2025.01.23
最終更新日
2025.01.24
リノベーションのヒント

ルーフバルコニーをリノベーション・リフォームで設置する際の費用やポイントを解説

リノベーション 外構
Writer
片山飛翔
デザイナーWORKS
バランスの取れた色彩感覚と暮らしやすさを考えた動線計画で、女性からも人気のあるデザイナー。休日は料理とキャンプをするのが定番です。
CREATOR’s STORY|片山 飛翔

階下の屋根部分をバルコニーとして利用する、ルーフバルコニー。一般的なバルコニーよりも面積が広く、屋根がないため日当たりがよく開放感があります。そのため、使い方次第でさまざまな用途に活用することができます。
例えば、家にいながらアウトドア気分が味わえるグランピングをしたり、家庭菜園やガーデニングを楽しんだり。子どものプール遊びやバーベキューにも活用できたりなど、ライフスタイルをより豊かにしてくれます。

今回はそんなルーフバルコニーへのリノベーションについて見ていきましょう。かかる費用概算や考慮すべき点、ルーフバルコニーを自宅に設置することのメリット・デメリットなどについて紹介します。また、おしゃれに活用するためのアイデア集やルーフバルコニーのリノベーション事例についても見ていきましょう。

ルーフバルコニー設置の概算費用とポイント


まずはルーフバルコニーを設置する場合の費用を具体的に確認していきましょう。

ルーフバルコニーの費用目安

どんな素材を使うかやデザインによってももちろん価格の幅はありますが、一般的に1㎡あたり10〜12万円ほどが費用相場とされています。ルーフバルコニーを設置する場所によっては、ルーフバルコニーへと上階段が必要となる場合もあります。階下のベランダから上がる外階段の場合はプラス20〜30万円ほど、階下の部屋から上がる内階段の場合はプラス70〜80万円ほどが必要となります。

リフォーム費用を抑えるためのポイント

敷地面積が大きくなるほど、ルーフバルコニー設置のリノベーション費用は当然多くかかってきます。そこで、少しでもリノベーション費用を抑えるためのポイントを以下に見ていきましょう。

ルーフバルコニーへのリノベーション実績が多い業者へ依頼する

リノベーションの鉄則でもありますが、どのようなリノベーションをするかの種類によって、得意不得意の施工会社が分かれてきます。当然、実例を多く持ち専門的に得意とする業者であれば、そのリノベーションに関わる資材を安く仕入れたり、効率的にリノベーションを実施するノウハウを持っていたりすることが多いです。それにより工事期間を短縮でき、結果的にリノベーション費用を抑えることができます。

リノベーション業者を選ぶ際は、ホームページの過去事例などからルーフバルコニーのリノベーション実績があるかどうか見てみましょう。ホームページで過去事例が分からない場合は、直接問い合わせをすると丁寧に教えてくれるはずです。

相見積もりを取る

どのようなリノベーションにも言えることですが、1社ではなく、複数社から見積もりを取ることで金額感をつかむ目安となります。気になるリノベーション施工業者を2~4社ほどピックアップして、同じリノベーションプランで見積もりを出してもらいましょう。結構な金額の差があることも多くあります。

また、相見積もりでチェックすべきは金額だけではありません。理想のリノベーションプランに対してどれくらいのことを叶えてくれるかや、アフターケアの充実度についても、忘れることなくチェックしましょう。直接相談できる担当者がどれくらい丁寧に説明をしてくれるかなども決め手となります。

できる箇所はDIYを活用する

費用をなるべく抑えたい場合は、DIYを取り入れるのもひとつの方法です。とはいえ、大がかりな工事や構造に関わる部分はもちろんプロにお任せしたほうが安心です。DIYでできる範囲は、ウッドデッキやウッドタイルを敷いたり、インテリアのレイアウトを自分で考えたりすることです。どこまでDIYできるかの線引きが難しい場合は、依頼しているリノベーション施工会社にコストを下げたい目的でDIYを取り入れたい旨を相談してみるといいでしょう。

ルーフバルコニーとベランダの違いは?

