リノベーション・リフォームの際は何から始める?流れや手順を紹介

こんにちは!クジラ株式会社の三橋です!
![]() | Writer 三橋玲奈 ディレクター 身に付けるモノや身の回りの空間が持つパワーはとても大きいです。「自分らしくいきいきと暮らす人を増やしたい」「誰かの人生をより豊かにしたい」という想いでこの仕事に就きました。 |
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「リノベーションやリフォームを考えているけれど、何から手をつければいいのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。まずは、全体の流れを把握しましょう。工事の期間や費用の目安、リノベーションやリフォームの種類など、事前に基本的な情報を知っておくことで、その後の計画が立てやすくなります。全体像をつかんでおけば、準備や業者選びにも安心して取り組めます。今回の記事では、リノベーション・リフォームの一般的な進め方や、工期や費用の目安についてご紹介します。
目次
リノベーション・リフォームの全体像を把握する
リノベーションやリフォームは、今の住まいをより快適に、そして自分らしくアップデートするための有効な方法です。工事の規模にかかわらず、どのケースも「計画」から「引き渡し」まで、いくつかのステップを経て進められていきます。あらかじめ全体の流れを把握しておけば、必要な準備もスムーズになり、理想の住まいへの具体的な一歩を踏み出しやすくなるはず。
これからリノベーションやリフォームを検討する方は、まずはその「全体像」をつかむことから始めましょう。まず、リノベーション・リフォームの一般的な流れ・工事期間の目安・リノベーション・リフォームにかかる費用相場と種類について、わかりやすく解説していきます。
リノベーション・リフォームの一般的な流れ
最初に行うべきは、リフォームの目的を明確にすること。「どこを」「なぜ」変えたいのか、自分や家族の暮らしの中で感じている不便さや希望を整理するところから始まります。
次に、信頼できるリフォーム会社を選びます。実績や得意分野をベースに、納得のいく会社を見つけることが重要です。その後現地調査を経て、実際の住まいや要望を踏まえたプランの提案が行われます。この段階でしっかりと話し合い、納得のいく内容にすり合わせていくことが、満足度の高い仕上がりにつながります。
プランが固まったら、見積もりを出してもらい、内容と費用が固まったら契約へと進みます。工事が完了したあとは、仕上がりを確認して引き渡しとなり、必要に応じて設備の使い方などの説明を受けることもあります。その後はアフターサービスの対応が続き、万が一の不具合にも対応してもらえる体制が整っているかを事前に確認しておくと安心です。工事がスタートする前には、近隣へのあいさつや配慮も忘れずに行いましょう。
このように、リノベーションやリフォームは段階を追って丁寧に進めることで、スムーズに理想の住まいを実現することができます。
工事期間の目安
リノベーションやリフォームの工事期間は、工事内容や規模によって大きく異なります。たとえば、壁紙の張り替えやフローリングの交換といった部分的なリフォームであれば、数日から1〜2週間程度で完了するケースが一般的です。
一方で、間取りの変更やキッチン・浴室など水回りの移動をともなうような大規模なリノベーションになると、数ヶ月にわたる工事期間が必要になることもあります。
マンションの場合は、管理規約によって工事可能な時間帯や曜日に制限があるため、スケジュールに余裕をもたせておくことが大切です。
また、戸建て住宅のフルリノベーションでは、構造部分を除いて一度すべてを解体するケースも多く、マンションに比べて工期が長くなる傾向があります。さらに、実際の工事だけでなく、設計やプランニングの期間も含めて考えると、全体のスケジュールはさらに長期に及ぶことになります。リノベーションを検討する際は、完成までにかかる「トータルの期間」をあらかじめ見積もっておくことが、計画をスムーズに進めるポイントです。
リノベーション・リフォームにかかる費用相場と種類
