コーブ照明・コーニス照明って?おしゃれな間接照明設置のポイントを紹介
こんにちは!クジラ株式会社の藤本です。
Writer 藤本恭好 デザイナーWORKS 何事もバランスが大事! を念頭に相談者さまの頭の中を整理するデザイン提案を心がけています。誰かに喜んでいただく事がまわりの人・地域・社会へ伝播することを信じています。 |
毎日過ごすリビングや寝室。「今よりもっと落ち着いた空間にしたい」と考えている人も少なくないと思います。そんなときにおすすめなのが、間接照明の中でも「コーブ照明」というもの。
光を天井に当て、反射した光で間接的に部屋を明るくするコーブ照明。そんな照明ならではの、あたたかい雰囲気や空間を広く見せる魅力、そして注意点についてご紹介します。
目次
コーブ照明とは?
コーブ照明は、折り上げ天井(天井の中央を周囲より一段高くした天井)の中に照明器具を設置し、光を天井に直接当て、その反射した光で部屋を明るくする照明のことです。直接光源を見ることがないので、部屋に眩しさを感じないのも特徴です。
コーニス照明との違い
コーブ照明に似た間接照明でコーニス照明というものがあります。コーニス照明は、光を壁面に直接当てることで壁面を明るく照らすもので、光を照射する場所が天井か壁面かの違いがあります。天井を照らすことで照明の代わりにしたい場合はコーブ照明を、アクセントウォールにしたり、インテリアの雰囲気を高めたりしたい場合はコーニス照明がオススメです。
設置費用の相場
上述した通り、コーブ照明を天井に取り付けたい場合、折り上げ天井でなければなりません。天井の工事が必要な場合は、1部屋あたり60万円以上かかるとされています。ただし、部屋の大きさによって変動します。
既に折り上げ天井を採用しており、コーブ照明のみ取り付ける場合は、設備費用、電気・配線工事を合わせて10〜25万円程度が相場です。
コーブ照明の効果
コーブ照明は一般的な照明とは違い、上品で高級感のある雰囲気を演出できる間接照明です。その魅力・効果について詳しく見ていきましょう。
部屋があたたかい雰囲気になる
コーブ照明最大の魅力は、やわらかい光です。天井に反射した光で間接的に部屋を明るくするため、直接照明よりもあたたかい雰囲気を作ることができます。リラックスできる空間が演出できるため、ホテルのロビーやカフェなどで取り入れられていることも多いです。
天井が高く見える
コーブ照明は、光源のライトだけでなく、天井全体が照明になります。さらに折り上げ天井の場合、人と照明との距離もペンダントライトより遠くなるため、天井が高く、空間が広く見えるというメリットがあります。部屋の圧迫感が気になる人にもおすすめです。
リラックスでき安眠につながる
照明の色や明るさは、交感神経・副交感神経の自律神経系に影響を与えます。つまり、コーブ照明のやわらかな光は副交感神経を優位にさせ、とてもリラックスした状態を作り出すことができます。家族団欒の時間を過ごすリビング・ダイニングだけでなく、寝室にも安眠効果が期待できるためぴったりでしょう。
コーブ照明の電気代・節電する方法
「間接照明は直接照明よりも電気代が高そう……」
漠然とそんなイメージを持っている人も少なからずいるのではないでしょうか?
