2025.04.23
最終更新日
2025.04.25
リノベーションのヒント

リノベーションで何年住める?築30年・築40年の築古戸建てのメリットを紹介

戸建てリノベーション

こんにちは!クジラ株式会社の西山です!

Writer
西山竜平
施工管理WORKS
新築の施工管理を経験したのちにクジラにジョイン。一級施工管理技士の資格も取得。社内外から絶大な信頼を得る、クジラが誇る男前。

そもそも、家の寿命というのはどのくらいなのでしょうか。木造住宅の寿命は、30〜40年程度と言われます。もし家を建ててから30年が経過しているのであれば、そろそろリノベーションなどでメンテナンスを考えたほうがいいでしょう。家には寿命がありますが、リノベーションを行うことで、もっと長く住むことが可能です。

さらに、一度スケルトンにして躯体だけ残し全体をリノベーションする「フルリノベーション」であれば、新築同様に快適な暮らしを手に入れることができます。そこで今回の記事では、築30年・築40年の戸建て住宅をリノベーションするメリットや、その際のポイントについて、見ていきましょう。

築30年・築40年の戸建て住宅の住まいとしての寿命

木造戸建ての外観
木造住宅の寿命は、一般的には約30~40年と言われています。ですが、30〜40年経過したからといって、住めなくなるわけではありません。長く経っている建物は、どうしても構造や素材の劣化が進行してしまいます。そこで劣化している部分に対してリノベーションを施すなどの適切なメンテナンスをすることで、十分に満足いく状態で住み続けることができます

実際の木造住宅の寿命は、建物の部位や建てられた環境・工法、どのようにメンテナンスを行ってきたかで変わってきます。構造の劣化においては外部環境や地震などの影響を受けやすいため、耐用年数を延ばすためには早めに対策を考えるといいでしょう。寿命が延びるだけでなく、家族のライフスタイルやニーズに合わせたリノベーションを行うことで、より快適な暮らしを実現できます。

中古戸建てのフルリノベーションのメリット

耐震基準適合証明書 メリット
最近では家を買う際に新築を選ぶのではなく、あえて中古戸建てを選び、そのうえでフルリノベーションを施すという選択肢も多く見られるようになってきました。そこで、中古戸建てのフルリノベーションには、どんなメリットがあるか見ていきましょう。一番のメリットは、費用面での魅力です。既存の物件を活用することで、新築よりもはるかに低コストで求める住環境に整えることができます。

費用面での魅力

フルリノベーションのメリットは、なんといってもコストをおさえられる点です。新築物件よりも中古物件にフルリノベーションをする方が、はるかにコストをおさえられることが多いです。フルリノベーションであるため、新築同様に使い勝手のいい環境にすることも可能。リノベーションにより、最新の設備やデザインを取り入れられ、それにより生活の質が劇的に向上します。古い建物の魅力を生かしつつも必要に応じて古い部分を取り除き空間を再設計することで、効率的にスペースを活用できます。

また、リノベーションの際には、耐震性や断熱性能を強化するというポイントも加味することができます。それにより、より安全で快適な住環境を実現できます。 また、中古物件は新築に比べて選択肢が豊富。立地や周辺環境を重視した物件選びが可能です。

住宅ローンの面でも、多くの金融機関がリノベーション融資を用意しています。リノベーションの場合、この点でも費用をおさえやすくなります。

建て替えが難しい物件の対応

家を建ててから時間が経過すると、その間に建築規制などが変わることにより建築基準や地震対策が求められる場合が多く、建て替えが不可となってしまうケースがあります。建て替えが難しい場合でも、部分的にリノベーションして建物の寿命を伸ばすことは可能です

築30年・築40年の戸建て住宅の建て替えとリノベーションの比較


築30年・築40年の戸建て住宅において、「建て替えた場合」と「フルリノベーションした場合」を比較してみましょう。建て替えやフルリノベーションをする際に大きな懸念事項となる「コスト」「工期」「住みやすさ」「リセールバリュー」の観点から、以下に詳しく比較をしてみましょう。

コスト

まずコスト面では、先述のとおり、一般的にリノベーションの方が比較的低予算で済むことが多いです。家を基礎と骨組みだけの状態にしてリフォームする「フルリノベーション」であったとしても、建て替えよりは安く済ませられることが多いです。

建て替えの場合、一般的な木造住宅で3,000万円〜4,000万円程度のコストがかかります。 一方、リフォームの場合はどれくらいの規模で行うかにもよりますが、500万円〜2,000万円程度で済ませることができます。 建て替えは新たに建物を建設するため初期投資が大きくなるため、コスト面だけを見ればリノベーションの方が経済的と言えるでしょう。