リノベーションやリフォームにかかる費用は、工事の範囲や内容によって大きく変わります。たとえば、壁紙の張り替えや設備の一部交換などの部分的なリフォームであれば、数十万円から対応できるケースもあります。
一方で、間取りの変更や配管の移動をともなうような大規模な工事、いわゆるスケルトンリノベーションになると、費用は大きくなります。マンションの場合でおおよそ900万〜1,200万円、戸建てになると1,000万〜2,200万円以上かかることもあります。
リノベーションの種類は、既存の内装を一部活かす「表層リフォーム」から、構造部分を残して内外装すべてを刷新する「フルリノベーション」までさまざま。さらに、キッチンや浴室などの水回り、床や壁などの内装、屋根や外壁といった施工箇所ごとに費用の相場も変動します。
自分がどのような工事を望んでいるのか、また住まいの現状がどのような状態かによって、必要なリノベーションの種類や予算感も大きく異なります。事前に希望や優先順位を明確にし、費用の目安を把握しておくことが、納得のいくリノベーションを実現するための第一歩です。
リノベーション・リフォームの事前準備
リノベーションやリフォームを成功させるためには、事前の準備がとても重要です。まず取り組みたいのは、現在の住まいで感じている不満や改善したい点を具体的に洗い出すこと。リノベーションの目的や優先順位を明確にすることで、必要な工事の方向性や理想のイメージが自然と見えてきます。
次に、そのイメージをもとに、どのような空間を実現したいのかを具体化していきましょう。SNSや雑誌などを参考にしながら「こんな暮らしがしたい」というビジョンを持つことが、プラン作成の大きな手助けになります。そして、そのイメージに合った現実的な予算を立てることも欠かせません。
また、完成までのスケジュール感を考えるうえで、いつごろまでにリノベーションを終えたいかという時期の目安を決めておくのも大切です。家族とじっくり話し合いながら、全員の意見をすり合わせておくことで、後々のトラブルや認識のズレを防ぎ、スムーズに計画を進めることができます。
目的と優先順位を明確にする
リノベーションを成功させるためには、まず「なぜリノベーションをしたいのか」という目的を明確にすることが欠かせません。なんとなく「雰囲気を変えたい」「きれいにしたい」といった漠然とした動機だけで進めてしまうと、完成後に「思っていたのと違った」と感じてしまうことも。今の住まいにどんな不満や不便さがあるのか、また、どんな暮らしを実現したいのかを具体的にリストアップするところから始めましょう。
そのうえで、出てきた希望やアイデアに優先順位をつけていきます。リノベーションには予算の上限があるため、すべてを実現するのは難しい場合もあります。そこで、「絶対に譲れないこと」「できれば叶えたいこと」「今回は見送ってもいいこと」といったように、希望について優先順位を整理しておくと、限られた予算の中で最も満足度の高いプランを組み立てやすくなります。
事前にこのような準備をしておくことで、計画がブレにくくなり、後悔のないリノベーションへとつながります。
現在の住まいの不満点を洗い出す
リノベーションやリフォームを検討する際には、まず今の住まいで感じている不満点を具体的に書き出すことが大切です。「なんとなく変えたい」という漠然とした思いだけでは、理想の暮らしをかたちにするのは難しくなってしまいます。
たとえば「キッチンが狭くて使いづらい」「収納スペースが足りない」「日当たりが悪くて部屋が暗い」といったように、どんなに小さなことでも漏らさずリストアップしてみましょう。こうした不満の洗い出しは、リノベーションの目的や優先順位をはっきりさせるうえで、非常に重要なステップになります。
また、家族全員で話し合いながら進めることで、自分では気づかなかった視点や要望にも気づけるかもしれません。さまざまな意見を出し合いながら、納得のいくプランづくりにつなげていきましょう。
イメージを具体化する
理想のリノベーションを叶えるためには、完成後の暮らしをできるだけ具体的にイメージすることが大切です。そのためにも、さまざまな方法を使って情報収集をしてみましょう。
