増加します。

また、施工中に予期せぬ問題が発生したり、追加の設計変更が必要になったりすることも、プロジェクトの遅延につながる可能性があります。完成までに時間がかかることで、仮住まいの費用や引越しのスケジュールにも影響が出るため、プロジェクトのスケジュール管理には十分な注意が必要です。設計事務所との間で現実的なタイムラインを設定し、スムーズに進行するように調整していくことが求められます。

設計事務所の選び方のポイントは

リノベーション 設計事務所 ポイント
設計事務所を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。まず、設計事務所の実績や評判を確認することが大切です。過去のプロジェクトや実際に手掛けた住宅を見学することで、その事務所がどのようなデザインや施工を得意としているのかを理解できます。また、依頼主の希望に対してどれだけ柔軟に対応できるか、コミュニケーションの取りやすさも選ぶ際の重要な要素となります。

次に、設計事務所の得意分野を理解しておくことも重要です。例えば、モダンなデザインが得意な事務所や、伝統的な日本家屋のリノベーションに強みを持つ事務所など、事務所ごとに特化した分野があります。自分たちの求めるデザインやリノベーションの方向性と合致するかを見極めることで、より満足度の高い結果を得ることができるでしょう。

さらに、予算や費用面も重要な判断材料です。設計事務所ごとに費用構成や料金体系が異なるため、事前に見積もりを複数の事務所から取って比較することが賢明です。また、追加費用が発生する可能性についても詳しく確認し、予算内で納まるように計画を立てることが求められます。

設計事務所リノベーションが適している人

リノベーション 設計事務所
設計事務所リノベーションが特に適しているのは、デザイン性に強いこだわりを持ち、自分だけのオリジナルな空間を作りたいと考えている方です。設計事務所は、他では得られない独自のデザインやアイデアを提供することができるため、一般的なリフォームでは物足りないと感じる方にとって理想的な選択肢となります。

また、建物の構造や間取りに大きな変更を加えたい場合にも、設計事務所は非常に適しています。大規模な改修や新築に近いリノベーションを考えている方は、建築のプロフェッショナルである設計事務所に依頼することで、より安全で機能的な住まいを手に入れることができるでしょう。

さらに、時間と予算に余裕があり、細部にまでこだわりたい方にも、設計事務所は適しています。設計事務所とのプロジェクトは時間がかかることが多いため、完成までのプロセスを楽しむ心構えがある方にとって、設計事務所との共同作業は非常に充実したものとなるでしょう。

デザインとコストのバランスが取れたリノベ専門店の選び方

リノベーション 設計事務所
デザインとコストのバランスを考慮してリノベーションを行いたい場合、リノベ専門店の選び方が重要になります。リノベ専門店は、設計事務所とは異なり、デザインと施工を一括で行うことができるため、費用の透明性が高く、予算管理がしやすいというメリットがあります。しかし、その中でもバランスの取れた選択をするためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

まず、リノベ専門店の実績を確認しましょう。過去の施工事例やお客様の声を通じて、その専門店がどのようなリノベーションを得意としているか、どの程度のコストで提供しているかを理解することができます。また、施工事例を参考に、自分たちの理想とするデザインや仕上がりと一致するかどうかを見極めることが重要です。

次に、初回のカウンセリングや打ち合わせでの対応もポイントです。リノベ専門店が依頼主の要望をしっかりとヒアリングし、予算内で最大限のデザインを提案してくれるかを確認します。デザインの提案力やアイデアの豊富さだけでなく、コストを抑える工夫やコストパフォーマンスの良い素材の提案など、予算に合わせた柔軟な対応ができる専門店を選ぶと良いでしょう。

さらに、専門店の信頼性も大切です。施工の品質やアフターサポートについての評判を確認し、トラブルが少なく、安心して任せられる業者であるかを見極めます。リノベーションは長期間にわたるプロジェクトとなるため、信頼できるパートナーとして、しっかりサポートしてくれるリノベ専門店を選ぶことが成功の鍵となります。

また、見積もりを複数のリノベ専門店から取り寄せ、内容を比較検討することも重要です。見積もりの内訳が明確であること、追加費用が発生しにくいこと、そして予算内で最大の成果を出せる提案がされているかを確認しましょう。そうすることで、デザインとコストのバランスが取れたリノベーションを実現することができます。

何を重視するかで設計事務所を選ぶ

リノベーション 設計事務所
設計事務所にリノベーションを依頼することには、数々のメリットとデメリットが伴います。設計士の高いデザイン力と自由度の高いプランニングは、個性的でオリジナリティのある住空間を実現するための大きな魅力です。一方で、費用が増加する可能性や、完成までの時間が長くなることがあるため、慎重な計画と予算管理が求められます。

設計事務所を選ぶ際には、その実績や得意分野、依頼主とのコミュニケーションの取りやすさなどをしっかりと確認することが重要です。また、設計事務所リノベーションは、特にデザインにこだわり、既存の枠にとらわれない独自の空間を求める方に適しています。

一方で、デザインとコストのバランスを重視する場合には、リノベ専門店の選択肢も検討する価値があります。リノベ専門店は、デザインから施工まで一貫して対応し、予算管理をしやすくするため、費用と仕上がりのバランスを取りたい方に向いています。複数の専門店から見積もりを取り、信頼できるパートナーを見つけることが、満足のいくリノベーションを実現するための鍵となります。

リノベーションは住まいを一新する大きなプロジェクトです。設計事務所とリノベ専門店、それぞれの特徴を理解し、自分たちの希望やライフスタイルに合った選択をすることで、理想の住まいを手に入れることができるでしょう。しっかりと準備を整え、信頼できるパートナーとともに、夢の住まいを実現していきましょう。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

松尾 翔SHO MATSUO

デザイナー / 兵庫県神戸市出身 / 空間や思考においてギャップを作ること。
それらがお客様やゲストなどの利用者にとって、良い意味での驚きや心を踊らせるような体験に繋がると信じています。 / 私たちの仕事はカッコいい空間を作ることではなく、お客様の暮らしがより素敵になるようにデザインすることです。
プロとしてお客様のご要望を叶えるだけではなく、言葉にできない "想い" を引き出し、表現することを心掛けています。

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