ステンレスキッチンのメリット・デメリットやおしゃれなメーカーを紹介
こんにちは!クジラ株式会社の菅原です!
Writer 菅原沙絵 デザイナー WORKS 2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。 お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。 CREATOR’s STORY|菅原 沙絵 |
どんなデザインのキッチンを選ぶかは、家の印象に大きく左右します。今回ピックアップするのは、飲食店の厨房などでも見かけるステンレス製のキッチン。シンプルでスタイリッシュなデザインかつ機能的であるステンレスのキッチンを自宅に採用するケースが最近では多く見られます。
今回は、そんなステンレスキッチンのメリット・デメリットや、ステンレスキッチンでおすすめのメーカーをご紹介します。
目次
ステンレスシステムキッチンの基本情報
ステンレスキッチンと聞くと、飲食店の厨房などを想像する人も多いでしょう。ステンレス素材は、抗菌性が高く頑丈であるという特徴があり、キッチンとして採用するにはふさわしい素材です。キッチンのワークトップ(システムキッチンにおける作業スペース)だけがステンレス素材であるパターンと、シンク・コンロ・ワークトップ・収納など、システムキッチンとして一体化しているものがすべてステンレス素材であるパターンがあります。
すべてにステンレス素材を採用しているシステムキッチンは、「オールステンレスキッチン」とも呼ばれます。オールステンレスキッチンには、大きく分けて業務用と家庭用があります。自宅に設置するなら、家庭用を選ぶといいでしょう。
家庭用のオールステンレスキッチンは、住環境での使用を前提にデザインや設計がされているため生活空間になじみ、使いやすさも考慮されています。最近はオールステンレスキッチンが人気の傾向にあります。
ステンレスキッチンの魅力とは?
日々調理をする場所であるキッチンは、耐熱性・耐水性・耐汚性・耐傷性・耐衝撃性といった機能をもつ必要があります。そういった観点で見ると、ステンレス素材は、耐水性・耐熱性・耐衝撃性といった性能を満たす、使いやすい素材です。
また耐傷性・耐衝撃性も高く、表面に傷がついても空気に触れると膜が自然に再生します。これは、ステンレスの表面にある「不動態皮膜」という保護皮膜のおかげ。もし傷が付いても瞬時に修復されるため、サビの発生を防ぐことができます。
そのため、掃除やお手入れがしやすいのが特徴です。
システムキッチンとしての特徴
ワークトップがステンレス素材であるキッチンはよく見られますが、システムキッチンとして一体化しているものがすべてステンレス素材であるステンレスキッチンの場合、ステンレス素材のよさをより感じることができます。
ステンレスキッチンのメリットとデメリット
ステンレスキッチンを検討する際に、メリットとデメリットの両方をよく理解しておく必要があります。
以下にステンレスキッチンのメリットとデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
メリット①:機能性とデザイン性を兼ね備えた特徴
ステンレスキッチンの最大のメリットは、機能性とデザイン性を両立している部分です。調理する場所であるキッチンは、包丁や皿などの傷がついたり、熱い鍋を置いてしまったり、といったことも多く発生します。そうなると、ある程度耐久性を気にせずに使えるほうが便利。
その点、ステンレス製であればそういった懸念が少なく、キッチンを快適に使うことができます。
また、機能性は高いものの、見た目にあまりおしゃれではないという素材もある中で、ステンレスキッチンは見た目にもスタイリッシュでおしゃれ。まさに機能とデザインを両立しているのです。
メリット②:耐久性とお手入れの簡単さ
ステンレスとは主成分の鉄に、クロムやニッケルを合わせた合金であるため、それぞれの素材の含有割合によって機能性に少し差がでます。とはいえ基本的にサビに強く、耐熱性・耐傷性・耐衝撃性などの、耐久性全般があります。
また、表面の加工により汚れが染み込みにくい耐汚性もあり、掃除やメンテナンスも簡単。汚れや臭いが付きにくく、衛生面でもいつでも清潔を保つことができます。水や生鮮食品、調理器具を扱うキッチンには、親和性の高い素材と言えるでしょう。
さらにステンレスのキッチンの場合は、つなぎ目の少ないシームレスな作りであるものも多く、溝などに溜まりがちな汚れを落とす面倒さもありません。さっとひと拭き、拭き掃除をするだけで美しさを保てるというメリットがあります。
メリット③:おしゃれなスタイリッシュデザイン