まず取り入れやすいのは、リノベーション会社の施工事例をチェックすること。どのような間取り変更ができるのか、どんなデザインテイストがあるのかを確認することで、自分の好みや方向性が見えてきます。たとえば、「2階をもっと有効活用したい」「和モダンな空間を取り入れたい」など、具体的な希望がある場合には、それに近い実例を探すのがおすすめです。
さらに、最近ではリノベーション専用アプリや3Dパースツールを活用することで、空間を立体的にシミュレーションすることも可能です。図面や写真だけではわかりづらい完成イメージを、視覚的に把握できるため、「思っていたのと違った」というギャップを防ぐのに役立ちます。
予算計画を立てる
リノベーションの費用は、工事の規模や内容、建物の種類によって大きく変動します。一般的に、フルリノベーションの費用相場は1平方メートルあたり10万円〜22万円と幅があります。
例えば、マンションのフルリノベーションでは、60平方メートルの広さでおよそ900万円〜1,200万円が目安とされています。一戸建ての場合、内装のみのリノベーションで800万円〜1,500万円程度かかることが多く、さらに外装や断熱工事なども含めると2,000万円を超えるケースもあります。
リノベーション費用を正確に把握するには、複数の業者から見積もりを取り、費用の詳細な内訳をしっかり確認することが大切です。また、予期せぬ出費に備えて、全体の予算には余裕を持たせ、予備費を確保しておくことも忘れないようにしましょう。
希望の完成時期を決める
リノベーションやリフォームを計画する際には、まず「いつまでに完成させたいか」という希望時期を明確にしておくことが非常に重要です。工事自体だけでなく、プランニングや見積もり、契約、施工準備、近隣への挨拶など、多くの段階が含まれるため、完成希望日から逆算して段取りを組む必要があります。
例えば、希望の完成時期が決まっていなければ、慌てて計画を進めることになり、業者選びや設計の時間が不足してしまうことも。また、季節や天候の影響、建築確認申請や管理組合の承認が必要な場合など、手続きに時間がかかるケースもあります。
そのため、余裕をもったスケジュールを組み、各工程にかかる時間を把握したうえで、準備や打ち合わせを計画的に進めることが大切です。こうした事前の段取りが、工事の遅延やトラブルを防ぎ、理想の住まいをスムーズに手に入れるポイントとなります。
家族で話し合う
リノベーションやリフォームを検討する際には、まず家族構成やライフスタイルの変化を踏まえて、現在の住まいに対する不満や悩みを家族全員で共有することが非常に重要です。例えば、子どもの成長や独立、夫婦のライフスタイルの変化、または将来の介護や老後の暮らしなど、時間とともに住まいに求められる条件は変わっていきます。
特に老後を見据えたリノベーションでは、今後の生活スタイルや健康状態、将来的なバリアフリーの必要性など、家族全員で具体的に話し合うことが欠かせません。それぞれの意見や希望を出し合うことで、多様な視点から理想の住まいを考えられ、結果として満足度の高いプランを作り上げることができます。
この過程で大切なのは、お互いの考えを尊重し、妥協点を見つけながら納得のいく形で計画を進めていくこと。こうした家族間のコミュニケーションが、長く快適に暮らせる住まいを実現するうえでの土台となります。
リノベーション・リフォーム会社の選定
リノベーションやリフォームを成功させるために何より重要なのが、信頼できるリノベーション・リフォーム会社選びです。まずは、どのような会社があるのか、それぞれの特徴や得意分野についてしっかり知識を深めましょう。ハウスメーカー、工務店、リフォーム専門会社など、さまざまな種類があるため、自分の希望に合ったタイプを見極めることが大切です。
情報収集の方法としては、インターネット検索やSNS、雑誌などを活用し、興味のある会社のウェブサイトや施工事例をじっくり確認してイメージを具体化しましょう。また、気になる会社には実際に問い合わせて相談したり、完成見学会に足を運んだりするのもおすすめです。担当者の対応や提案内容から、自分の希望に寄り添ってくれるかどうかを見極められます。
