2025.05.21
最終更新日
2025.05.30
リノベーションのヒント

二階をリノベーションしたい!詳しい費用や注意点、施工事例を紹介

木造戸建 施工事例

こんにちは!クジラ株式会社の柳川です!

Writer
柳川映子
デザイナーWORKS
大学院で建築を学び、二級建築士の有資格者でもあるので、ロジカルな設計を組み立てていくのが得意なデザイナー。

二階のリノベーションは、住まいの機能性やデザイン性を高めながら、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる有効な手段。本記事では、二階リノベーションのメリット・デメリットや注意点、費用の目安、具体的な施工事例までわかりやすく解説します。

二階のリノベーションを検討するタイミング

2階 リノベーション 事例
二階のリノベーションを検討するタイミングは、家族構成や生活スタイルの変化が主なきっかけとなることが多いです。

例えば、子どもが成長したことで個室が必要になる場合や、二世帯住宅として使いたい場合、または在宅勤務の増加に伴い、仕事用スペースを二階につくりたいというケースがよく見受けられます。このように、二階の活用方法や快適さに対するニーズが高まることで、家リフォームの一環として二階をリノベーションする方が増えています。

さらに、長年住んでいると二階の内装や設備が古くなり、機能性や美観の面からリフォームする必要が出てくることも。屋根の形状やベランダの使い勝手など、二階建て住宅ならではの構造的な悩みもリフォームの検討材料となります。

特に、二階の部分的な改修は、家全体の費用を抑えつつ住環境を改善できるため、家リフォームの中でも始めやすい選択肢。必要に応じて適切な計画を立て、住みやすい二階空間を実現することが大切です。

二階をリノベーションするメリット

メリット デメリット
二階のリノベーションは、快適性や機能性を高めつつ、費用を抑えて理想の住まいを実現できるのが魅力です。間取り変更や内装の刷新、二世帯住宅など、多彩なプランでライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。一つずつチェックしていきましょう。

費用が抑えられる

二階のリノベーションは、建物の構造全体を大きく手直しする全面改装に比べて、費用面で大幅に抑えることができます。使用する材料や工事範囲が限定されているため、経費を効率よく使えるのが理由です。全体的な工事が少ないことで施工期間も短縮でき、その分の人件費や管理コストも節約できます。

部分的な工事で済む場合は、仮住まいを探す必要性も薄れるため、間接的な出費が抑えられる点も大きなメリット。これにより、予算内で効果的に住環境を更新したい場合に適しています。工事範囲の選択次第で予算に柔軟に対応できる点は、二階リノベーションのメリットの一つと言えます。

仮住まいや引越しの必要がない

二階だけのリノベーションでは、一階の生活スペースを通常通り使い続けられるため、仮住まいや引越しの必要性がほとんど発生しません。工事中の生活への影響を最小限に抑えられることで、引っ越し準備や荷物の移動といった負担を軽減します。

また、自宅での生活を続けられることは精神的な安心感にもつながります。特に小さな子どもがいる家庭や高齢の方がいる場合に、この点は大きなメリットとなるでしょう。生活リズムを崩さずに、安全に改修工事を進められることから、日常生活と工事の両立が叶います。

内装デザインを変更できる

内装デザインを変更することで、より自分好みの空間へと仕上げることが可能です。

例えば、二階を和モダン風にしたり、和室の要素を取り入れたりすることで、和の趣を楽しみながら現代的な快適さを兼ね備えた空間を実現できます。

日当たりや眺望など生活環境を改善できる

二階リノベーションは、家の上層部という特性を活かして日当たりや眺望の向上に取り組めます。窓の位置を見直したり、バルコニーや屋根形状の改良を行ったりすることで、自然光を十分に取り込み、開放感のある空間づくりが可能。

こうした環境の改善は、日々の暮らしや健康面にもプラスに働きます。明るい部屋は気持ちを明るくする効果もあり、快適な居住空間として家全体の価値向上に寄与します。生活の質を高めるための空間設計がしやすい点は、二階のリノベーションならではの特徴です。

二世帯住宅への変更も可能

二階リノベーションによって、二世帯住宅への移行がスムーズに行えます。生活空間を上下階で分けることで、プライバシーを保ちつつ同一住宅内で二世帯が生活できるように。玄関や共有スペースを工夫することで快適な同居環境が実現します。

新たに水回り設備を設置したり、間取り変更で独立した居住スペースを確保したりすることも可能です。これにより、親子世代が同じ家で暮らしながらも、お互いのライフスタイルや時間帯の違いを尊重した住まい作りが進められます。こうした住まいの柔軟性も、二階リノベーションの大きな利点の一つです。

