ワンストップリノベーションとは？会社選びや比較のポイント、メリットデメリットも

こんにちは！クジラ株式会社の三橋です！

	Writer 三橋玲奈 ディレクター 身に付けるモノや身の回りの空間が持つパワーはとても大きいです。「自分らしくいきいきと暮らす人を増やしたい」「誰かの人生をより豊かにしたい」という想いでこの仕事に就きました。

住宅における「リノベーション」という考え方が一般的になってきた昨今。中古住宅を購入して、自分好みにリノベーションをすることを選択する人が増えています。とはいえ、いざ実際に始めようとすると、リノベーションとは、物件探し・設計・施工・資金計画・アフターサポート……と、次から次へと手間のかかる工程が多く、「どこから手をつければいいのかわからない」という声も少なくありません。

そんな不安や手間を解消してくれるのが、「ワンストップリノベーション」というサービス。物件の紹介から設計・施工、ローンの相談や購入後のサポートまで、住まいづくりに関わるあらゆるステップをひとつの窓口で完結できるという、魅力的なサービスです。このサービスを利用することで複数の業者とやり取りする必要がなく、初めての方でもスムーズに、そして安心して理想の住まいを実現することができます。

この記事では、ワンストップリノベーションの基本から、サービス提供会社を選ぶ際の比較ポイント、さらにはメリット・デメリットまで、住まいづくりに役立つ情報を分かりやすくご紹介します。これからリノベーションを検討される方は、ぜひ参考にしてみてください。

ワンストップリノベーションを知る

中古住宅を購入し、自分たちのライフスタイルに合わせた住まいにリノベーションしたい──そんな希望を持つ方が増えています。近年、こうしたニーズに応える新しい住まいづくりの選択肢として注目されているのが「ワンストップリノベーション」です。

ワンストップリノベーションの最大の特徴は、物件の紹介から設計・施工、ローンの相談や購入後のサポートまで、リノベーションで実現する希望の住まいづくりに必要なあらゆる工程を、一つの窓口で対応できる点にあります。これにより、従来のように複数の専門業者と個別にやり取りをする必要がなくなり、手間や時間を大幅に削減できます。

特に初めてリノベーションに挑戦する方にとっては、複雑な手続きを一括で任せられる安心感が大きな魅力。このサービスを利用する人も、年々増加傾向にあります。ワンストップリノベーションの基本的な仕組みや具体的な進め方について見ていきましょう。

ワンストップリノベーションとは

ワンストップリノベーションとは、中古住宅の購入からリノベーションの設計・施工、資金計画、さらにはアフターフォローに至るまで、すべての工程を一つの会社が一貫して対応するサービスのことを指します。

これまでの住宅リノベーションでは、物件探しは不動産会社、設計は設計事務所、施工は工務店など、それぞれ専門の業者に依頼しなければならず、窓口が複数に分かれていました。これが原因で手続きが複雑になり、スケジュール調整や連絡の行き違いなどのトラブルが発生する場合も多くありました。

しかし、ワンストップリノベーションの場合、一つの会社がすべてをまとめて対応するため、こうした課題が解消されます。たとえば、物件探しの段階からリノベーションの専門家が同行してアドバイスを行い、購入後のリノベーションプランも一貫して提案。施工から完成後のフォローまで責任を持って対応するので、安心感が違います。

また、多くのワンストップリノベーション会社は、物件購入費用とリノベーション費用をまとめて借り入れできる「一体型住宅ローン」に対応しています。これにより資金計画が立てやすく、返済計画の見通しも明確になるのも大きなメリットです。こうしたサービスは特に、資金計画に不安を抱える方や初めての住まいづくりに取り組む方にとって、心強いサポートとなるでしょう。

ワンストップリノベーションの進め方

ワンストップリノベーションの一般的な流れは、以下のようになります。

まずはリノベーション会社を選び、相談からスタート。資金計画を踏まえながら、希望に合った物件を探し、内覧を重ねていきます。物件が決まったら購入申し込みを行い、売買契約や住宅ローン契約を進めます。

