2023.12.19.Tue リノベーションのヒント

狭い家はメリットも多い?間取りやインテリアの工夫で快適な生活を

狭い家 リノベーション

「せっかく家を購入するなら広い家に住みたい」。大は小を兼ねるというイメージから、そう思ったことのある人は多いのではないでしょうか。

しかし、それとは真逆の「狭い家」にも魅力がたくさんあるのです。実際に、都心部からのアクセスの良さ、予算やその後の経済面を重視して、狭い家での暮らしを選ぶ人も増えています。

この記事を通じて、狭い家ならではのメリットや、リノベーションする上での注意点、そして快適に暮らすためのコツを知っておきましょう。

狭い家のメリット

狭い家は、その名の通り狭くて窮屈というデメリットを思い浮かべがちですが、狭い家ならではのメリットもたくさんあります。一つずつ確認していきましょう。

光熱費が安い

狭い家は冷暖房の効率が良いため、電気代を節約することができます。部屋数が少なく家族がリビングに集まるとなれば、空調の使用は一部屋だけで済むため、より一層節約に繋がります。

固定資産税が安い

リノベーション 固定資産税
200㎡以下の住宅用地(200㎡を超える場合は1戸あたり200㎡までの部分)を小規模住宅用地といいます。これには固定資産税の課税標準が6分の1となる特例減税制度があり、つまり狭い家は一般的な住宅に比べて固定資産税が安くなるということです。

例えば、150㎡の小規模住宅地の固定資産評価の単価が12,000円/㎡だとします。
特例を適用しない本来の固定資産評価額は1,800,000円で、固定資産税額は1,800,000×1.4=25,200円となります。
しかし、上記の特例を適用した場合には、固定資産評価額は1/6となるため、300,000円×1.4%=4,200円となります。

掃除・お手入れが楽

狭い家は掃除をする面積が少ないため、掃除機をかけるのに家中を歩き回る必要がありません。家具や雑貨も目の届く範囲に収まっているため、ほこりや汚れが気になったらすぐにお手入れできるというメリットもあります。

家族のコミュニケーションが増える

リノベーション メリット
狭い家は限られた土地の中で住宅を建てているため、部屋数が少ない場合も多いです。そのため必然的に家族がリビング、ダイニングに集まりやすく、同じ空間にいることで家族のコミュニケーションが増えるでしょう。

また、夕飯時も自室ではなくリビングやダイニングにいることで、家族みんなで料理や配膳を協力し合うようになるというメリットも期待できるかもしれません。

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狭い家のデメリット

メリットがある一方、狭い家にはデメリットもあります。狭小住宅に住むことを検討している方は、次に記載するデメリットも把握しておきましょう。

建築費が高くなりやすい

周辺の状況にもよりますが、狭い家の建築費は建築資材などの搬入時における人件費や車両費が通常より高くなる傾向にあります。なぜなら敷地が狭いため、建築地のすぐそばに大型トラックがつけられず、軽トラックなどで何度も搬入したり、車が通れない場合は人力で運んだりする必要があるからです。

また、敷地面積の狭さから3階建てや地下室の建築をするとなると、工事内容が増え、さらに資材費や人件費が増えるため、一般的な住宅よりも建築費が高くなります。

収納スペースが少ない

狭い家は、狭い敷地面積の中で居住空間の確保を最優先にしているため、収納スペースが少ないです。ゆとりを持って生活するには必要最低限のモノだけを持つ、ミニマムな思考が大切になってきます。

それでもファッション好きで衣類をたくさん持っている人や、靴やフィギュアなどのコレクションが好きな人は、住宅以外で収納ができるレンタルガレージなどのサービスを検討してみるのがいいでしょう。

狭い家をリノベーションする際の注意点

近隣住宅への影響を考慮する

狭い家は近隣住宅との距離が近いことが多いです。そのため、足場の仮設場所が自宅の敷地内ではない可能性もあります。その場合は着工前に隣家の了承を得るようにしましょう。

ほかにも騒音トラブルなどを防ぐために、近隣住宅への挨拶を行い、工期と工事内容をきちんと伝えるようにしておきましょう。

部屋を仕切りすぎない間取りに

プライベート空間を重宝しすぎるがあまり部屋を仕切りすぎると、各部屋が狭く窮屈に感じてしまいます。リビング・ダイニング、寝室、書斎は快適に暮らす上で必要ですが、必要以上に仕切るのは避けたほうがいいかもしれません。