さらに、複数の会社から見積もりを取り、費用面だけでなくプラン内容やアフターサービスの充実度なども比較検討することが、満足のいく会社選びにつながります。こうした丁寧な比較と確認を重ねることで、後悔のないリノベーション・リフォームを実現できるでしょう。
情報収集と候補の絞り込み
リノベーション会社の情報収集は、インターネット検索やSNS、リノベーション関連の専門サイト、雑誌や書籍など、多様な方法で行えます。特にインターネットでは、各社のホームページから施工事例や強み、デザインの傾向を詳しく確認できるため、自分のイメージに合った会社を見つけやすくなります。
こうして集めた情報をもとに、複数の会社を比較検討して候補を絞り込みましょう。会社の得意分野や実績、デザイン性、費用感などをしっかり考慮し、自分の希望に合った会社を見つけることが大切です。
さらに、実際に相談会や完成見学会に足を運んで、会社の雰囲気や担当者との相性を確かめることも効果的です。こうした多角的な情報収集と確認が、満足できるリノベーションにつながります。
相談会や見学会への参加
リノベーション会社を比較検討するうえで、相談会や見学会に参加することは非常に有効な方法です。これらのイベントでは、リノベーションに関する幅広い知識や最新のトレンドを直接学べるほか、各社の施工実績やデザインの特徴、対応力を実際に確認できます。
相談会は、専門スタッフと個別にじっくり話ができる場で、具体的な希望や疑問を直接相談できます。プランの提案や費用の見積もりについても詳しく説明を受けられるため、漠然としたイメージを具体的な形にしていく大きな助けとなります。また、セミナー形式でリノベーションの基礎知識や注意点を学べる機会も多く、初心者でも安心して進められます。
完成見学会では、実際にリノベーションを終えた物件を訪問し、施工の質や空間の使い方、仕上がりの雰囲気を肌で感じることができます。写真や図面だけではわかりにくい細かな部分や、生活感のある実際の空間を体験できるため、イメージのギャップを減らすのに非常に役立ちます。
これらのイベントは無料で開催されることが多く、気軽に参加できます。興味のある会社やテーマに合わせて積極的に活用しましょう。直接話を聞くことで、会社の雰囲気や担当者との相性も見極めやすくなり、満足のいくリノベーションにつながる会社選びができます。
会社選びのポイント
リノベーション会社を選ぶ際は、まずその会社の得意分野と、自分が希望する施工内容が合っているかをしっかり確認しましょう。実績や施工事例を参考に、デザイン性や技術力に注目することが大切です。
また、打ち合わせやプランニングの段階でどれだけ丁寧にサポートしてくれるか、引き渡し後のアフターサービスが充実しているかも重要な選定ポイントになります。複数の会社から見積もりを取り、費用だけでなくプランの内容やサービスの質も比較検討することで、自分の理想に近いリノベーションを実現してくれる会社を見つけやすくなります。
特に、長期保証やアフターケアがしっかりしている会社を選ぶことは、将来的な安心につながる大きなメリットと言えるでしょう。
リノベーション・リフォームの具体的な手順
リノベーションやリフォームは、いくつかの段階を踏んで進められます。まずはリフォームの内容や予算を決め、それに合った会社を選ぶことから始まります。複数の会社から見積もりを取り、しっかり比較検討することが大切です。
その後、現地調査とヒアリングが行われ、そこから具体的なプランや見積もりが提案されます。提案内容や費用に納得したら契約を結び、工事の準備として近隣への挨拶や段取りを進めたうえで工事がスタートします。
工事が完了した際には施主立ち会いのもと完了検査を行い、問題がなければ引き渡しとなります。このような手順を踏むことで、安心して理想の住まいを実現することができます。
現地調査とヒアリング
リノベーションやリフォームの具体的な手順の中でも、最初に行われるのが現地調査とヒアリングです。この段階は、希望するリフォームが建物の構造や現状に照らして実現可能かどうかを判断するうえで欠かせません。
担当者が実際に建物を訪問し、状態の確認や正確な採寸を行います。また同時に、お客様の要望やライフスタイルについて詳しく聞き取ることで、理想の住まいを具体的に形にしていくための大切なコミュニケーションの場となります。
