2026.01.19
最終更新日
2026.10.18
リノベーションのヒント

『大豆田とわ子と三人の元夫』の部屋のようなインテリアに|青い壁紙は自宅の光で選ぶ

マンションのリノベーション事例
菅原沙絵
Writer
菅原沙絵
デザイナー WORKS
2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。
お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。
CREATOR’s STORY|菅原 沙絵

『大豆田とわ子と三人の元夫』の部屋のようなインテリアを自宅でつくるなら、ドラマのセットをそのまま写すより、淡い青の壁・少しずらした色や配置・木の質感と照明の影といった要素に分けて取り入れる方法があります。なかでも青い壁紙は、ドラマの色に合わせるより、時間帯で見え方が変わる前提で自宅の光の下でサンプルを比べ、自分の家で長く好きでいられる青を選びます。

この記事では、富田林市のマンションでデザインを担当した私が、ドラマの部屋が軽やかに見える3つの要素と、自宅に取り入れる方法を整理します。ドラマの世界観に惹かれたお客様が、好きな青の壁紙をサンプルから選び、リビングに室内窓を設けた実例と、壁紙の張替え費用の目安も紹介します。

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大豆田とわ子の部屋のインテリアが軽やかに見える3つの要素

『大豆田とわ子』の部屋が心地よく見える理由は、派手な家具や高価な素材ではなく、空気のつくり方にあります。今回の案件でも、次の3つを“設計の軸”として扱いました。

①淡いトーンがつくる透明感のある軽やかさ

主張しすぎない淡色は、部屋の空気をやわらかくします。ミントがかった青や、白に少し色を含んだ壁は、光を受けると明るさが「面」ではなく「空気」に広がる。結果として、部屋に入ったときに肩の力が抜けるような軽さが生まれます。

②少しずらすことで生まれる遊びとリズム

きっちり揃えすぎない。シンメトリーにしすぎない。色・素材・配置をほんの少しずらすことで、空間にリズムが出ます。整えたのに堅く見えないのは、この“ずれ”があるからです。

③生活感を「欠点」ではなく「キャラクター」にする余白

散らかっていても成立するのは、だらしなさではなく“余白の設計”があるから。見せる棚、置いても絵になる小物、器やカップが残っても雰囲気が崩れないテーブルまわり。生活感がその人らしさとして機能すると、部屋に奥行きが出ます。

大豆田とわ子の部屋のような青い壁紙は自宅の光で選ぶ

軽やかさをつくる最短距離は、壁の色です。おすすめは、白の代わりに“薄い色”を入れること。淡いブルーやミントは、光をやわらかく受け止め、部屋全体の空気を軽く見せます。

水色の壁と白いカーテンの窓辺に、吊り下げた観葉植物を飾ったリビング

【ここがTip】

  • サンプルは最低でも数枚(できれば10枚前後)比較する
  • 昼/夕方/夜(照明下)で見え方が変わる前提で選ぶ
  • 「ドラマの青」ではなく「自分の家で長く愛せる青」に着地させる

富田林市のマンションの奥さまは、「とわ子の家といえば、青い壁紙。でも私は、もう少し緑がかった青が好きで」と話していました。そこでサンプルは10枚以上を取り寄せ、奥さまと一緒に実際に見て、触れて確かめながら選んでいます。

青のほかに白・グレー・オレンジなども候補にして迷っているなら、壁紙の色ごとの印象と、ソファや家具に合わせた選び方を色別に並べた記事が手がかりになります。

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大豆田とわ子の部屋に近づける3つの方法

ここからは、壁の色と合わせて、ドラマ的な空気を“現実の暮らし”に落とし込むための具体策です。ポイントは、真似ではなく再現可能な要素に分解すること。

①揃えないをルール化してこなれ感をつくる

遊び心はセンスではなく、ルールで作れます。例えば「色を一箇所だけ変える」「素材を2種類混ぜる」「真正面を避ける」。この“少しのずらし”が空間にリズムを生みます。

水色の壁のリビング。木のテレビボード、キャメル色の革のソファ、木のフロアランプ、黒い枠の室内窓が見える

【ここがTip】

  • 色:ベース(淡色)+差し色(オレンジなど)を“1点だけ”
  • 素材:木+金属/木+ガラスなど、2素材で十分
  • 配置:ソファやラグは、真正面ではなく少し角度をつける

②生活感を「隠す」より「受け止める場所」をつくる

片付けのストレスを減らすには、全部を隠すより“受け止める場所”が効果的です。オープン棚、カゴ、トレー。生活の途中で発生するものを、一旦置ける場所があると、散らかりが“破綻”になりません。

木目の天井のキッチンと背面の木の収納。カウンターの奥に水色の壁が見える

【ここがTip】

  • “見せる収納”は、サイズと定位置を決める(置き場が曖昧だと破綻する)
  • 小物は「セット化」して置き場をつくる(単品置きを避ける)
  • 「出しっぱなしでも成立するゾーン」を最初から許す

③木の質感と照明で淡色の部屋にあたたかさを足す

淡いトーンは、放っておくと冷たく見えることがあります。そこで効くのが木の質感と照明。木目の表情、手触り、経年変化のニュアンスが、淡色空間に温度を与えます。さらに照明が「影」をつくると、部屋は一気に立体的になります。

