お風呂のリフォームの種類・費用や失敗しないポイントを解説
こんにちは!クジラ株式会社の藤本です。
Writer 藤本恭好 デザイナーWORKS 何事もバランスが大事! を念頭に相談者さまの頭の中を整理するデザイン提案を心がけています。誰かに喜んでいただく事がまわりの人・地域・社会へ伝播することを信じています。 |
住宅設備の中でも、水回りを最新の設備にリフォームすると劇的に使いやすさが向上します。とくに毎日使うお風呂は、定期的に掃除をしていてもどうしても劣化してきてしまうものです。水回りが最新の設備になれば、掃除もしやすくなり、毎日のバスタイムがより快適なものになります。どうしても部屋ばかりにフォーカスがあたり、お風呂リフォームまで手が回らない……という人もいるでしょう。しかし、日々の疲れを癒してくれるお風呂をリフォームすることで、毎日の暮らしがより豊かなものになります。今回の記事ではお風呂のリフォームの種類や、かかるコスト、失敗しないポイントを紹介します。
目次
お風呂・浴室リフォームの目的や必要性
浴槽が割れてしまったり床や壁にヒビが入っていたりなどで目に見えて著しく破損している、水漏れをしている、など明らかに使えなくなったりなどでもない限りは、なかなか踏み切れないのがお風呂のリフォームです。そういった場合以外にお風呂や浴室をリフォームする目的や必要性は、どんなところにあるのでしょうか。
設備が古く機能の制約が不便なケース
目には見えない部分の不具合として、配管の老朽化があります。水道管が老朽化することで内部の水圧に耐えられなくなり、破損・破裂を起こして水漏れの危険性が高くなります。また、シャワーヘッドの水量や温度調節の精度の低下など経年劣化をするにつれ、だんだんと使い勝手に不便を感じることも。突然故障していきなりお風呂が使えなくなると、生活する上でかなり困るものです。「最近なんだかお風呂が使いづらくなってきたな……」と感じたら、点検という意味でもお風呂のリフォームを検討してみるといいでしょう。
カビなど経年劣化による健康不安
ただでさえ風呂という場所は、カビの温床になりやすいもの。さらに経年劣化したお風呂や浴室は、カビや汚れがたまりやすくなってしまい、アレルギーの原因となってしまうなど健康面での不安もあります。それだけでなく浴室の建材にも悪影響が及び傷んでしまい、滑りやすさなど安全性に関わる懸念も考えられます。お風呂の換気扇が経年劣化で換気効率が悪くなっていることも考えられます。リフォームすることでこういった懸念が払拭され、お風呂を衛生的かつ安全にアップデートできます。長く使ってきたお風呂の古さや汚れが気になる場合は、リフォームに踏み切るのをおすすめします。
スタイルやデザインの時代の変化
お風呂の機能性やデザインは、日々進化を遂げています。古い物件では、お風呂の温度自動調節機能や乾燥機能付きの浴室に対応していない場合もあるでしょう。最新の設備を導入することで、格段に生活のしやすさが上がります。さらにジャグジーやテレビが付いているお風呂も最近では登場しており、水中照明でムードを高めれば、よりリラックスできる空間に。入浴剤やアロマで半身浴するなどの楽しみ方も。お風呂がグレードアップするのは、考えるだけでわくわくします。
物件の資産性向上
物件を見る際に水回りは必ずチェックするものです。水回りの機能が新しく綺麗だと、それだけで物件の価値が上がる可能性があり、持ち家の場合でも、将来的な売却時や賃貸物件としての価値が向上し、契約に繋がりやすくもなります。昨今の住宅建材は日に日に進化していて、新しい機能が加わります。例えば冷めにくい浴槽、滑りにくく安全な床など、どんどん使いやすくアップグレードされているのです。
人気のリフォームプラン
浴室の種類は大きく分けると、「在来工法」「ユニットバス」「ハーフユニットバス」の3パターンがあります。ここではおもに「在来工法」と「ユニットバス」を中心に見ていきましょう。
「在来工法」とは、築年数の古い家でよく見られるタイル貼りの浴室。その家に合うようにオリジナルで作られた、臨機応変に広さや素材を変えて作られるオーダーメイドのお風呂です。広さや素材は規格外です。
「ユニットバス」は、浴槽・壁・床・天井・その他備品がセットになった、いわゆるパッケージになったものです。各パーツをバラバラにしても現場ですぐ組み立てられ、一から作るよりも効率的に工事を行う事ができます。
お風呂のリフォームは、① ユニットバスからユニットバスへのリフォーム ② 在来工法浴室からユニットバスへのリフォーム ③ 在来工法浴室から在来工法浴室へのリフォームの3パターンがあります。以下にその詳細を見ていきましょう。
