2025.03.19
最終更新日
2025.03.24
リノベーションのヒント

追い焚きできないマンションのお風呂をリノベーション!メリットデメリットも紹介

マンションリノベ 追い焚き

こんにちは!クジラ株式会社の菅原です!

Writer
菅原沙絵
デザイナー WORKS
2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。
お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。
CREATOR’s STORY|菅原 沙絵

古いマンションの場合、お風呂に追い焚き機能がついていないことがよくあります。その場合におすすめなのが、「追い焚き機能を追加する」リノベーション。
追い焚き機能があることで、お風呂を沸かした直後でなくても、家族全員がいつでも温かいお風呂でリラックスすることができます。家族で住んでいる場合はもちろん、一人暮らしでも冬の寒い時期などにはとてもうれしい機能です。

ただし追い焚き機能を導入するには、給湯器やお風呂を追い焚き機能付きのものに変えるだけではなく、配管の工事やそれに伴う設計が必要となる場合も多くあります。

マンションの場合は、管理組合への確認も必要です。費用についても、気になるところ。そこで今回は、お風呂に追い焚き機能をつける場合のメリットデメリットや注意点、予算についてなどを見ていきましょう。

追い焚きとは?その仕組みと特徴を解説

マンションリノベ 追い焚き
「追い焚き機能」とは、追い焚きボタンを押すだけで浴槽内の湯温を再び温かくしてくれる便利な機能ということまでは知っている、という人も多いでしょう。ですが、どんな仕組みでお湯が温められるかということまでは、知らないのではないでしょうか。

追い焚きとは、湯を循環させて浴槽内のお湯を温める「循環釜直結方式」という仕組み。大きく分けて「自然循環方式」と「ポンプ循環式(強制循環方式)」の2種類があります。以下にその特徴を詳しく説明しましょう。

自然循環方式

浴槽内に2つの穴が上下に並んでいるタイプ。下の口から冷めたお湯を吸い込み風呂釜内で温めて上の口からお湯を出すことで、浴槽内の湯温を上げます。

ポンプ循環式(強制循環方式)

浴槽内に1つの穴しかないタイプ。冷めたお湯を吸い込み給湯器内で温めてから同じ穴からお湯を出すことで、浴槽内の湯温を上げます。

また追い焚きではないですが、「給湯方式」は、浴槽にさらに熱湯を足すことでお湯の温度を上げる仕組み。いわゆる「足し湯」です。最近では足し湯と循環釜直結方式の双方を兼ね備えている、ハイブリッドな給湯器も多く出ています。

マンションでの追い焚き設置は可能?

追い焚きの仕組み
追い焚き機能を設置する場合には、いくつか注意すべき点があります。
まず、設置したい物件に追い焚きに対応した配管が整っているかを確認することが重要です。既存の配管を改修しなければならない場合は、工事内容や費用について事前に把握しておきましょう。

またマンションの場合は新たに追い焚き機能を設置する際、管理組合の承諾が必要です。管理規約によっては、追い焚き機能の追加が制限されている場合もあります。必ず事前に確認するようにしましょう。

追い焚き配管の交換が必要な場合

配管が劣化している場合や熱源の位置が適切でない場合は、追い焚き配管の交換が必要となってきます。その際は設置スペースの確認や、配管の経路を考えることも重要です。リノベーションで追い焚き機能を追加する場合は、これらの要因を事前に確認しておくことが必要不可欠です。その上でリノベーションプランも変わってきます。

また、配管を交換する場合は想定よりも多くのコストがかかる場合も多くあるため、予算についてもあわせて確認しておくとよいでしょう。

追い炊きを追加するためのポイント

追い炊き機能を追加するためには、おさえておきたいポイントがいくつかあります。

一つ目は、既存の物件の配管や給湯器の状態。特に配管については、追い炊きに適しているかどうかを判断することが重要です。

二つ目は、専門的な知識が豊富なリノベーション業者を探すこと。追い焚き機能追加リノベーションの実績を多くもつかどうかや、品質保証や丁寧なアフターサービスがあるかどうかも確認しておくといいでしょう。

管理組合への確認が重要

共用部分が多いマンションでは、個々住戸での工事が他の住戸に影響を及ぼす可能性があります。そのため、マンションの場合は管理組合への確認も欠かせません。規約や制約事項を確認し、問題ないかどうかを確かめておきましょう。その上でリノベーションプランを立てつつ、その内容も随時管理組合と連携することで、後のトラブルを避けることができるでしょう。

追い焚き機能を追加する流れと注意点

マンションリノベーション  追い焚き
追い焚き機能を追加する際の流れについて、見ていきましょう。まずは、既存の給湯器の性能や配管の状態を確認します。そうすることで、希望している状態でのリノベーションが可能かどうかをあらかじめ判断することができます。古い物件などは当然配管も劣化していることが考えられ、その場合は、交換が必要となることも多くあります。

次に、希望の追い焚き機能と工事内容の検討です。マンションの場合は組合の規約に従った施工が求められるため、このタイミングで管理組合へ確認しましょう。これらの過程を経て問題点を洗い出し解決した上で、ようやく着工へと進めることができます。

