「玄関の先にもう一つのリビング」【KUJIRAメソッド⑤】

こんにちは、クジラ株式会社の三輪です。
![]() | Writer 三輪海斗 ディレクターWORKS 2018年に新卒入社後、住宅・店舗・オフィスなど幅広く担当。住宅ローンの工面など難しい状況でもお客様に寄り添ってサポート。 |
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今回は、「玄関の先にもう一つのリビング」をテーマにした設計事例をご紹介します。
目次
玄関の“位置”が、暮らしの風景を変える
今回のリノベーションで一番の仕掛けは、「玄関の位置を動かしたこと」
それによって生まれたのが、“第2のリビング”とも呼べる中庭空間です。
ガレージとリビングに挟まれた中庭は、単なるアプローチではなく、家の内と外をつなぐ“間”として、日々の暮らしに新しい視点をもたらしています。

4枚扉で、空間が一気につながる
この中庭を活かすために、玄関土間には4枚続きの大開口扉を設計。
すべてを開け放つと、LDKと中庭がゆるやかに接続され、まるで“もうひとつのリビング”が現れます。
風が抜け、光が入る。屋外での食事も、気分次第で選べるようになりました。

「今日は外で食べよっか」──そんな一言が当たり前のように出てくる暮らし。
それは、扉を開くだけで空間が切り替わる設計があるからこそです。
扉を“なくす”ことで、奥行きを生む
実は、つくったのは「扉」だけではありません。
むしろ、扉や壁を“つくらない”選択を随所にちりばめています。
・ガレージ出入り口はスイング扉にして軽快な動線に。
・パントリーには扉を設けず、あえて“見せる収納”に。
・パントリーの壁も天井まで立てず、空間の抜け感を保つ。
玄関から土間、中庭、LDK、部屋の奥まで──。
視線も空気も通る、ひと続きの流れを重視した設計思想です。
“屋外”が、暮らしの中に入り込む
本当は中庭に植物を植える構想もありました。
土間と外のグリーンが視覚的につながれば、より有機的な空間になったことでしょう。
けれど、未完成の中庭であっても、そこには“余白の美学”が宿っています。

これからこの中庭をどう使っていくのか──。
食事をしたり、読書をしたり、ただ風を感じたり。
完成図の先に生まれる“もうひとつの使い方”が、きっとあるはずです。
暮らしに「外」があると、気持ちに余裕が生まれる。
今日の気分で、どこで過ごすかを選べるという贅沢。

中と外、機能と感性、動線と遊び。
そのすべてを結ぶのが、KUJIRAの“アイデア”です。



