2024.11.20
最終更新日
2024.11.25
リノベーションのヒント

住みながらリノベーションするポイントと注意点を徹底解説

スケルトン状態の床
Writer
髙谷 佑樹
ディレクター
リノベーションは日々の暮らしに明かりを灯してくれる魔法だと思っています。お客様の心と暮らしに寄り添うリノベーションを精一杯お手伝いさせていただきます!

住みながらのリノベーションは、引っ越し費用や仮住まいの手間を省ける点で魅力的ですが、快適に過ごすにはしっかりとした準備が必要です。工事と日常生活が重なる中で、どのようにスムーズに進めるべきかを理解することが重要でしょう。ここでは、リノベーションを快適かつ効率的に進めるためのポイントを、具体的にご紹介していきます。

住みながらのリノベーションができる場合とできない場合


リノベーションを計画する際、多くの方が「工事中に自宅に住み続けられるか」を気にされるでしょう。住みながらのリノベーションには、仮住まいが不要なことや生活の一部を維持できるというメリットがある反面、工事中の騒音や作業の制約など注意すべき点もあります。
まずは、どのような場合に住みながらのリノベーションが可能で、どのような場合に難しいのかを理解しておくことが大切です。

住みながらのリフォームが難しい場合

住みながらリノベーションを行うことが難しい場合として、まず挙げられるのが「工事の規模が大きいリフォーム」です。例えば、住宅全体の間取り変更や、スケルトンリフォームのような大規模な改修工事では、居住スペースが確保できないため住みながらのリフォームは困難です。
以下に、住みながらのリフォームが難しいケースについて詳しく見ていきましょう。

スケルトンリフォーム

スケルトンリフォームとは、住宅の壁や天井、床などの仕上げ材を全て取り除き、構造部分のみを残して行う大規模な工事です。このようなリフォームは家の基礎部分にまで手を加えるため、長期間にわたり生活スペースが確保できません。床や壁が取り外された状態では生活が成り立たないため、基本的には仮住まいを用意する必要があります。

水回り全般の改修

水回りの設備(キッチン、バスルーム、トイレ)の位置を変更するリノベーションや、同時に複数の水回りを工事する場合も、住みながらの施工は難しいです。特に、トイレや浴室が使用できない状態は生活の質に直結します。日常的に使うこれらの設備が数日から一週間以上使用不可になる可能性があるため、仮住まいでの一時的な生活が必要になるケースがほとんどです。

断熱工事や外壁の大規模改修

断熱リフォームや外壁の工事も、生活空間に大きな影響を与える場合があります。断熱材の追加や壁全体の交換など、広範囲に渡る工事を伴うため、室内の埃や騒音が日常生活に支障をきたします。また、天井や壁を開放する際には、住宅全体の温度調整が難しくなるため、特に冬や夏の時期には仮住まいを選択するのが現実的でしょう。

複数階にわたるリフォーム

もし二階建てや三階建ての住宅全体をリフォームする場合は、居住スペースが確保できない可能性があります。一階のリビング、二階の寝室など複数の生活空間が同時に影響を受けると、住みながらのリフォームは現実的ではなくなるでしょう。そのため、複数階にまたがる大規模リフォームでは、生活スペースに大きな制約が生じるため、仮住まいが必要となることが多いです。

住みながらのリフォームが可能な場合

住みながらのリフォームが可能な場合としては、工事が部分的であることや、居住空間の一部に限定されるリフォームが挙げられます。このような工事は、家全体を使用しながらリフォームが進められるため、生活を大きく変えることなくリフォームを進められる点がメリットです。
以下に、住みながらリフォームが可能なケースを詳しく見ていきましょう。

内装の部分的なリフォーム

壁紙の貼り替えや床の張り替えといった内装リフォームは、工事が比較的短期間で終わるため、住みながらのリフォームが可能です。例えば、リビングの壁紙を一新したり、フローリングの張り替えを行う場合、工事が1〜2日で完了することが多く、施工中は別の部屋で過ごすことで生活に大きな支障をきたしません。また、必要に応じて部屋ごとにリフォームを進めることで、日常生活への影響を最小限に抑えられます。