①ユニットバスからユニットバスへのリフォーム
既存のユニットバスを、新しいユニットバスに交換する形式のリフォームです。元々のユニットバスを新しいユニットバスに入れ替える場合は、比較的簡単にリフォームが可能です。ただし浴室や浴槽自体のサイズを大きくしたいとなると壁の取り壊しなどが発生し、コストが多くかかる場合があります。
②在来工法浴室からユニットバスへのリフォーム
在来浴室はその家ごとに広さや素材が違います。ユニットバスへリフォームする際には、浴室の広さをユニットバスに合わせなければなりません。大きな在来浴室に小さなユニットバスを入れる場合はそこまで難しくはありませんが、今使っている浴室よりも小さくなるのがデメリットです。浴室を大きくしたいと現状の在来浴室にそれよりも大きなユニットバスを入れる場合は、大がかりな壁の取り壊しが必要となり、費用と工期がかかります。
③在来工法浴室から在来工法浴室へのリフォーム
在来工法の浴室をリフォームする場合は、断熱性や防水性に優れたユニットバスへ変更するのが一般的ですが、既存の浴室にユニットバスが入らないような場合は、在来浴室から新たな在来工法の浴室へのリフォームとなります。一度古いタイルやコンクリートの解体をしないと浴槽などの入れ替えができないため、どうしてもコストが高くなります。
DIYでのリフォームについて
リフォーム施工会社に頼むよりDIYするほうが、コスト面ではおトクです。ただし浴室のDIYでは、床シートやコーキング剤など、普段あまり使うことのない道具が必要となってきます。道具の使い方を理解するところからはじめなければならないので、かなりの時間と手間がかかってしまうでしょう。浴室のタイルを自分で張り替えるのはなかなか大変な作業ですが、浴室に続く洗面所の壁の壁紙を貼りかえるだけでイメージを変えることができます。裏面がシールになっている壁紙は特別な工具を用意する必要がなくおすすめです。表面に防水や防カビ、防汚のコーティング加工がされている壁紙などもあります。
お風呂・浴室リフォームの費用概要
お風呂・浴室は、どれくらいの費用でどんなリフォームができるのでしょうか。まずは費用感を把握した上で、リフォーム施工業者に相談や見積もりを行いましょう。相見積もりを取ると、より効率的なコスト活用ができます。
リフォームの内容ごとの費用概要
お風呂のリフォームは、① ユニットバスからユニットバスへのリフォーム ② 在来工法浴室からユニットバスへのリフォーム ③ 在来工法浴室から在来工法浴室へのリフォームの3パターンがあります。内容ごとの費用概要を以下に見ていきましょう。
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
① ユニットバスからユニットバスへのリフォーム | 50~150万円 | 4日前後 |
② 在来工法浴室からユニットバスへのリフォーム | 65~150万円 | 1週間前後 |
③ 在来工法浴室から在来工法浴室へのリフォーム | 150~250万円 | 2週間~1ヶ月 |
①ユニットバスからユニットバスへのリフォーム
ユニットバスからユニットバスへの交換では50〜150万円ほどが相場です。ユニットバスの場合、大きさや機能、色などを自由に選ぶことができ、デザイン性や機能性によって価格帯が異なります。工期は4日前後と、比較的スムーズにリフォームが終わります。
50万円代から導入できる比較的ローグレードのユニットバスは、最低限必要な機能がついています。デザインはシンプルで断熱材などは使われていない場合も多く、アパートやマンションにデフォルトで設置されることも多いです。
70万〜90万円程度のミドルグレードのユニットバスは、断熱材入りで温かい床や乾きやすい床などが標準装備されていることが多いです。水栓やシャワーなど細かい部分のデザイン性もローグレードのものに比べて高いものになります。
それ以上のグレードのものだと、シャワーや水栓、パネルが高級感のあるデザインです。ジャグジーや肩湯がついていたり、ヒノキやタイル、大理石などのパネルやカウンターがついているユニットバスもあります。
②在来工法浴室からユニットバスへのリフォーム
在来工法の浴室からユニットバスへリフォームする場合の費用相場は、65~150万円です。工事期間は1週間〜10日が目安です。施工面積が狭い場合は100万円以内でリフォームできることもあります。浴室を広くしたり場所を移動させたりする場合は、200万円を超えるケースもあります。まずはどんなリフォームをしたいのかについて、リフォーム施工会社へ詳細を伝えてから見積もりを出してもらいましょう。
③在来工法浴室から在来工法浴室へのリフォーム
