2025.02.20
最終更新日
2025.02.25
リノベーションのヒント

後悔しない!使い勝手のよいパントリーの作り方のコツを紹介

パントリー リフォーム

こんにちは!クジラ株式会社の菅原です!

Writer
菅原沙絵
デザイナー WORKS
2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。
お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。
CREATOR’s STORY|菅原 沙絵

食品や調味料のストック、食器や調理家電……。キッチンで使うさまざまものを収納できるのがパントリーです。細々としたものが多くごちゃごちゃしがちなキッチンがすっきりまとまる!と、家を建てる際やリノベーションの際に、キッチンにパントリーを設置するのが最近では人気となっています。

とはいえ、実際にそこまで収納するものがあるのか?使うのか?という懸念も。せっかくパントリーを作っても、実際は全然使わず無駄だった……と後悔するもの、もったいないですよね。そこで今回の記事では、使い勝手のよいパントリーにするためにおさえておきたいポイントをご紹介します。

快適なパントリーを作るための基本ポイント

パントリー リフォーム事例
パントリーを設置することで、キッチンの使いやすさと整理しやすさが大幅に向上します。長期保存ができる食品をストックしておいたり、非常食をストックしておいたり。食品だけでなく、来客時や季節ごとにしか使わないお皿や、ホットプレートなど頻繁に使わない調理家電をしまっておくこともでき、キッチンの見える部分をすっきりとさせることができます。利便性と整理のしやすさが大幅に向上するパントリーですが、使い勝手のいいパントリーを作るためには、おさえておきたい基本的なポイントが2つあります。以下に見ていきましょう。

パントリーにコンセントを設置する重要性とは

パントリーを作る際におさえておきたいのは、「コンセントを設ける」こと。コンセントを設けることで、生活する上での使い勝手が、格段に上がります。キッチン家電を利用する際はもちろん、パントリー内が暗かった場合は、照明を設置することも可能に。照明を設置する際は、両手がふさがっていても反応する、人感センサー付きものがおすすめです。コンセントがあると充電をするのにも便利。

細かいことですが、キッチンで家事をしながらレシピを見たり音楽を聴いたり……という場合に、スマホを充電しておくこともできて便利です。ある程度どんな用途で使うかを想定しつつ、十分な数のコンセントを設置するといいでしょう。コンセントが少ないと、都度差し替えて使うことになり、まわりが煩雑になりがちです。

扉の選び方と注意点:引き違い戸のメリットとデメリット

パントリーを作る際に、扉をつけるかどうか悩むことと思います。扉なしでもパントリーとしては成り立ちますが、収納する食品が丸見えに。生活感を隠したい場合は、扉をつけるのがおすすめです。扉をつける場合は「開き戸」のタイプではなく、「引き戸」のタイプがいいでしょう。引き戸にする場合、「引き違い戸」という、2枚の戸が重なったタイプのものにすると中にあるものを取り出しやすく、使い勝手がグンと上がります。引き違い戸のデメリットとしては、ちょうど中心に置いたものが取り出しにくくなるということ。取り出す頻度などを考えた上で、どこに置くかを決めるといいでしょう。

パントリーの広さ別のおすすめ配置アイデア:0.5畳から5畳まで

中古戸建のリノベーション
家の間取り、とくにキッチン周りの間取りによって、どれくらいの広さのパントリーを設置できるかが決まってきます。パントリーの広さを考えるときは、まずパントリーの種類をおさえておきましょう。パントリーには、大きく分けて「壁付けタイプ」「ウォークインタイプ」「ウォークスルータイプ」の3種類があります。

壁付けタイプ

クローゼットのように壁面に取り付られているタイプです。部屋として作らないぶん奥行きが必要なく、コストをおさえて設置することができます。

ウォークインタイプ

小さな部屋になっているタイプです。広くて収納力は抜群ですが、キッチンから移動する距離が増えてしまうというデメリットも。

ウォークスルータイプ

小さな部屋になっていながらも通り抜けできるタイプです。ある程度の広さが必要だったり、間取り的に難しいという場合もあります。希望する場合はよく相談しましょう。

適切な広さを決めるためのヒント

どのタイプのパントリーが適切かどうかは、ライフスタイルや家の広さによって変わってきます。一般的には、パントリーはキッチン近くに作ることが多いですが、玄関や洗面所近くに作るという場合もあります。自分や家族のライフスタイルにとって適切なパントリーの広さはどれくらいかを検討した上で、パントリーの広さやどこに設置するかを決めるとよいでしょう。