次にリノベーションの具体的なプランを打ち合わせし、工事請負契約を結びます。その後、物件の引き渡しを受け、リノベーション工事が始まります。工事完了後には立ち会い検査を行い、問題がなければ引き渡しとなります。

さらに、引き渡し後のアフターサービスも同じ会社が担当します。そのため、万が一の不具合やメンテナンスにも迅速に対応してもらえます。

この一連の工程を一つの窓口でまとめて進められることで、手続きの負担を軽減し、効率よく理想の住まいづくりがかなうというわけです。

ワンストップリノベーションのメリットデメリット

一元化された仕組みであるワンストップリノベーションは、利用者にとって多くのメリットがある一方で、利用にあたっては注意すべきデメリットも存在します。そこで、ここではワンストップリノベーションの特徴を踏まえながら、そのメリットとデメリットの両面を詳しくご紹介します。

ワンストップリノベーションの最大の特徴は、複数の専門業者と個別にやり取りする必要がなくなるため、手続きの手間や時間が大幅に削減されることです。物件探しから設計・施工、資金計画、さらには完成後のアフターサービスまで、一つの窓口でまとめて進められるため、スムーズで効率的な住まいづくりが可能になります。これは、特に初めてリノベーションを経験する人にとって、大きな安心感につながります。

しかし一方で、ワンストップリノベーションにはいくつかのデメリットも存在します。例えば、物件の選択肢が限られてしまう場合や、途中での計画変更が難しいこと、費用が高くなる可能性があることなどです。これらの点は、利用前にしっかり理解し、納得したうえでサービスを選ぶことが大切です。

次の章では、ワンストップリノベーションの具体的なメリットとデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ワンストップリノベーションのメリット

まず、ワンストップリノベーションの最大のメリットは、複数の業者と個別にやり取りする必要がなく、窓口が一つにまとまることで手間や時間が大幅に削減できる点です。従来のリノベーションでは、不動産会社、設計事務所、施工会社など、それぞれに連絡や調整を行う必要がありましたが、ワンストップサービスならこれらを一括で管理できるため、煩雑なやり取りを避けられます。これにより、スケジュールの調整もスムーズになり、工事の遅延や連絡ミスのリスクも低減します。

次に、物件購入費用とリノベーション費用を合わせて総額予算を把握しやすいことも大きなメリットです。資金計画が一元化されるため、予算オーバーのリスクが減り、無駄な中間マージンや追加費用の発生を抑えやすくなります。これにより、安心してリノベーション計画を進められるでしょう。

また、ワンストップリノベーション会社では、多くの場合「リノベーション一体型住宅ローン」に対応しているため、物件購入費とリノベーション費用をまとめて借り入れることが可能です。この住宅ローンの利用は、資金繰りを簡単にし、手続きの負担も軽減します。住宅ローンの審査や申し込みも一括で行えるため、煩雑な作業を減らすことができます。

さらに、リノベーションの専門家が物件探しの段階から同行することも、ワンストップサービスの魅力です。専門的な視点で物件の構造や状態をチェックし、リノベーションに適した物件を選ぶことができるため、購入後のトラブルや予期せぬ追加費用の発生を防ぎやすくなります。これにより、理想の住まいを実現する可能性が高まります。

加えて、同じ会社が設計から施工、アフターサービスまで一貫して担当することで、コミュニケーションが円滑になり、施主の要望を反映しやすい点もメリットです。トラブルが起きた際も一つの窓口で相談できるため、迅速な対応が期待できます。

ワンストップリノベーションのデメリット

一方で、ワンストップリノベーションにはいくつかの注意点やデメリットも存在します。

まず一つ目は、物件の選択肢が限られる可能性があることです。ワンストップリノベーション会社が扱う物件数や対応エリアはそれぞれ異なり、地域や取り扱い物件の種類によっては、希望通りの物件が見つからない場合があります。特に、希望エリアが限定的だったり、独自のルートで物件を紹介している会社の場合、選べる物件が限られてしまうこともあります。