ベランダリフォーム
ルーフバルコニーとはどんなものであるのか、いざ聞かれると答えられないという人も多いと思います。ベランダやテラスとは、何が違うのでしょうか。ルーフバルコニーとは、階下の屋根スペースを使って設置されたバルコニーのこと。バルコニーやベランダと比較すると、広い面積があることが一番の特徴です。屋根がないため日当たりが良いのも大きな特徴としてあげられます。

ルーフバルコニーと同じように2階以上に設置されていて屋根がないのがバルコニー、2階以上に設置されていて屋根があるのがベランダです。テラスやデッキは、一般的に1階に設置されているものを指します。テラスは地面の一部を高くしてつくられたもの、デッキは室内から続くように室内と同じ高さでつくられています。

ルーフバルコニーのメリット・デメリット


ルーフバルコニーを自宅に設置することによるメリット・デメリットはどんなものがあるのでしょうか。メリット・デメリットの両方を知っておくことで、リノベーション後に最大限に有効活用できることにつながります。

メリット

ルーフバルコニーを自宅に設置するメリットには、下記のようなものがあります。

日光を遮らずとても日当たりがいい

ルーフバルコニーには、屋根がありません。周辺に高い建物などがない限りは、全方向から日光が入ってくる空を仰ぐことができる開放的な空間です。日当たりがいいということは、洗濯物を干すのにうってつけ。リノベーションの際に物干し竿を設置するスペースを考慮するなど、洗濯をする場所としての設計をするのもいいかもしれません。

ただし階が高いと強風にみまわれる可能性もあるため、その点も考慮した設計にできるとより便利に使うことができるでしょう。

広いスペースとして活用できる

一般的なベランダやバルコニーよりも圧倒的な広さを誇る、ルーフバルコニー。広さがあるため、活用方法はさまざまです。家にいながらアウトドア気分が味わえるグランピングをしたり、家庭菜園やガーデニングを楽しんだり。子どものプール遊びやバーベキューにも活用できるなど、そこはまるで、第2のリビングのよう
ルーフバルコニーの存在は、ライフスタイルをより豊かにしてくれます。

抜け感を利用して部屋を広く見せる

リビングなどの部屋に面した場所にルーフバルコニーを設置することで部屋の延長のように見せることができ抜け感が出て、より部屋を広く見せることもできます。部屋とルーフバルコニーをつなぐ窓を壁一面の大きなものにしたり、部屋とルーフバルコニーの床の色を統一させたりすると、さらに広く見せられる効果が。
日常生活において長い時間過ごすリビングに開放感が生まれるのは、想像以上に気持ちのいいものです。

外から中が見えづらい目隠しになる

ルーフバルコニーを設置することで、外から部屋の距離を確保できます。そのため、外から部屋の中が見えにくくなり、外から見えづらくなります。ルーフバルコニーには柵も設置されているため、防犯などの観点でも外の目が気になりにくくなり、プライバシーを確保できるというのもメリットと言えるでしょう。

デメリット

ルーフバルコニーを自宅に設置するデメリットには、下記のようなものがあります。

天候に左右されやすい

屋根がないルーフバルコニーは、雨の日や風の日の影響を受けやすく、天候が悪い日は活用しづらいのがデメリットです。そのため、ルーフバルコニーに常時物を置くというよりは、ルーフバルコニーを活用するタイミングでその都度物を出し入れして使うほうが現実的です。

最近では、日本の夏はかなりの猛暑になります。夏場にグランピングやバーベキュー、プールなどで活用したくても、直射日光が当たるルーフバルコニーは暑すぎて快適に過ごせないといった場合も考えられます。雪が降る真冬なども、同様のことが言えるでしょう。

