リノベーションやリフォームで使えるすまい給付金・補助金の対象とは?詳しく解説

![]() | Writer 山根広大 ディレクターWORKS 宅地建物取引士。大学で建築を学び、人の暮らしにより幅広く関わりたいと思い不動産業界を志望。2019年にクジラ株式会社に入社。不動産・建築の両面からワンストップでリノベーションをサポートするのが得意。 |
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リノベーションやリフォームには、まとまったお金が必要です。そこでぜひ活用したいのが、リノベーションやリフォームを対象とした「すまい給付金」や、リノベーション・リフォーム関連の補助金です。これらは、一定の条件を満たす住宅改修に対して支給されます。
対象となるのは、おもに省エネ性能の向上や耐震強化、バリアフリー化など、住宅の機能や居住環境を改善するリノベーションやリフォームで、「住まいの価値向上や生活の質の改善」を目的に支給されます。これらの制度については、国や自治体によって内容や対象範囲に違いがあります。まずは、検討しているリノベーションやリフォームに該当しそうな制度があるかどうかについてリサーチし、それぞれについて申請時に必要な書類や工事内容を確認する必要があります。
今回の記事では、「すまい給付金」やリノベーション・リフォームに関連する補助金について、その条件や対象を詳しく見てきましょう。
目次
すまい給付金や補助金の仕組み
「すまい給付金」とは、住宅を購入した人が現金をもらえる制度です。この制度は、住まいに関する負担を軽減し、適切な住環境の確保を支援する目的で設けられています。住まいに関わる補助金は、住宅の新築・購入だけでなく、省エネやバリアフリー改修などにも適用されることがあります。
支給額は年収などによって決定され、最高で50万円が支給されます。残念ながら「すまい給付金」の申請受付は令和6年3月に終了しており現在では申請することができませんが、今後再開される可能性のためにその概要を知っておくといいでしょう。
その他、住宅購入やリノベーション、リフォームにかかる費用の一部を公的に支援する補助金制度もあります。これらの給付金や補助金は、所得や住宅の種類によって異なる場合が多く、支給対象や条件が細かく定められています。申請するためには必要書類をそろえ、申請期限についても確認しておきましょう。
制度の内容は自治体によっても異なります。給付金申請の際は現行制度に従った期間内での手続きが必要となります。適切な条件を把握し、期限内に申請することで給付金や補助金を受給することができます。
すまい給付金 対象となる人
「すまい給付金」の対象となるのは、住宅購入やリノベーション・リフォームを行う際に一定の条件を満たす、住宅の所有者または新たに取得する人です。単に住まいを所有しているだけでなく、「その住居に実際に居住していること」が必須条件となります。
給付額を計算する基準となるのはおもに、収入や住まいの使用状況です。所得制限が設けられている場合も多く、申請時の所得状況により給付の可否や給付金額が決まります。各自治体や国の指定する適用条件がどのようになっているか、まずは詳細を確認しましょう。
給付金の対象となる要件
給付金の対象となる要件は、申請者の所得や住宅の種類・面積・性能、工事内容など複数の条件によって定められています。工事内容が、法令や安全基準に適合していることも重要です。条件は制度ごとに細かく設定されているため、焦らずじっくりと確認しましょう。
例えば「すまい給付金」を受給できる主な要件としては、以下の通りです。前提条件は、住宅を取得して居住する者か住宅の居住者で、収入が一定以下の方に限られます。住宅ローンを利用するかどうかについても、条件が異なります。
● 住宅ローンを利用する場合の条件は以下となります
年収の目安が775万円以下(消費税10%時点)
● 住宅ローンを利用しない場合の条件は以下となります
年齢が50歳以上であり、年収の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下で、消費税10%時点)
申請できる住まいの条件
「すまい給付金」を受け取れる条件には、新築住宅なのか中古住宅なのかなどによっても関わってきます。新築住宅でも中古住宅でも、まずクリアしなければならないのは床面積です。新築住宅で「すまい給付金」を受け取る際は、住宅ローンがある場合もない場合も、床面積は50平方メートル以上という条件があります(条件によっては40平方メートル以上)。