次に、計画の途中での変更が難しい点もデメリットとして挙げられます。ワンストップリノベーションは一つの会社が全ての工程を担当するため、途中で他社に切り替えたり、新たな業者を入れたりすることが難しくなります。計画の途中で希望が変わった場合や、他の専門家の意見を取り入れたい場合には、柔軟な対応が難しいことがあるため注意が必要です。

また、費用面でも注意が必要です。特に、ワンストップリノベーションの中でも「パーシャルワンストップ」と呼ばれる、施工の一部や専門的な工程を外部の業者に委託する形態では、中間マージンが発生し、総費用が割高になるケースがあります。こうした追加費用は見積もり時に明確にされていないこともあるため、契約前に費用構造を十分に確認することが大切です。

さらに、担当者の専門性や経験により、リノベーションのデザインや設計の自由度が制限される場合もあります。ワンストップサービスの中には、自社の得意分野やパターンに沿った提案が中心となり、個性的なデザインや独自の要望を十分に反映できないこともあるため、事前に実績や施工事例をチェックしておくことが重要です。

そのほか、サービス内容や対応力、アフターサポートの質が会社ごとに大きく異なることも留意すべきポイントです。会社選びを誤ると、期待したサービスが受けられなかったり、トラブル対応が遅れたりする可能性があるため、信頼できる会社を慎重に選ぶ必要があります。

以上のように、ワンストップリノベーションには多くのメリットがある一方で、選択肢の制限や費用面、柔軟性の低さなどのデメリットも存在します。これらを踏まえたうえで、費用体系やサービス内容、担当者の専門性や実績をしっかり確認し、自分に合った会社を選ぶことが満足度の高いリノベーション成功の鍵となります。

ワンストップリノベーション会社の選定

次に、ワンストップリノベーション会社を選ぶ際に重視したいポイントについて、詳しく解説していきます。住まいづくりは人生の中でも大きな買い物であり、満足できるリノベーションを実現するためには、信頼できる会社選びが欠かせません。単に価格の安さだけで選ぶのではなく、サービスの質や対応力、施工実績、アフターサービスの充実度など、さまざまな視点から比較検討することが重要です。

まず、会社が提供するサービス内容をよく理解し、自分たちの希望やライフスタイルに合っているかを確認しましょう。リノベーションの設計や施工の提案力が高いかどうか、資金計画の相談に親身に乗ってくれるかもポイントになります。また、担当者とのコミュニケーションのしやすさや、相談時の対応の丁寧さも、安心してプロジェクトを任せる上で大切です。

さらに、過去の施工事例や顧客の口コミをチェックすることもおすすめします。具体的な完成物件を見ることで、会社の技術力やデザインのセンスがイメージしやすくなりますし、実際の利用者からの評判はサービスの実態を知る上で非常に参考になります。

このように、ワンストップリノベーション会社を選ぶ際は、さまざまなポイントを総合的に比較しながら、自分たちの理想をしっかりと実現できるパートナーを見つけることが、満足度の高いリノベーション成功への第一歩となります。

会社を選ぶ際に注意したい点

ワンストップリノベーション会社を選ぶ際には、まずその会社の実績が豊富であるかどうかをしっかりと確認することが非常に重要です。具体的には、過去に手がけたリノベーション事例が自分たちの希望するスタイルや規模に合っているかをチェックしましょう。

物件探しから設計、施工、アフターサービスまでを一貫して対応できるかどうかも大切なポイントです。また、資金計画の相談や住宅ローンの手続きについて親身に対応してくれるかどうかも見逃せません。これらのサポート体制が整っている会社であれば、初めてのリノベーションでも安心して任せやすくなります。

さらに、会社ごとに得意としているエリアや取り扱う物件の種類、デザインのテイストには大きな違いがあります。例えば、都市部の中古マンションを専門にする会社もあれば、一戸建てリノベーションを得意とするところもあります。また、モダンでスタイリッシュなデザインを提案する会社もあれば、ナチュラルや和モダンなど特定のテイストに強みを持つ会社もあります。こうした違いを理解し、自分たちの希望やライフスタイルにマッチする会社を選ぶためにも、過去の施工事例や会社の実績を細かく確認することが重要です。

