広さ・床材・工法別!フローリング張り替えのリフォーム費用相場は?
こんにちは!クジラ株式会社の菅原です。
Writer 菅原沙絵 デザイナー WORKS 2017年に新卒入社以来、住宅だけではなく店舗や宿泊施設のデザインも担当してきた。 お客様の理想を正確に捉え、ヒアリングを中心にデザインしていくことを得意としているデザイナー。 CREATOR’s STORY|菅原 沙絵 |
リフォームをする際に意外と盲点になりがちなのが、床材です。長く家に住んでいると目線の先にある劣化したあれこれが、つい気になってしまうもの。ですが毎日何度も家族が歩く床は、築年数が積み重なるたびに、知らないうちに経年劣化が進んでいます。ただ、全面張り替えとなるとそれなりに費用がかかるのでは?という懸念も。そこで今回の記事では、フローリング張り替えの費用相場や知っておきたいことについてご紹介します。
目次
フローリング張り替えのリフォーム概算費用
まずはじめに、各種フローリング張り替えのリフォーム概算費用感は下記の通りです。
工事内容 | 概要費用(左:張り替え工法/右:重ね張り工法) |
1畳あたり | 3~6万円 / 2〜5万円 |
4畳あたり | 7~14万円 / 5〜10万円 |
6畳あたり | 9~18万円 / 6〜14万円 |
8畳あたり | 10~20万円 / 8〜18万円 |
20畳あたり | 21~43万円 / 21〜30万円 |
20畳、またはそれ以上の広さのフローリング張り替えのリフォームを行うとなると、大工事となります。張り替え作業だけでなく家具の移動などの時間も想定しておいたほうがいいでしょう。作業の内容にもよりますが、床材をはがす張り替え工法の場合は、3日〜1週間くらいは工期を見ておくといいでしょう。大掛かりな作業になるため、張り替えを実施している部屋は工事完了まで使えないというのも想定に入れておきましょう。
概算費用をおさえた上でここからは具体的にフローリング張り替えリフォームについて、確認していきましょう。
フローリング張り替えで知っておきたいこと
フローリング張り替えは、当然ながら面積によって予算が大きく上下します。もちろん、フローリングに使う材質などによっても金額が異なってきますが、まずは広さ別の予算をざっくりとおさえておくとよいでしょう。また、フローリングの種類や施工方法のパターンを知っておくと、自分が優先するのはどの部分かを検討しやすくなります。また、張り替える前の床材がどんなものかによっても、フローリングへ張り替える際の料金は変わってきます。例えば畳の和室からフローリングの洋室に変更する場合は床の下地材から張り替える必要があり、費用も高くなる傾向があります。
床材は「複合フローリング」と「無垢フローリング」の2種類
フローリングには、大きく分けて2種類があります。
複合フローリング
一つは、「複合フローリング」。「複層フローリング」「合板フローリング」などとも呼ばれます。こちらは集成材や合板の上に薄い天然木や樹脂シートなどを貼り合わせて作られたもので、一般的に家庭に普及しています。バタバタという足音が下に響かないように防音性に配慮されたものや、抗アレルゲン機能を備えたものなど、機能的な製品も多く流通しているため、選べるのも魅力です。張り合わせる化粧材の種類や厚み、仕上げの仕方などによっても価格はさまざまで、機能性の高いものは当然価格が高くなります。豊富なバリエーションの中から選ぶことができ、一般的なものでは無垢フローリングよりは費用がおさえられるというメリットがありますが、塗装が取れてしまうと強度が低くなるというデメリットがあります。
無垢フローリング
「無垢フローリング」はその名の通り、天然木から切り出したそのままの状態を生かしてフローリングに採用するものです。「単層フローリング」などとも呼ばれます。木そのものであるという最大の魅力があり、触れるだけで木の生命力を感じられ、一つとして同じものがない木目や模様を楽しめます。やわらかく気持ちがいい質感や、無垢材特有のほのかな木の香りも魅力です。無垢材は、機能的にも優秀。湿度が高いときは湿気を吸い膨張し、湿度が低いときは放湿して収縮するという性質があるため快適な温度で暮らすことができ、もし傷がついてしまってもその部分だけ削って舗装修正をしつつ、長年大切にすることができます。ただし、防音性はあまり高くないのがデメリット。階下に音が響きやすいため、マンションでのフローリング張り替えには採用できない場合もあります。マンションに住んでいて無垢フローリングに張り替えたいという場合は、リフォーム会社とよく相談を。樹種や状態によっても価格の上下差がかなりあるので、いろいろと見てみるといいでしょう。