給湯器の交換と配管経路の確認

まずは、既存の給湯器の性能や配管の状態を確認します。給湯器の交換を行う際には、まずその配管経路の確認が不可欠です。これにより、既存の配管が新しい給湯器と適合するかや、どういった改修が必要であるかが明らかになります。その上で、希望するリノベーションが可能かどうかをあらかじめ判断できるのです。

築古物件などは当然配管も劣化していることが考えられ、配管が老朽化している場合は、交換しなければなりません。配管の容量についての調査や配置するスペースの検討も必要です。しかるべき場所に適切な内容で配置することで、給湯器の性能を最大限に引き出せます。そのため、慎重に調査することが大切です。

リノベーション・リフォーム時に考慮するべき点

追い焚き追加工事のリノベーション・リフォームをする際に考慮するべき点についておさらいしましょう。まずは、どのくらい予算をかけられるかどうかをあらかじめ決めておきましょう。工事内容や物件の配管の状態によって費用がかさむ必要が考えられます。どこまで優先順位とするかを、しっかり事前に相談しておくことが大切です。

また、工事がどれくらいの期間かかるかどうかについても、事前に確認しておきましょう。リノベーションが長くかかる場合はそこに住めない場合もあります。予算や工期についてもしっかりと理解した上で、希望するデザインや機能と照らし合わせながら好みや使い勝手に配慮しつつ、後悔のないリノベーションプランを立てましょう。

追い焚き機能を付けるメリット

マンションリノベーション 追い焚き メリット
ボタンを押すだけで適温の温かいお風呂でリラックスすることができる、夢のような追い焚き機能。追加することでのメリットは、もちろんたくさんあります。以下に具体的に見ていきましょう。

温かいお風呂がいつでも楽しめる

最大のメリットは、言わずもがな温かいお風呂にいつでも入れることです。お湯を沸かした後に家事などをする間にお湯が冷めてしまっていた、ということもありません。家族の入浴時間が違う場合も、家族全員が温かいお風呂でリラックスすることができます。夜遅くに帰宅した日も、温かいお風呂が待っているとうれしいですよね。

省エネで節約につながる

温かいお風呂でリラックスできるだけでなく、追い焚き機能は省エネ効果も期待できます。追い焚き機能があれば、残り湯を温めて適温のお風呂に入れる仕組みで給湯器から熱いお湯を足す必要もないため、水道光熱費が節約できる場合が多いです。家族が多いご家庭や頻繁に入浴するという人には、このように経済的な面でも大きなメリットとなります。

追い焚き機能を付けるデメリット


メリットだけでなく、デメリットもおさえておくことでより理想のリノベーションを実現することができます。追い焚き機能を追加する一番のデメリットは、工事費用がかかることです。築古物件のお風呂を追い焚き機能付きのものにリノベーションする場合は給湯器や配管の交換が必要になることが多く、これに伴うコストが発生します。

特にマンションの場合、構造的な制約や使用する機器の選定によって、予想以上の費用がかかることがあります。また、都度のメンテナンスも必要。お風呂を頻繁に掃除していても、入浴中のお湯に含まれる皮脂汚れや水垢、入浴剤の汚れなどが風呂釜の配管に付着しやすいため、頻繁に適度なメンテナンスをする必要があります。

導入費用の見積りと注意点

追い焚き機能を導入する際の費用は、一般的に20万~60万円程度を考えておくといいでしょう。追加の工事が必要ない場合は15万~25万円ほどに費用を抑えられるケースもありますが、配管工事が必要になると当然費用が高くなります。また、見積りには材料費や工事費、設置後の維持管理費も考慮する必要があります。このあたりは見落としがちなので、事前によく確認しましょう。

設置に伴う工事の必要性

追い焚き機能を設置するには、新たに配管を設置するための工事が必要であることが多いです。リノベーションの際には、住宅全体の水圧や給湯システムとの整合性も考慮しましょう。工事の内容によっては、施工期間や費用も変動します。あらかじめ確認しておくことで、失敗することなく、スムーズにリノベーションプランを進めることができます。

まとめ:追い焚き機能で快適なバスタイムを

リラクゼーションの大切な場である、お風呂。追い焚き機能の追加は、いつでも温かいお風呂に入ることができるというワンランク上の家時間につながる、とても有意義なリノベーションです。コストはそれなりにかかりますが、それ以上のメリットが多くあります。

マンションの場合は管理組合の規約を確認し、それを守る必要があるため少し手間がかかりますが、より快適な生活を送る上でのリノベーションの大きな一歩となるはず。配管の状態など物件の現状をよく理解した上で、追い焚き機能の追加をぜひ検討してみてください。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

菅原 沙絵SAE SUGAHARA

設計 / 大阪府大阪市出身 / 普段からデザインを意識的に見て、自分ならどうするのか考えるようにしてます / インテリア雑貨が好きでナチュラル・シンプルなものを集めることにはまっています

リノベーションの相談・各種ご予約はこちら