【フローリング種類】パイン材で木を楽しむ|特徴やインテリアを解説
パイン材は日本語では「松」と呼び、松と聞けば私たち日本人にも聞き馴染みのある樹種ですね。しかし聞いたことはあってもいざ違いは?特徴は?となると分からない方がほとんどかもしれません。
パイン材は木材の中ではとてもメジャーな種類で、家具はもちろん、フローリング(床材)など住まいの広い範囲にもよく使用されています。
今回はパイン材の特徴やメリットデメリットを紹介します。
目次
パイン材とは?
パイン材はマツ科の針葉樹で東南アジアのような温暖な地域でもロシアや北米のような寒冷地でも生息しています。
日本でも松の木を見かけることがありますが、日本の松はパイン材としては流通していません。
日本で流通しているパイン材の多くはロシアや北米原産のものが多く、ホームセンターで取り扱われているような安価なパイン材は東南アジア原産のものもあります。
パイン材の種類
世界中の広いエリアで生息しているパイン材ですが、産地によって種類が異なり、その種類は50種類以上とも言われています。
シルバーパイン
北欧やロシアなどの寒い地域に生息しているシルバーパインは日本でも多く流通している種類です。
ゆっくり時間をかけて成長するため木目がきめ細やかで節も小さくたくさん入っています。
シルバーパインの建材は白っぽさと赤みがバランス良く混在していて、節が濃い赤褐色なのが特徴的です。
ポンデロッサパイン
アメリカの西海岸が原産のポンデロッサパインはシルバーパインに比べると全体的に赤みが強い印象です。
マツ科のなかでも特に大きく成長するため、幅広材や長材がとれます。
また木目が直通なものが多いこともポンデロッサパインの特徴で、広い範囲で使用した時には他のパイン材に比べて見た目がすっきり仕上がります。
ラジアータパイン
原産地はもともとアメリカ(カリフォルニア)ですが、成長が早く植林に適していたためオーストラリアやニュージーランドでも植林されています。
暖かい気候で早く成長するため年輪幅が広く、木目は少し粗いのが特徴です。
パイン材のなかでも特に柔らかいので、DIYしやすい木材です。
反対に、耐久性には乏しいので床など傷つきやすい箇所に使う場合には取り扱いに注意しなければなりません。
パイン材の4つの特徴
パイン材は見た目も実用面でも特徴が多い樹種です。特徴を知るとパイン材が人気の理由も見えてきます。
節が多い独特な木目
パイン材の特徴と言えばまず「節が多い」ことが挙げられます。
茶色い斑点のような節はそれぞれ違った表情を持ち、同じパイン材でもオリジナルの空間に仕上がります。
パイン材の種類の紹介でも触れていますが、産地によって節目には違いがあり、寒い地域で育ったものほど節は小さく散財している傾向にあります。
足腰に優しい柔らかさ
パイン材は柔らかく衝撃吸収性に優れています。
そのためパイン材のフローリングを使用している空間では、長時間立っていても素足で歩いても足腰が疲れにくいのがメリットです。
小さなお子さんやペットがいるご家庭では床材に少しでも柔らかいものを取り入れたいという方も多く、パイン材が人気です。
森林浴効果もある香りの高さ
針葉樹は木の香りが強い樹種が多いですが、パイン材もその一つ。
リフレッシュ効果のある「フィトンチッド」という物質を放っているので、住まいにいながら森林浴効果を得られます。
フィトンチッドにはリラックス効果以外にも消臭・脱臭、防虫、抗菌効果もあります。
流通が安定していて安価
フローリングに無垢材を使用したくても費用面が気になる方は多いですよね。
パイン材は植林から30年程度で伐採することができます。パイン材と並んで人気のフローリングにはスギやヒノキがありますが、これらは伐採まで45年ほどです。
そのため、パイン材のフローリングは植林しやすく供給が安定していることから比較的に値段が安く仕入れられる特徴があります。安価でも木の香りやぬくもり、肌触りの良さなどが他の樹種に劣るわけではないので手軽に木の質感を楽しみたい方にパイン材は特におすすめです。
パイン材のデメリット
パイン材は比較的安価で、柔らかさがある材質が特徴です。
しかし、用途を間違えると早く傷んでしまったり後悔したりすることもあるので、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。
傷やへこみができやすい材質
パイン材は比較的柔らかいため、加工がしやすいメリットがあるのと同時に、その柔らかさがデメリットにもなります。
例えば、床に重いものを落としたり、ダイニングテーブルを引っ掻いたりした時に、傷や凹みが気になるかもしれません。リビングには硬い床材を選び、寝室にパイン材を選ぶなど場所によって素材を使い分けることも重要です。また、フローリングや天板に使用する場合には、コーティングを施し保護することで強度を上げて使用することができます。
色の経年変化がある
パイン材は湿度や温度の影響を受けやすく、経年変化をしやすい特徴があります。
特に、太陽が常にあたる場所で使用すると日焼けすることがあるので、気になる場合は遮光カーテンをするか窓際では使用しないよう工夫しましょう。
また、樹脂を多く含むのでヤニがでることもあります。見た目が気になる場合はヤニ止め材で処理する必要があります。
シロアリにやられやすい
シロアリは柔らかい木材を好むため、パイン材はシロアリに狙われやすい木材です。
また、シロアリは暗くて湿気のある場所に生息します。そのため、湿気の溜まりやすい床下にシロアリが発生しやすいので、家の構造材として使用されることはほとんどありません。
家具でパイン材を使用する場合に注意したいのは、庭などの外部に置く家具には向いていないということ。加工がしやすいため、植物をディスプレイする棚などをパイン材でDIYすることもあるかもしれません。しかし、雨などで腐敗した木材はシロアリにとって絶好の食糧となり、巣にもなります。
外で使用したい場合は、防腐剤や防蟻材を塗り対策をしましょう。
パイン材を取り入れたインテリア
様々な組み合わせが考えやすいパイン材。ここではパイン材を取り入れたインテリアを紹介します。
パイン×ナチュラルテイスト
パイン材の良さが最大限に生かされたナチュラルテイストです。
フローリングだけでなく、むき出しの梁や扉の仕上げ材にもパインを使用していることで部屋全体に統一感が生まれ、白い壁とのコントラストが映えます。
パイン×カントリーテイスト
経年変化で飴色になるパイン材をフローリングに選び、空間全体をカントリーテイストにコーディネートすると可愛らしい空間になりますね。
丸みを帯びた家具やアンティーク調の家具、暖色系のクロスなどパイン材のフローリングとの相性を考えるのも楽しそうです。
パイン×シンプルモダンテイスト
床をフローリングではなくタイルにして、パイン材を天井に使用したリノベーション事例です。
白や黒をベースカラーにした家具とシンプルなタイル張りの床ですが、パインの天井が暖かさを感じさせてくれますね。
シンプルでも個性のあるデザインがいいという方には節の多いパイン材がぴったりです。
パイン材で手軽に木を楽しむ
パイン材は特徴的な見た目と香りの高さから取り入れたいという方が多い樹種です。
実用性にも優れているにもかかわらず、安価なのも無垢材を使用したい人には嬉しいポイントではないでしょうか。
「木の温もりを感じたい」
「無垢材でも費用を抑えたい」
「シンプルより味のある木材がいい」
こういった願いを叶えてくれるパイン材を、フローリングや壁面、天井、インテリアなどどこか一部分だけでも検討すると、コーディネートの幅もきっと広がることでしょう。
▼パイン以外のフローリングについて知りたい方はコチラ!
▼フローリング以外の床材と比較したい方はコチラ!