2026.02.27
最終更新日
2026.02.27
CREATOR's STORY リノベーションのヒント

「クジラはなぜ屋根裏の片付けに行くのか。」【KUJIRAメソッド⑨】

こんにちは、クジラ株式会社の営業ディレクター三橋です。

Writer
三橋玲奈
ディレクター
身に付けるモノや身の回りの空間が持つパワーはとても大きいです。「自分らしくいきいきと暮らす人を増やしたい」「誰かの人生をより豊かにしたい」という想いでこの仕事に就きました。

今回は、富田林市のマンションリノベーションで体験した「屋根裏の片付けから始めるプロジェクト」についてお話しします。

クジラでは、工事が終わったところをゴールとは考えず、引っ越ししてからの暮らしまで含めて一つのプロジェクトだと捉えています。その価値観が、とても象徴的なかたちで現れた事例でした。

「屋根裏はそのままで……」に違和感

「屋根裏部屋は今のまま何もしなくても工事できますか?」
リノベーション インタビュー

打ち合わせのとき、お施主さまからこんな質問をいただきました。工事の観点だけでいえば、答えは「はい、できます」です。実際にそうお伝えしたところ、とてもホッとされた表情をされていました。ただ、その言葉のあとに続いたひと言が、ずっと頭から離れませんでした。

「あそこ、手付かずでものが押し込められていて……あれも全部片付けないといけないと思うとゾッとするんです。できれば、あのままにしておきたくて」

家全体は新しく生まれ変わる。でも、屋根裏だけは「思い出すとちょっとブルーになる場所」のまま残る。それって、引っ越し後の暮らしを思い描いたときに、どこかモヤモヤが残る状態なんじゃないか。そう感じて、心に小さな違和感が生まれました。

片付けも含めて「プロジェクト」に

クジラは、間取りや素材といった“空間づくり”だけでなく、そこで暮らす人の行動やタスクまで含めて設計する会社です。

今回も、「屋根裏の片付けをスルーしたまま工事だけ完了させてしまっていいのか?」という問いが、何度も頭の中をぐるぐるしました。

そこで、プランと見積もりをご提案するタイミングで、思い切ってこんな提案をしました。

「ここからは完全に私たちからのご提案なのですが、よろしければ、屋根裏の片付けを一緒にさせていただけませんか?捨てる/残すの判断だけしていただければ、捨てるものは工事のときに一緒に処分し、残すものは保管場所まで決めてしまいましょう」

・リノベで手に入れたい暮らしを長く続けるために
・引っ越しのときにリバウンドしないために

一度「モノと向き合う時間」をプロジェクトの一部として組み込むことが、今回のご家族にとっては必要だと考えたからです。

正直、「やっぱり遠慮しておきます」と言われる可能性も覚悟していました。それでも、奥さまから返ってきたのは予想外の言葉でした。

「本当にありがとうございます。ぜひお願いします。」その瞬間、「工事だけでは終わらないプロジェクト」が正式にスタートしました。

4人での片付けがチームをつくった

片付け当日は、お施主さまご夫婦と、デザイナーの菅原、そして私の4人で屋根裏へ。段ボールを一つずつ開けていくと、旦那さまの高校野球時代の写真やユニフォーム、息子さんの作品、奥さまの英語の勉強テキスト、引き出物の毛布や布団など、「そのまま時間が止まっていた」モノが次々に出てきました。

「これは残しておきたいですね」
「これは写真だけ残して、モノは手放しましょうか」

一つひとつ相談しながら仕分けしていく時間は、想像していた“しんどい片付け”とは少し違いました。どちらかというと、思い出を一緒に振り返る時間に近かったように思います。

新品のまま眠っていた毛布や布団は、「よかったら使ってください」と私たちに譲っていただく場面もあり、現場全体が柔らかくほぐれていくような感覚がありました。片付けが終わったあと、奥さまがふとこぼしたひと言が印象的でした。

「ずっと目をそらしてきた場所だったので、一緒にやってもらえて本当にスッキリしました。ここを片付けられたので、引っ越しも楽しみになりました。」

この屋根裏片付けを境に、私たちとお施主さまとの関係は、「お客様とリノベ会社」から「同じ目標に向かうチーム」に一段階シフトした感覚があります。

お客様の「クセ」がプランの精度を上げる


屋根裏の片付けから得られたのは、スッキリした空間だけではありません。

・どんなモノを大切にしているのか
・何を“とりあえず屋根裏に上げていたか”
・どれくらいの量のモノを、どんなペースで溜めがちなのか

こうした「暮らしのクセ」が、ぱっと見で分かるようになりました。それをもとに、

・収納量や配置の見直し
・しまう場所と動線の調整
・将来の家族構成の変化も踏まえた保管場所の決め方

といった部分に、より具体的な解像度で手を入れることができました。
図面上の“正解の間取り”ではなく、Kさまご家族の暮らし方にフィットする“現実的な間取り”に近づけたのは、屋根裏の片付けを一緒にやったからこそだと感じています。

空間だけでなくタスクまで設計

屋根裏の片付けは、本来の業務範囲からは少し外れているのかもしれません。それでもクジラは、

「工事だけがプロジェクトではない」
「引っ越しのあとも含めて、暮らしをデザインする」

というスタンスを大切にしています。今回のKUJIRAメソッドで伝えたいのは、

「空間だけではなく、暮らしの“タスク”も一緒に設計すること」

です。
・片付けをプロジェクトの一部に組み込む
・そこで見えた暮らしのクセから、収納や動線を調整する
・お施主さまと一緒に「モヤモヤの元」を減らしてから、新しい暮らしをスタートする

屋根裏の片付けは、その一つの象徴的な取り組みでした。
これからもクジラは、図面の上だけで完結しない“プロジェクトデザイン”を通じて、お客様の暮らしに寄り添ったリノベーションを届けていきたいと思います。

WRITERこの記事を書いた人

ディレクター

三橋 玲奈RENA MITSUHASHI

ディレクター / 大阪府交野市出身 / おしゃれをすること、部屋を可愛く、居心地よくすることが好きです / 身に付けるモノや身の回りの空間が持つパワーはとても大きいです。「自分らしくいきいきと暮らす人を増やしたい」「誰かの人生をより豊かにしたい」という想いでこの仕事に就きました。
お客様にとっての”心地良さ”や”好き”を一緒に形にしていきたいです!

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