また、リノベーションの場合は全体を一度に行うのではなく、「当面1階しか使わないから1階を中心に」「今年は外壁塗装、来年は水回りを」というように、家族のライフステージに合わせながら、少しずつ工事を進めることもできます。そういったことからも、資金計画が立てやすくなります。

ただし古い住宅の場合は予期しない修繕が必要になることがあるため、リノベーション全体の予算を組む場合は、余裕をもたせておいたほうがいいでしょう。

工期

工期に関しては、リノベーションは数ヵ月以内で完了するケースが多いのに対し、建て替えは半年以上かかるなど長期化することがあります。工事中の仮住まいの期間も考慮する必要があるため、リノベーションのほうが多面的に見ても負担が少ないと言えるでしょう。

ただし、フルリノベーションをする場合は躯体に問題があるなど、予期せぬ事態が発生する可能性もあります。まずは施工会社と建物の現状とリノベーションプランについて十分に相談したうえで、柔軟に対応できるよう、余裕を持たせたスケジュール設定が必要となります。

住みやすさ

住みやすさに関しても、リノベーションでは理想の形に近づけることができます。既存の構造を活かしつつ、古い部分はメンテナンスして現代的なライフスタイルに対応した改修が可能です。住み慣れた今までの住環境や思い出を大切にしながら、快適さも同時に手に入れることができます。

フルリノベーションでは、ライフスタイルにいかに合致させたプランを立てられるかが大きなカギ。計画を立てる際は、どうしても間取りや外観、内装デザインなど目に見えるところに注力しがちですが、断熱材や耐震補強の導入などの見えない部分にも配慮を。そうすることで、寒さや熱さから守られた快適な空間を形作ることができます。

リセールバリュー

リセールバリューとは、その物件がどれくらいで売れるかの価値のこと。不動産の販売時における資産価値を示す重要な指標で、特に、時間が経過した物件やリノベーションを施した住宅では、その価値の変動が顕著に現れる傾向にあります。

地域や物件の状態により異なりますが、建て替えた場合には新築としての価値が付く一方で、リノベーションの場合は魅力的なデザインや機能性が評価されることがあります。さらに、耐震性や省エネ性能を強化することで、資産価値が高まります。また、フルリノベーション目的で築古物件を購入する場合は、将来的な投資価値を見越して、立地条件や周辺環境に配慮するという視点も大切です。

築30年・築40年の木造戸建てを選ぶ際のポイント

戸建てリノベーション
フルリノベーション目的で新しく築古の木造戸建てを買う際のポイントは、どんなところにあるのでしょうか。まず大切なのは、物件の状態をしっかりと確認すること。特にチェックしたいのは。基礎や屋根、壁の劣化状況。また、耐震性についても確認が必要。近年の基準に対して、どの程度対応されているかが重要な要素になります。

リノベーションの可能性を考慮することも大切です。築年数が経つごとに設計や設備が古くなりますが、その状態を生かして自分好みに改修できるかに着目すると良いでしょう。資産価値(リセールバリュー)を念頭に置いた上で、立地や周辺環境も忘れずに念頭におきましょう。

木造住宅リフォームの注意点

耐震基準適合証明書 ポイント
築古の木造住宅をリノベーション・リフォームする場合は、どんな点に注意すればよいのでしょうか。見えている部分の劣化や損傷は気づきやすいですが、躯体など見えない部分に隠れた劣化や損傷がないかどうかを見極める必要があります。それによっては追加で工事をする必要が発生し、コストが多くかかる可能性も。

そういったことを適切に見極めるには、どのリノベーション施工会社に依頼するかも重要なポイント。得意不得意を見極め、複数社に見積もりを取って慎重に決めましょう。また、家族のライフスタイルやライフステージに沿った、リノベーションプランを立てることが大切です。

見積もり以上の費用がかかる可能性

特に築古物件をフルリノベーションする場合は、見積もりの際は把握していなかった劣化や損傷が発見されることにより、想定外の費用が発生するケースも少なくありません。結果として、最初に設定した予算を超えることも。リノベーションを計画する際は、余裕を持った予算設定や、ある程度のコスト増を見込んでおくことが重要です。そうするためにも、事前にリノベーション施工会社との十分な打ち合わせを行いましょう。

劣化箇所の見逃しリスク

特に古い住宅では、目に見えない部分に隠れた劣化が進んでいることが多くあります。それを見逃さないためには、定期的な点検や専門家による診断が欠かせません。見逃しが発生すると、思わぬ修理費用や、住まいの安全性にも影響が出る可能性が

築古物件の場合は特に、構造部分や水回りに注意が必要です。早期に発見し対処しないと、コスト面の増加だけでなく後に大きな問題に発展することにつながります。専門的な知識や設備を持ったリノベーション施工業者に依頼することが大切です