加えて、リノベーションは長期間にわたるプロジェクトになることも多いため、担当者の対応力やコミュニケーションの取りやすさも大切な判断基準となります。初回の相談時に感じた印象や提案内容、説明のわかりやすさなどを踏まえて、自分たちが安心して相談できるかどうかをしっかり見極めましょう。疑問点や要望を気軽に伝えられるか、迅速かつ丁寧に対応してくれるかも、スムーズにプロジェクトを進めるうえで欠かせないポイントです。

最後に、実際に利用した人の口コミや評判も参考にして複数の会社を比較検討することをおすすめします。オンラインのレビューや知人からの紹介、モデルルーム見学などを活用し、リアルな声を収集することで、より信頼できるパートナーを見つけやすくなります。これらの情報を総合的に判断し、自分たちのニーズにぴったり合ったワンストップリノベーション会社を選ぶことが、理想の住まいづくりを成功させるための鍵となります。

会社のサービス内容を比較

ワンストップリノベーションを提供している会社は非常に多く、それぞれが特徴や強みを持っています。そのため、リノベーションを検討する際には、複数の会社を比較し、自分の希望や条件に合ったサービスを選ぶことがとても重要です。比較の際には、単に価格だけで判断するのではなく、プランの内容や提案されるデザインの質、担当者の対応力、アフターサービスの充実度など、さまざまな観点から総合的に評価することをおすすめします。

具体的には、リノベーションプランがどの程度カスタマイズ可能か、担当者がこちらの要望をどれだけ丁寧に聞き取り、具体的な提案に反映してくれるかをチェックしましょう。また、施工後の保証期間やメンテナンス体制、トラブル時の対応スピードも重要なポイントです。これらの要素は実際の暮らしに直結するため、口コミや評判、実績なども参考にして慎重に比較検討すると良いでしょう。

複数社から見積もりを取る際は、同じ条件で比較できるように具体的な希望や予算を明確に伝え、プラン内容の違いを理解することが大切です。見積もりだけでなく、初回の相談や打ち合わせの段階から担当者の印象や対応の良さを確認し、信頼できるパートナーを選びましょう。

ワンストップリノベーションの種類

ワンストップリノベーションには、「オールワンストップ型」と「パーシャルワンストップ型」の二つの形態があり、どちらが自分たちのニーズに合うかも考慮すると良いでしょう。

「オールワンストップ型」は、物件探しから設計、施工、アフターフォローまで、すべてを自社のスタッフや関連部署が一貫して担当するサービスです。この形態のメリットは、情報共有がスムーズで、施工品質の管理が徹底されやすいことです。また、一社で完結するため連絡窓口が明確で、トラブル時にも対応が迅速に行われやすいという特徴があります。

「パーシャルワンストップ型」は、自社で対応できる範囲は担当しつつ、設計や専門的な施工など一部の工程を提携している外部の専門会社に委託して連携しながらサービスを提供する形態です。この場合、専門性の高い業者のノウハウを活かせる一方、外部委託による中間マージンや調整コストが発生することもあるため、総費用やスケジュール面での確認が重要になります。

どちらの形態が良いかは、利用者のニーズやリノベーションの規模、予算、希望するサービス内容によって異なります。例えば、細かいデザインのこだわりや特殊な工事を求める場合は、パーシャルワンストップのほうが柔軟性があることもあります。一方で、一貫した品質管理やスムーズなコミュニケーションを重視する場合は、オールワンストップの方が安心感があります。

そのため、会社選びの際には、どの形態でサービスを提供しているかを確認し、自分の希望に合った体制やサポートを受けられる会社を選ぶことが大切です。事前にしっかりと確認し、納得したうえで契約を進めることで、理想の住まいづくりをスムーズに実現できるでしょう。

