【見落としがちなエレベーター事情】中古マンション購入時に確認しておきたいチェックポイント

中古マンションを購入する際に見落としがちなエレベーター。
エレベーターのチェックを怠っていると「出勤時にエレベーターが混みすぎてストレス」「防犯面がちゃんとしていなくて不安」「引越しの時に家具が運搬できない」なんてことも。
マンションのエレベーターは毎日使うものなので、ストレスなく快適に利用できるように確認しておきましょう。
今回は購入時のエレベーターのチェックポイントと、意外と知られていないエレベーターの豆知識をご紹介します。
目次
エレベーターの設置基準は何階から?
【建築基準法】エレベーターの設置義務は31mを超える建物
マンションを探していると、6階建てでもエレベータがない物件や、3階建ての低層マンションでもエレベーターが設置されている物件などさまざまです。
エレベーターの設置義務は、法律上、何階からという決まりはありません。
設置が必要な基準は、階数ではなく建物の高さによって決まります。
国土交通省が定める建築基準法では「高さ31mを超える建物には、非常用の昇降機(エレベーター)の設置が義務付けられています。」と記されています。
高さ31mのマンションは7階〜10階程度の建物を指します。そのため、5階建てのマンションでもエレベーターがないことがあるので注意しましょう。
高齢者向け住宅では3階建て以上でエレベーター設置
エレベーターの設置義務は31mを超える建物とされているため、5階でもエレベーターがない場合があります。しかし、5階まで階段で上り下りする生活は大変ですよね。設置義務がなくても、暮らす人の利便性や入居者を減らさないためにも設置されているケースは多いです。
また、高齢者向けの賃貸住宅や有料老人ホームなど、高齢者が住む共同住宅の場合には、足腰が悪くても移動がしやすいよう、3階建以上の建物にはエレベーターの設置義務があります。
マンションのエレベーターなし物件のメリット、デメリット
マンションの上層階になるほど、エレベーターの必要性を感じることが多いでしょう。
しかし、エレベーターがある分、共益費等が高くなることも否めません。
エレベーターのないマンションのメリットとデメリットをご紹介します。
生活に密着している存在だからこそ、エレベーターの特徴を確認しておきましょう。
費用を抑えられるなどのメリットがある
購入価格・管理費が安い
エレベーターのないマンションは、物件の購入価格や管理費が安い傾向があり、費用面の負担が少なくなるためメリットと言えます。
エレベーター付きの物件は移動が楽な反面、設置費や修繕費がかかるため、分譲マンションでは購入費用が、賃貸マンションでは家賃が高めに設定されていることがあります。特に、1階・2階の部屋の場合は階段を上り下りする負担が少ないため、コストパフォーマンスが良いと感じる人も多いでしょう。
さらに、エレベーターがないことによる物件管理コストの削減も魅力で、長期的に見れば大きな経済的メリットに繋がります。
加えて、エレベーターなしの場合、エレベーターの定期点検や交換にかかる費用が発生しないため、シンプルな管理体制を実現することが可能です。
このように、エレベーターの有無は物件選びにおいて非常に重要な要素であり、ライフスタイルや経済状況に応じた適切な選択を行うことが求められます。
騒音が少ない
エレベーターなしの物件には、騒音が少ないという大きなメリットがあります。エレベーターが近い部屋では、作動音やエレベーターホールで待つ住人の声が気になることが多いですが、エレベーターがないことでこれらの音から解放されます。特に、静かな環境を重視する方にとって、騒音の心配がない生活は魅力的です。音に敏感な方や、在宅時間が多い方には、静寂さが安心をもたらすことでしょう。
毎日の生活や売却にデメリットがある
市場価値が低く売却しにくい
エレベーターなしのマンションは、市場価値が低く売却しにくい可能性があります。エレベーターの有無は、住まいの利便性に大きな影響を与えるため、特に上層階に住む場合には重視される要素です。高層階ほど価格が上がる傾向があるものの、エレベーターがないことで利便性が損なわれ、結果的に評価が低くなることがあります。このように、エレベーターの存在はマンションの市場価値において重要な要素と言えるでしょう。
階段の負担が大きい
エレベーターなしのマンションに住む場合、階段を利用することが日常になります。特に、足腰が弱い方や高齢者にとっては、毎日の上り下りが非常に大変です。また、転倒のリスクも高まるため、安全面でも心配が増します。さらに、大きな荷物や家具を運ぶ際には、階段の昇降が大きな障害となり、引っ越し時に追加料金が発生することもあります。このような理由から、特に家族に高齢者や小さなお子さんがいる場合、エレベーターのある物件を選ぶことが非常に重要です。
マンションのエレベーターでチェックするべき6つのポイント
マンションの購入や賃貸を検討する際、エレベーターは意外と重要な要素です。特に、内覧時にはエレベーターの状態や機能をしっかり確認する必要があります。以下に、内覧でマンションのエレベーターをチェックするべき5つのポイントを紹介します!