水色の壁の前に置いた木のフロアランプと革のソファ。ソファの上に黒い枠の室内窓がある

【ここがTip】

  • 木は“ナチュラル”一択ではなく、床や建具との相性で濃淡を選ぶ
  • 照明は「明るさ」より「影」を意識する(フロアランプが効く)
  • 壁色×影の相性が良いと、空間の完成度が上がる

大豆田とわ子の世界観を取り入れた富田林市のマンションの実例

革のソファと黒い枠の室内窓があるリビングから、ダイニングとキッチンを見通した水色の壁のLDK

大阪府富田林市の中古マンション(85.5㎡・3LDK・築30年)で、子育てがひと段落したご夫婦の住まいを部分リノベーションした事例です。奥さまが惹かれていたのは、『大豆田とわ子と三人の元夫』の壁紙やインテリアの、水色・オレンジ・茶色の色使いでした。

この住まいで行ったことを、場所ごとにまとめます。

表は横にスクロールできます →

場所この住まいで行ったこと
リビングの壁壁全体を水色に仕上げた。奥さまが好きな青を10枚以上のサンプルから選んだ
リビングの照明奥さまがドラマの中で一目惚れしたフロアランプを置いた
キッチン前・リビングキッチン前の壁をなくして圧迫感を解消し、室内窓で奥行きを出した
玄関実際に見て選んだ古材を貼った

この住まいでは水色の壁に、キャメル色の革のソファと木のテレビボード・フロアランプを合わせています。

水色の壁の前で明かりをともした木のフロアランプ。壁にランプの影が映っている

フロアランプについて、奥さまは「青い壁に映る影がすごく美しいんです。白い壁だったら、この良さはきっと生かされていなかったと思う」と話しています。

水色の壁に付けた黒い枠の室内窓。上の一枚が開いている

室内窓は、視線と光を通す窓です。保育士として働きながら英語の勉強を続けている奥さまは、「この窓のそばで勉強していると、すごく気持ちが落ち着くんです。家の中に窓を作るなんて考えもしなかったけど、開放感があって、本当に作ってもらってよかったですね」と振り返っています。

菅原 沙絵菅原 沙絵

担当スタッフ

軽やかさを生む要素だけを取り出す

ドラマの空気をそのまま持ち込まず、軽やかさを生む要素だけを取り出して、暮らしの条件に合わせることを大切にしました。憧れていたドラマのような世界観を楽しめるリビングになりました。

↓こちらの施工事例もご覧ください

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専門家として言いたい「やらない判断」

世界観づくりは、足し算だけでは成立しません。今回のような淡色×遊びの設計では「やらない判断」が出ます。

  • 淡色を増やしすぎると、ぼやける→“差し色は一点”に絞る
  • オープン収納を増やすと、散らかって見える→受け止める場所を限定する
  • 照明を凝りすぎると、暗い家になる→影をつくる照明と、作業用の明かりを分ける

“憧れ”を暮らしにするには、こうした「やらない判断」をセットで持つことが大切です。

青い壁紙に張り替える費用の目安

リビングの壁紙を青に張り替える費用は、クロスの張替え単価と面積で決まります。クジラの目安は次のとおりです(いずれも税込)。

表は横にスクロールできます →

工事費用の目安単位
クロス張替え(スタンダード)880円〜1,100円1㎡あたり
クロス張替え(ハイグレード)1,100円〜1,650円1㎡あたり
壁紙の全面張替え(リビング20帖)30万円前後1室

同じ青でも、壁紙の品番によってスタンダードかハイグレードかで単価が変わるため、気に入ったサンプルが予算を超えることもあります。サンプルを見比べる段階で、候補ごとの価格帯も一緒に確かめておくと、色と予算の両方で選べます。

室内窓を付けるかどうかを、窓の種類ごとの違いと取り付けの注意点から考えるなら、次の記事が役に立ちます。

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淡い青の壁から始める大豆田とわ子の部屋づくり

『大豆田とわ子と三人の元夫』の部屋のようなインテリアは、淡い青の壁、色・素材・配置の少しのずらし、生活の物を受け止める場所、木の質感と照明の影に分けて考えると、自宅にも取り入れられます。青い壁紙は、時間帯で見え方が変わる前提でサンプルを比べ、自分の家で長く好きでいられる青を選びます。

富田林市のマンションでは、「もう少し緑がかった青が好きで」という奥さまと10枚以上のサンプルから水色の壁紙を選び、ドラマで一目惚れしたフロアランプの影と、英語の勉強がはかどる室内窓を、その壁に重ねました。

気になる青の壁紙があれば、サンプルを2〜3枚取り寄せて、朝・昼・夜にリビングの壁へ当て、照明を点けたときの色も見比べてみてはいかがでしょう?

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WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

菅原 沙絵SAE SUGAHARA

大阪府大阪市出身 / 普段からデザインを意識的に見て、自分ならどうするのか考えるようにしてます / インテリア雑貨が好きでナチュラル・シンプルなものを集めることにはまっています

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