どんなものを収納するかをある程度想定しておくと、必要な広さがイメージしやすいですよ。以下に、広さ別のパントリーの活用術を見ていきましょう。

0.5畳のパントリー:必要最低限の設計例

必要最低限の広さである0.5畳ほどパントリーの場合は、「壁付けタイプ」となることが多いでしょう。サイズは、幅90~180cm奥行き45cm程度が適切です。

壁付けタイプのパントリーは、奥行きのある棚のように使うことができます。シンクやキッチン台のすぐ背面などに設置することで、振り返るとすぐ収納物にアクセスすることができるため、かなり使い勝手はよくなります。キッチンのすぐ手が届く近くに大きめの収納棚があるという感覚で、細々としたものが多いキッチンまわりで便利に使うことができるでしょう。

ただし部屋になっていないため、収納としてのスペースは限られてしまいます。ボックスを利用して仕切りつつ、収納するものを仕分けして取り出しやすくするなどの工夫をすることで、さらに使いやすくなります。

2畳のパントリー:程よい収納力を確保するレイアウト

2畳ほどの広さがある場合は、「ウォークインタイプ」のパントリーを設置できるでしょう。人が入ることができるほどの広さなので、中で簡単な作業をしたりすることも可能。サイズは、間口170~180cm程度、奥行きは85~100cmが適切です。壁付けのタイプに比べて収納力は格段に上がるため、多少場所を取る調理家電なども収納することができます。キッチン周りのものだけでなく、他の生活用品の収納も可能。頻繁に使わないものをここに収納しておけば、ごちゃごちゃとした生活用品を目隠しすることができ、家のなかがすっきり。快適な空間を作り出すことができるでしょう。

その一方で、広さがあるぶん、置く場所によっては壁付けタイプのように「さっと取り出す」ことがなかなかできない場合も。使う頻度を考えてパントリー内の配置を考えるといいでしょう。そして、広々としたスペースであるぶん、煩雑に置くとぐちゃぐちゃになってしまいがち。中に棚を置くなどして上手に収納できる工夫をしましょう。

3畳以上のパントリー:広いスペースをどう有効活用するか

3畳以上のパントリーにする場合は、出入り口を2箇所つけた「ウォークスルータイプ」にするといいでしょう。サイズは、人がすれ違うことを考慮して通路幅を80cm程度は確保するのが適切です。ウォークスルータイプはパントリー内を通り抜けできるので、家の中の回遊性があがるという点では、とても便利になります。

例えばキッチンから洗面所へ通り抜けることができる動線に設置したり、玄関からキッチンへ通り抜ける動線に配置したり。生活スタイルを考慮して、使いやすい位置にパントリーを設置しましょう。

ただし出入り口が2箇所あるため、同じ面積に作る場合は、ウォークインパントリーにする場合よりも収納量としては少なくなります。また、広いパントリーにする場合は、どう有効活用するかがポイント。せっかく広いのにそこまで収納するものもなく結局あまり使っていない……となったらもったいありません。収納する量を想定しつつ、居住スペースを圧迫しない程度のパントリーを計画しましょう。

パントリーを充実させるアイデアと工夫

パントリー リフォーム ポイント
パントリーをただの「物置」にしないために、収納しやすいアイデアを見ていきましょう。パントリーの空間を上手に使うことができれば、キッチンやダイニングもすっきりして、結果的に生活がしやすくなるでしょう。

また、パントリーの間取りやタイプによっては、キッチンやダイニングに置くものだけでなく、玄関や浴室に置くものもすっきりと収納することができます。

使い勝手を重視した間取りの考え方

パントリーに収納するものは、幅も高さもさまざまです。頻繁に使う調味料や食材をキッチンから見て取り出すい位置へ。下段には重たい米や飲料水、ビン・缶詰のストックなどを配置できるように。これらを棚に置くのではなく、強度のあるラックなどを使うのもおすすめです。高い場所には、あまり使う頻度の少ないものや、落下しても危なくない軽いものを配置。
高い場所に置く場合は、取り出しやすいように取っ手のあるボックスにいれたり、踏み台などを置いておくのもいいでしょう。
こういったことを具体的にイメージした上で、使い勝手がいい間取りとはどういったものかを考えてみるといいですよ。