エレベーターの設置台数をチェック
エレベーターがあるマンションでも設置台数が少なすぎると、なかなか乗れなくてストレスになりますよね。
しかし、設置台数が多すぎるとメンテナンス費や管理費が高くなってしまうことも。
では、エレベーターの設置台数はどのくらいが適切なのでしょうか。
一般的にマンションの最適なエレベーターの台数は、50戸に1台と言われています。
例えば、130戸のマンションであれば、130(戸)÷50=2.6(台)となり、3台あればストレスなく利用することができるでしょう。
ただし、上記の計算はあくまでも目安であり、実際のマンションの階数や住戸の配置によって異なることを覚えておきましょう。
エレベーターの台数が大きく影響する高層マンションを検討している方は、エレベーターを扱う会社の「エレベーター交通計算」で具体的な待ち時間を確認してみることをおすすめします。
エレベーターのサイズをチェック
マンションのエレベーターのサイズは普段の生活だけでなく、引越しの際の搬入にも関わるので、事前によく確認しておきましょう。
まず、31m以上の建物(階数にするとおおよそ6〜8階)にはエレベーターの設置が義務付けられており、サイズについても下記のような規定があります。
積載 :1,150kg以上
定員 :17名以上
サイズ :1,800mm以上(間口)、1,500mm以上(奥行き)、2,300mm(高さ)
出入口 :1,000mm以上(幅)、2,100mm以上(高さ)
上記のサイズであれば、車椅子であれば2台入り、ベビーカーであれば3台入る大きさです。そのため、グランドピアノなどの余程大きなものでない限り、搬入が可能でしょう。
しかし、31m未満のマンションでも、小さなエレベーターが設置されている場合があります。そのため、自分の生活に困らないサイズであるかを確認しておきましょう。
エレベーターの停止階をチェック
スキップフロア型のマンションでは、エレベーターが停止しない階があるので注意が必要です。
スキップフロア型は共有廊下を設けない分、プライバシーが確保されるなどのメリットがあるマンションのこと。
ただし、部屋に行くまでに、近くのエレベーター停止階で降りて階段で移動する必要があります。これでは、ベビーカーや大きな荷物を運ぶ際に負担になります。
特に小さなお子さんがいる家庭や、高齢者が同居している場合は、この点が重要です。エレベーターが停止する階数は事前に確認しておくことで、日常生活の利便性が向上します。
また、エレベーターの停止階の選択肢が限られていると、他の住人とエレベーターが混雑する時間帯によっては、待ち時間が長くなる可能性もあります。これにより、特に急いでいるときにはストレスを感じる要因となります。
防犯対策も重要ポイント
特に女性の一人暮らしの場合には、エレベーターの防犯性が気になりますよね。
主なチェックポイントは2つ
・防犯カメラの設置
・窓付のドアであるか
エレベーター内での犯罪を抑制し、万が一事件がおきた場合でも防犯カメラがついていると安心です。

また、密室になるエレベーターにおいて、外から中の様子が確認できるよう、ドアに透明の窓がついていると防犯上の効果が期待できます。
これらの防犯対策に加え、エレベーターのアクセス制限があるかもチェックポイントです。
例えば、特定の住居者のみがアクセスできるカードキーや暗証番号によるセキュリティがあるエレベーターは、外部からの侵入を防ぐ効果があります。
ペット可物件に専用ボタンはある?
ペット可のマンションに住むのであれば、ペット専用ボタンがあるかを確認しておきましょう。
ペット同士が鉢合わせてうるさく吠えたり、怪我をさせてしまうなどの住民とのトラブルは避けたいですよね。
ペット専用ボタンを利用することで、エレベーターを待っている人にペットを乗せていることを事前に伝えることができ、トラブルを未然に防ぐことができます。
定期点検や非常用設備は?
マンションのエレベーターを安全に利用するためには、定期点検の実施状況と非常用設備の有無を確認することが大切です。定期点検は、エレベーターの故障や事故を防ぎ、安全性を維持するために欠かせません。また、地震などの災害時に備え、非常用エレベーターや停電時の自動着床装置が備わっているかどうかも確認しましょう。
これらの設備が整っていることで、万が一の事態にも迅速に対応でき、居住者の安全を確保できます。非常用エレベーターは、火災発生時や停電時にも稼働し、居住者の避難や救助活動を支援する重要な役割を担っています。
エレベーターの豆知識
普段何気なく利用しているエレベーター。
意外と「これって何?」と思うことや、知らないことが多いのではないでしょうか。
Q.エレベーターで閉じ込められた時に、天井の救出口から脱出できる?