この現地調査とヒアリングを丁寧に行うことで、後のプランニングや施工がスムーズに進み、満足度の高いリノベーションにつながります。
プランの提案と見積もり
現地調査とヒアリングの結果をもとに、リノベーション会社から具体的なプランと見積もりが提案されます。この段階では、複数の会社から相見積もりを取り、提案内容や費用をしっかり比較検討することが重要です。
提案されたプランが自分の要望に合っているか、見積もりの内容が詳細でわかりやすいかどうかを確認しましょう。不明点や疑問があれば遠慮せずに質問し、納得できるまで十分に話し合うことが大切です。そして最終的には、予算や希望条件に最もマッチする会社とプランを選び、契約へと進みます。
契約内容の確認と締結
リフォームやリノベーションの契約は、工事内容や費用、期間などを明確にする非常に重要なステップです。契約書には、工事請負契約書や契約約款、見積書、設計図面、仕上表などが含まれており、それぞれの内容をしっかりと確認することが求められます。
特に、工事の具体的な内容、金額、支払い条件、工期、そして万が一の場合の保証や損害賠償に関する項目は、後々のトラブルを避けるために必ず目を通しておきましょう。不明点があれば契約前にリフォーム会社に質問し、納得できた上で契約を結ぶことが大切です。
工事前の準備と近隣への配慮
工事が始まる前の準備は、リノベーションやリフォームを円滑に進めるために非常に重要です。まずは、リフォーム対象の場所を整理して片付け、必要なものは別の場所に移動し、不要なものは処分しておきましょう。また、工事期間中も使う生活スペースを確保することが大切です。
近隣への配慮も欠かせません。マンションの場合は上下左右や斜め下を含めた近隣の8軒、戸建てでは両隣や向かい、裏の家にも挨拶を済ませましょう。遅くとも工事開始の1週間前までには行うのが望ましいです。挨拶は口頭だけでなく、工事期間や作業時間、騒音の可能性などを記載した挨拶状を手渡すとより丁寧です。
マンションの場合は、エントランスの掲示板に工事の告知を掲示できる場合もあります。また、工事車両の駐車スペースや資材置き場についても事前に業者と確認し、近隣トラブルを防ぐための準備をしっかり行いましょう。
工事の実施
リノベーションやリフォームの工事は、契約内容に基づき計画的に進められます。一般的には、まず解体工事からスタートし、住宅建築時と同様に専門の業者がそれぞれの工程を担当します。その後は設備工事や電気工事、大工工事などが順次進められ、最後に新しい設備の設置や内装の仕上げが行われます。
ただし、具体的な工事の手順や進め方は、リノベーション会社や施工プランによって異なることもあります。工事期間中は、定期的に進捗状況を確認しながら業者と密にコミュニケーションを取ることが、トラブルを防ぎ、理想の仕上がりを実現するために非常に重要です。
完工後の検査と引き渡し
リノベーション工事が完了すると、まず施工会社による社内検査が行われ、その後に施主による完了検査(竣工検査)が実施されます。この検査では、契約通りの工事内容が実現されているか、傷や汚れ、設備の不具合がないかなどを細かく確認します。
家族全員で立ち会い、図面や仕様書を見ながら細部までチェックすることが大切です。問題がなければ、工事完了確認書にサインをして正式に引き渡しとなります。
もし不具合や気になる点が見つかった場合は、手直しや再工事を依頼し、その内容を書面で取り交わしておくと安心です。引き渡しの際には、設備機器の保証書や取扱説明書、工事保証書などの重要な書類も受け取ります。この一連の手順を経て、リノベーションは無事に完了となります。
アフターサービスについて
リノベーション完了後も安心して暮らすためには、アフターサービスの内容をしっかり確認することが大切です。アフターサービスには、工事に起因する不具合を無償で修理する保証制度や、定期的な点検などが含まれています。
こうしたサービスが充実している会社を選ぶことで、リノベーション後のトラブルを早期に発見し、迅速に対応してもらえるという大きなメリットがあります。保証期間や対応内容は会社によって異なるため、契約前に詳細を十分に確認しておきましょう。