下の部屋の断熱・騒音対策も必要

バルコニーの真下にあたる部屋は外気温の影響を直接受けやすくなるため、猛暑の際はとても暑く、真冬はとても寒くなる懸念があります。ルーフバルコニーを設置する際には、下の階の断熱対策を考えたほうがいいでしょう。また、外に直接接しているため、雨や風の音が気になる場合も多いです。そのため、騒音対策も考えておくと不快な思いをしなくて済むでしょう。

これらの問題は、ルーフバルコニー設置事例が多いリノベーション施工会社に相談すると、スムーズに解決してくれます。そういった意味でも、リノベーションをまかせるのは実績のある施工会社を選ぶことをおすすめします。

ルーフバルコニー設置の際の注意点

3LDK リノベーション ポイント
さまざまな活用ができるルーフバルコニーですが、リノベーションによる設置の際に注意しておきたいポイントがいくつかあります。あらかじめ注意点を知っておきしっかりと対策を行うことで、後々のトラブルを避けつつ、ルーフバルコニーを有効活用できるでしょう。

ウッドデッキやタイル設置に考慮すべき法的規制

ルーフバルコニーを設置する際は、考慮すべき法的な規制があることも覚えておきます。それが、建築基準法です。住宅の建ぺい率・容積率が細かく定められている建築基準法では、ルーフバルコニーの面積や高さなどで、適応外になってしまうことも考えられます。そういったことがないように、依頼するリノベーション施工会社にきちんと確認しておきましょう。

また、ルーフバルコニーの上に載せられる荷物の重さにも制限があります。リノベーションする際は、ルーフバルコニーが完成した後にどのように活用するのかをあらかじめ伝えておくことで、こういったリスクを回避できます。家庭菜園や子どものプール遊びが問題ないかどうかも併せて、リノベーション施工会社に確認しましょう。

日差し対策で屋根設置の検討も

屋根がないルーフバルコニーは、日差し対策で屋根を設置することを検討したほうがいい場合もあります。屋根を設置する際は、強風が来ても飛ばされにくいタイプがおすすめです。屋根を後付けするとメリットも。洗濯物を干していて突然のゲリラ豪雨などに対応できたり、床に雨水が直接かかることを防ぐことができたりと、メンテナンスの負担を軽減できます。

一時的な屋根としておすすめなのが「オーニング」です。オーニングとは、布製の簡易的なひさしです。外壁の骨組みに布製のひさしを張り折りたたみ式で使うことができ、普段はたたんでおくことができるため邪魔にもなりません。

床材の性能と選び方

ルーフバルコニーの床材はどんなものを選ぶといいのでしょうか。選ぶ際のポイントは、どのようにメンテナンスするべき床材であるかということ。例えば人工芝は、髪の毛やホコリなどが溜まりやすく、水はけもよくありません。樹脂素材でできたバルコニー床は防水性が高く、気温の影響を受けにくくメンテナンスがしやすいです。タイル床はおしゃれに仕上げることができますが、隙間に汚れが溜まりやすいので少しメンテナンスが大変という面があります。

デザイン面とメンテナンス面、またコスト面を天秤にかけたときにどんな床材が最適なのかを、リノベーション施工会社に相談するといいでしょう。

安全性を考慮したフェンスや日よけの導入

高い場所にあるルーフバルコニーは、安全性を考慮した設計が大切になります。転落防止のためのフェンスや柵の設置も視野に入れましょう。特に小さい子どもやペットがいるご家庭は注意が必要です。

防犯や安全面に配慮したフェンス

フェンスや柵は、近所からの目隠し対策にもなります。開放感や風通しや採光を損なわないようにするためにおすすめなのは、完全に視界を塞ぐことのないルーバータイプや格子タイプなどです。

水道・コンセントの設置も

ルーフバルコニーを設置する際は、水道を通しておくと活用のバリエーションが広がります。例えばガーデニングや子どものプールやバーベキューの際は水道があるととても便利。同じく、コンセントの設置も忘れないようにしましょう。バーベキューをしたり音楽を流してくつろいだり、ミニシアターで映画鑑賞をする際など、コンセントがあると、何かと便利に活用できます。

