2026.03.06
最終更新日
2026.03.05
CREATOR's STORY リノベーションのヒント

「光と風めぐる“家バル”の間取り」〖KUJIRAメソッド⑩〗

リノベーション

こんにちは、クジラ株式会社の三輪です。

Writer
三輪海斗
ディレクターWORKS
2018年に新卒入社後、住宅・店舗・オフィスなど幅広く担当。住宅ローンの工面など難しい状況でもお客様に寄り添ってサポート。

今回は、「家全体に光と風が通い、家にいても自然を感じられる自宅」をテーマにした設計事例をご紹介します。オープンキッチンを中心にした“家バル”のような暮らしを支えているのは、実は間取りと天井まわりの、ちょっとした工夫たちです。

光と風の“通り道”をつくる

今回のリノベーションで一番の仕掛けは、「光と風の通り道を、家じゅうに張り巡らせたこと」です。ベランダから入ってくる光と風が、リビングだけで終わらず、家の奥まで届くように。
リノベーション 廊下
そのために、天井付近に30〜40センチほどの開口を設け、部屋と部屋のあいだで空気がふわっと抜けていくように計画しました。
壁で仕切りきらない、けれど視線はほどよく切る。
この“上だけつなげる”設計によって、

・日中はどの部屋にもやわらかい光が回る
・風が抜け、空調の効きもムラが少なくなる

といった効果が生まれています。「窓の前だけが明るい」ではなく、「家じゅうがじんわり明るい」。そんな空間を目指した結果、どこにいても自然を感じられる住まいになりました。

“区切る”のではなく家じゅうを回遊させる

光と風を活かすために、間取りは「回遊動線」を前提に組み立てています。リビング・ダイニング・キッチン、書斎、個室、収納──。それぞれを行き止まりにせず、ぐるっと一周できるようにすることで、

・家事動線が短く、動きやすい
・どの部屋にも空気が溜まりにくい
・家族同士が自然と顔を合わせやすい

という“暮らしの軽さ”をつくりました。書斎スペースは、「こもれるけれど、切り離されすぎない」ことがテーマ。壁の上部を抜いた開口によって、リビングとゆるやかにつながりながらも、視線や音はほどよくコントロールできるようにしています。
リノベーション
リノベーション
一人で集中したいときも、家族の気配を感じたいときも。どちらのモードにも対応できる、ちょうどいい距離感の書斎です。

エアコン1台で家じゅうの温度を整える

今回のお施主様は、「家が好きで、家で過ごす時間が長い」と最初の打ち合わせから語ってくださった方でした。

・エアコン1台で、できるだけ家じゅうをまかなえるようにしたい
・部屋ごとに温度差が出ないようにしたい

というご要望を受けて、マンションでありながら、床・壁・天井の断熱工事とインナーサッシ(二重窓)までしっかりと施工。断熱性と気密性を高めたうえで、先ほどの「天井付近の開口」と「回遊動線」を掛け合わせることで、空調の効きが家全体に行き渡るようにしています。

「冷暖房の効き」と聞くと設備の話に聞こえますが、実は“間取りの話”でもあります。空気の流れ方を設計し、エアコン1台の力を最大限に活かせるようにすること。それもまた、KUJIRAのメソッドのひとつです。

素材とディテールで“家バル”の空気をつくる

光と風、回遊動線と断熱性能。そうした“見えにくい設計”を支えているのが、素材やディテールの選び方です。

このお住まいでは、

・ガラスやボルト使いで、抜け感と少しラフな質感をプラス
・無垢材のフローリングで、素足がうれしい足ざわりに
・木材ルーバーで天井まわりを整えつつ、配線などをさりげなく隠す
・縦型ブラインドで、光の入り方を細かく調整できるようにする

といった要素を組み合わせています。昼は光がスリット状に差し込み、夜は間接照明が特殊塗装の壁やルーバーをやわらかく照らす。“明るさ”そのものよりも、“心地よさ”をデザインした空間です。
リノベーション
リノベーション
オープンキッチンのまわりには、家族や友人が自然と集まるカウンターや畳ベンチ。
まるで“家バル”のようなにぎわいを、日常の延長として楽しめる場所になりました。
リノベーション キッチン

要望が“全部のった”間取り

今回のお施主様からのご要望は、どれもとても具体的でした。

・「リビングで過ごす時間が長いので、とにかく広くしたい」
・「エアコン1台で過ごせて、各部屋で温度差がない家がいい」
・「書斎スペースは欲しいけれど、リビングとのつながりも大切にしたい」
・「収納が得意ではないので、“がさっと入れられる”WICのような場所が欲しい」

これらをひとつずつ図面に落とし込み、光と風の通り道、回遊動線、断熱・気密の性能、素材やディテールを組み合わせていった結果、「ご要望がピタッとはまった」と感じられるプランが出来上がりました。

広いリビングでゆったり過ごしながらも、家事はコンパクトに回せる。こもれる書斎がありながら、家族の気配もちゃんと感じられる。エアコン1台でも、家じゅうが心地いい温度に保たれている。そんな“無理のない贅沢”を、間取りと設計の力で叶えたリノベーションです。

光と風、回遊動線、断熱性能。中と外、機能と感性、日常と少しの特別。そのすべてを結びつけて“ずっといたくなる家”に変えていくのが、KUJIRAの“アイデア”です。

WRITERこの記事を書いた人

ディレクター

三輪 海斗KAITO MIWA

ディレクター / 大阪府高槻市出身 / 三輪に頼んで良かったと言ってもらえるように頑張ります / 休日はよく古着屋巡りや、家具屋さんに行きます!

リノベーションの相談・各種ご予約はこちら