二階をリノベーションするデメリット

2階 リノベーション デメリット
二階のリノベーションには多くのメリットがありますが、構造工事が必要になると費用や工期が増すということも。内装の差や動線の不便さが出る場合もあり、そのようなデメリットも考慮した上で、全体の調和や使い勝手を考えた慎重な設計が大切です。

補強工事が必要になる場合がある

二階のリノベーションでは、増築や水回り設備の追加に伴い、一階の構造補強が必要になることがあります。二階に新たな設備を設置すると重さが増し、既存の構造では支えきれない場合があるため、耐震性能の向上や床の強度アップを目的とする補強工事が求められるでしょう。補強工事には時間と費用がかかるため、予算計画の段階でしっかりと考慮しておくことが欠かせません。

建物の構造状況によっては、一階の壁の補強や梁の交換など、大掛かりな工事が必要となるケースも。リノベーションを進める際は、専門の設計士や工事担当者と綿密に打ち合わせを行い、必要な補強範囲やコストを把握することが大切です。

一階との雰囲気に差が出る

二階だけをリノベーションすると、内装や外観の仕上がりに一階とのデザイン差が生じやすくなります。新しい素材や設備を使うことで二階部分が最新の状態になる一方、一階は以前のままという場合もあり、違和感を抱くことも。

特に年代の異なる住宅を部分改修する際には、その差がより顕著にあらわれます。

こういった雰囲気の差は住まい全体の統一感を損なう場合があるため、リノベーション時には配色やデザインパターンの統一を意識することが重要です。全体のバランスを保つために、専門家に相談をしながらトータルデザインを考えると、違和感を軽減できるでしょう。

二階のリノベーションにかかる費用

2階 リノベーション 費用
二階のリノベーション費用は、リフォーム内容や規模、さらには二階建て住宅の特徴によっても大きく異なります。
たとえば内装のみ部分的に変更する場合は比較的費用を抑えられますが、水回り設備を新たに設置したり、大幅な間取り変更を伴う場合には、費用が高額になることも。

また、二階部分のリノベーションでは、建物全体の状態や構造補強の有無も費用に影響します。
とくに二階建の場合、耐震補強や配管工事などが必要となるケースでは、想定以上に費用がかかることがあります。

さらに、施工業者によって見積もりの内容や費用が異なるため、複数のリフォーム会社で相見積もりを取ることをおすすめします。各社の提案や費用を比較し、自分の希望と予算に最も合ったプランで二階リノベーションを進めるようにしましょう。

壁紙や床材のみ交換する場合

壁紙や床材の交換といった内装のリノベーションは、費用を比較的抑えつつ部屋の雰囲気を一新できるため人気があります。既存の構造を大きく変えずに行えるため、工事期間も短めです。そのため、総額100万円以下で施工が可能なケースも多く見受けられます。

選ぶ素材や施工範囲によって費用は変動しますが、手軽なイメージチェンジや傷んだ部分の修繕を目的とする場合には適した方法と言えるでしょう。ただし、単なる見た目の変更だけでなく、耐久性やメンテナンス性も考慮して素材選びをすることが、長期的に見て快適な空間づくりに繋がります。

水回り設備を設置する場合

二階にトイレや浴室、洗面台といった水回り設備を新設するケースでは、配管工事や給排水設備の取り付けが必要になるため、費用が大幅に上がります。通常の内装工事に比べ、設備機器の購入費用や配管工事費用が追加されるのが大きな理由です。

また、水回り増設に伴い、一階の構造補強工事が求められる場合もあり、その場合はさらに費用がかさみます。設備のグレードや配置によってもコストに差が出るため、予算全体を十分に検討したうえでプランを決めることが重要でしょう。

間取りを変更する場合

間取り変更を伴うリノベーションは、撤去や新設する壁の工事、ドアや窓の設置、配線や配管の変更など多岐にわたる作業が発生します。これらの工事にかかる手間や材料費が費用に大きく影響します。

さらに、二階の構造や荷重バランスの調整も必要になることが多く、安全面を考慮した補強が追加されることもあります。計画の内容によっては1,000万円前後まで費用が膨らむケースもあるため、施工会社と詳しく相談しながら現実的なプランを作ることが大切です。