キッチンや浴室の部分交換

キッチンや浴室のリフォームでも、位置を変えずに設備のみ交換する場合は、住みながらリフォームが可能です。例えば、キッチン本体を交換する場合、工事期間が2〜3日で済むことが多く、簡易的な調理スペースを設ければ生活を続けられるでしょう。また、ユニットバスへの浴室交換も1〜2日で完了することがあり、近隣の銭湯や温泉施設を利用するなどすれば大きな支障なく生活が続けられます。

外構やエクステリアの工事

庭のリフォームや外構の工事(門の交換やアプローチの整備など)は、居住空間に直接影響を与えないため、住みながらの施工がしやすいです。例えば、ウッドデッキの設置や門のリニューアルは、居住空間内ではなく屋外での作業が中心となるため、住みながらでも問題なく進められることが多いです。

トイレや洗面所の単独交換

トイレや洗面所の単独リフォームは、工期が比較的短いことから住みながらのリフォームが可能なケースが多いです。特にトイレは一日で工事が完了することも多く、生活への支障も少ないでしょう。洗面台の交換なども数日で終わることが多く、工事の時間帯だけ別の部屋で待機すれば、通常通りの生活が続けられます。

住みながらのリノベーション期間と工事内容

リノベーションとリフォームの違い
住みながらリノベーションを行う場合、工事内容や範囲によって工期が異なります。具体的なリフォーム内容に応じた工期の目安を知ることで、住みながらリフォームの計画を立てやすくなるでしょう。
以下に、住みながらリノベーションにかかる主な工事内容とその期間についてまとめました。

壁紙やフローリングの張り替え

内装のリフォームの中でも、壁紙の張り替えは1~2日程度、フローリングの張り替えは3日前後が一般的です。短期間で完了する工事のため、リビングや寝室など、日常生活に欠かせない場所であっても、他の部屋で過ごすことで乗り切ることができます。

キッチンの設備交換

キッチン本体のみの交換であれば2~3日程度で完了します。さらにフローリングの張り替えなどを同時に行う場合は、追加で数日かかることもあるため、全体の工期を把握した上で調理スペースを確保しておくと良いでしょう。

ユニットバスの交換

浴室のリフォームは、ユニットバスへの交換であれば1〜4日ほどで完了します。また、在来工法からユニットバスへの交換には、4〜7日程度がかかることもあります。工事中は近隣の入浴施設を利用するなどの対策を講じておくと良いでしょう。

トイレの交換

トイレの交換工事は、洋式から洋式への交換であれば半日から1日程度で済むことが多いです。和式から洋式への交換は配管工事なども必要なため、通常よりも少し時間がかかることがあり、1~2日程度を見込んでおくとよいでしょう。

このようなリフォームでは、使用不可の時間帯を事前に工事業者に確認しておくと安心です。また、作業中の出入りの際には、ホコリや音に配慮しながら進めてもらえるよう依頼すると、家族の生活にも影響が少なくなります。

住みながらリノベーションをするメリット


リノベーションを進める際、住みながら行うという選択には、多くのメリットがあります。ここでは、そのメリットについて詳しく見ていきましょう。

引っ越し費用がかからない

住みながらリノベーションを行う最大のメリットの一つは、引っ越し費用がかからないことです。リノベーションの際に引っ越しを考える方も多いですが、引っ越しには新居の敷金や礼金、引っ越し業者への費用、新たな家具や家電の購入費用など、多くのコストがかかります。

さらに、引っ越しの手間や作業にかかる時間も大きな負担となるでしょう。住みながらリノベーションを行うことで、これらの手間と費用を削減することができます。

また、特にお子さんがいる家庭やペットを飼っている場合、新しい住居に慣れるための時間も必要になります。しかし、住みながらリノベーションを行えば、現在の住環境を維持しながら工事が進むため、家族全員が心理的な安定感を保てます。特に、引っ越しが難しい地域に住んでいる場合や、周辺環境に対して愛着がある場合には、住みながらのリノベーションが非常に有利です。

工事期間中の仮住まいのコストがかからない

リノベーション工事が大規模である場合、数か月の仮住まいが必要になることもありますが、仮住まいには賃貸料や敷金・礼金、光熱費などの負担がかかります。住みながらリノベーションを行えば、仮住まいのための余分なコストを回避できます。特に都市部での賃貸費用は高額になることが多いため、仮住まいにかかるコストは大きな出費となるでしょう。