複合フローリングは品質のばらつきがないですが、無垢フローリングはそのものにしかない味があります。双方のメリットデメリットをよく知った上で、選ぶといいでしょう。
「張り替え工法」と「重ね張り工法」の2パターンがある
フローリング張り替えリフォームには、大きく分けて2パターンの工法があります。既存の床材をすべてはがし新しく張り替えをする「張り替え工法」と、既存の床材の上に重ねてフローリングを張っていく「重ね張り工法」です。どちらの工法が合うかは、床材の種類や下地の状態によって変わってきます。
張り替え工法
張り替え工法は、はがす工賃がかかるため当然費用は高くなります。和室を洋室にリフォームしたいときや、クッションフロアをフローリングに変えたいときはこちらの工法がおすすめです。下地の状態を確認できるため、老朽化やシロアリ被害などの現状を確認ができるのもいいところ。また、あらためて床暖房の設備を導入したり、床段差を解消するための工事を合わせて行うこともできます。最後にフローリングに張り替えてから10年以上経っている場合や歩くと床がきしむという状態では、こちらの工法がおすすめです。
重ね張り工法
重ね張り工法は、その名の通り既存の床材の上から新しい床材を重ねて張る工法です。解体・撤去する必要がないため、その分張り替え工法よりも費用を安くおさえることができます。解体を撤去をしないため音やホコリが立ちにくく、その日中にリフォームが完成することも。通常より薄い3~6mm程度の重ね張り専用のフローリングを使う場合もありますが、通常は既存の床材の上から張るのでその部分だけ床が高くなってしまいます。そのため、ドアの開閉などに支障がないか確認をする必要があります。ただし、この工法が適用できるのは、既存の床の劣化があまり見られないときに限ります。既存の床の傷や汚れが目立つくらいであれば、重ね貼りでも十分。お手頃に気軽に家の雰囲気を変えられると、人気です。
床をリフォームするタイミングの目安
張り替え工法の場合は特に、フローリング張り替えのリフォームとなると、かなり大掛かりになると想像する人も多いでしょう。思い切ったタイミングでないと、なかなかリフォームしよう!という気にならないかもしれません。ですが、毎日何度も家族が歩く床は、築年数が積み重なるたびに当然経年劣化していきます。それだけでなく、椅子などの家具との摩擦があたったり、ものを落としたり。一般的に、フローリングの張り替えは築15〜20年が目安とされています。ですがそれに満たなくても、床を踏むと沈む感覚やふわふわする感覚があったり、傷や汚れが目立ってきたり、歩くと床がきしんで音が鳴るといった場合は、早めにリフォームを検討したほうがいいかもしれません。既存の床材が無垢フローリングの場合はもちがいいため、20年以上経過していても張り替えの必要がない場合もあります。
フローリング張り替えのメリット
フローリングは、衛生的でメンテナンスが簡単です。食べ物や飲み物をこぼしてもさっと拭き取るだけで済み、習慣的に掃除機をかけ定期的に拭き掃除をすれば、清潔を保つことができます。そのため、小さな子どもやペットがいる家庭にもおすすめです。カーペットや畳と比べてダニが発生しにくいのもメリットです。そして、どんなインテリアにも合うのもいいところです。
「クッションフロア」という床材も検討を
カーペットや畳からの床材リフォームを検討する場合は、フローリングと同様に「クッションフロア」というビニール製の床材も検討するといいでしょう。防水性が高く、ふわふわとしたクッション性があるため、小さな子どもやペットがいる家庭におすすめです。費用は、フローリングに張り替えるより1畳あたりの金額が若干リーズナブルな傾向があります。デザインも豊富にあり、木目調やタイル調などさまざまなバリエーションが。目指す部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
フローリング張り替えのポイント