A.多くのエレベーターは天井からは出られません。
映画ではエレベーターで閉じ込められた人が、天井から自力で脱出するシーンがよくありますよね。しかし、現在は天井に救出口がないものが多く、あったとしても鍵がかかっており中から開けることができません。
実際に救出するときは、エレベーターを近くの階まで動かし、乗降用のドアを手動で開けて救出します。緊急時には、レスキュー隊が来るまで冷静に待っていましょう。どんな場合でも、エレベーターに乗る際には非常用の連絡装置や、緊急時の手順について事前に把握しておくことが重要です。
Q.エレベーター内の背面の扉は何のため?
A.ストレッチャーなどを使用するためのトランクです。
急病や大怪我をして、自分では病院にいけない場合に救急車を呼ぶことがあるかもしれません。しかし、狭いエレベーターでは、ストレッチャーを使用して運搬することができませんよね。
そこで、通常トランクルームには鍵がかかっていますが、緊急時に解錠して扉を開けばエレベーターでストレッチャーを使用することができます。
緊急時のことは想像がつきづらいかもしれないですが、トランクルームがあるエレベーターであれば緊急時に安心です。

Q.エレベーターの種類と特徴は?
エレベーターには大きく分けてロープ式と油圧式の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。ロープ式はワイヤーロープとカウンターウェイトを使い、滑車を介してかごを昇降させる方式で、高速かつ高層ビルに適しています。省スペースで設置できるため、マンションやオフィスビルで広く採用されています。一方、油圧式は油圧ポンプで油圧シリンダーを動かし、かごを直接押し上げる方式です。低速ですが、停止時の揺れが少なく、昇降機の機械室を不要にできるため、低層階の建物や荷物用エレベーターなどに適しています。これらの違いを理解することで、建物の用途や規模に応じた適切なエレベーターが選ばれています。
エレベーター交換について
エレベーターは経年劣化により故障のリスクが高まるため、定期的な点検と部品交換が欠かせません。交換の必要性については、エレベーターの種類や使用状況、設置年数によって異なります。特に、古いエレベーターは最新の安全基準を満たしていない可能性があり、利用者にとって危険を伴うこともあるため、注意が必要です。交換時期を判断する際には、専門業者による診断が不可欠であり、適切な時期に交換することで安全性を確保できます。計画的な交換により、トラブルを未然に防ぎ、マンションの資産価値を維持することにもつながります。
工事に必要な工程と日数
エレベーターの交換工事は、複数の工程に分かれ、それぞれに日数がかかります。まず、既存エレベーターの撤去作業が行われ、その後、新しいエレベーターの設置工事に入ります。これには、新しい昇降路の設置、かごや巻上機の取り付け、電気配線工事などが含まれます。また、工事期間中はエレベーターが使用できないため、居住者への影響を最小限に抑えるよう、事前に十分な計画が必要です。全体の工事期間は、エレベーターの種類や建物の構造、交換する台数によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月かかる場合があります。詳細な工程と日数は、専門業者との打ち合わせで確認することが重要です。
依頼先は?
エレベーターの交換を検討する際は、専門の業者に依頼することが重要です。一般的に、エレベーターの設置や保守を行っているメーカーや専門のメンテナンス会社が依頼先となります。これらの業者では、現地調査から見積もり、実際の交換工事、そしてその後のメンテナンスまでを一貫して請け負っています。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで、費用やサービス内容が適切であるかを確認することをおすすめします。
エレベーターがあるマンションはこんな人におすすめ
1階や2階の部屋を購入する場合を除いては、エレベーターはあるにこしたことはないでしょう。中でも以下のような理由で、エレベーターがあるマンションをおすすめします。
・ベビーカーや楽器などを日常的に持ち出す
・妊婦や子ども連れでも移動がラク
・引越し料金が割増にならずに済む
・大型家具も搬入できる
エレベーターは単に移動の手段ではなく、生活全体の質を向上させる重要な要素です。
見落としがちなエレベーターですが、毎日の移動に関わることなので、中古マンションを購入する際には、利便性や防犯対策などを確認しておきましょう。
まとめ
本記事では、マンションのエレベーターについて詳しく解説しました。エレベーターの設置基準は建物の高さによって義務付けられていることや、エレベーターなし物件のメリット・デメリット、そして内覧時にチェックすべきポイントなどを理解することで、ご自身のライフスタイルに合った物件選びに役立てていただけます。安全かつ快適なマンションライフを送るためにも、エレベーターの有無や機能面をしっかりと確認して物件を検討することが大切です。