事前に考えたい棚の配置と高さ調整

棚板を事前に設置する場合は、どんなものを収納するかをある程度想定した上でサイズ感を考えるといいでしょう。

ただし、想定したとしても、ライフスタイルの変化などによって収納したいものも変わってきます。少しコストはかかるかもしれませんが、固定式の棚にするのではなく稼働式の棚にすることでフレキシブルに使うことができます。すべてを棚板にするのではなく、用途に応じて収納できるフリースペースを設けておくのもいいでしょう。引き出しをつくるのもおすすめです。

「これは使わない」を防ぐ実用的な収納テクニック

パントリーが広いと、「とりあえずそこになんでもいれればいいや」と、使わないものまでストックしてしまい、結局使わずにずっと置いたままになってしまった……というデメリットも。その対応策としては、あえて扉を設けないことで「見せる収納」とするのも一つの手です。
そうすることで「これは使わない」というものを買うことがなくなります。見せるパントリーにする場合は、棚板の材質にこだわったり、棚板に色を塗ってみたり。パントリー部分の壁面だけ鮮やかな色や派手な柄の壁にしても素敵です。おしゃれな照明を吊り下げるのもいいですね。パントリーとしての機能だけでなく、インテリアとしてのアクセントにもなります。

後悔しないパントリー作りのポイント


せっかくパントリーを作っても「こんなはずじゃなかった……」と、後悔したくありませんよね。パントリーを作ったことでの後悔ポイントを下記に見ていきましょう。

まず、間取りの部分です。せっかくパントリーを作ってもキッチンから遠すぎて結局使い勝手がよくないという場合があります。ウォークスルータイプにするなど、広いパントリーを検討する場合はとくに、家のどこに作るかというのを慎重に検討しましょう。一般的にはキッチンからアクセスのいい場所で、ものを取り出すときの動線にあることが理想です。スペースがあるからパントリーを作ってみたものの、家族がよく行き来する場所にあって逆に生活動線の邪魔になってしまった……という後悔の声も聞かれるので、そこも注意したいポイントです。

また、パントリー内に棚板を設置する場合も注意。棚板のサイズが入れたいものに合わずに全然使えていない……ということがないようにしましょう。例えば調味料を収納したいのに、深すぎる奥行きの棚板では取り出しづらくなってしまいます。どこになにが入っているかをわかりやすくしたい場合は、30~45㎝ぐらいの奥行き浅めの棚板が使いやすいでしょう。反対に、水筒やタンブラーなど高さのあるものや、調理家電などある程度ものを収納したいのに、棚の幅が狭すぎて入らない……という場合も。

入れたいものに応じてフレキシブルに対応できる稼働式の棚や、あとから収納棚を設置できるようにフリースペースを設けておくのもいいでしょう。

欲しい設備をリストアップして無駄を減らす

スペースやコストは、無限にあるわけではありません。パントリーをどのように使いたいかをよく考えた上で、欲しいのはどんな設備であるかをリストアップしましょう。例えば小窓や換気扇、排気口などの換気スペースを設けるといいという事例もありますが、そのぶんコストもかかります。一般的によいとされている設備も自分や家族のライフスタイルに合わせて本当に必要かどうかを都度検討し、無駄を減らしましょう。そうすると、コストもおさえられます。

「よかった!」と思える工夫を取り入れた成功例

KUJIRAでは、パントリーのリノベーション実績が数多くあります。ほんのひと工夫することで「使いやすい!」「やってよかった!」と思えるパントリーになったという事例を、ここでは紹介していきましょう。

冷蔵庫はパントリーに隠す

パントリー リフォーム事例
大きくて存在感のある冷蔵庫。パントリーの中に配置することで、生活感をなくすことができます。

アーチ開口がかわいいアクセントに

パントリー リフォーム

収納に便利なことはもちろん、アーチ開口が部屋のかわいいアクセントになります。

まとめ:メリットとデメリットを理解して賢く選択しよう

煩雑になりがちなキッチンをすっきりまとめてくれるパントリー。家を建てる際やリノベーションの際は、パントリーの設置をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。適切な広さと設置する時のポイントをおさえつつ、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解しておくことで、理想のパントリーを手にいれることができるでしょう。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

菅原 沙絵SAE SUGAHARA

設計 / 大阪府大阪市出身 / 普段からデザインを意識的に見て、自分ならどうするのか考えるようにしてます / インテリア雑貨が好きでナチュラル・シンプルなものを集めることにはまっています

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