また、「すまい給付金」を受け取るには、施工中に検査を受ける必要も。こちらは新築住宅の場合と中古住宅の場合と条件が異なってきます。
● 新築住宅の場合の条件は以下となります
現場検査を受け、以下のいずれかの方法で品質証明を受ける必要があります。
□ 住宅瑕疵担保責任保険へ加入しているかどうか
□ 建設住宅性能表示がされた住宅であるかどうか
□ 保険と同等の検査が実施されている住宅かどうか
● 中古住宅の場合の条件は以下となります
□ 既存住宅売買瑕疵保険へ加入しているかどうか(建設住宅性能表示を利用している住宅でも可)
□ 既存住宅性能表示制度を利用した住宅であるかどうか(耐震等級1以上のものに限定)
□ 建設後10年以内であること
リフォームやリノベーションで給付金・補助金を受ける条件
リフォームやリノベーションで給付金や補助金を受ける場合、まず対象となる工事内容や住宅の条件を満たすことが必要です。給付金は省エネ性能の向上やバリアフリー化など、政策目的に合致した工事に限られるケースも。また、申請者の居住状況や工事の完了期限も重要な要素です。
対象となるリフォーム工事の種類
リフォーム工事・リノベーション工事にはさまざまな種類がありますが、補助金の対象となるものは特定の条件を満たす工事に限定されます。最近では、耐震補強や省エネ性能の向上を目的とした改修工事、バリアフリー対応など、安全性や快適性を高める工事が対象に含まれる傾向にあり、判断基準は「住宅の基本的な機能の改善につながる内容」であること。下記に、リフォームやリノベーションの種類と工事内容、該当する制度をまとめました。
リフォームの種類 | 工事内容 | 該当する補助金制度の一例 | 介護・バリアフリー | ● トイレ、浴室、廊下、玄関などへ手すりの設置 | 介護保険 | ● 床の段差を解消 | ● 室内ドアを引き戸へ変更 | 省エネ・創エネ・エコ | ● 内窓、ペアガラスによる窓の断熱 | 既存住宅における断熱リフォーム支援事業 住宅省エネ2025キャンペーン | ● 外壁、屋根の断熱 | ● 高効率給湯器の設置 | ● 節水型トイレに交換 | ● 高断熱浴槽付きの浴室へリフォーム | ● 太陽光発電システムの設置 | ● 蓄電池の設置 | 耐震 | ● 耐震診断 | 長期優良住宅化リフォーム推進事業 自治体の補助金(助成金)制度 | ● 耐震補強 | ● 耐震改修 | ● ブロック塀の解体、撤去 | 一般的なリフォーム | ● 間仕切りの増設 | 自治体の補助金(助成金)制度 | ● 洗面所の増設 | ● ワークスペースの確保 | ● シンプルな窓の新設 | ● アスベスト除去 | ● 積雪対策 | ● 防犯対策 | ● 増改築 | ● 床暖房 | ● 外壁改修 | ● 間取り変更 |
対象外となる工事例
一方で、単なる内装の模様替えや設備の交換のみといった、例えば、外構工事や装飾を主とする工事や、単なる美観の変更や趣味的な要素が強い改修は対象外となるケースが多いです。ただし補助金の適用条件は制度によって詳細が異なるため、工事の内容が明確に基準に合致しているかについては、事前に確認しておく必要があるでしょう。
すまい給付金 対象となる期間
「すまい給付金」の申請受付は、残念ながら令和6年3月に終了しています。ですが、今後再開される可能性もおおいに考えられるため、その概要について触れておくといいでしょう。
リフォームやリノベーションを対象とする補助金についての交付申請時期は、制度にもよりますが、目安として「国の制度は3月下旬~12月末まで」、「自治体の制度は4月初旬~来年度の1月および3月末まで」であることが多いです。具体的な期日に関しては制度ごとに異なります。それぞれ公式に出している情報を事前に確認しておく必要があります。
リフォームやリノベーションを対象とする補助金は、基本的に工事完了後に支給されることが多いです。そのため、あらかじめ自己負担額を把握し、資金計画を立てておくことが欠かせません。スムーズに申請を進めるためには、事前の見積もり取得が大切です。検討する場合は、早めのリサーチと準備をしておくとよいでしょう。
すまい給付金・補助金の金額と上限
「すまい給付金」や補助金は、収入やその他諸条件に応じた金額が支給され、上限の金額も設定されています。以下にその詳細について見てきましょう。
給付金・補助金の支給額
「すまい給付金」の支給額については、令和元年10月1日の消費税率10%への引き上げに伴い、給付額が最大30万円から最大50万円に拡充されました。その際に、給付対象者も拡充されました。具体的な金額については、住宅の種類や用途、利用者の所得状況など多様な条件によって調整されるため、個別に確認を。
