クッションフロアのデメリットを理解して賢く利用する方法
こんにちは!クジラ株式会社の藤本です。
Writer 藤本恭好 デザイナーWORKS 何事もバランスが大事! を念頭に相談者さまの頭の中を整理するデザイン提案を心がけています。誰かに喜んでいただく事がまわりの人・地域・社会へ伝播することを信じています。 |
昨今、クッション性に優れ、デザインも豊富でインテリアになじみものを選びやすいクッションフロアが人気です。価格も比較的リーズナブル。クッションフロアへの張り替えを検討する際は、デメリットもおさえておきたいものです。そこで今回の記事では、クッションフロアのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
目次
クッションフロアとは
クッションフロアとは、クッション性のある塩化ビニール樹脂を原料とした床材です。裏面に厚さ2~4mm程度のクッションが貼り付けられているため、クッション性が高いという特徴があります。
ガラス材を使用した表面には、さまざまな模様をプリントすることができデザイン性も豊富。張り替えが簡単でリフォームしやすく、DIYにも利用されるなど、手軽に利用しやすい素材です。
クッションフロアのメリット
住宅だけではなく店舗などにも幅広く使われているクッションフロアには、さまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、以下に見ていきましょう。
防水性
塩化ビニール素材で作られているクッションフロアは、防水性や撥水性が高いというメリットがあります。水を吸いにくく汚れもひと拭きで簡単に落とせるため、キッチンや洗面所、トイレなどの水回りでも重宝します。抗菌や消臭などの機能がプラスされたものもあり、設置する空間に合わせてセレクトできるのもいいところです。
吸音性
裏面にクッションが貼り付けられているクッションフロアは、踏んでみるとふわふわした感触があります。足音なども吸収する吸音性に優れている素材であるということもメリットの一つです。小さな子どもがいる家庭や、ペットのいる家庭、静かに過ごしたい寝室などにも向いています。
デザインが多様
クッションフロアの表面はガラス材が使用され、プリント加工をすることができます。木目調やレンガ調、タイルなどさまざまなデザインがあり、まるで本物のように凹凸があるものも多いのでチェックしてみましょう。さまざまなデザインの中からインテリアの雰囲気に合わせて選ぶことができるのも人気の理由です。
リーズナブルな値段
フローリング、フロアタイル、畳などさまざまある床材の種類のなかでもクッションフロアは最もコストをおさえることができます。クッションフロアの張り替え費用は、1m²あたり2,200円~4,500円ほどで、例えば6畳の広さに施工した場合は一般的に3〜5万円ほどのコストで工事が可能です。
一方、同じ6畳の広さだと、フローリングの場合は一般的に9万円以上かかります。
DIYもできる
クッションフロアはDIYのしやすさという点でも、大きなメリットがあります。自分で取り付けることができれば、予算をかなりおさえることができますよね。両面テープやボンドなどの接着剤で貼り付けが可能で難しい施工技術もいらず、DIY初心者でも扱いやすいというメリットがあります。リビングや玄関などの人目に着く場所へのDIYは多少慣れている人でないと難しいかもしれませんが、洗面所やトイレ、ロフトなど狭いスペースをクッションフロアに張り替えるDIYは、ぜひ挑戦してみるといいでしょう。
クッションフロア6つのデメリット
メリットがたくさんあるクッションフロアですが、当然デメリットもあります。クッションフロアに張り替える前に、デメリットについてもよく理解した上で実施しましょう。以下にクッションフロアの6つのデメリットについて見ていきましょう。
フローリングより劣化スピードが早い
床材の定番としてフローリングがありますが、クッションフロアはフローリングと比較すると、劣化スピードが早いというのが、まず挙げられるデメリットです。クッションフロアは耐久性が低く、衝撃や熱に弱い特徴があります。生活している上で何度も行き来する部屋などだととくに、劣化のスピードを感じやすいでしょう。クッションフロアを貼り付ける専用の接着剤の劣化が目に見えてしまうこともあります。劣化が進むとクッションフロアが浮いてきてしまい、隙間にホコリやゴミがたまりやすく、衛生的にも交換する必要が出てきてしまいます。