在来工法から在来工法へのリフォームする場合の費用相場は、150万円程度から250万円程度です。在来工法の場合は浴槽や水栓などが壁や床のタイルに埋め込まれている場合が多く、一度解体をする必要があります。そのためどうしても、コストが高くなります。パッケージで販売されているユニットバスとは違い、デザインにこだわるほどコストがかかります。
費用に影響する要因
お風呂リフォームの費用は、以下の要素によって決まることが多いです。まず、ユニットバスのグレード。デザインや機能の差に応じて価格が異なり、当然高級な素材や最新の機能を備えたユニットバスは、一般的なものよりも費用が高まります。次に、ユニットバスのサイズ。浴室の広さや配置によって必要なユニットバスのサイズが異なります。一般的に戸建てだと1616サイズのユニットバスが設置されていることが多いです。
目に見えない水道配管・ガス配管の状態や、水漏れによる基礎部分への影響についてなど、お風呂を解体してみてはじめて修復が必要な場合もあります。その場合、追加で費用が発生することがあります。
お風呂の壁材の種類
お風呂の壁をリフォームで使用される壁材の種類と特徴について、以下に紹介します。それぞれに、メリットとデメリットがあります。その特徴をある程度しっておくこともお風呂リフォームでは重要なポイントです。
タイル
タイルは、お風呂などの水回りに多く使われる壁材です。サイズや色などのデザインやカラーバリエーションが多いため個性的なお風呂に仕上げることができ、自分の好きなテイストのタイルを選ぶのは楽しい作業でもあります。種類が多いということはさまざまな価格帯の中から選べるため、予算内に収めやすいのも魅力です。硬い素材のものだけでなく、クッション性のあるタイルもあります。耐水性や耐火性に優れているというメリットがありますが、目地には水分が残りやすく乾きにくいため、掃除に手間がかかります。また、ひび割れや隙間ができている場合は水漏れが発生してしまうこともあります。
パネル
既存の浴槽や壁面を撤去せず、パネルを貼り付けてユニットバス風にするリフォーム方法がパネル工法です。解体がないため費用をおさえることができ、手軽に浴室の雰囲気を変えることができます。最近では、断熱材を付加したものや、断熱効果の高い発泡樹脂を使用したものもあります。ただし傷んでいる部分を直さずにそのままにしておくため、水漏れなどは改善されません。また、下地の状態によってはパネルやシートの裏側でカビが増殖してしまう可能性があるため、リフォーム前に必ず下地を確認するようにしましょう。タイルの張り替えに比べるとコストがかかってしまう点はデメリットとしてあげられます。
塗装
塗装壁は、モルタル、コンクリート、漆喰などを壁に塗装する方法です。ただ単に表面上を綺麗にしたいだけであれば、塗装やシートを選ぶことでリフォーム費用を大幅におさえることができます。ただし破れたり剥がれたりする恐れがあるため、長期的にみるとコストがかかるとも言えます。低コストで済みますが、汚れが落としにくくカビが発生しやすいなど劣化しやすく、近年では腰板から上のみに用いられることが多いようです。
お風呂・浴室リフォームのポイント
お風呂・浴室リフォームを行う際には、以下のポイントを押さえておきましょう。無駄にコストをかけずにすむ場合があります。
目的を明確に
お風呂・浴室のリフォームをするにあたり、その目的を明確にしておきましょう。例えば、古くなってしまって汚れが気になる、デザインが気にならない、使いづらい……など。どこが不満かを具体的に洗い出すことで、リフォームする際に必要なものが具体的に見えてきます。
予算設定とコスト削減のコツ
リフォームにかけられる予算を明確に設定しておきましょう。リフォームプランを開始すると、より充実した機能や優れたデザインがよく見えてしまい、つい課金をしてしまいがちです。どんなリフォームが必要かを明確にして、それをきちんとフォローすることをまず優先を。リフォーム施工業者にも、予算内で済ませたい旨を明示しておきましょう。優先順位をしっかりつけることで、より満足のいくリフォームプランが完成します。
利用できる補助金制度
地域や自治体によりますが、お風呂リフォームは補助金や助成金の対象になることもあります。す。一般的には、リフォーム費用の5~30%程度が補助されます。リフォーム施工業者や役所などで補助金の情報を確認し、適用条件や申請手続きについて調べましょう。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
国土交通省が実施する国の補助金制度です。耐震性や断熱性など、住宅性能を向上させるリフォームを対象に、補助金が支給されます。
