2026.02.17
最終更新日
2026.02.17
CREATOR's STORY リノベーションのヒント

「暮らしの“解像度”を上げるのは、照明計画だ。」【KUJIRAメソッド8】

リノベーション 照明

こんにちは、クジラ株式会社の三輪です。

Writer
三輪海斗
ディレクターWORKS
2018年に新卒入社後、住宅・店舗・オフィスなど幅広く担当。住宅ローンの工面など難しい状況でもお客様に寄り添ってサポート。

同じ物件の中で、もうひとつどうしても触れておきたいテーマがあります。それが、「照明計画」です。

間取り、素材、収納——家づくりの要素はいろいろありますが、僕自身は「最後の決め手になるのは照明計画だ」と思っています。

そしてここは、プロとして一番価値を発揮できる場所でもあります。

施主さんにあった「照明が大事」という感度

今回のKさんご夫妻は、もともと照明計画の大切さをよくご存じでした。おそらくネットやSNSなどでかなり情報収集をされていて、初回の打ち合わせから、

・ダウンライトをただ等間隔に並べるのはイヤ
・間接照明やスポットで“雰囲気をつくる”ことに興味がある
・夜の居心地をちゃんと考えたい

といった温度感を、はっきりと共有してくださっていました。

「明るければいい」ではなく、「どんな光で、どう過ごしたいか」まで考えている施主さん。その感度の高さが、この家の仕上がりをグッと引き上げています。

追加オーダーがほとんどなかった「照明提案」

照明計画を進める中で印象的だったのは、こちらからの提案に対して、追加のご要望がほとんどなかったことです。

キッチン:スポットライトと間接照明を組み合わせた“家バル”モード
リノベーション 施主様インタビュー
リビング:光源を直接見せすぎない、やわらかい灯り中心の構成
リノベーション 照明
廊下・WIC:必要なところだけをピンポイントで照らす計画
すべての部屋がいつまでも「役割を持つ」
背面壁:塗装仕上げを活かす当て方で、テクスチャーが浮かび上がるように
リノベーション 施主様インタビュー

こうした案をお見せしたとき、Kさんはとても喜んでくださって、「ここはこう変えたい」というよりも、「それ、いいですね。ぜひそれで!」というリアクションが多かったんです。

たくさん要望を出していただくのも良いのですが、今回のように「大枠の方向性を共有したうえで、細部はプロに任せてもらう」ケースは、設計者としても腕のふるいがいがあります。

照明計画は“生活のシーン”を一緒に想像する作業

照明計画がむずかしいのは、「図面では伝わりにくい」という点です。

・どのくらいの明るさで
・どこに影が落ちて
・どこにだけ、わざと光を当てないのか

これは、パースや写真だけではなかなかイメージしづらい部分でもあります。だからこそ、僕が意識しているのは、「生活のシーンごとに光を設計する」という考え方です。

・仕事終わりに一人でキッチンに立つときの光
・友人を招いて“家バル”になる夜の光
・子どもがソファでごろごろしながらテレビを見るときの光

眠る前、家族それぞれが自分の場所で過ごすときの光

こうしたシーンをひとつずつ思い浮かべながら、「この場面では、どの照明だけを点けるか」まで想像して配置していきます。

スイッチの分け方や回路の組み方も含めて、実は照明計画って「暮らしの台本づくり」に近い仕事なんです。

プロの価値を発揮する見せ場

照明については、ネットやSNSで情報を集めれば、「おしゃれな照明器具」は簡単に見つかります。
でも、

・天井のどこにつけるのか
・何個までに抑えるのか
・どこにあえて付けないか
・どの光だけで成立させる夜をつくるか

といった「引き算」と「組み合わせ」は、やはりプロの経験や“第三者の目”がものを言う領域です。

家づくりの中で、もっとも“設計者の個性”と“住まい手の暮らし”が交わる場所が、この照明計画だと思っています。

照明計画は、図面の端っこにある「●」や「×」の記号で終わるものではありません。家で過ごす時間の温度や、そこで交わされる会話のトーン、一日の終わりにふっと力が抜ける瞬間までを左右する、大事な設計要素です。

だからこそ、僕たちはここを「プロとして価値を発揮できる場」と位置づけています。

暮らしの解像度を一段引き上げるための、目に見えにくいけれど大切なメソッド。それが、KUJIRAの考える「照明計画」です。

WRITERこの記事を書いた人

ディレクター

三輪 海斗KAITO MIWA

ディレクター / 大阪府高槻市出身 / 三輪に頼んで良かったと言ってもらえるように頑張ります / 休日はよく古着屋巡りや、家具屋さんに行きます!

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