ランドリールームをリノベーションで実現!家事や生活を楽にする工夫と事例をご紹介

こんにちは!クジラ株式会社の髙橋です!
![]() | Writer 髙橋桃子 デザイナー WORKS 2016年に入社したスタッフの中で最もクジラ歴の長いメンバー。住宅のみならずオフィスリノベーションも得意としている。趣味は美味しいものを食べること。 CREATOR’s STORY|髙橋 桃子 |
---|
ランドリールームは、洗濯に関する一連の作業を集約でき、家事効率を高める空間として近年注目されています。リフォームでランドリールームを設けることで、日々の洗濯の負担を軽減し、より快適な生活を実現。この記事では、リノベーションでランドリールームを設置する際のポイントや事例についてご紹介します!
目次
ランドリールームってどんな空間?
ランドリールームとは、洗濯に関わる一連の作業、具体的には「洗う」「干す(乾かす)」「たたむ」「アイロンがけをする」「収納する」といった行為を一箇所で行えるように設計された専用のスペースです。従来の住宅では、洗濯機は洗面所やお風呂の近くに置かれ、洗濯物を干す場所はベランダや庭、たたむ場所はリビングなど、それぞれの作業が別々の場所で行われることが一般的でした。ランドリールームを設けることで、これらの作業動線を短縮し、家事効率を大幅に向上させることが期待できます。
また、洗濯機や乾燥機だけでなく、室内物干しユニット、作業台、収納棚などをまとめて設置することで、より機能的な空間となります。近年では、共働き世帯の増加や花粉、PM2.5といった外気汚染への懸念から、室内干しのニーズが高まっており、ランドリールームの需要が増加しています。
ランドリールームを設置するメリット
ランドリールームを設置することで、日々の洗濯に関する様々なメリットを享受できます。洗濯動線が短縮されることによる家事の効率化はもちろん、天候に左右されずに洗濯ができる点や、プライバシーの保護、外気汚れの付着を防ぐなど、快適な生活を送る上で多くの利点があります。
家事の効率化
ランドリールームは、洗濯に関わる一連の作業を一箇所に集約できるため、家事の効率を大幅に向上させることが可能です。洗濯機、乾燥機、物干しスペース、作業台、収納などをまとめて配置することで、「洗う」「干す」「たたむ」「しまう」といった工程間の移動を最小限に抑えられます。
特に、洗濯物を持って家の中を移動する手間が省けるため、身体的な負担も軽減されます。例えば、洗濯機のすぐ隣に物干し竿や乾燥機を設置すれば、重い洗濯物を運ぶ距離が短くなります。
また、作業台を設けることで、乾いた洗濯物をその場ですぐにたたんだり、アイロンをかけたりすることができ、リビングなどに洗濯物を持ち込む必要がなくなります。さらに、洗剤やハンガー、洗濯ネットなどの洗濯関連グッズをまとめて収納できる棚を設置することで、作業中に必要なものを取りに行く手間も省け、より効率的に作業を進められます。
これらの工夫により、洗濯にかかる時間を短縮し、日々の家事負担を軽減することで、他の時間に充てることができ、生活にゆとりが生まれます。
部屋干しスペースの確保
ランドリールームがあれば、天候に左右されずに洗濯物を干すスペースを確保できます。雨の日や花粉の多い時期でも気兼ねなく室内干しができるため、洗濯のタイミングを選ばなくなります。
また、夜間に洗濯することが多い家庭でも、時間や天候を気にせず干せるため便利です。室内干し用の物干しユニットや、除湿機、換気設備などを設置することで、洗濯物を効率よく乾かすことができます。
来客時などプライバシーの保護
リビングなどに洗濯物を干していると、生活感が出てしまい、急な来客時に慌てて隠す必要がある場合もありますよね。ランドリールームを設けることで、洗濯物を隠せるため、来客時でも気にすることなく洗濯物を干しておくことが可能です。
洗面室と兼用している場合でも、ロールスクリーンなどを設置することで、簡単に目隠しをすることも可能。これにより、プライベートな空間を保ちつつ、気にせず洗濯ができるようになります。
花粉や外気の汚れを気にする必要がない
洗濯物を屋外に干す場合、風に乗って飛んでくる花粉や黄砂、工場や車の排気ガスに含まれるPM2.5などの外気の汚れが衣類に付着する可能性があります。特に春先の花粉の時期や、空気が汚れている日は外干しをためらってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、ランドリールームで室内干しをすれば、このような外気汚染物質から衣類を守ることができます。窓を開けずに済むため、外部からの汚染物質の侵入を防ぎ、常に清潔な環境で洗濯物を乾かすことが可能です。これにより、アレルギー症状の軽減にもつながり、小さなお子様がいる家庭でも安心して衣類を着用させることができます。
