2023.11.28
最終更新日
2023.11.28
リノベーションのヒント

【フローリング種類】チェスナット(栗)は「上品」「個性派」を求めてる人にオススメ!魅力・特徴を解説。

日本人にはとても親しみのある木の実「栗」。
実は建材としても昔から人気の高い樹種なのを知っていますか?

「栗色(チェスナット ブラウン)」とも呼ばれるようにその色味が魅力なチェスナット。
建材としての魅力は色味だけでなく、性能にもあります。

住まいづくりに栗の木?と思われる方もいるかもしれませんが、今回はその栗の木について特徴やインテリア事例を紹介していきます。

チェスナットの種類

チェスナットは世界の広い範囲に生息しているブナ科の広葉樹です。
主な生産地は日本・中国・ヨーロッパの3つ。


・日本産
国産のチェスナットは「栗ベルト帯」と呼ばれる岩手・福島・島根・宮崎が特に良質の栗の産地として知られています。

・中国産
「天津甘栗」で有名な中国産の「シナグリ」も日本では多く使用されています。

・ヨーロッパ産
ヨーロッパで採れる「ヨーロピアンスイートチェスナット」は日本のよりも大きく育ちますが、その他の特徴は大きく変わりません。

また、アメリカ産のチェスナットもありますが、20世紀初頭に広がった病害虫の影響により、その多くが絶滅。今ではほとんど流通していません。

チェスナット(栗)の特徴

チェスナットは種類ごとに大きな特徴があるわけでなく、ほとんど同じ特徴を持ち合わせています。

「栗色」と「うねり」が魅力

「栗色」や「チェスナットブラウン」という色の表現を聞いたことはありませんか?
チェスナットはだんだんと深い味わいのある茶色に経年変化していくのが魅力の一つで、色の呼び方にも使用されるほどです。

また「うねり」のあるダイナミックな木目もチェスナットならでは。
よく比較されやすいオーク(ナラ)やチークなどより木目がはっきりしていて、経年変化で木目がしっかり濃くなっていきます。

オークのような他の広葉樹と同じように実用性もしっかりしていて、見た目に深みのあるものがいいけど人とは少し違いを持たせたいという人はチェスナットを選択肢に入れるといいでしょう。

優れた硬さと耐久性

日本では寺社仏閣の構造材や鉄道の枕木としてチェスナットが使われてきたほど、硬く丈夫で、耐久性に優れています。
硬い樹種であるため、切削や曲げなどの加工が難しく、細かな意匠を施した家具などには不向きといえるでしょう。
家具では、細かな加工をしない一枚板のダイニングテーブルに採用されることが多くあります。

「耐久性」と聞くと他にもオークやウォールナットなどが挙げられますが、価格が高価で取り入れるのが難しいことも。
一方でチェスナットは、高級樹種の中でも比較的リーズナブルに入手できる点もメリットとしてあります。

腐食や虫被害にも強い!

タンニンを多く含むチェスナットは腐食にも強い特徴があります。
そのため、洗面所やキッチンなどの床を無垢材にしたい場合、チェスナットが比較的使用しやすい素材です。

タンニンは防虫効果があることでも知られており、長く安心して暮らせる家づくりにおすすめです。

チェスナットフローリングを取り入れたインテリア

チェスナットは経年変化で大きく印象の変わる素材のひとつです。インテリアに取り入れる場合には経年変化後の色味を想定してデザインを決めていきましょう。

チェスナット×アーバンモダン

うねりのある木目はワイルドな印象を与えてくれますが、節の少ないチェスナットはそれほど主張が強くないのもポイント。
アーバンモダンのようなカッコ良く、それでいてシンプルなテイストにしたい時にはチェスナットの木目がぴったりです。

打ちっぱなしやダクトのむきだしなどの工業的なデザインでも、チェスナットのワイルドな木目が加わることでちょうど良く仕上げてくれます。

チェスナット×ホテルライク

深みがある栗色に変化したチェスナットの床は高級感を演出してくれます。
ホテルライクテイストは床材にタイルやカーペットを選択することも多いですが、無垢材を使用するならチェスナットの床もおすすめです。

チェスナット×ヘリンボーン

チェスナットでヘリンボーンにする場合、チェスナットのみの使用でももちろん素敵な仕上がりになりますが、あえて他の広葉樹と組み合わせることで色の違いを楽しむのもいいでしょう。

素材の違うものを組み合わせるとなるとその後のメンテナンスが大変そうと悩むかもしれませんが、広葉樹同士であれば基本的な性質に多少の違いはあるものの、お手入れ方法は変わりません。

違う素材を組み合わせてオリジナル性を高めるのも、住まいづくりの楽しみのひとつになりますね。

チェスナットでこだわり空間

チェスナットは日本を含む世界中で昔から使われてきた機能性・見た目ともに申し分のない素材です。しかしマイナーな印象のせいで建材に選ぶ方が他の広葉樹に比べると少ないのも事実。
住まいづくりで「人とは違うものにしたい」という方にはもってこいの素材とも言えます。

こだわりの家づくりを目指す方はぜひチェスナットを検討してみてくださいね。

▼チェスナット以外のフローリングについて知りたい方はコチラ!

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WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

松尾 翔SHO MATSUO

デザイナー / 兵庫県神戸市出身 / 空間や思考においてギャップを作ること。
それらがお客様やゲストなどの利用者にとって、良い意味での驚きや心を踊らせるような体験に繋がると信じています。 / 私たちの仕事はカッコいい空間を作ることではなく、お客様の暮らしがより素敵になるようにデザインすることです。
プロとしてお客様のご要望を叶えるだけではなく、言葉にできない "想い" を引き出し、表現することを心掛けています。

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