施工する範囲が大きくなる住宅のデザインでは、「面積効果」というポイントをおさえるのが、したいイメージと実際の仕上がりイメージを近づけるコツです。面積効果とは、同じ色でも面積の大きさによって色が明るく見えたり、暗く見えたりする現象のこと。フローリング張り替えも同じ色を広い面積で使用するため、この法則が適応されます。明るい床板を選ぶ際はワントーン暗め、暗い床板を選ぶ際はワントーン明るめのものを選び、バランスを取るようにしましょう。色を決定するときは、現状の壁紙や誕生色、使っている家具との雰囲気とあっているかもチェックポイント。リフォーム業者に相談して仕上がりのイメージを画面上で見せてくれたりしますが、画面上で見るのと実際はかなり差があると思っていいでしょう。そのためには、したいイメージをリフォーム業者に常日頃から共有しておくことが大切です。
施工業者への依頼するときのポイント
業者を探す際は、フローリング張り替えのリフォーム実績が多い業者を探しましょう。必ず複数社から、見積もりを取ることも大切なポイント。現地調査をしてもらい、適切なリフォーム方法を提案してもらった上で費用の内訳や工期、補償内容などを比較しましょう。特に20畳以上のリフォームともなると、業者によって費用が大きく異なります。築年数が15年以上などそれなりに経っている場合は、張り替え工法をベースにした方が安心。下地の状態をきちんと確認しておくことで、10年、20年先のメンテナンスが楽になります。
マンションの場合は?
賃貸マンションのフローリングを張り替えたい場合は、管理会社へ確認を。分譲マンションであれ専有部のフローリング張り替えのリフォームが認められている場合が多いです。ただし、その場合は、床材は階下への音の響き方に影響するため、使用できるフローリングの遮音のレベルなどの観点から使用していい床材がマンションの管理規約に記載されている場合があります。また、依頼する施工業者があらかじめ決まっていることも。さらに、フローリングの変更自体を禁止しているケースもあるため、規約をよく確認してから検討しましょう。工事を行う場合は、近隣の部屋や階下への影響を考慮しましょう。大規模改修では近隣住民の同意が必要になることも。トラブルとならないように規約には必ず目を通し、管理会社へ確認しておきましょう。
費用を抑えたい場合は?
複数の業者から見積もりを取り比較する、追加工事の発生を事前に把握しておくというのはどのリフォームにも共通して言えることです。選ぶ床材は単価が低いものを選べば当然費用は抑えられますが、フローリングの印象は部屋全体の印象を決めるといっても過言ではありません。毎日生活する場所なので、あまり気に入らないものだと気分も乗らないもの。したいイメージは、優先度を高くしたほうがいいかもしれません。重ね張り工法を選ぶという手もありますが、先述したように、既存の床の状態によってはここもあまり妥協しないほうがいいかもしれません。
一部だけ張り替えやDIYは可能?
傷や汚れが目立つ一部のフローリングだけを張り替えることは、物理的には可能です。ただし張り替えた場所だけ新しいため変に目立ったり、うまくいかなければ隙間ができてしまうリスクもあります。重ね張り工法であればDIYでも比較的挑戦しやすいですが、きれいな仕上がりを求めるなら、やはりプロのリフォーム業者へ依頼したほうがよいでしょう。
空間の雰囲気がガラリと変わる!フローリング張り替え事例
フローリングの張り替えをすると、家が洗練された雰囲気に。フローリング張り替えのリフォーム事例を紹介します。
木のフローリングに張り替えることで、暖かみを感じるリラックスできるリビングに。中古マンションや中古戸建ての購入を検討しているときに、立地や間取りは良いのに内装のデザインが気に入らないという場合には、床を張り替えるだけで部屋の雰囲気をガラリと変えることができるのでおすすめです。
▼詳しい施工事例はこちらをチェック!
フローリングを張り替えることで、家全体の雰囲気が見違えるように明るくなります。まるで新築の物件に引っ越したかのように、新鮮な気持ちで過ごすことができるでしょう。普段はなかなかメンテナンスすることができない下地の状態も再確認することができるので、そういった意味でも安心です。フローリング張り替えのリフォームなら、ぜひKUJIRAにお気軽にご相談ください!