また、急な雨や強風で洗濯物が汚れる心配もありません。室内干し用の乾燥機や除湿機を併用することで、より早く衣類を乾かすことも可能です。
ランドリールームを設置するデメリット
ランドリールームは多くのメリットがありますが、設置にあたっては考慮すべきデメリットも存在します。主にスペースの確保と湿気対策が挙げられます。
十分なスペースが必要
ランドリールームを設置するには、ある程度のまとまったスペースが必要です。洗濯機だけでなく、物干しスペースや作業台、収納などを設ける場合、その分だけ居住スペースが減少することになります。家族構成や洗濯物の量によって必要な広さは異なりますが、一般的に4人家族で2畳から3畳程度が一つの目安とされています。限られた面積の中でランドリールームを設ける場合、他の部屋とのバランスを考慮した計画が重要です。
湿気対策が必要
ランドリールームは洗濯物を干す場所であるため、どうしても湿気がこもりやすくなります。適切な換気対策を行わないと、カビやダニの発生、さらには建材の劣化につながる可能性があります。窓の設置や換気扇、24時間換気システムの導入、除湿機の活用などが湿気対策として有効です。
特にマンションなど窓がない場合は、換気設備や室内窓、サーキュレーターなどを効果的に利用する必要があります。
ランドリールームを作るリノベーション費用
ランドリールームをリノベーションで新設する際の費用は、工事の規模や内容によって大きく異なります。既存の間取りを変更してランドリールームを設ける場合、壁の撤去や新設、床や壁の内装工事、電気工事に加えて、給排水管の移動工事が必要になることもあります。
間取り変更を伴う場合の費用は、50万円からが目安とされていますが、水道工事が発生すると70万円以上かかるケースも見られます。
導入する設備によっても費用は変動し、衣類乾燥除湿機は1万円程度から、室内物干しユニットは3.1万円程度から、スロップシンクは10万円程度から、換気扇は3万円程度から、24時間換気システムは15万円から25万円程度が目安です。
全体的な費用としては、設備のグレードや部屋の広さ、レイアウト、下地補強の有無などによって、一般的に60万円から150万円程度がかかると考えられますが、増築の場合は200万円程度になることもあります。リフォーム内容別の費用目安として、今ある洗面所に物干しバーなどを設置する場合は20万円前後から、洗面所を拡張する場合は50万円前後からが目安となります。
ランドリールームを作る際の重要な点
ランドリールームを使い勝手の良い空間にするためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。適切な広さの確保や通気性の考慮、そして洗濯物の動線を考えた配置計画が特に重要です。
適切な広さと通気性の確保
ランドリールームの快適さは、適切な広さと通気性にかかっています。洗濯機、乾燥機、物干しスペース、作業台、収納棚など、設置したい設備や家具を考慮し、作業に必要なスペースを確保することが大切です。広すぎず狭すぎず、日々の作業がスムーズに行える広さを検討しましょう。
一般的には2畳〜4畳程度が目安とされていますが、家族構成や洗濯物の量によって最適な広さは異なります。また、湿気がこもりやすい空間なので、通気性の確保は非常に重要です。窓を設置したり、換気扇や24時間換気システムを導入したりするなど、空気の流れを作る工夫が必要です。
マンションなどで窓の設置が難しい場合は、室内窓を設けて空気の通り道を作ったり、サーキュレーターを効果的に使用したりするのも良い方法です。調湿機能のある壁材を選ぶことも湿気対策に役立ちます。
洗濯物を干す場所を考慮した配置
ランドリールームの配置を考える際には、洗濯物を「どこで」「どのように」干すのかを考慮することが非常に重要。ランドリールーム内で部屋干しをする場合は、十分な物干しスペースの確保が必要です。室内物干しユニットや、昇降式の物干し竿などを設置すると便利です。また、洗濯物を干したまま他の作業ができるように、作業台や収納との位置関係も考慮しましょう。
バルコニーや庭に干すことが多い場合は、ランドリールームと物干し場との間の移動距離が短くなるような配置が望ましいです。洗濯機から取り出してすぐに干しに行けるようなスムーズな動線を確保することで、毎日の洗濯の負担を減らすことができます。
