2025.03.18
最終更新日
2025.03.20
施主様インタビュー

【NPOの新しいチャレンジ】ワッフルが作る素敵な“きっかけ”|インタビュー

店舗リノベーション

−NPOがワッフル屋さんを開業する??

最初ご依頼頂いた時、率直に?マークが浮かんだクジラPJメンバー。しかし、そこには施主様の熱い想いだけでなく、緻密な戦略もありました。

「生まれ育った環境に関係なく、デジタルの学びで中高生に希望とワクワクを。」を掲げる認定NPO法人CLACK(以下、CLACK)は中高生に向けて様々なデジタル教育の機会を提供する団体です。

構想段階から、リノベーションの打ち合わせ、そして開業後…。

CLACKの代表である平井様に、クジラの矢野がインタビューさせて頂きました。

▼今回のPJメンバー
CLACK代表:平井様
クジラ代表・ディレクター:矢野
(クジラデザイナー:片山)
(クジラ施工管理:西山)

ワッフル屋開業。

矢野:オープンして1ヶ月くらいですかね?率直な感想としてはどうですか?

平井様:思っていたより好調です。奥の小上がりスペース(イートイン)も、元々は 「小上がりを中高生のために上手く使おう」という話でしたが、それが結果的にこの地域(鷺宮駅周辺)で、ベビーカーを押してるような子育て世代の方にも良くご利用頂いています。

この辺りにベビーカーを押して来られて、ゆっくり過ごせる場所がなかったようで、結果的に子育て世代の方に重宝されている感じなのかなという風に思っています。

矢野:「ゆっくり過ごせる場所が近所にできた」って、すごく素敵な使われ方ですよね。

NPOとしての目的

平井様:ワッフルを買いに中高生も来てくれます。そして、水曜日を除く平日の16:30以降は小上がりスペースは中高生だけが使用できるフリースペースとして無料開放しています。

矢野:中高生のみが集まれる。

平井様:はい、集まって漫画を読んだり、ボードゲームをしたりとかダラダラしていい場所として開放しています。

矢野:居場所になっているんですね。

平井様:ワッフルの無料券とか割引券があったら、中高生が訪れるきっかけになるんじゃないかという意図でワッフル屋さんのアイデアに繋がりました。保護者の方が来て、家に帰って子どもに知らせてくれるみたいなこともあるそうです。

矢野:親御さん世代がワッフルきっかけで来て、自分の子供に「中高生が利用できる場所があるよ」という風に口コミしてくれるわけですね。

平井様:そうですね。この3階建の「テクリエさぎのみや」という建物は、CLACKが運営する、1階がワッフル屋、2階3階は中高生がデジタル系の体験ができる場所になっています。

2階は、3Dプリンター、レーザーカッター、マイコンという電子工作ができる機器の他、VRやちょっとした配信や音楽を作ったりもできるような機器を設置し、デジタル系の機器が一通り揃っているフロアになっています。

3階は、一人で集中して何かに取り組むフロアです。例えば iPadでお絵かきしてみたり、パソコンでプログラミングをしてみたり。個別ブースも作り、あまり人に話しかけられずに集中できる場所にしています。

平井様:CLACKでは、Tech Runwayという高校生を対象とした無料のプログラミング教室を運営しているのですが、週2回を3ヶ月間参加してもらうプログラムのため、少しハードルが高いんですよね。

そこでテクリエさぎのみやではTech Runwayよりもっと気軽に来てもらえる場所を作りたかったのです。

矢野:Tech Runwayに参加する前の興味段階の子どもや、すでに参加を終えた子どもの機会を作りたかったってことですね。

▼CLACKが開催するTech Runwayとは?

具現化したかった、想いと意図

矢野:改めて、こんな素敵な一大事業のリノベーションをクジラにご相談・ご依頼頂いた理由をお聞かせ頂けますか?

平井様:クジラさんには、大阪の“よどがわベース”開業の際にお世話になりました。

▼よどがわベース開業についてはコチラ!

