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クジラで働く人たち

デザイナー 松尾 翔

デザインは目的ではなく手段「いかに驚かせるかを忘れない」

私のデザインの原点は、幼少期の「暮らし」を巡る体験にあります。実家はデザイナーズマンションで、幼いながらも「ほかの家とは何かが違う」と感じていました。その環境で育ったことで、空間の在り方やデザインの持つ力に自然と興味を抱くようになりました。
さらに、5歳の頃、阪神・淡路大震災を機に家族で疎開し、奈良の東吉野村で1年間の山村留学を経験。山奥の空き家で畑を耕し、自然とともに過ごした日々が、今の感性を育んでくれたのだと思います。
また、アフリカや北米で暮らしてきた母の柔軟な価値観にも大きな影響を受けました。そして高校時代、母の勧めでリノベーションされた長屋を見学したことが印象に残っています。古い建物が新たな価値をまとい、魅力的な空間へと生まれ変わる様子を目の当たりにし、デザインの力を実感しました。その体験は、建築の道を選ぶ上で一つのきっかけとなったように思います。
大学院時代には、デザインを学ぶため半年間イタリアへ。建築家が建物だけでなく家具やカラトリーまで手がける文化に衝撃を受け、デザインへの情熱がさらに燃え上がりました。今すぐ実務経験を身につけたいと思い、大学院を中退。意匠に徹底的にこだわるデザインを追求する設計事務所に就職しました。日々、正解のない課題に向き合いながら試行錯誤を重ねる中で、デザインに対する姿勢や考え方を学びました。この経験が、私のデザインに対する向き合い方を形成する大きな糧になったと感じています。

そして6年前にクジラへ。クジラは、建築やデザインを「目的」ではなく、「手段」として捉えています。単なる建築に止まらず、デザインを活かしてビジネスを展開できる会社で働きたかったため、ここしかないと思いました。クジラでは、ビジュアルの美しさだけを追求するのではなく、デザインがもたらす影響を多角的に考えます。住宅であれば、デザインが家庭環境や暮らしに与える影響、店舗であれば、ビジネスの背景を理解し、どれだけ良い顧客体験を生み出し、それを継続できるか。表層的なデザインにとどまらず、空間が持つ本質的な価値を引き出すことを大切にしています。
また、効率的で創造的なデザインプロセスにもこだわりがあります。現地調査、ヒアリング、図面作成を細分化し、遊びや見返しの時間を意識的に確保。主観と客観の往復を繰り返すことで、より良いデザインを生み出しています。

現在は独立を視野に入れ、デザイン業に加え、民泊・宿泊事業や建築関係法令のコンサルティングなど、新たな分野への展開を計画中。「いかにお客様を驚かせ、ワクワクさせるか」をテーマに、自分の感性と経験を活かしながら、デザインの可能性をさらに追求していきたいと考えています。
これからもクジラの仕事に関わり続けるとともに、外部から新鮮な視点やアイデアを取り入れ、より多角的な価値を提供していきたいです。

こだわりの施工

【富山県】合言葉は“やわやわブルー”|長年愛された本屋さんがホテルに -SEKAI HOTEL Takaoka-

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地元で長年愛された本屋さんをホテルとして再生したプロジェクト。カーテンの生地選びから石材、金物の調達まで、一軒一軒にこだわり抜き、飛び込みで業者と関係を築きながら進めました。自分の感性を余すことなくデザインに注ぎ込み、地域とビジネスが交わる場を生み出せたのは、私自身にとっても大きな誇りです。

出身地

兵庫県神戸市

趣味

◾️家族との時間を楽しむこと
妻と3歳の娘と過ごす時間は、何より大切にしています。一緒に旅行に行ったり、美味しいものを食べたり、日常の何気ない時間を楽しむことが、かけがえのない瞬間です。
旅行の際は、ホテルやレストランをじっくり選びます。宿泊費やコース料理の価格以上に、その空間や体験がどれだけ価値を生むかを考え、デザインの魅力を味わえる場所を選ぶようにしています。そういった場所では、娘と一緒にホテル内を散策しながら、建築やインテリアについて話すことも。最近は、「将来デザインのお仕事がしたい」と言うようになり、密かに嬉しく思っています。

◾️良いものに触れること
旅先や日常の中で優れたデザインに触れることは、私にとって大きな楽しみのひとつ。そうした体験が感性を磨き、デザインへの理解を深めてくれます。
また、所有するものもデザインやストーリー性を重視し、本当に気に入ったものだけを選ぶようにしています。それが暮らしの質を高め、感性を養い、最終的に良いアウトプットにつながるからです。

研究テーマ

「いかに驚かせるか」これが私の行動原則です。
自分自身がワクワクしていたいからこそ、お客様に提案するアイデアも、驚きと喜びに満ちたものでありたい。想定通りの結果ほど、つまらないものはありません。
日々、自分がなぜ喜びを感じたのかを振り返り、その感性をお客様の暮らしに投影する。そう考えると、デザインはもはや仕事ではなく、天職であり、趣味に近いものだと感じています。
建築やデザインにおいて、空間に足を踏み入れた瞬間、思考が止まるほどの感動を届けること。それが、私が常に目指していることです。

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