2025.05.15
最終更新日
2025.05.30
リノベーションのヒント

昭和レトロな住まいをリフォーム・リノベーションで住みやすくモダンに 

和モダン リノベーション

こんにちは!クジラ株式会社の三内です!

Writer
三内絵七
デザイナー
大阪府島本町出身/毎日にワクワクを添えるデザインで、お客様のとってのハッピーな暮らしを提案できるよう頑張ります/常に自分のワクワクを探しています。今はクラフトビールに夢中です!

近年では、インテリア界もレトロブーム。いわゆる「昭和レトロ」という形容詞がぴったりと当てはまるような築年数が経過した物件を、「独特の温かみと趣が魅力的」と、あえて選択する人が増えています。

ただし、築年数が古いということは、それだけ老朽化しているということでもあります。そこで、築年数が古い物件にリフォームやリノベーションを加えることで耐久性や利便性をアップデートし、古き良き昭和の雰囲気を残しつつも住みやすさも叶えるという生活スタイルが人気となっています。

今回の記事では、昭和レトロな住まいをリフォーム・リノベーションで住みやすくするポイントについてご紹介します。機能性だけでなく、デザイン面においても昭和の雰囲気と現代のデザインを融合させることで、より住みやすく快適な住まいの実現に近づけることができます。

昭和レトロな家の特徴と魅力

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どこか懐かしくて温かみのある、昭和レトロな家。特徴として挙げられるのは、木の温もりを感じられる柱や床、障子など、木材や和紙などの自然を感じる素材が使われていることが多い点です。床材には畳が使用されていることも多く、全室が和室という物件も多くあります。また、浴室やキッチンなどの水回りには「小口タイル」と呼ばれる小さなタイルやカラフルなタイル、モザイク模様のタイルがデザインとして多く使われているのも特徴です。

また、間取りにも特徴があります。小さな部屋が多くあり、襖や障子で仕切られた和室が2間以上続いている「続き間」と呼ばれる間取りが多く見られます。和室には収納として大きな押し入れがあり、上には天袋(てんぶくろ)と呼ばれる吊り戸棚がセットになっています。和室に続く縁側がある家が多いのも、昭和時代の家ならではの特徴と言えるでしょう。

懐かしさを感じる昭和のデザイン

昭和のデザインは、温かみのある色使いやシンプルながら個性的な形状が特徴です。時代背景や生活様式が反映されたデザインには、時代の流れを感じられます。

例えば、小さなカラフルタイルがびっしり並んだ洗面台やお風呂場。ピンクやミントグリーン、ターコイズブルーなど、絶妙にレトロな色味も特徴的で、これが最近の若い世代に新鮮に映り、ブームとなっています。また、昭和時代の建築や家具には、実用的でありながらどこか温もりを感じる工夫が随所に見られます。いい部分を残しつつリフォームやリノベーションで最新設備を取り入れることで、独特の懐かしさと快適さを両立させることができるでしょう。

和のテイストが生きる住宅空間

構造としては、壁の中に柱を隠さずに木の骨組みを見せたものも多くあるのが昭和の建築です。当時のまま残されている柱や床などは木の経年変化で味が出て、それがさらに雰囲気を醸し出しています。自然素材ならではの色あせた感じを古いと捉えずに、魅力的に感じる人が最近では増えています。そんな木製のぬくもりを感じる和テイストな雰囲気に映えるのが、昭和時代ならではのガラス戸や障子戸。そこに施されている花柄文様なども、趣があります。仕切りや窓のデザインには障子や襖を用いることで、雰囲気のある光の屈折や空間の広がりを演出します。これらを残しつつ、木材や和紙、畳など、和の素材を効果的に配置することで、居心地よい雰囲気をつくることができます。

レトロなリフォームを成功させるポイント

ポイント
レトロなリフォームやリノベーションを成功させるには、いくつかのポイントがあります。大切なのは、全体のデザインテイストのコンセプトを明確にすること。昭和レトロの魅力を活かしつつ、現代の暮らしやすさと調和させるバランスを考えましょう。デザインテイストを統一させるためにわかりやすいのは、素材選びにこだわることです。時代を感じさせる自然素材や独特の質感を取り入れることと効果的です。