ワンストップリノベーションを利用する際の注意点

ワンストップリノベーションを利用して中古住宅のリノベーションを行う際には、いくつかの注意点があります。特に初めてリノベーションを検討する方にとっては、トラブルや後悔を防ぐためにも事前の準備と確認が重要です。ここでは、ワンストップリノベーションの利用にあたり、注意すべきポイントを詳しくご紹介します。

まず、全体のスケジュール管理と予算設定は非常に大切です。とくに入居希望時期がある場合は、計画的に進める必要があります。リノベーションは物件の選定、契約、設計、施工、仕上げといった多くの工程があり、それぞれに時間がかかるため、早めに会社に入居希望時期やスケジュールを伝えておくことが成功の秘訣と言えます。会社側もそれを踏まえて工事の段取りを調整し、遅れなく引き渡しができるよう対応してくれます。

また、中古住宅にはリノベーションに適さない構造や状態の物件が存在します。特に壁で建物を支える壁式構造のマンションや築年数が古く耐震基準の低い物件は、間取り変更が制限されることが多いため、理想通りのリノベーションが難しいケースがあります。さらに、マンションの場合は管理規約や理事会の承認が必要なリノベーションもあるため、希望する工事が実際に可能かどうかを事前にしっかり確認することが欠かせません。

会社選びにおいては、担当者の専門性や経験、施工実績の豊富さを重視することも重要です。信頼できる会社であれば、構造や規約の制限を踏まえた最適なプラン提案や、工事の質の高さが期待できます。また、過去の施工事例や顧客の口コミをチェックすることで、実際の満足度やトラブルの有無を把握しやすくなります。

事前に確認すべきこと

ワンストップリノベーションを検討する際は、まず複数の会社を比較し、それぞれのサービス内容やリノベーションプラン、見積もりを細かく確認することが大切です。会社によって得意分野や対応範囲が異なるため、自分たちの希望や予算に合った会社を見極めるためにも、比較検討は欠かせません。

たとえ「ワンストップサービス」とうたっていても、実際には設計や施工の一部を提携している外部業者に委託している場合があります。どの範囲まで自社で対応しているか、また外部委託の場合はそのパートナー企業の質や対応状況も確認しましょう。これにより、工事の品質や対応のスムーズさを把握できます。

さらに、施工実績の豊富さや自分たちが希望するリノベーションの実例があるかどうかも重要な判断材料です。特に、似たような条件やスタイルのリノベーション事例があると、具体的なイメージがしやすく、完成後の満足度も高まります。

加えて、顧客からの口コミや評判も参考にしましょう。実際にサービスを利用した人の声は、担当者の対応力やトラブル対応、工事の仕上がりなど、カタログやホームページだけでは分からないリアルな情報を教えてくれます。

そして、担当者の専門性や自分たちとの相性も、リノベーションを円滑に進めるために非常に重要です。最初の相談時から丁寧に話を聞いてくれるか、要望をしっかり反映してくれるか、細かな質問にも的確に答えてくれるかなどをチェックし、信頼できる担当者かどうかを見極めましょう。

このように、ワンストップリノベーションを利用する際は、サービス内容や施工体制、実績、担当者の質など多角的に情報を収集し、慎重に比較検討することが成功への近道です。しっかりと準備をしたうえで、安心して理想の住まいづくりを進めてください。

予算について

ワンストップリノベーションにかかる費用は、物件の広さや築年数、リノベーションの内容や仕様によって大きく異なります。

一般的に、中古物件の購入価格に加え、リノベーション工事費として1平方メートルあたり15万円から25万円程度が目安とされています。このため、例えば60平方メートルの物件であれば、おおよそ500万円から1,500万円程度のリノベーション費用がかかるケースがあります。また、80平方メートルの物件では、1,200万円から2,000万円を超える費用が必要になることも少なくありません。