マンションのリノベーション・リフォーム
マンションのリノベーションやリフォームには、戸建てとは異なる特有の注意点があります。まず、マンションには管理規約があり、リフォームできる範囲や内容が制限されていることが多いです。特に、窓や玄関などの共用部分は、個人で自由にリフォームすることが原則できません。
また、工事を進める際には管理組合への事前申請と承認が必須であり、無許可で工事を行うとトラブルの原因となる可能性があります。さらに、マンションの構造によっては間取りの変更が制限されたり、配管の移動が難しいケースもあります。
このように、マンション特有のルールや制約を事前にしっかり把握しておくことが、スムーズで安心なリノベーションを進めるうえで非常に重要です。
マンションリフォームの独自の手順
マンションのリフォームは、一戸建てとは異なる独自の進め方や手順があります。中でも最も重要なのが、管理規約の確認です。マンションごとに定められた管理規約には、リフォーム可能な箇所や使用できる建材に制限が設けられていることが多いため、事前に管理組合に確認し、リフォーム内容が規約に適合しているかをしっかり把握することが不可欠です。
さらに、リフォームを実施する際には、管理組合への申請と承認が必要となります。これらの手順を踏まずに工事を進めると、トラブルに発展するリスクが高まるため、十分な注意が必要です。
管理規約の確認
マンションのリノベーションでは、まず管理規約の確認が必須です。規約にはリフォームできる範囲や共用部分の制限、使用可能な建材などが細かく定められています。違反すると工事中止や原状回復を求められることもあるため、必ず管理組合や管理会社から規約を入手して確認しましょう。その上で、経験豊富なリフォーム会社に相談し、規約に沿ったプランを作成してもらうことが大切です。
リフォーム申請と承認
マンションのリフォームでは、専有部分でも管理組合への工事申請が必須です。管理組合に工事内容が管理規約に適合しているかを確認し、承認を得てからでないと工事を始められません。申請には工事申請書や設計図、工程表などの書類が必要で、多くの場合リフォーム会社が代理で申請をサポートします。申請から承認まで時間がかかることもあるため、余裕を持って手続きを進めることが大切です。
マンションの構造上の制限
マンションのリノベーション・リフォームには、建物の構造による制限があります。主にラーメン構造と壁式構造の2種類があり、ラーメン構造は柱と梁で支えているため間取り変更が比較的自由ですが、壁式構造は壁自体で支えているため撤去できない壁が多く、間取り変更に制約が出ることがあります。また、耐震性を保つために、コンクリートの壁や柱、梁、床や天井、鉄骨の柱や梁を削ったり移動したりすることはできません。こうした構造上の制限を事前に把握しておくことが大切です。
専有部分と共有部分
マンションのリノベーションやリフォームでは、専有部分と共有部分の違いを理解することが非常に重要です。専有部分とは、自分が所有する部屋の内側、壁や床、天井などを指し、キッチンや浴室の設備や内装の変更がこれにあたります。一方、共有部分はマンションの所有者全員で使うエントランスや廊下、階段、エレベーターなどで、玄関ドアやサッシ、バルコニーも基本的には共有部分です。
リフォームできるのは原則として専有部分のみで、共有部分の変更は基本的に認められていません。ただし、管理規約で特別に定められていたり、申請と承認を経て工事が許可されるケースもあります。
まとめ
リノベーションやリフォームを成功させるためには、事前の準備と計画が欠かせません。まずは目的や優先順位を明確にし、現在の住まいの不満点を洗い出しましょう。そのうえで具体的なイメージを膨らませ、予算計画と希望の完成時期を設定します。家族との話し合いも大切です。
準備が整ったら、複数のリノベーション・リフォーム会社から情報収集を行い、得意分野や実績、アフターサービスなどを比較して信頼できる会社を選びましょう。マンションの場合は、管理規約の確認や管理組合への申請が必要となるため、特に注意が必要です。計画から引き渡しまで、会社と密にコミュニケーションを取りながら進めることで、理想の住まいの実現につながります。