費用を抑えるコツ

二階リノベーションで費用を抑えたい場合、家リフォーム全体の計画を立てる際に工事範囲を必要最小限に限定し、本当に必要な部分のみに絞ることが基本。

例えば、内装の一部だけをリフォームしたり、既存の設備をできるだけ活用したりすることで、無駄な費用を防ぐことが可能です。さらに、複数の業者から見積もりを取って比較することで、コストパフォーマンスの高い業者を選びやすくなります。

コスト削減のためには、シンプルなデザインや標準的な設備を選択することも効果的です。また、工事の時期をオフシーズンに調整することで割引価格が適用される場合があり、総額の費用を節約できます。家リフォームの予算を意識しながら、無駄のないプランニングと業者選び、タイミングの工夫がコストダウンのポイントです。

二階リノベーションの注意点

2階 リノベーション ポイント
二階建て住宅のリノベーションを行う際には、構造面や機能面に十分注意を払う必要があります。

特に、二階部分のリフォームでは建物全体のバランスを崩さないよう、慎重な計画が求められます。
例えば、二階に風呂を増設する場合は、給排水や防水対策をしっかり行い、建物の耐久性や安全性を損なわないよう徹底した設計が重要です。快適で安全な住まいを実現するためには、希望するリフォーム内容について事前調査を行い、専門家のアドバイスを受けた上で最適なプランを立てることがポイントとなります。

また、二階リノベーションの際は、リノベーション後の暮らしやすさを考慮し、生活動線や設備の配置にも配慮しましょう。特に二階建て住宅では上下階の動線や防音にも注意が必要です。

耐震補強の確認ポイント

二階建てリノベーションの場合、特に建物の耐震性能への影響が大きくなるため、耐震補強の必要性を慎重に見極めることが重要です。増築や重い設備の設置によって二階建て住宅の重心が変わったり、構造部分に余計な負荷がかかったりするケースも。確認するポイントとして、耐震壁の有無やバランスの良い配分、屋根材料の軽量化などが挙げられます。

二階建ての住宅では一階部分の耐震性能が全体の安全性に直結するため、これらの点を考慮した補強計画を立てることが求められます。法令や専門基準に沿った適切な施工を行うことで、長期にわたる安全性を確保できます。また、施工前には必ず専門家に耐震診断を依頼し、建物の状態や必要な補強内容を正確に把握することが、二階建てリノベーションでは特に重要です。

水回りの設計上の課題

二階建て住宅でトイレや風呂などの水回り設備を二階に設置する場合、配管や排水経路の確保が設計上の大きな課題となります。

特に、既存の配管から離れた場所にトイレや風呂を配置する計画では、配管工事の費用や工期が増加することが多い傾向に。また、二階建て住宅の場合は、一階部分の床や梁にかかる荷重を十分に考慮し、必要に応じて構造補強を行うことも重要です。

水漏れトラブルを防止するためには、配管の配置や点検・メンテナンスのしやすさを重視した設計にすることが欠かせません。加えて、二階に風呂を設置する際には、防水処理をより念入りに行う必要があります。

二階リノベーションの具体的な施工事例

2階 リノベーション
2階のLDKと水回り設備をリノベーションしました。もともとあった天井を解体し、スケルトンにすることで天井が高くなり、開放感のあるLDKに。 短冊状のオークフローリング、適度なムラのある漆喰壁、大理石モザイクの小上がり階段など、個性的な素材を使いながらも色のトーンを揃えることで、まとまりのある居心地のいい空間になりました。

まとめ:二階リノベーションは一階との調和、構造補強が重要

二階のリノベーションは、生活空間の拡充や環境の改善を図りつつ、費用を抑えられる点が大きな魅力となっています。家族構成の変化やライフスタイルの見直しに合わせて、快適で使いやすい空間を実現しやすいのも特徴。施工範囲や内容によっては、一階との調和や構造面の補強を慎重に考える必要があります。

費用面では、壁紙や床材の交換などの内装リフォームは比較的安価に済みますが、水回りの新設や間取りの大幅な変更をともなうと費用が高まる傾向にあります。適切な耐震補強や水回りの設計を意識することで、安全で快適な住環境がつくれます。具体的な施工事例を参考にしながら、ニーズに合ったプランを検討することが大切。

リノベーションを行う際は、専門家とよく相談し、予算や使い勝手をふまえた計画を練ることが成功のカギとなります。住まいの価値を高めるだけでなく、快適な暮らしを長く支えるためにも慎重に進めるようにしましょう。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

柳川 映子AKIKO YANAGAWA

設計 / 島根県浜田市出身 / お客様の夢やこだわりをデザインで形にできるよう、日々勉強中です。/ 将来は縁側とお庭のあるおうちを自分でリノベーションして住むことが夢です。

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