ステンレスをキッチンに導入すると、空間が一気にスタイリッシュになります。スタイリッシュでありつつ主張せずにインテリアに溶け込んでくれるため、どんなインテリアの空間でもしっくりとなじむでしょう。見た目がシンプルなので、好みの差もでにくいという利点もあります。
メリット④:環境に配慮した素材
ステンレスはリサイクルすることができる、環境に優しい素材です。年月が経過してもサビなどの品質劣化があまりなく、品質をキープしたまま回収されることが多いため、リサイクルに適しています。現在生産されているステンレスの約80%は、リサイクルされているとも言われるほどです。使用済みのステンレスは新しい製品の一部になったり、ナイフやフォークなどのカトラリーや調理器具として生まれ変わったり。ステンレスキッチンを選ぶことは、環境に配慮することにもつながるのです。
デメリット①:傷がつきやすい
ステンレスの表面にある「不動態皮膜」という保護皮膜が働き、もし傷がついても瞬時に修復されるため、サビの発生を防ぐことができるステンレスですが、一方で傷自体はつきやすいという難点もあります。サビにつながることは少ないものの、傷はつきやすいと思っておいたほうがいいでしょう。
とくに傷がつきやすいのは、髪の毛のように細かい線の入ったヘアライン加工のワークトップ。大きな衝撃がなくとも、普通に使っているだけで知らずうちに表面に小さな傷ができてしまうこともあります。
また、重いものや固いものをぶつけるなどの大きな衝撃がある場合は、表面が凹んでしまうことも。一度凹んでしまうと、修復するのが難しい場合が多いのでこの点では取り扱いに少し注意が必要です。傷が付きやすい粗いタワシなどでのお手入れもしないようにしましょう。
ただし、傷が付いてしまってもステンレスの性質や特徴が変わることはありませんのでご安心下さい。また、最近では、表面に傷が付きにくく、傷が付いても目立ちにくく加工されている「エンボス加工」やランダムな波模様の「バイブレーション加工」など、傷がつきにくいステンレス素材も多く出ているのでチェックしてみるといいでしょう。
デメリット②:水垢やもらいサビに注意
ステンレス素材は「不動態皮膜」により傷が付いても瞬時に修復されるためサビにくいというメリットがありますが、「もらいサビ」には注意が必要です。
もらいサビとは、別の金属のサビがステンレスに付いてしまうこと。スチール缶やヘアピンなどの金属を長時間置きっぱなしにしたことで、サビが移って取れない……という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これが「もらいサビ」です。万が一もらいサビが生じてしまった場合は、市販のクリームタイプのクレンザーや、ステンレスクリーナーできれいにすることができます。
ただし、研磨剤の種類や力加減によって傷の原因となってしまう場合もあるので、目立たない箇所で事前に試してから全体を掃除するようにしましょう。
また、強力な塩素系の洗剤が付いたまま放置するとサビが発生してしまうことがあります。塩分を含む汚れを長時間放置することでサビの原因になるので、汚れを放置せずに拭き取るようにしましょう。また、ぬめり取り、塩素系洗剤、漂白剤などを使用しないように注意しましょう。
デメリット③:経年劣化での光沢の変化
美しい光沢が魅力のステンレス素材ですが、経年するごとに光沢がなくなり、印象が変わってきます。毎日の家事で水を頻繁に使っていると、どうしても水垢や石鹸カス、ヌメリなどのさまざまな汚れが蓄積されていきます。
この光沢の変化は日々のメンテナンスで劣化を遅らせることはできます。台所用洗剤を使った日々のメンテナンスにプラスして、汚れがひどい場合は、重曹やクエン酸水を使用して水垢や石鹸カスを掃除しましょう。
とはいえ、新品の状態をずっとそのままに保つことは難しいと思っていいでしょう。経年変化した光沢は、また違った魅力があります。経年するごとの味わい深さを、ぜひ楽しんでみてください。
人気のステンレスキッチンメーカー
ステンレスキッチンを取り扱うメーカーはいろいろありますが、代表的なものを下記に紹介します。キッチンは家の中でも大きな買い物です。いろいろなメーカーのデザインや機能を比較検討してみて、自分や家族のライフスタイルに一番合致するものを選べるといいですね。
高品質で評判なメーカー一覧
毎日使うキッチンで気になるのは、なんといってもやはり品質の部分です。実績と信頼のあるメーカーを下記にて紹介します。
施工会社から紹介されるメーカーの中に下記のものが入っていなければ、自分でリサーチして施工会社に相談してみるのもいいでしょう。
クリナップ(ステディア含む)
クリナップは、システムキッチンの大手メーカー。機能性とデザイン性を備えた商品が揃っています。日本で初めてシステムキッチンを発売したという、キッチンを語る上でははずせないメーカーです。