単独名義か、夫婦共有名義かによっても変わってきます。夫婦それぞれで申請することも可能ですが、その場合は住宅ローンも共有名義で契約していることが条件になります。
住宅ローンを利用する場合(消費税10%時点)で、おおよその支給額は以下となります。
収入の目安 | 給付基礎額 |
450万円以下 | 50万円 |
450万円超525万円以下 | 40万円 |
525万円超600万円以下 | 30万円 | 600万円超675万円以下 | 20万円 | 675万円超775万円以下 | 10万円 |
複数回のリフォーム工事の扱い
複数回にわたるリフォーム工事の場合、給付金の申請は工事ごとに行うことが基本となります。ただし、それが同一住宅で行われる場合には支給額が合算されることや、上限が変わる場合がありますが、同一年度内や連続した期間での工事が対象となる場合は、支給額の合算に制限が設けられます。
これは、給付金の重複受給を防止し、公平な支援を図る目的です。該当の制度について、条件がどのように定められているかを細かくチェックするとよいでしょう。
補助上限額の引き上げ条件
通常の給付額に加えて補助金を引き上げる条件として、省エネ性能の向上やバリアフリー改修など特定の工事が認められる場合、上限額が増額されることが多くあります。また、耐震性を高める工事を含む場合にも補助上限が見直されることが多くあります。ただしこれらの条件は、地域や制度ごとに異なります。
すまい給付金や補助金の申請について
給付金や補助金の申請をする際は申請受付や条件、必要書類を揃えるなどやるべきことがたくさんあります。リフォームやリノベーションを検討している場合は、いずれも早めの準備をしておくことがスムーズな受給につながります。なかでも確実におさえておくべきことについて、下記におさらいしておきましょう。
申請受付期間
一番に確認するべきは、申請受付期間です。期限を過ぎるといくら条件を満たしていても申請することができません。余裕をもって準備を進めるために、早めにリサーチをしましょう。申請期間中に変更や延長が行われるというケースもあります。申請には、工事証明書や契約書、本人確認書類などの提出が求められ、正確な書類の用意が必要です。
手続きは自治体や国の窓口で行われることが多く、オンライン申請が可能な場合もあります。各制度や自治体によって異なるため、早めに公式の情報を確認することが重要です。
必要な申請手続き
必要な書類や手続き方法は制度ごとに異なるため、事前に詳細を把握し、問い合わせを行うと確実です。制度によって異なりますが、おもに必要なのは工事契約書、領収書、住民票など。申請は通常、所定の申請書に必要事項を記入し、指定された窓口やオンラインで提出します。また、申請内容に誤りや不備があると、それだけで審査に時間がかかってしまいます。期限内の提出が求められるため、余裕をもって準備を進めましょう。
他の制度との併用や注意点
給付金や補助金を受給する際は、他の補助金や給付金と併用できる場合も。ただし制度ごとに適用条件や支給上限が異なるため事前に確認が必要です。複数の制度を利用する際は、重複支給が認められないケースもあるため、注意しましょう。
「すまい給付金」は他の補助金や給付金と併用できる場合がありますが、制度ごとに適用条件や支給上限が異なるため事前に確認が必要です。複数の制度を利用する際は、重複支給が認められないケースもあります。
他の補助金や給付金との併用可否
給付金は他の補助金や給付金と併用できる場合がありますが、制度ごとに条件や制限が異なります。複数の制度を利用する際は、重複して同じ費用に対して支給を受けられないことや、併用不可とされるケースも存在します。併用可能な場合でも、給付金の合計額に上限が設けられていることも多くあります。
自治体や国の制度ごとに併用の可否が細かく設定されているため、相談窓口などを活用し、細かい部分を把握しておくとよいでしょう。
経理書類や財産処分の管理
補助金の交付を受けた際は、これに関わる経理書類を他のものと明確に区分しておく必要があります。収入および支出に関する書類を整理し、交付を受けた年度終了後も5年間は保存しておかなければなりません。これにより、後からの確認や監査にもスムーズに対応することができます。
財産処分に関しても資産の売却や譲渡の際の記録を詳細に残し、適切な手続きを踏むことが必要です。後にも対応できるよう、一元管理をしておきましょう。
主な住まい関連の補助金制度