マンションの場合は脱衣室と兼用
マンションの場合、戸建てに比べてスペースが限られていることが多いため、ランドリールームを独立した部屋として設けるのが難しい場合があります。その場合、脱衣室とランドリールームを兼用する間取りが有効です。脱衣室に洗濯機や物干しスペース、簡単な作業台などを設置することで、洗濯と入浴の動線をスムーズにすることができます。脱いだ服をすぐに洗濯機に入れられ、洗濯後はその場で干す、という流れが実現できます。
ただし、脱衣室は湿気がこもりやすい場所でもあるため、換気対策はより一層重要になります。また、来客時に脱衣室が目に入らないように、ロールスクリーンや引き戸などで空間を仕切る工夫も検討しましょう。
ランドリールームの設置場所・導線
ランドリールームの使い勝手は、設置場所とそこからの動線に大きく左右されます。家事全体の流れを考慮し、最も効率的な場所を選ぶことが重要。いくつかの効果的な配置場所とそれぞれのメリットをご紹介します。
脱衣所・お風呂の近く
ランドリールームの設置場所として最も一般的なのは、脱衣所やお風呂の近くです。これは、お風呂で脱いだ衣類をすぐに洗濯機に入れられるため、洗濯物の回収・運搬の手間を減らすことができるためです。また、洗濯後すぐに浴室乾燥機を利用したり、お風呂の残り湯を洗濯に利用したりする場合にも便利な配置と言えます。
洗濯から乾燥、そして収納へと続く一連の家事動線を短くできるため、効率的に作業を進めることができます。特にファミリーの場合、家族が入浴後に洗濯物を各自で洗濯機に入れやすいというメリットもあります。
クローゼットの近く
洗濯から「しまう」までの動線を重視する場合、クローゼットの近くにランドリールームを設置するのも効果的です。特に家族全員の衣類をまとめて収納するファミリークローゼットの隣に設けると、洗濯して乾かした衣類をすぐに収納できるため、移動の手間を大幅に省けます。
洗濯、乾燥、たたむ、そしてしまうという一連の作業が最短距離で完結するため、家事の時短に繋がります。子供がいる家庭では、子供が自分で洗濯物を片付けやすくなるというメリットもあります。
キッチンの近く
意外に思われるかもしれませんが、キッチンの近くにランドリールームを設置する間取りも人気があります。これは、料理をしながら洗濯機を回すなど、「ながら家事」を行いやすくなるためです。水回りをキッチンとランドリールームで集約することで、配管工事が効率的になるというメリットもあります。
特に、リビングやダイニングからランドリールーム、キッチンへと回遊できるような間取りにすると、家事全般の動線がスムーズになり、効率的に作業を進めることができます。
ランドリールームのリノベーション事例
ランドリールームのリノベーション事例は多岐にわたり、それぞれの家庭のライフスタイルや既存の間取りに合わせて様々な工夫が凝らされています。
脱衣所にランドリースペース
脱衣所にタオルと下着類を収納できるランドリースペースを設けました。
洗濯機の横に机とコンセントがあるので、洗濯後のアイロンがけもすぐにできます。
これらの事例からもわかるように、ランドリールームのリノベーションは、単に洗濯をする場所を作るだけでなく、家事の負担を軽減し、日々の生活をより快適にするための多様な可能性を持っています。
ランドリールームの設置は家族構成やライフスタイルに合わせて
ランドリールームは、洗濯に関わる一連の作業を集約し、家事効率を向上させるための有効なスペース。リノベーションによってランドリールームを設けることで、洗濯にかかる時間や労力を減らし、日々の生活にゆとりを生み出すことができます。
メリットとしては、家事動線の短縮、天候に左右されない部屋干し環境の確保、プライバシーの保護、外気汚れの付着防止などが挙げられます。
一方で、十分なスペースが必要となることや、適切な湿気対策が不可欠であるといったデメリットも考慮する必要があります。
ランドリールームの設置を成功させるには、家族構成やライフスタイルに合わせた適切な広さや設備を選び、洗濯機、物干しスペース、作業台、収納などの配置を考慮した効率的な動線計画が重要です。設置場所としては、脱衣所やお風呂の近く、クローゼットの近く、あるいはキッチンの近くなどが考えられ、家事全体の流れを考慮して最適な場所を選ぶことが求められます。
様々なリノベーション事例を参考にしながら、ご自身の生活環境に合ったランドリールームを設置することで、より快適で効率的な洗濯環境を手に入れることができるでしょう。