ステンレスキャビネットを選択することができるモデルは、「CENTRO(セントロ)」と「STEDIA(ステディア)」の2つ。見た目や機能もさまざまなステンレスの種類のバリエーションも豊富で、必ず気に入るものが見つかるはず。大容量で高機能な収納も魅力です。
リクシル(リシェルシリーズ)
TOSTEM(トステム)・INAX ・新日軽・サンウエーブ工業・東洋エクステリアの5社が統合してできたメーカーであるリクシル。特に人気のモデルが「リシェルSI」。デザイン性・機能性にも優れており、快適に料理できる点がメリットでしょう。
ワークトップはステンレスの他、人工大理石・セラミックの中から選ぶことができます。ステンレスはエンボス加工がされているため、傷が目立ちにくく汚れも拭き取りやすい仕様になっています。キャビネットのステンレスは、サビに強い素材を使用しています。
トーヨーキッチンスタイル
1934年からステンレス刃物や洋食器を製造しているメーカー、トーヨーキッチンスタイル。2001年には日本で初めてアイランドキッチンを発売したことで知られています。
「iNO(イノ)」というモデルは、はトーヨーキッチンスタイルの職人により独自開発されたステンレスを随所に使用しています。波型の「リニア」や、不規則に模様の付いた「アイス」など、さまざまなデザインのステンレスから選べるのも魅力。
ただしステンレスを採用しているのは、ワークトップのみ。キャビネットはステンレス製ではなく、ステンレスキッチンではないためご注意を。
サンワカンパニー
キッチンや洗面化粧台などの住宅設備機器・建築資材の企画開発・インターネット販売を行っているメーカー、サンワカンパニー。現在では、「ミラタップ」という名前で展開しておろい、デザイン性の高いステンレスキッチンを扱うことで人気です。
「GRAD45(グラッド45)」は、上質感のある美しいデザインと、機能性を兼ね備えています。仕上げはヘアライン仕上げをはじめ、傷や指紋が目立ちにくいバイブレーション仕上げの選択も可能です。
「OSSO(オッソ)」は、フレームのみで構成されている、無駄がないシャープなデザイン。収納が少ないため、カスタマイズを行うこともできます。
永大産業
住宅建材や住宅設備の取り扱いをしている永大産業のステンレスキッチン「EIDAI(エイダイ)」。「ピアサスS-1ユーロモード」というモデルは、業界に先駆け開発されたステンレスキャビネットキッチン「ピアライン」を採用しており、40年以上にわたって信頼されています。
キッチンを家具としてとらえた欧州のデザインテイストをもとに、オープンな空間にも調和するように考えられたデザインセンスはさすが。
IKEAのシステムキッチン
スウェーデンのホームファニッシングブランドIKEA。リーズナブルな価格でスタイリッシュなデザインを多数用意しています。おすすめは、「VÅRSTA(ヴォールスタ )ステンレススチール」。キャビネットには幅広い種類のサイズが揃い、ニーズに合わせて自由に組み合わせられます。訪問測量や施工サービスもあるため、組み立てが心配だという人も安心して選ぶことができます。
ステンレスキッチンの価格と特徴
ワークトップのみがステンレス素材なのではなく、全てがステンレス素材の「ステンレスキッチン」を設置する場合はいくらかかるのでしょうか。シンプルな仕様からオーダーメイドまで、その価格の幅は広く、価格相場としては約60〜250万円を見積もっておくといいでしょう。設備やデザインにこだわる場合は、300万円以上かかることもあります。
また、現行のキッチンからステンレスキッチンへのリノベーションをするには、解体撤去費用なども考慮しておかなければいけない場合も。リノベーションをするにあたり、当初の予定にはなかった工事が発生するなど、追加工事が発生することあります。
そういったことも踏まえ、丁寧に教えてくれるリノベーション施工業者をいくつか探し、相見積もりを取ってみるといいでしょう。
価格帯の比較と選び方
ワークトップの素材にはステンレスを始め、人造大理石や天然石、クォーツなどさまざまです。その中でもステンレスは、他の素材のキッチンより比較的リーズナブルな価格です。耐水性・耐熱性・耐久性に優れ、長く使えるため、メンテナンス費用も抑えられ経済的です。
また、コストダウンのコツとして、物件探しから施工まで一括で実施するワンストップで依頼できるリノベーション施工会社を選ぶことで、各項目でさまざまな業者と連携を取る必要がないため、手間とコストを削減できます。
ステンレスキッチンのおしゃれなインテリア活用術
ステンレスキッチンを導入した事例について紹介します。存在感がありつつもどんなデザインテイストのインテリアとも自然に調和がとれるため、家全体の雰囲気ががらりと垢抜けた印象になるでしょう。ステンレスキッチンのおしゃれなインテリア活用術について考えてみましょう。
空間デザインと統一感の作り方