また、色使いもとても重要なポイント。シンプルながらも温かみのあるトーンを選ぶと統一感が出ます。

さらに、照明や小物などのディテールに工夫を加えて、レトロな趣を感じられる空間を演出するといいでしょう。成功させるポイントとして大きくは「素材選びと色使いの工夫」と「昭和レトロを引き立てるインテリア」がカギになります。以下に詳しく見ていきましょう。

素材選びと色使いの工夫

まず工夫したいのは、素材選び。自然素材や経年変化を楽しめるものを選ぶと、雰囲気がぐっと引き立ちます。木材やタイル、鉄などを組み合わることで、独特の味わいが生まれます。

色使いでは、落ち着いたトーンをベースに、アクセントとしてレトロ感のあるビビッドカラーやパステルカラーを取り入れると効果的。昭和の当時によく使われていたミントグリーン・マスタードイエロー・朱赤・ベンガラ色などを差し色にするといいでしょう。当時のインテリアそのまま真似するのでは少し古くさくなってしまうこともあるため、モダンな素材や色使いも意識しながら、個性豊かな空間に仕上げましょう。

昭和レトロを引き立てるインテリア

昭和時代のインテリアは、独特の色合いやデザインが特徴です。どこか温かみある雰囲気があり、丁寧にデザインされているものも多くあります。

例えば丸みを帯びた家具や、木材や金属を使った照明器具を取り入れることで、当時の懐かしい空気感を演出できます。

また、チェック柄やポップな柄のファブリックも、昭和レトロらしさを強調するアイテムとして効果的。取り入れる際は空間がごちゃごちゃならないように、家具の配置はゆったりとしたスペースを確保しながら、印象的な小物をアクセントに配置すると洗練された雰囲気に仕上がります。

昭和ならではのちゃぶ台や座布団を取り入れるというのも一案です。ちゃぶ台はメインのダイニングテーブルとしては生活スタイル的に取り入れづらい……という場合は、サブで使うローテーブルやカフェテーブルの代わりに取り入れてみてもいいでしょう。

また、昔ながらの引き戸タイプの食器棚や水屋ダンスなども、昭和レトロ感を演出できる家具として代表的です。

キッチンリフォームで昭和レトロを演出する方法

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キッチンリフォームで昭和レトロを演出するのに効果的なのは、温かみのある木材やタイルを取り入れること、レトロなデザインのキッチンアイテムを導入することなどが挙げられます。

また、見落としがちでありつつも重要なポイントになってくるのが、照明。蛍光灯などの明るすぎる照明ではなく、間接照明などやわらかな光を放つデザインを選び、空間全体の印象をまとめましょう。キッチンは、機能性が大切な場所。そこをリフォームやリノベーションで補いつつも、古き良き「台所」の意匠はそのままに残すように、リノベーション施工会社と相談してみるといいでしょう。

タイル壁や木製収納の活用

古民家の昭和レトロな雰囲気を活かすためには、タイル壁や木製収納を上手に取り入れることが有効。タイルのしつらえは独特の質感と色合いで空間に深みを与え、懐かしさを感じさせる要素として人気があります。タイルは掃除もしやすいため、キッチンや洗面所などの水回りで使うと機能的にも使い勝手がいいでしょう。

また、昭和の味わいを引き出す収納として挙げられるのが、シンプルで実用的な木製キャビネット。タイルと木製が組み合わさることで、どこか懐かしさのある温かい空間に仕上がります。そこにインテリアやファブリックでカラフルなアクセントカラーや幾何学模様を加えると、より個性的な昭和レトロ感を演出することができます。

レトロなデザインのキッチンアイテム

そこに置かれているだけでほっとする魅力があるのが、レトロなデザインのキッチンアイテム。懐かしい雰囲気を醸し出しながらも機能性を損なわないものが多くあるため、そういったものを選ぶようにするといいでしょう。ポットややかんなどのホーロー製アイテムや、花柄やフルーツ柄なども昭和レトロを彷彿とさせます。ビビッドな赤・青・黄色を使っているものも、レトロポップな雰囲気にぴったり。とくにレースのテーブルクロスなどは、昭和レトロ感を加速させてくれますよ。