これらの費用は施工当時の価格を参考にしたものであり、材料費や人件費の変動により現在の費用とは異なる場合もあるため、最新の相場感を把握することが重要です。

予算の計画を立てる際は、まずはざっくりとした相場を知っておくことが大切です。専門のリノベーション会社に見積もりを依頼する前に、ある程度の費用感を掴んでおくことで、無理のない資金計画が立てやすくなります。また、リノベーションの範囲や仕様を明確にすることで、コストの見通しをより具体的にできます。

費用を抑えるポイントとしては、まずワンストップ型リノベーションを選択することが挙げられます。複数の業者を介さずに一つの会社で対応するため、中間マージンなどの余分なコストを削減できる可能性があります。
加えて、設計段階で壁や扉の数を減らすシンプルな間取りにしたり、水回り設備のグレードを調整したりすることも効果的です。さらに、DIYで可能な部分を自分たちで手がけることで、工事費用を抑えることができます。

また、住宅ローン減税や国や自治体が提供する補助金制度を活用することも、資金負担を軽減する有効な手段です。これらの制度は時期や地域によって異なるため、最新の情報をしっかりと確認し、専門家に相談しながら適切に利用しましょう。

ワンストップリノベーション会社では、物件購入費用とリノベーション費用をまとめて借り入れできる「一体型住宅ローン」の取り扱いがある場合が多く、資金計画を一括で管理しやすい点も大きなメリットです。これにより、ローンの手続きがスムーズになるだけでなく、総支払額の把握もしやすくなります。

総じて、ワンストップリノベーションの予算は様々な要因で変動しますが、事前にしっかりと相場を理解し、コスト削減の工夫や公的支援の活用を検討することで、より納得のいく住まいづくりが実現できるでしょう。

スケジュールの管理

ワンストップリノベーションでは、物件探しから引き渡しまで一貫してサポートを受けることができます。そのため、ご自身で複数の業者とやり取りする手間が省け、スムーズに手続きを進められる点が大きなメリットです。

一般的に、中古物件探しからリノベーションの着工までには3〜4ヶ月程度かかり、工事期間も加わると、入居までに10ヶ月以上かかるケースもあります。ワンストップリノベーションを利用することで、このスケジュールをコンパクトにすることが可能です。

ただし、全ての工程を一つの会社に任せることになるため、着工前にリノベーションのスケジュールをしっかりと確認し、引っ越しや入居の時期を考慮したプランを立てておくことが重要です。会社によっては、施工管理ツールを活用し、工事の進捗状況を細かく把握して効率化や品質向上を図っている場合もあります。また、工事完了後の立ち会い検査では、不備がないか細部まで確認し、必要であれば手直しを依頼しましょう。

リノベーションに適さない物件

中古住宅のリノベーションを検討する際には、物件自体の構造や状態によっては希望通りのリノベーションが難しい場合や、予想以上の追加費用がかかるケースもあることを理解しておく必要があります。全ての中古物件が自由に間取りを変更したり大規模な改修ができるわけではないため、事前の確認が非常に重要です。

特に注意が必要なのが、壁で建物を支える「壁式構造」のマンションです。この構造は耐震性や強度を保つために壁の位置が固定されているため、間取りの大幅な変更が難しく、希望するリノベーションプランが実現しにくいことがあります。また、築年数が古い物件、特に旧耐震基準で建てられた建物は、耐震補強が必要になる場合が多く、そのための工事費用が膨らむことがあるため注意が必要です。

さらに、湿気や水漏れの影響を受けやすい物件もリスクが高いです。見た目には問題がなくても、内部にカビや腐食、シロアリ被害などの隠れたダメージがあることがあり、それらの補修に数百万円もの追加費用が発生することも珍しくありません。特に、水回りの老朽化や雨漏りの履歴がある場合は、専門家による詳しい現地調査が欠かせません。

また、法律的な制約も見逃せません。例えば、再建築不可物件や、建築基準法で定められた道路（建築基準法上の道路）に2メートル以上接していない「接道義務」を満たさない物件は、将来的な大規模改修や増築が制限される場合があります。こうした法規制により、希望するリノベーションの自由度が大きく制限される可能性があるため、購入前にしっかりと確認し理解しておくことが重要です。