ステンレスキッチンは無機質でクールな見た目から、おしゃれにコーディネートするのが難しそうと感じる人も多いのも事実です。せっかくのステンレスキッチンをよりおしゃれに見せるには、空間全体のデザインテイストにあったコーディネートをして、統一感を作りましょう。
まずは、内装全体の好みのテイストを決めます。ステンレスキッチンのスタイリッシュで洗練された都会的な印象をベースとして、もっとクールにキッチン全体を見せたいのか、それとも少し癒しを感じる空間にしたいのか、まずは考えてみましょう。
ステンレスキッチンに合う素材は、タイルや大理石、モルタルなど。クールな印象がより際立って、都会的でスタイリッシュな内装となります。一方で、クールなイメージを和らげたい場合には、無垢材などがおすすめ。テイストに迷う場合はさまざまなステンレスを取り入れた事例を見てみましょう。いくつも事例を見ているうちに、自分が好きなテイストや雰囲気が見えてくるはずです。迷ったら、施工会社に相談してみるのもいいでしょう。
自宅をおしゃれにするキッチンプラン
キッチン全体のテイストを決めたら、次はダイニングやリビングとの自然なつながり感を意識してみましょう。
最近人気の壁や間仕切りのないオープンキッチンの場合は、リビングダイニング全体が統一感のある雰囲気だと、よりおしゃれに仕上がります。ステンレスキッチンになじみやすいのは、グレーやホワイトなどのモノトーン配色です。
よりリラックスできる空間にするには、無垢材や集成材などのウッド系のフローリングの場合は、ウッド調の家具を取り入れてバランスを取るのもおすすめです。
ステンレスキッチンの掃除とお手入れ方法
せっかくの、ピカピカのステンレスキッチン。毎日の掃除とメンテナンスで、美しい状態をずっと保っておきたいものです。以下に、メンテナンス方法についてご紹介しましょう。
水垢や傷を防ぐお手入れ術
キッチンの汚れでも気になるのが水垢です。蓄積すると、だんだん汚れが落としづらくなってきます。汚れがひどい場合は、重曹やクエン酸水を使用して水垢や石鹸カスを掃除しましょう。また、毎日のように使うと、傷も気になります。
傷を完璧に無くすのは難しいですが、目立ちにくくすることは可能です。シンク用のマットや桶を利用する、傷が付きやすい粗いタワシの使用は避けるなどについても気をつけましょう。
もし傷ついてしまった場合は、市販のクリームタイプのクレンザーがおすすめです。粉末タイプのクレンザーを使用すると粒子の荒さからシンクを傷つけてしまう場合があるため注意しましょう。
研磨剤の種類や力加減によって傷の原因となってしまう場合もあるので、目立たない箇所で事前に試してから全体を掃除すること。重曹を使って傷を目立たなくすることもできます。
日々のメンテナンスで清潔感を保つ
美しく保ちたいものの、キッチンは毎日の家事で使う場所です。水や火、油を使うため、汚れもすぐにたまってしまいます。
そのため、汚れの種類もさまざま。水垢や石鹸カス、ヌメリなどといった様々な汚れが溜まります。放っておくと汚れが落ちづらくなるため、日々のお手入れが大切です。キッチンには必ずある台所用洗剤を使って、こまめに掃除する習慣をつけておくといいでしょう。
リノベーションでのステンレスキッチンの導入事例
独自のワンストップリノベーション実績のあるKUJIRAでは、リノベーションでのステンレスキッチンの導入事例も豊富に揃えています。KUJIRAが実際にステンレスキッチンを施工した事例をご紹介します。
ホテルライクな黒く魅せる空間
オールステンレスのキッチン、RC造だからこそ魅せることができたコンクリート現わしの壁、セメント素材の壁…。
とっておきのかっこいいを詰め込みながらも、黒色で渋く締まったワンルーム空間に。
ステンレスキッチンに似合わせた装い
初回打ち合わせからのご要望だったステンレスキッチンを軸に、キッチンの内装をデザインさせていただきました。左官仕上げのように見えるこの仕上げ材は、実は施主様DIYでしただいた塗装によるものです。
主役になるステンレスキッチン
ステンレスの対面キッチンがリビングの主役になっています。広くなった作業スペースでお子様達と料理が作れるようになりました。家族のコミュニケーションが増える空間になっていると嬉しいです。
まとめ
耐久性があり、見た目にもスタイリッシュでおしゃれなステンレスキッチン。その割に人造大理石や天然石、クォーツなどのワークトップに比べると断然リーズナブルなため、ぜひ取り入れてみることをおすすめします。耐水性・耐熱性・耐久性に優れ、長く使えるため、メンテナンス費用も抑えられ経済的です。メリット・デメリットをよく理解した上で、いろいろなメーカーのデザインをぜひチェックしてみてくださいね。ステンレスキッチンへのリノベーションを検討している方は、ぜひ独自のワンストップリノベーション実績のあるKUJIRAにご相談ください。