介護保険の住宅改修費
手すりの設置やバリアフリー化、引き戸への交換などの工事が対象にはなりますが、要支援・要介護認定を受けている場合は、介護保険による自宅改修費の申請が可能です。
機能性とデザインの両立
毎日の疲れを癒してくれるお風呂。たとえばジャグジーや肩湯などのより充実した機能をプラスさせるのもいいでしょう。せっかくリフォームするなら、デザイン性にもこだわりたいものです。そのために、ショールームを訪れてみることをおすすめします。実際に浴槽に入ってみることもでき、深さや広さの感覚をつかむことができます。
防水対策・断熱・安全面の考慮
お風呂の防水対策は非常に重要です。防水工事を適切に行うことで、浴室内の水漏れやカビの防止につながります。また、断熱対策も重要。「風呂場が寒い」というのもお風呂リフォームの需要として多くあります。寒暖差をなくすことでヒートショックの予防もできます。お風呂での怪我や事故を防ぐために、滑り止めの床材、手すりの設置など安全面にも考慮したいものです。
規格品のユニットバスの設置可否
今のお風呂でユニットバスを使っている場合は、規格品のリフォームが可能。ユニットバスは設置・交換の際、浴槽・壁・天井などのパーツを分解した状態で搬入するため、パーツを搬入する経路の確保が必要です。目安は、間口で65cm以上、廊下の曲がり角などは75cm以上。搬入経路をチェックしましょう。
ライフステージや家族構成を考慮
お風呂のリフォームを検討するにあたり、ライフステージの変化による家族構成を意識することも大切です。家族構成によって、お風呂の利用頻度やニーズが変わってきます。小さな子供や高齢者がいる場合は、安全性やバリアフリー対策が重要。また、家族の人数に応じて浴室のサイズや収納スペースを考える必要もあります。
専門業者選びとアフターフォロー
お風呂・浴室リフォームは、専門的な技術や知識が必要となります。多く実績をもつリフォーム施工業者を選びましょう。まずは過去実績や口コミを参考に、お願いしてみたいいくつかの業者に相見積もりを取るといいでしょう。コスト内でお願いできるかはもちろん、やり取りをする上で希望を理解してくれるかどうか、担当者といい形でコミュニケーションを取れるかどうかをチェックしましょう。さらに、引き渡し後もアフターフォローが充実しているかどうかも、専門業者を選ぶ決め手となります。
マンションでの浴室リフォーム
マンションでも浴室リフォームをすることは可能なのでしょうか。構造上、マンションの浴室は同じ作りになっていて、ユニットバスを使っていることがほとんどです。構造や広さを変えることはなかなか難しいですが、限られたスペースを工夫してより広く見せるリフォームなどは可能です。まずは、リフォーム施工業者に相談してみましょう。
マンション特有の注意点
マンションでは、共用部の影響や組合の独自のルールが設定されている場合があります。それにより、追加の工事費用が発生する場合があります。リフォームに伴う工事の難易度や制約も異なります。
費用と工期の目安
マンションのユニットバスのリフォーム費用相場は、ユニットバスのグレードによって価格に差が出ます。50万円~150万円程度を見積もっておくとよいでしょう。工期の目安は、一般的な目安としても、平均的に3日間~4日間のところが多いようです。ただし、在来工法浴室から新しくユニットバスへリフォームする場合などは、床や壁の解体をする必要が出てくるため、10日ほどかかることがあります。
施工事例紹介
KUJIRAのお風呂リフォーム事例をいくつかご紹介します。事例を見ることで自分が叶えたいリフォームがどれぐらいかなのかを、具体的にイメージしてみてください。
約70万円でユニットバスを丸ごと交換
Panasonic/オフローラ
番外編:バスタブは本当に必要?
タカラスタンダード/シャワーユニット
床面積57㎡という3人家族で住むには決して広いとはいえない居住面積。そこで、日頃から使用頻度が少なかったバスタブを無くし、広めのシャワールームを採用しました。洗面脱衣室が広くなったおかげで、物干しパイプが常設されたスペースで洗濯物を乾燥できる環境を作ることができました。
日本の住宅はバスタブがある浴室が一般的ですが、生活スタイルに合わせてバスタブが本当に必要か見直してみてもいいですね。
まとめ
忙しい日々において、重要な空間であるお風呂。毎日使うことから経年劣化もしやすく、年月を経るにつれて劣化や使い勝手の悪さを感じてしまいます。そういったときに検討したいのが、お風呂・浴室リフォームです。理想のお風呂・浴室を実現するために、独自のワンストップリノベーション実績のあるKUJIRAに、ぜひお気軽にお問い合わせください。