これは、メンテナンスや掃除によって防ぐことができますが、こまめなお手入れが必要なため少し大変かもしれません。劣化の状態によっては交換が必要になる場合もあるので、長い目で見るとコストがかかってしまうことにもなります。
傷やへこみやすい
クッションフロアは、やわらかい塩化ビニール樹脂を原料としているため少しの衝撃でも傷になってしまったり、へこんでしまったりします。テレビ台やソファ、たんすなど、大きくて重量のある家具を置く部屋には向いていないかもしれません。傷やへこみだけでなく、家具の重みが大きい場合は破れてしまうこともあります。大きな家具を置くリビングなどは避けるか、リビングに設置する場合は大きな家具を置く場所だけでも対策をするといいでしょう。
熱によって変色したり変形しやすい
塩化ビニール樹脂を原料としているクッションフロアは熱に弱く、熱にあたると変色や変形をしやすくなっています。直射日光などにも影響を受けやすく、例えば紫外線により変色がおきたことで周囲の床材や家具に色がうつってしまった……なんてケースも。ストーブや温かい料理など、熱いものを置く際にも注意が必要です。タバコも厳禁。灰でも溶けてしまうことがあるため、熱には注意しながら取り扱う必要があります。
通気性が悪く衛生面で管理が難しい
クッションフロアは、床に接着して貼り付けるために空気を逃しにくく、通気性もあまりよくありません。定期的にチェックしないと、いつの間にか湿気でカビが繁殖していた……なんて事態にも。最近では防カビ加工を施したクッションフロアなども出ています。プラスして施工の際に湿気をためないように下地の処理をする、定期的な確認とメンテナンスをする、などして対策する必要があります。
ラグジュアリーな印象が出づらい
フローリングと比較してしまうと、どうしてもチープな印象があるクッションフロア。インテリアなどで高級感を演出するのなら、クッションフロアを採用することで雰囲気が作りにくくなってしまうことがあるので注意が必要です。確かに、本物のような木目調やレンガ調、タイルのデザインも豊富なのですが、やはり見た目は本物には劣ってしまいます。
とくにカタログやインターネット上などでクッションフロアを選ぶ場合は、デザインだけに気を取られがち。スワッチ(素材見本)を取り寄せられたりもするので、気になるものがあったら問い合わせしてみるといいでしょう。いずれにしてもオーダーする前に実物の質感をきちんと確認するのが安心です。クッションフロアをメインに使うのは、水回りや子ども部屋など、機能性を重視するスペースに配置するといいかもしれません。
交換の頻度が多い
クッションフロアは、耐久性が低く、衝撃や熱に弱い特徴があります。傷やへこみがつきやすく、熱に弱いという特徴も。カビ繁殖のリスクもあります。
そのため、劣化スピードが早いため、交換時期が意外とすぐに来てしまった……ということにもなりかねません。張り替えや交換などの初期費用はぐんと安くおさえられますが、交換の頻度のことを考えると、長い目で見るとフローリングやフロアタイル、畳などの他床材に比べるとコストがかさむ可能性があるということも頭に入れておいたほうがいいでしょう。
クッションフロアを長く快適に利用するための注意点
クッションフロアにはデメリットがありますが、それを理解しつつきちんと対策をすれば、長く快適に使うことができる床材です。そのためにおさえておきたいポイントを見ていきましょう。
家具は持ち上げて移動させる
クッションフロアは耐久性が低く、すぐに傷やへこみがつきやすい素材です。家具などの移動は慎重に行いましょう。テーブルなどの家具を移動するときには、決して引きずったりしないように。慎重に、丁寧に取り扱いましょう。
定期的に家具の位置を変える
クッションフロアの部屋に大きめの家具を置く場合は、定期的に場所を変えることも大きな傷にならない対策のひとつです。傷やへこみならまだしも、破れてしまった……ということにならないように、重い家具は置かないこと、定期的に家具の位置を変えること、これに気を付けるだけでも、長く快適に利用することができるでしょう。
定期的にカビの有無を確認する