しかし結論から言うと、どちらも基本的に電気代の差はありません。専用のものではなく、どちらも同じ電球を使用するからです。
ただし、間接照明のほうが直接照明よりたくさんの照明器具を使用する場合が多いのは確かです。その分、電気代は高くなるので、間接照明の電気代を節約する方法を確認しておきましょう。
LED電球を使用する
資源エネルギー庁によると、LED電球は白熱電球に比べ消費電力が約85%も低いとされています。またLED電球は白熱電球の約40倍も長寿命で、長期交換不要であることも大きなメリットです。購入時はLED電球のほうが高額ですが、約9ヶ月でコストが逆転すると考えれば、LED電球を選ぶしかありません。
定期的に電球を掃除する
天井との位置が近い電球にはどうしてもホコリが溜まりがちで、ホコリに覆われることで明るさが下がってしまいます。
1年間電球の手入れをしないと、明るさが20%もダウンしてしまうというデータもあるぐらい。
折り上げ天井に取り付けるコーブ照明は、一般的な照明に比べメンテナンスが少し難しく、お手入れを放置しがちかもしれません。知らず知らずのうちに照明の機能を落としてしまわないよう、定期的に電球のホコリを拭き取るようにしましょう。お手入れをすることで安全性の担保にもつながります。
コーブ照明の失敗例
コーブ照明は部屋の雰囲気を高めてくれるおしゃれアイテムですが、失敗例があるのも事実です。今まで取り入れた人たちの意見を参考にして、失敗しないようにしたいもの。
家具や家電に光が当たっている
間取りや家具・家電の配置を考慮していないと、そこに光が当たって雰囲気を壊してしまいます。とくにエアコンや時計、背の高い戸棚などは配置に気をつけるようにしましょう。
掃除・メンテナンスがしづらい
そもそも天井は高いですが、台に乗っても届かなかったり、奥に入り組んだりしているなど、掃除やメンテナンスがしづらいのは大きな問題です。電球が埃を被ると光量が減ってしまいますし、電球や電池が切れた場合の交換も面倒で放置してしまうことも。スイッチの場所を手が届きやすいところにしておくのも大切です。
コーブ照明の設置は決して安くありません。長期的にみて使い勝手のいい配置を心がけておきましょう。
窓が近く効果が薄い
窓の大きさや方角によっては差し込む光が部屋全体を明るくすることもあるので、日中にコーブ照明が必要ないことも考えられます。夜であっても近隣住宅や街頭の光が入り込む可能性もあるでしょう。窓とコーブ照明の位置には注意が必要です。
おしゃれさを意識して光源が不足している
おしゃれさを意識するあまり、部屋の全てを間接照明にしたり、キッチンをコーブ照明にしたりすると生活がしづらくなってしまいます。コーブ照明はやわらかい光で、部屋の隅がぼんやりと暗くなるため、なにか作業をする部屋には向きません。とくにキッチンは細かい作業をする場所であるため、手元が見えないと作業がしづらく、怪我をしてしまう危険性もあります。TPOに合わせて光源を確保するようにしましょう。
コーブ照明設置の注意点
コーブ照明は空間をおしゃれに演出してくれる優れものですが、取り入れ方を間違えると先述したように思っていた効果が期待できないということもあります。注意点をしっかり抑えて、失敗がないようにしておきましょう。
電球の色
コーブ照明のメリットで述べたように、最大の魅力はあたたかい雰囲気です。電球には暖色のものと青白いものがありますが、暖色のものを選ぶことでコーブ照明の魅力が最大限に発揮されます。オレンジの暖色は、くつろいだり眠ったりするリラックス効果があるだけでなく、料理を美味しそうに見せる効果もあります。リビングやダイニング、寝室などで使用することを考え、なるべく暖色のものを取り入れるようにしたいですね。
電球の色の種類についても紹介しておきましょう。
電球色
温かみのある電球色はリビングや寝室など、くつろいでリラックスするような空間に向いています。
温白色
温白色は落ち着きのある明るい色で、リビングやダイニングなど、団らんする場所に適しているでしょう。
昼白色
生き生きとした自然な光の昼白色は、手元や近くを見るキッチンや洗面台に適しています。コーブ照明に使用すると天井をシャープに演習し、空間にメリハリを生みます。
昼光色
昼光色は青みがかった色が特徴で、勉強部屋や書斎など、集中する環境にオススメです。真っ白に統一された内装の空間に使用すると洗練された仕上がりになるでしょう。
電球の色に悩む場合は調色調光機能付きの電球もおすすめです。
▼電球の色については、下記の記事も参考にしてみてください!
調色調光機能付き照明
光源が隠れるようにする
間接照明はその名の通り、光源を隠して間接的に照らすものです。照明器具やコードが隠れるように事前に計算した上で取り入れるようにしましょう。コーブ照明の設置事例が多くあるリフォーム会社や施工会社に依頼しておくと安心です。
コーブ照明のおしゃれな設置事例
キッチンの天井を一段下げコーブ照明を設置しました。天井の木目のクロスと相まってシックで大人な印象に。
キッチンの天井は換気扇の配管をするために一段下げなければいけないこともあります。天井が下がって圧迫感が気になる場合には、コーブ照明を使えば空間に広がりを感じさせることができますよ。
適度なお手入れで快適なリラックス空間を
コーブ照明の魅力や効果をたくさんお伝えしましたが、天井に隠すように設置するコーブ照明はメンテナンスやお手入れが少々面倒なのが事実。電球が汚れて暗くなったり、電球自体が切れたりしても、面倒くさいからとそのままにしておくと、せっかくのあたたかな雰囲気が台無しになってしまいます。
一般的なペンダントライトに比べ手間がかかることも考慮した上で、それでも取り入れたいという人にコーブ照明はおすすめですし、それ以上の快適なリラックス空間が待っているでしょう。