レトロなリフォームにおすすめの空間別アイデア

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室内の特定なエリアにだけ、レトロな雰囲気を演出するのもあり。レトロなリフォームを家の各空間で取り入れる際は、その場所ごとの特徴を活かした工夫が重要となります。雰囲気重視の部屋はレトロな空間に、機能性重視の部屋には現代の設備を取り入れるというバランスを意識することで、現代のライフスタイルにも調和した心地住まいを実現することができます。ここでは、リビング・寝室・トイレや水回りを、レトロな雰囲気にリフォーム・リノベーションするアイデアを見ていきましょう。

リビングを昭和レトロに変えるポイント

どこか懐かしい昭和レトロな雰囲気のリビングは、疲れた体や心を癒してくれる空間に。ポイントは、落ち着いた色味の木製の素材を中心とし、家具は低めにすること。デザインは丸みの帯びたものをセレクトすることで、ノスタルジックな空間を演出できます。

さらに、照明器具や花器などのインテリアに昭和レトロ感のあるインパクトのあるデザインを選ぶことで、より雰囲気のある空間に。カーテンやラグなどのファブリックに昭和らしい色や柄を取り入れると、さらに効果的です。インテリアで個性を出すぶん、壁紙には、木目調やシンプルなパターンを用いるといいでしょう。

寝室を落ち着きのある昭和レトロ空間に

リラックスしたい寝室は、落ち着いたトーンやシンプルな家具配置で昭和レトロの趣を表現したいものです。木製の家具やシンプルな照明を選ぶと、自然な温かみが生まれます。色合いは落ち着いたブラウンやベージュを基調にすると、心地よい居場所になります。昭和時代を感じさせる花柄、幾何学模様、チェック柄、昭和のアニマル柄のファブリックやパイル地なども効果的。

現代の生活スタイルでは布団ではなくベッドを使う場合が多いと思います。ベッドを採用する場合は、ロータイプの木製フレームがおすすめです。三面鏡つきのドレッサーや、シンプルな木製タンスなども昭和レトロな雰囲気に合わせやすいでしょう。

トイレや水回りのレトロモダン化

トイレや水回りには、機能性と味わい深さを兼ね備えたデザインを取り入れることが効果的です。機能的にも掃除しやすいタイルがおすすめです。トイレや水回りは毎日のように使う汚れやすい場所なので、デザインだけでなく、換気や掃除のしやすさにも配慮し、実用的なレトロなリフォームを心がけましょう。照明もポイント。真鍮やアイアンのアンティーク風ブラケット照明やミルクガラスのライトなどは雰囲気が出ます。そこに、モザイクタイルやピンク・水色の小口タイルを取り入れると一気にレトロ感がアップします。

リフォームで実現する快適な昭和レトロ住宅

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「昭和レトロ」というデザイン面に気を取られるばかりでなく、現代の暮らしやすさにあった利便性を追求することはおさえておきたいポイント。リフォームやリノベーションを施すことで、築年数が経っている住宅デザインの魅力を活かしつつ、現代の快適さを実現することが可能となります。老朽化した部分の補修や断熱性能の向上により、居住環境が大きく改善されます。 また、間取りの見直しや照明設備の更新で、住みやすさを高めることも重要です。昭和レトロの独特の雰囲気を尊重しながら生活動線を整えることで、家全体の機能性が向上します。また、必ずチェックしておきたいのは防犯面。防犯対策を加えることで安心感を強化し、家族が心地よく暮らせる空間を整えることもできます。

断熱や防犯性能を高める方法

断熱性能を向上させるためには、窓ガラスの二重化や断熱材の追加が効果的です。これにより冬の寒さや夏の暑さを和らげ、快適な室内環境を保つことができます。家の構造に合わせた断熱リフォームを行えば、光熱費の節約につながることも。防犯面では、玄関や窓の鍵の交換、センサーライトの設置などが基本です。場合によっては、防犯ガラスやシャッターを導入するとさらに安全です。昭和レトロ感を出すのに当時のままのガラスデザインなどは効果を発揮しますが、断熱性や防犯面を考慮した場合、最新の設備のものを導入したほうが、現代のライフスタイルには向いていると言えるでしょう。