クッションフロアは、カビの温床になりやすいというデメリットがあります。これを防ぐためには、クッションフロアに通気をすることで、ある程度解消できるでしょう。カビを予防するためには、クッションフロアをめくり、実際に目で見て定期的に状態を確認するのがおすすめ。カビが発生しにくくなるように、防カビシートや防湿シートなどをクッションフロアの下に敷くのも効果的です。日常のお手入れとしては、こまめに掃除機をかけて大きいゴミやホコリをのぞき、しっかりと絞ったぞうきんやワイパーなどで拭き掃除をするといいでしょう。
自宅の雰囲気に合ったデザイン
一見、チープな印象になりやすいと思われるクッションフロアですが、インテリアのテイストに合わせてデザインを選ぶことで上質な雰囲気に見せることも可能です。インテリアの雰囲気に合っていないと、とたんにちぐはぐな印象になってしまうので、できるだけ多くのデザインを見て、さらに数点のデザインに絞ったらスワッチや実物で質感をきちんと確認し、インテリアの雰囲気に合うものを選ぶとチープさを払拭することができるでしょう。
張り替え・施工にかかる費用
クッションフロアの張り替えにかかる費用は、床や下地の状態にもよりますが、材料費と施工費を合わせて、1㎡あたり2,200~4,500円ほどです。クッションフロアを交換する際には、壁と床の接合部にある剥がれ防止用の「ソフト巾木」も取り替えることが多く、その場合はさらに5,000〜8,000円かかります。どんなデザインのものを選ぶかにもよりますが、6畳位の面積のクッションフロアを交換すると、一般的に3〜5万円ほどかかると思っておくとよいでしょう。
クッションフロアとフローリングの違い
クッションフロアとフローリングで一番違うのは、感触です。クッションフロアは歩くとふわふわしたやわらかい感触があるのに対し、フローリングは木を使っているので当然硬いです。クッションフロアは安価でいろいろなデザインがありますが、一方でフローリングは高級感があり耐久性が高いというメリットがあります。両方の特性を知り、部屋ごとに使い分けるといいでしょう。
自分でできる!クッションフロアの張り方
クッションフロアは、DIYするのも簡単です。いまの床材の上から張る「重ね張り」であれば、自分で張ることもできます。なかなかリノベーションやリフォームをしづらい賃貸住宅の場合でも、簡単に部屋の雰囲気を変えることができますよ。ただし、退去の際は接着剤や両面テープなどをきれいにはがした状態で原状回復をする必要があるのをお忘れなく。以下に、クッションフロアを自分で張る手順を見ていきましょう。
床をきれいに掃除する
まずは、床をきれいに掃除しましょう。いまの床の上から重ね張りをする場合は、ゴミやほこりが隙間に入ってしまうことがあります。きれいに掃除しておかずにその上からクッションフロアを張ってしまうと、劣化の原因にもなってしまいます。掃除機で大きいゴミやホコリをとりのぞいた上でしっかりと絞ったぞうきんやワイパーなどで拭き掃除を。その上からクッションフロアを張ると凹凸が気になりづらくなります。
仮敷きしてマークを付ける
掃除し終わったら、クッションフロアをどこに敷くかを決めます。両面テープをはがすと張り付いてしまい、はがせなくなってしまいます。まずは仮敷きをしてマークをつけて確実に張る位置を決めましょう。接着したら見えない部分に見やすい色のペンで印をつけつつ、テープをはがさずに仮敷き作業をします。
床に圧着する
クッションフロアを敷く位置が決まったら、張る場所に合わせてクッションフロアをカットしていきます。クッションフロアカッター、カッター、ヘラ、ハケ、ローラーなどが必要です。張る際に必要な道具を事前にリサーチし、準備しておきましょう。
カットする際はサイズぴったりではなく、5~10cmほど余裕を持たせるのがポイント。実際に張る際に調整できるので、失敗しづらくなります。クッションフロアのカットが完了したらテープをはがし、仮敷きした位置に張っていきます。まっすぐ置きながら、押し付けるように張っていくといいでしょう。壁際や角の余った部分は、ヘラとクッションフロアカッターを使ってカット。複数のクッションフロアを使う際は継ぎ目を10cmほど重ね、養生テープで仮止めします。
継ぎ目を綺麗に処理する
最後に重なった継ぎ目をカッターで綺麗に処理します。継ぎ目に接着剤や継ぎ目処理剤を入れ、クッションフロアが接着するまでしばらく置き、完成です。
クッションフロアのデメリットを理解して張り替えを検討しよう
デメリットをよく理解して対策をすれば、たくさんのメリットがあるクッションフロア。気軽に張り替えがしやすく、インテリアの雰囲気を変えるにはもってこいです。ぜひクッションフロアでの模様替えを検討してみてはいかがでしょうか。