また、仮住まいを探す手間や、実際に引っ越すための準備も省けるため、忙しい方にとっては大きなメリットとなります。仮住まいを必要としないことで、リノベーション費用を抑えながら、生活のリズムを崩すことなく工事を進められるのです。

工事の進捗状況をタイムリーに確認できる

住みながらのリノベーションでは、工事の進捗状況を毎日確認することができます。工事現場に自分がいることで、どのように工事が進んでいるのかを直接見て確認できるため、安心感が増すでしょう。

また、住んでいるからこそ、進捗に対してのリアルタイムでの調整も可能です。特に、リノベーションでは一部の工事内容が進行状況に応じて変更されることもあります。住みながら工事を見守ることで、こうした調整を柔軟に行うことができ、最終的に理想に近い仕上がりに導くことができるでしょう。

リノベーションに関する要望をタイムリーに伝えられる

住みながらリノベーションを行うと、工事業者とのコミュニケーションが密になります。工事の途中で発生する細かな希望や、気になる部分について、その場で業者に伝えることができるため、より満足のいく仕上がりが期待できます。

リノベーションは進行中に希望が変わったり、追加の要望が出てきたりすることが多いものです。住んでいれば、こうした希望をタイムリーに伝えることができるため、予期せぬ誤解や行き違いを防ぐことができます。

住みながらリノベーションをするデメリット


一方で、住みながらのリノベーションにはデメリットも存在します。ここからは、そのデメリットについて見ていきましょう。

騒音やホコリなどのストレス

リノベーション中は、どうしても工事の音が発生します。壁や床の解体作業、ドリルやハンマーの音など、騒音が長時間続く場合があります。特にリビングや寝室など、家族が日常的に過ごす場所が工事の対象となる場合、生活の中でのストレスが大きくなるでしょう。

また、工事に伴ってホコリが舞うため、室内が汚れやすくなることもデメリットの一つです。ホコリの影響でアレルギーが出る場合や、清掃の頻度が増えることも考えられます。

こうした騒音やホコリの問題は、特に在宅ワークをしている方や、日中も家にいることが多い主婦の方などにとって大きな負担となります。休息や仕事のために静かな環境が必要な場合、住みながらのリノベーションは慎重に検討する必要があるでしょう。

日常生活への制限

リノベーション中は、日常生活にもさまざまな制限が生じることがあります。例えば、キッチンやバスルームのリノベーションを行う場合、一時的にそれらの設備が使用できなくなることも考えられます。

また、家の一部が工事中のため、生活空間が狭くなることもあります。子どもがいる家庭では、安全性にも配慮が必要で、工事エリアへの立ち入りを制限したり、家具の配置を工事に合わせて変更したりする手間も増えるでしょう。

工事期間が長期化するケースも

住みながらのリノベーションでは、生活をしながら工事を進めるため、工事のスケジュールが通常よりも長くなることがあります。例えば、日中しか工事ができなかったり、特定のエリアを同時に工事できなかったりするため、作業が少しずつしか進まないケースがあるのです。また、工事業者も住人の生活に配慮しながら作業を進めるため、効率的に工事を進められないこともあります。

工事が長期化すると、結果的に生活へのストレスが増え、工事費用が上がることもあります。特に、予期せぬトラブルや天候の影響で工事が遅れる場合、工期がさらに長引くこともあるでしょう。リノベーションを住みながら行う際には、こうした工事期間の延長についても考慮しておく必要があります。

住みながらリノベーションをするためのポイント

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住みながらリノベーションを行う場合、スムーズな工事の進行や快適な生活を保つために、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。リノベーション中も日常生活を送るためには、工事の進め方や生活のしやすさを考慮する工夫が求められます。
ここでは、住みながらリノベーションを行うための具体的なポイントについて詳しくご紹介します。

事前の現地調査

リノベーションを計画するにあたり、まず事前の現地調査を行うことが必要です。現地調査では、家の構造や配管、電気配線の状況、老朽化している箇所の有無などを確認し、リノベーションにどれくらいの手間や費用がかかるかを把握しておきます。住みながらのリノベーションでは工事のスムーズな進行が重要ですので、事前に調査を行い、工事中に問題が発生しないように準備をしておくことが肝心です。