リノベーションが家の寿命を延ばす理由

中古戸建のリノベーション施工事例
築年数が経過した物件でも、特にフルリノベーションを行うことで古くなった部分を一新し、構造や設備の見直しが可能になります。そうすることで、家としての寿命はさらに伸びます。以下にその理由について、詳しく見ていきましょう。

生活環境の向上

リノベーションが家の寿命を伸ばす一番の理由は、リノベーションすることで新築同様に使い勝手のいい環境にすることができるから。最新の設備やデザインを取り入れることができ、それにより生活の質が劇的に向上します。古い建物の魅力を生かしつつも、必要に応じて古い部分を取り除き空間を再設計することで、効率的にスペースを活用できるのもメリットです。

物件としての価値向上

老朽化した設備や間取りを現代のニーズに合わせてフルリノベーションすることで、生活環境は格段に向上します。さらに、リノベーション後も定期メンテナンスを加えることで、経年劣化を改善することができます。そうすれば、その物件の価値向上にもつながります。つまり、長い目で見てリセールする場合も、資産価値が高いまま売却することも可能となります

家の寿命を短くする原因と対策

定期借地権付きマンション
逆に、家の寿命を短くする原因には、どんなものがあるかをおさえておくことが重要です。これをおさえておくことで、普段の住まい方でも家を大切にしながら長く大切に住むことができます。特に戸建て住宅では、「外的要因」と「不十分な内部保守」の2点が、家の寿命を短くする原因。以下に、その対策についても見ていきましょう。

シロアリ被害の予防方法

屋外では、雨漏りや湿気、シロアリなどの害虫被害が深刻な問題に。外壁や基礎の劣化促進に繋がるため、早期発見と対策が必要です。まず、基礎部分や土台に湿気が溜まらないように通気を良くすること。さらに防虫シートを設置したり、庭木や植栽が建物に接触しないよう管理したりするのも、シロアリの侵入を防ぐ手段として有効です

清掃・点検不足を放置しない

内部では、清掃や点検の不足が影響を及ぼします。特に、屋根や外壁、配管など目に見えない部分においては、気づかないうちに損傷が進行している場合も。水回りの劣化やカビの発生は、放置すると健康にも影響が出ることもあります。それを防ぐためには、まずは定期的な清掃が大切。住宅の美観を保つだけでなく、劣化の予防にもつながります。初期の小さな問題が大きなトラブルにつながることも多いため、点検を怠らずに早期発見し、都度解決することが重要です。

戸建てリノベーション事例

築30年・築40年の戸建てリノベーションによって、住宅の価値向上やライフスタイルの改善につながったというKUJIRAの事例を紹介します。

【京都府京田辺市】5匹の猫も快適!サンルームのある家

中古戸建のリノベーション施工事例
元々ダイニングキッチンと洋室が分かれていた間取りをインナーテラスも含めた広いリビングダイニングにリノベーションしました。部屋も広く感じられ、明るい空間になりました。

■築34年

【大阪市】広々玄関で散歩後も便利!大型犬と暮らす

中古戸建のリノベーション施工事例
大型犬と暮らすため物件購入からリノベーションしたのは、57㎡の面積の中に4DKと細かく部屋を分けられた昔ながらの間取りの戸建て。水回り設備を2階に移動させ玄関とリビングを広くしました。リノベーションをすることで生活する人と愛犬のスタイルに合わせた間取りにすることができます。

■築42年

まとめ:築30年以上の戸建てにリノベーションを取り入れよう

築30年・築40年の戸建ては、新築の住宅とは異なる魅力や個性を持っています。長く住んだ住まいをリノベーションする場合はもちろん、新しく購入する際もあえて築古物件を選ぶことで、コストをおさえつつも、家族のライフスタイルにあわせた快適な住まいを楽しむことができます。

築30年・築40年の物件をリノベーションする場合におさえておきたいのは、目に見える破損部分などの修繕だけでなく、内部の耐震性や断熱性能の部分も強化すること。これをリノベーションにより改善することで、新築同様に快適な住まいが実現できます。

建物の寿命が過ぎてしまったとしても、選択肢は「建て替え」だけではありません。「フルリノベーション」が築古物件に、新たな価値を創造してくれるのです。

WRITERこの記事を書いた人

施工管理

西山 竜平RYUHEI NISHIYAMA

施工管理 / 鳥取県西伯郡出身 / 少しの妥協がお客様の未来を曇らせると考え、徹底的に妥協しないことを大切にしています。 / 大きい庭付きの家で犬と一緒に暮らすことが夢です。”常に笑顔”を心掛けています。

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