風や光の流れを意識する

リノベーション
狭い家では「風通しが悪い」、「日当たりが悪い」といった弱点が挙げられることがよくあります。土地が狭く、隣の家との距離が近い場合が多いことが理由です。

解決策として、2階建て以上の家であれば天窓や吹き抜けを作ることで採光を確保するようにしましょう。風通しについては、吹き抜けに加え、玄関からリビングを一直線とし、風が通り抜けやすい間取りを意識することが重要です。とくに夏場は湿気がこもるとカビが発生してしまうため、リノベーションの際に風と光の流れを入念に確認しておきましょう。

スムーズな家事動線を作る

家事は365日休みなく付きもので、忙しい毎日にとって家事動線が短いほうが家事の効率アップに繋がります。洗濯機のある洗面所から物干し竿のあるベランダまでを近づけるなど、洗濯や掃除がしやすい間取りにすることが大切です。

その際に将来の生活も考慮するようにしたいもの。歳を取ると足腰の機能が弱まり、2階部分をあまり使わなくなるかもしれません。そのため、家事は1階で完結する間取りがいいでしょう。

狭い家を快適にするコツ

ここまでは狭い家のメリット・デメリット、リノベーションする上での注意点を見てきました。そんな狭い家をより快適なものにするためのコツを紹介していきます。

家具の配置・色を工夫する

リノベーション 狭い
居住面積の狭い家において、家具選びはとても重要なポイント。「背が低く・コンパクトな家具」を選ぶと部屋を圧迫せず、空間を広く感じさせることができます。部屋の手前から奥にかけて、低いものから高いものになるように配置しましょう。

壁面収納などの背の高い家具を取り入れたい場合は、オープンタイプのものにすることで開放的に。

そのほか、カーテンや家具には暗めの色はおすすめできません。空間が重たい印象になり、部屋を圧迫してしまうからです。ホワイトやアイボリーなどの明るい色を選ぶことで、広い空間を演出することができますよ。

見せる収納を活用・モノを溜め込まない

狭い家ではどうしても収納スペースが限られます。書籍や食器類は、飾るように配置する見せる収納を活用しましょう。

家の中にあるモノを減らしてしまうのも一つの手です。しばらく使っていないものは捨て、本当に必要なものを厳選する癖をつけると、モノを溜め込まないようになるはず。新しい服を買ったら古い服を捨てる・売るといったルールも、狭い家での快適な暮らしに必要です。

狭い家のリノベーション事例紹介

最後に、狭い家のリノベーション事例を写真や図面とともにご紹介します。リノベーションを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
限られた面積のなかで、どのような工夫が凝らされているのかに注目してみましょう。

70㎡でも子供部屋2つ作る

兄妹で一緒に使用する子供部屋ですが、年頃のお子様にとっては同じ部屋で四六時中顔を合わせるというのも気恥ずかしいところがあります。そこで、部屋の中央に造作の机を設置して1つの部屋でエアコンが1台でまかなえるように上部を解放しつつも、子供同士のプライベート性は守られるように視線を遮るようにしました。
リノベーション 子供部屋
リノベーション子供部屋
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アメリカンセパレートで水回りをコンパクトに

「広くて開放的なリビングがいい」「洋服をたくさん収納できるクローゼットが欲しい」などの要望を叶えるためには限られた面積でどこをコンパクトに収めるかが理想のリノベーションの鍵となります。
そんな中、家の中で意外と面積を取っているのがトイレ・洗面・脱衣所などの水回り。実はコンパクトに収めても、意外と気にならないのでおすすめです。
アメリカンセパレート
アメリカンセパレート

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工夫次第で狭い家も広い空間に

狭い家にはたしかにデメリットがありますが、モノを取捨選択したり、家具の色や配置に気をつけたりと工夫次第で、広く快適な空間を作ることも可能です。

必要最低限のことが揃っている狭い家は、掃除やお手入れの無理がなく、家族が家の中心に集まることでコミュニケーションも増え、日々の幸せを感じやすい暮らしとも言えるでしょう。

メリット・デメリットの両方を見た上で、「自分は狭い家でも暮らせそう、向いてそう」と思った方は、ぜひ購入やリノベーションを検討してみてください。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

片山 飛翔TSUBASA KATAYAMA

設計 / 兵庫県三田市出身 / お客様の空想をより良い形で体現する事を常に意識しています / 料理が得意です。お客様とプライベートでも遊べる仲になる事が夢です

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