リノベーションプランを相談する際に、リノベーション施工会社にできるだけ具体的に活用方法を相談すると提案してくれることも多いです。

雨漏り対策も万全に

屋根がないルーフバルコニーは、常に雨や風にさらされている状態です。そうすることでゴミやほこりが溜まりやすくなります。基本的なメンテナンスとしては、排水溝のチェックやゴミやほこりを取る清掃です。落ち葉やゴミが排水溝に詰まると、階下への雨漏りが起こる可能性もあります。柵やフェンスが傷んでないか定期的にチェックし、安全性に配慮することも忘れないようにしましょう。

メーカーの保証内容も要チェック

住んでいるとつい忘れがちなのが、保証内容です。保証内容をしかるべきタイミングでチェックできるように、必要なものはファイルなどにまとめて一箇所に保管しておくといいでしょう。5〜10年、長くても15年前後を目安に、目に見える不具合が発生していなくてもメンテナンスをしてもらったほうがいいでしょう。雨漏りの発生などを防ぎ、ルーフバルコニーをきれいに保つことに繋がります。

ルーフバルコニーのメンテナンス


ルーフバルコニーのメンテナンスも忘れずに。ウレタン防水やFRP防水などの場合は、5年に1度という頻度でトップコートの塗り替えを行う必要があることも。生活していると5年はあっという間に過ぎてしまうので、あらかじめ頭に入れておくといいでしょう。

不安な場合は、リノベーションをするタイミングで、リノベーション施工業者にメンテナンスやアフターフォローについても確認しておくといいですよ。

おしゃれなエクステリアを最大限活用するためのアイデア集

ルーフバルコニーを最大限に活用するために、kujiraでリノベーションした実例を以下に見ていきましょう。広さや設置場所によっても条件は異なりますが、活用できそうな部分をピックアップしてぜひ参考にしてみてください。

照明や家具を活かしたデザインの工夫

素敵な照明を配置したりテーブルセットを置いたりして、外でありつつも部屋のインテリアのようにルーフバルコニーのインテリアを楽しむことで、よりおしゃれに使うことができます。休日の朝ゆったりとコーヒーを飲んだり、友達を呼んでホームパーティしたり。可動式の置き型ハンモックの設置もおすすめです。

グリーンを取り入れたエクステリア活用術

屋根がなく日当たりがいいルーフバルコニーでは、ガーデニングを楽しむという人も多くいます。好きな花だけを集めて花壇作りに挑戦したり、ハーブを栽培して摘みたてのものを料理に使ったりという贅沢もできます。ガーデニングをしたい場合は虫などいろいろなリスクも考えて、リノベーションの際に施工会社に相談を。こうしたリスクヘッジをしておくことで、より快適に使うことができますよ。

物置などの収納スペースも

ルーフバルコニーに物置を設置して、収納スペースとして活用する事例もあります。室外に大容量の収納スペースがあると、そのぶん室内を広々と使うことができます。ただしルーフバルコニーは屋根がないため、アウトドアグッズなど、収納するものは多少選ぶことになるでしょう。

まとめ

一般的なバルコニーよりも面積が広く、屋根がないため日当たりがよく開放感があり、さまざまな用途に活用することができるルーフバルコニー。メリット・デメリットや設置の際の注意点をよくチェックしておくことで、豊かなライフスタイルのために多いに活用できるスペースになることでしょう。

ルーフバルコニーを設置する際のポイントは、どんな用途で使いたいかをできるだけ具体的にイメージしてリノベーションプランを立てること。気にはなるものの、今の暮らしに本当に必要かどうか悩ましいという場合は、独自のワンストップリノベーション実績のあるkujiraにお気軽にお問い合わせください。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

片山 飛翔TSUBASA KATAYAMA

設計 / 兵庫県三田市出身 / お客様の空想をより良い形で体現する事を常に意識しています / 料理が得意です。お客様とプライベートでも遊べる仲になる事が夢です

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