平井様:その時に「しっかり意図を汲み取ってくれているな」と感じました。CLACKがやっている事業や背景、特に“子ども向けの事業”ってニュアンスがいろいろと難しいなと感じています。

さらに、ワッフル屋とデジタル教育の場所を掛け合わせて…となると意図がわかりづらいですし、いわゆる元気で活発な子どもだけでなく、「なかなか学校に馴染めていない」「コミュニケーションが苦手」というような子どもたちにもしっかり来てもらえる“両立した空間”という目的や文脈も理解してもらう必要がありました。

矢野:なるほど、文脈を掴んでくれるっていうことですね。これは嬉しい。

僕ら的には無茶なオーダーとは感じていませんでしたが、改めて一般的な取り組みとは少しニュアンスが違うという話を聞くと「確かに!」と思う部分もありますね。

打ち合わせ当時、活発な子どもとそうでない子どもがどのくらいのバランスで集まってくれたらいいか?も気にされていましたよね。

平井様:そうですね。さらに「ワッフル屋も単体で成立させたい」「中高生が(ワッフル屋の顧客と同じ空間にいて)肩身の狭い思いをしてほしくない」などの細かな要望もありました。

空間デザインが働く

矢野:ものすごく僕ら目線での質問になるのですが、先ほどお話頂いた意図でクジラにご依頼頂き、空間が出来上がり、営業開始してみて「空間デザインがスタッフの一員かのように機能しているな」と実感する部分はございませんか?

平井様:建物全体にさまざまなフックを作りたいと思っていたので、クジラさんとの議論ではいろいろと詰め込ませて頂きました。笑

館内全体を通して、中高生が無料でワッフル食べられるチケットの仕組みや、2〜3階でさまざまな機器に無料で触れられるというソフト面など、“いろいろ詰め込んだ”ところを、動線や開放感などの居心地に関わるところまでしっかり設計してもらった部分は大きいと思います。

矢野:中高生にとって“入りやすくて、居心地が良い”というのをワッフル屋を起点に考えたのが大きかったですね。ワッフルというコンテンツも良いし、無料券があったり、お土産で買って帰った親御さんが口コミしたり。

ワッフル屋とデジタル教育って全然遠い印象ですけど、ここに来ると“入りやすくて、居心地が良い”を改めて実感します。中高生に限らず多くの方がこのテクリエさぎのみやという建物(ワッフル屋も含めて)との関わり方を自在に変えていくことができる印象です。

平井様:あとはやはりワッフルを提供するお店として、店舗デザインがとても評判が良いです。オープン1ヶ月で多くの方に「認知されているな」という印象があるのは、店舗デザインの効果も非常に大きいと思っています。

心地良い居場所

矢野:ここに限らず、多くの人にとって“心地良い居場所”となっているところは世の中にたくさんあると思いますが、平井さんは居場所作りでこだわっているポイントとかございますか?

平井様:普段はソフト面を中心にいろいろ考えているのですが、テクリエさぎのみやのような場所を持つ、つまりハードを持つとなると、ただの箱物を作るのではなくてソフトとハードの融合を考えないといけないなって思っています。

自分たちのやりたい支援に加えて、地域の人たちとどのように連携するのか?など、ソフト・ハードの両面から考えるようにしています。ここのワッフル屋に関してはこういった考えの上でのチャレンジでして、手探りで進めていることがほとんどではありますが、手応えも感じています。

矢野:今日お話を聞いているだけでもここは本当にすごい取り組みですし、全国に広がって良い事例だと思います。ソフト・ハードのバランス感が重要なんでしょうね。

平井様:実際にやってみて、改めてソフト・ハード両方が大切だと実感しています。

矢野:今日は、ありがとうございました。次回はスタッフのみなさんにテクリエさぎのみやを作った時の細かなこだわりや想いをインタビューさせて頂きます!

▼WORK|施工事例はこちら
1階カフェ

2〜3階デジタルエリア

WRITERこの記事を書いた人

代表取締役 / プロデューサー

矢野 浩一KOICHI YANO

代表取締役(プロデューサー) / 宮崎県出身 / お客様の“不安”を”安心”に転換できるプロデュース / お客様と一緒にチームを作るのがクジラ流です。とことんこだわりたいお客様から、「どうしていいかわからない」というお客様までクジラスタッフを上手くご利用ください。

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