環境面では省エネ性能を高めるリフォームに対しても支援があり、エコ住宅の普及を促進しています。これにより、住まい全体の快適さと安全性が向上し、生活の質を高めることが可能になるという目的です。「2050年カーボンニュートラルの実現」という目標に向け政府が住宅の省エネ化を急速に推進しているため、最近の傾向として、住まい関連の補助金制度は「省エネ性能の高い住宅の前向きな検討」を後押しする傾向が強くあります。
求められる水準は年々厳しくなっているといわれ、補助金や税制優遇の条件についても、ほとんどのケースで「ZEH水準」以上が求められるようになってきました。注文住宅の購入の際に利用できる国の補助金・助成金制度の一例としては、以下のようなものがあります(ただし、国や自治体の補助金・助成金制度については年度ごとに変わります)。
子育てグリーン住宅支援事業
子育て住宅エコホームの後傾制度として「子育てグリーン住宅支援事業」が開始されます。子育て世帯だけではなく、GX志向型住宅で性能が適合している場合は、年齢制限なしで全ての世帯が対象になります。
ZEH支援事業
ZEH支援事業とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを略してZEH(ゼッチ)と呼ばれる省エネとエネルギー生産ができる住宅の建築を支援するための事業です。ZEHは長く続いている補助金制度で、2025年も継続されます。電気やガスなどのエネルギーを大量消費することなく快適に過ごせる住宅を実現し、2050年のカーボンニュートラルを達成することが目的とされています。
サステナブル建築物等先導事業
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)は、2024年度にLCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅設備推進事業とされていた補助金制度の継続型です。ZEHよりもさらに二酸化炭素の発生を抑えた脱炭素化住宅に対する補助金で、資材調達や建築、居住中から解体などを含めて二酸化炭素の発生量の抑制を試みる目的があります。
給湯省エネ2025事業
高効率給湯器を各家庭に導入することを促進するための補助金制度で、戸建て住宅では2台まで導入が認められます。ただし、子育てグリーン住宅支援事業との併用ができないため、注意が必要です。
リフォームに活用できる国の補助金
住宅リフォームの支援制度には、例えば以下のようなものがあります。
住宅省エネ2024キャンペーン(国交省、経産省、環境省)【防犯補助あり】
2050年カーボンニュートラルの実現を図るために、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若年夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して国が支援する事業です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省)【防犯補助あり】
良質な住宅ストックの形成や、子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対し、国が支援する事業です。
子育て支援型共同住宅推進事業(国交省)【防犯補助あり】
共同住宅(分譲マンション及び賃貸住宅)を対象とした、事故や防犯対策などの子供の安全・安心の確保に資する住宅の新築・改修等を支援する事業です。
住宅 建築物安全ストック形成事業(国交省)
地震の際の住宅・建築物の倒壊等による被害の軽減を図るため、多くの地方自治体では、耐震診断・耐震改修に対する補助を実施しています。補助の対象となる区域、規模、敷地、建物用途等の要件は、お住いの市区町村により異なります。
次世代省エネ建材の実証支援事業(経産省)
既存住宅における消費者の多様なニーズに対応することで、省エネ改修の促進が期待される工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも資する蓄熱・調室建材等の次世代省エネ建材の効果の実証を支援する事業です。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省)
省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた住宅の断熱リフォームを支援する事業です。対象となる改修工事に係る経費の一部について補助金が交付されます。
自治体ごとのすまい補助金