以上のようなリスクを避け、安心してリノベーションを進めるためには、購入前の段階で物件の構造や築年数、管理状況、過去の修繕履歴、そして関連する法規制について専門家の意見を仰ぎ、十分な調査と確認を行うことが不可欠です。これにより、後から発生するトラブルや予期せぬ追加費用を防ぎ、満足度の高い住まいづくりが実現しやすくなります。

どのような人がワンストップリノベーションに向いているか

ワンストップリノベーションは、中古住宅の購入からリノベーションの設計・施工、そして資金計画まで、すべての工程を一つの窓口で一貫して完結させたいと考えている方に特におすすめのサービスです。複数の専門業者と個別にやり取りをする手間や時間を省きたい方にとって、非常に効率的で安心感のある方法と言えます。

特に、リノベーションに関する専門的な知識があまりない方や、仕事や家庭で忙しく複数の会社と連絡を取り合う時間がなかなか取れない方、また予算の管理をしっかり行いたい方に向いています。
ワンストップリノベーションの会社では、専門家が資金計画の段階からサポートし、施工に至るまで一貫して担当するため、途中での行き違いやトラブルを減らしながら、安心してプロジェクトを進められるのが大きなメリットです。

さらに、中古住宅の購入自体は検討しているものの、どの物件がリノベーションに適しているか判断が難しいという方にも適しています。ワンストップリノベーション会社の多くは、物件探しの段階からリノベーションの専門家が同行し、建物の構造や状態をチェックしながら理想の住まいづくりが可能かどうかを購入前に見極めてくれます。
により、購入後に予期せぬトラブルや過剰な費用負担が発生するリスクを減らすことができるため、初めて中古住宅購入とリノベーションを組み合わせる方でも安心して任せられます。

また、近年は千葉や横浜、埼玉、大阪などの主要都市を中心に、ワンストップリノベーションのサービスを提供する会社が増えてきており、エリアや予算、希望のリノベーションスタイルに合わせて多様な選択肢の中から自分にぴったり合った会社を見つけやすくなっています。地域密着型の会社や、デザイン性に優れた提案を行う会社など、特徴もさまざまなので、じっくり比較検討することが大切です。

このように、ワンストップリノベーションは時間や手間をかけずに理想の住まいづくりを叶えたい方、資金計画をしっかり管理したい方、またリノベーションに適した物件選びに不安を感じている方に特に向いているサービスだと言えるでしょう。

まとめ

ワンストップリノベーションとは、中古住宅の購入からリノベーションの設計・施工、さらにアフターフォローまで、全ての工程を一つの会社が一貫して行うワンストップサービスです。これにより、物件探しからリノベーション完了までの手間が大幅に削減されます。従来の住宅購入とリノベーションでは、不動産会社、金融機関、設計事務所、施工会社など、複数の業者とのやり取りが必要でした。しかし、ワンストップリノベーションを利用することで、窓口が一本化され、全体のスケジュールやコスト管理も一元的に行えるようになります。

ワンストップリノベーションには、「オールワンストップ」と「パーシャルワンストップ」の2種類があります。オールワンストップは、物件探しから設計・施工まで全ての工程を自社で行う形態で、中間マージンが発生しにくく、費用を抑えられる傾向があります。一方、パーシャルワンストップは、窓口は一本化されているものの、物件探しや施工の一部を提携している外部の会社に委託する形態です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自身のニーズに合ったサービスを選ぶことが重要です。

ワンストップリノベーションの最大の魅力は、効率的な進行と予算管理のしやすさです。物件購入費用とリノベーション費用を一本の住宅ローンにまとめるサポートを受けられることも多く、資金計画を立てやすくなります。また、物件選びの段階からリノベーションプランを考慮できるため、理想の住まいをより具体的に実現できる可能性が高まります。初めて中古住宅の購入とリノベーションを検討する方や、手続きの手間を省きたい方にとって、ワンストップリノベーションは非常に有効な選択肢と言えるでしょう。