現代の設備を取り入れるアイデア

リフォームにおいて現代の設備を取り入れることは、快適さと機能性を向上させる重要なポイントです。モダンなデザインを意識した設備は、省エネ性能が高く環境にも配慮されています。

例えば、最新の断熱材や窓ガラスを使用することで、室内の温度を一定に保ちやすくなります。

また、リノベーションにより築古物件においても、スマートホーム技術を活用した照明や温度調節システムを導入することが可能。これだけでも、生活の利便性が大きく向上します。最新設備を上手に組み合わせることで、築古物件の昭和レトロな温かみは残しつつも、現代のライフスタイルに合わせた暮らしが実現します。築年数が経過している住宅をリノベーション・リフォームする際はとくにおさえておきたいポイントです。

昭和レトロな住まいをリフォームする際の注意点

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昭和レトロな家をリフォームする際は、古い構造や設備の劣化に注意することが重要です。特に耐震性や配管の状態を事前に確認し、安全面を確保することが必要です。

また、リフォームやリノベーションにあたっては、昭和の雰囲気を残しながらも現代の生活に合った機能性を取り入れるバランスを考えることがカギとなります。動線などの使い勝手や、収納のアップデートも大切なポイント。長期的に快適に暮らせるよう、メンテナンスしやすい設計を心がけることが大切です。

古い家ならではのリスクと対策

古い家(特に昭和以前〜昭和後期築)には、味わい深さや趣がある一方で、構造・設備・快適性などに関して現代の住宅と比べて劣る部分やリスクもあります。古い家には、建材の劣化や耐震性能の不足、水回りの老朽化といったリスクが存在するため、これらを把握した上でリフォームやリノベーションの計画を立てることが大切になってくるでしょう。

特にチェックしたいのは、配管や電気設備の状態。これらを早めに確認し、必要に応じて交換することで快適な暮らしを維持しやすくなります。また、忘れがちなのが、断熱性や防湿性の向上。適切な断熱材の追加や、湿気対策を講じることで、カビの発生を抑え室内環境を改善します。

長く安心して住むためのリフォームポイント

古い家でも、しっかり手を入れれば快適さと味のある雰囲気の両方を楽しむことができます。とはいえ、リフォームやリノベーションにあたり、限られた予算や時間の中で何から手をつけるべきか…迷うところ。そこで、優先順位をつけましょう。

長く安心して住むために優先度合いが高いのは、耐震性や断熱性を向上させること。1981年以前の「旧耐震基準」であれば、耐震診断を受け、壁や柱、基礎部分を補強する視点を忘れずにもっておきましょう。

また、築年数が古い物件は、暑すぎたり寒すぎたりするのもの特徴です。毎日過ごす家が適温でないのは、思いのほかストレスがかかるもの。家構造をしっかり確認し、必要に応じて補強や断熱材の追加を行うことで、快適で安全な住環境を整えることができます。

また、毎日のように使う水回りも大切。設備も更新し、配管の劣化を防ぐことが長寿命化につながります。定期的なメンテナンスがしやすい設計を心がけることもポイントです。

細かい部分では、古い家はコンセントが少ない場合や、ブレーカーが容量不足のことも。生活家電に合わせて配線やコンセント増設も検討しましょう。余裕があれば、将来的な生活の変化を考慮して、バリアフリー化や間取りの柔軟性を持たせることも視野に入れるといいでしょう。

まとめ

どこか懐かしく、温かみのある雰囲気が魅力的な昭和レトロな住まい。築年数が経った物件でも、リフォームやリノベーションを上手に利用することにより、和の趣を残しつつモダンな要素を取り入れることができます。さらに最新の設備を導入することで、現代のライフスタイルに合わせた暮らしやすい空間も叶えてくれます。

リノベーション施工会社と相談しつつ、どこを残すのか・どこをアップデートするかを検討することで、古き良き温かみがありつつも、機能的で暮らしやすい住まいを目指しましょう。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

三内 絵七ENA MIUCHI

大阪府島本町出身/毎日にワクワクを添えるデザインで、お客様のとってのハッピーな暮らしを提案できるよう頑張ります/常に自分のワクワクを探しています。今はクラフトビールに夢中です!

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