省エネ住宅への補助金は国が実施しているものもありますが、自治体が独自に実施しているケースも。特に都心部に多い補助金・助成金制度といえるでしょう。例えば東京都では、2025年4月から太陽光発電の設置が義務化されます。それにともない大手ハウスメーカーが供給する新築住宅を対象に、40万円が補助されることになったり、初期費用0円で太陽光パネルをリースできるプランも導入されます。
介護や環境に対応したすまい給付金
高齢者や障がいのある方が安心して暮らせる住宅改修を支援する目的の、介護や環境に配慮した「すまい給付金」というのもあります。リフォーム工事の内容としては、例えば、段差の解消や手すりの設置、バリアフリー化などが対象となります。
補助金と併用できる減税・支援制度
また、注文住宅の建築では、補助金・助成金制度だけではなく「住宅ローン控除」や「リフォームに使える減税制度」などの減税制度も利用できます。減税制度を利用すれば大幅な節約になるので、利用できる減税制度をあらかじめ調べておくとよいでしょう。
住宅ローン控除の利用
正式名称を「住宅借入金等特別控除」と呼び、住宅ローンを利用して新築住宅を購入した人を対象とした所得税の減税制度です。2024年に制度の内容が変わり、省エネ基準適合住宅以上の物件でない場合は、住宅ローン控除が受けられなくなっています。求められる水準は年々厳しくなっているともいわれ、新築住宅を建てる際には、省エネ住宅やZEH住宅、長期優良住宅などを選択する必要があります。
住宅ローン控除を受ければ、1年あたり最大35万円が控除されますが、確定申告時に手続きが必要です。現時点では2022年から2025年に入居を開始した人が適用され、住宅を購入した年から最長13年間が適用されますが、2026年以降も延長されることが予想されます。
リフォームに使える減税制度
リフォームによって減税を受けられる制度は複数ありますが、おもには確定申告による「所得税の控除」と「固定資産税の減額」です。一定の要件を満たすリフォーム・リノベーションを行った場合は、大きく分けて「住宅ローン減税」「ローン型減税」「投資型減税」の3つの税額控除があります。
例えば、「住宅ローン減税」は、10年以上のローンを組み、条件を満たすリフォーム工事を行った場合に、毎年の住宅ローン残高の0.7%を10年間所得税から控除されるという制度です。令和7年度の税制改正においては、下記のポイントが変更されました。
● 借入限度額について、子育て世帯・若者夫婦世帯※が令和7年に新築住宅等に入居する場合には、令和4・5年入居の場合の水準〔認定住宅:5,000万円、ZEH水準省エネ住宅:4,500万円、省エネ基準適合住宅:4,000万円〕を維持する
● 新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分に限る。)について、建築確認の期限を令和7年12月31日(改正前:令和6年12月31日)に延長する。
そのほかにも、5年以上の住宅ローンを利用したリフォームに適用される「ローン型減税」、住宅ローンの有無に関わらず控除を受けられる「投資型減税」があります。また、確定申告以外の手続きが必要となりますが、申請すれば固定資産税の減額措置が受けられる場合もあります。一定の要件を満たしたリフォームを行なった場合、施工工事をした翌年の固定資産税が減額の対象となります。
まとめ
国や自治体のさまざまな補助金・助成金を上手に利用することで、コスト面の負担をできるだけ少なく、叶えたいリフォームやリノベーションをすることができます。補助金や助成金においては、各制度により、申請条件や対象工事、支給額などがそれぞれ異なるため、詳細を必ずチェックしましょう。
制度によっては、他の補助金や減税制度との併用が可能なケースもあり、複数の制度を組み合わせて活用することも検討できます。申請には期限もあり、申請手続きや必要書類の準備には時間がかかる場合があるため、計画段階から余裕を持って対応するとスムーズ。リフォームやリノベーションを検討する際は、早めのリサーチすることが補助金・助成金の受給につながるキーポイントとなります。
とはいえ、さまざまな制度や条件があり、自分だけで調べるのはなかなか困難でもあります。リサーチしつつ、自治体の窓口やハウスメーカーやリノベーション・リフォーム会社に相談してみるといいでしょう。税理士などの専門家や一級建築士が在籍しているリノベーション・リフォーム会社も多くあり、そういったところを選ぶのも一手です。リノベーションやリフォームのプランを相談する際に、補助金・助成金の受給を検討していることについても、あらかじめ伝えておくといいでしょう。