また、現地調査ではリノベーション工事を依頼する業者と一緒に現地を見て回ることで、実際に手を入れる箇所や工事の順序を共有しやすくなります。こうした事前準備を行うことで、住みながらのリノベーションにおいてもスムーズな進行が可能になり、予想外の問題が発生するリスクを軽減できます。リノベーション業者と密なコミュニケーションを取りながら、計画段階からしっかりと準備しておくことが大切です。

工事工程と生活への影響を考慮

住みながらのリノベーションでは、工事の工程とそれが生活にどのような影響を与えるかを十分に考慮しておく必要があります。例えば、キッチンやバスルームの工事が進む間、数日間はそのスペースが利用できなくなることもあります。事前に工事工程を確認し、どのタイミングでどのエリアが使えなくなるかを把握しておくことで、工事期間中の生活がスムーズに進むように調整することが可能です。

また、生活に支障が出ないように、仮設のキッチンや仮のバスルームを設置するなど、代替手段を準備しておくことも効果的です。工事業者と相談しながら、生活のしやすさと工事効率のバランスを取りながら工程を組むことが重要です。工事と生活の両立を図るためには、工事の順序や時間帯なども事前にしっかり打ち合わせておくことが必要でしょう。

リノベーション中の生活をイメージしておく

リノベーション中は生活の様式が変わることが予想されます。そのため、工事中の生活をイメージしておくことも重要です。例えば、工事中の音やホコリが気になる場合、音対策としてヘッドホンや耳栓を準備する、ホコリを防ぐためのカバーや掃除道具を事前に用意しておくといった対策が役立ちます

また、工事で一部の部屋が使えなくなる場合には、家具の配置を見直したり、別の部屋を仮の生活スペースとして活用したりすることも検討しましょう。

特に在宅勤務をされる方や小さなお子さんがいる家庭では、工事による生活への影響が大きくなる可能性が高いため、工事期間中にどのように生活するかを具体的に考えておくことが大切です。工事中の生活スタイルをイメージし、必要なアイテムや工夫を準備することで、工事による負担を軽減しながら、普段通りの生活を送ることができるでしょう。

予め不用品なども処分しておく

リノベーション前に不用品を処分しておくことも大切なポイントです。工事スペースに不要な荷物が多いと作業がしづらくなり、工事の進行が遅れる原因になることがあります。

また、工事中は一時的に部屋のレイアウトが変更されることもあるため、荷物が多いと生活スペースがさらに狭く感じられてしまうでしょう。事前に不用品を処分することで、工事がスムーズに進むだけでなく、工事後の新しい生活スペースもすっきりと快適になります。

季節も考慮する

住みながらリノベーションを行う際には、工事を行う季節も考慮することが大切です。例えば、夏の暑い時期や冬の寒い時期に工事を行うと、エアコンや暖房器具を使用しながらの生活が難しくなることがあります。
また、窓やドアの交換工事を行う場合、一時的に外気が入り込むため、季節によっては非常に不快な環境になりがちです。

特に、冬場のリノベーションでは外気温の低下が影響するため、暖房が効きづらい場合も考えられます。一方で、梅雨や台風の多い時期には、雨による工事の遅延も想定しておく必要があります。したがって、できる限り天候が安定している春や秋に工事を計画するのが理想的でしょう。季節を考慮したスケジュールを立てることで、工事中の生活の負担を軽減することが可能です。

まとめ

住みながらリノベーションを成功させるには、事前の調査や計画、生活への影響を考えた対策が不可欠です。工事中も快適な生活を維持するためには、生活スタイルや季節の特性を考慮し、柔軟に対応できる準備をしておくことが大切です。工夫を凝らすことで、理想の住まいを実現するプロセスも快適に楽しめるでしょう。

WRITERこの記事を書いた人

ディレクター

髙谷 佑樹YUKI TAKAYA

ディレクター / 大阪府堺市出身 / リノベーションは日々の暮らしに明かりを灯してくれる魔法だと思っています。お客様の心と暮らしに寄り添うリノベーションを精一杯お手伝いさせていただきます!

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