2023.03.01.Wed リノベーションのヒント

【初心者向け】リフォーム・リノベーション費用の相場感と“上手な予算の使い方”を徹底解説

リノベーションの相場と費用

「新築物件を購入するよりも、同じ予算でもっと自由に理想の住まいを見つけたい!」
という理由でリフォーム・リノベーションを選ぶ人も増えてきました。

しかし、ネットで様々なリフォーム・リノベーション事例を見てワクワクしつつも「このリノベーションはこんなに安いのに、こっちはすごく高額なのはなぜ?」と感じたことがあるのではないでしょうか?

リフォーム・リノベーションプランで大切なのは予算の使い方です。

空間全体にたくさんの費用をかけるのもひとつの選択肢ですが、メリハリをつけてプランすることで案外安くリノベーションできる場合もたくさんあります。ここでは金額帯別にたくさんのリフォーム・リノベーション事例を交えて、かかる費用について解説していきます。

一般的なリフォーム・リノベーション工事の種類

リフォームとは「回復する」「現状に戻す」という意味を持つのに対して、リノベーションとは躯体(建物の構造)以外に手を加えて付加価値をつけることです。

しかし「古いものに手を加えて使えるようにする」という点ではあまり変わりません。実際に、リフォーム・リノベーションどちらを依頼しても「希望内容をプランに反映し、実現するための工事を行う」ことになります。

リフォーム・リノベーション費用の見積書にはたくさんの見慣れない専門用語が並んでいます。その中でも「何をする工事なのか?」は非常に大切です。しかし、リフォーム・リノベーションが完成してみると隠れてしまう部分の工事についてはピンと来ない方も多いのではないでしょうか。

賢い予算の使い方を目指すために、ここでは躯体以外に行う工事を分解して説明します。

解体工事

躯体以外の部分を撤去していく工事です。
解体をすると、もちろん修復しなければならない箇所が増えるため、リフォーム・リノベーションでは解体する範囲によって大体の予算が決まってきます。

リノベーションの解体前解体後の写真

インフラ工事(水道・電気・ガスなど)

浴室やキッチンなどの住宅設備を使用するためには、水道・電気・ガスなどの工事が必要です。住宅設備を設置するための下準備をしたり、日常生活で安心して過ごすために老朽化した配管や配線は交換する必要があります。

リノベーションの給水管や排水管

下地工事

躯体に対して間仕切り壁などを造作していきます。最終的に住まいとしての見栄えは、壁紙やフローリング、建具を設置することで完成しますが、そういった“見える部分”を完成させる前段階で必要なのが下地となります。

解体後の写真リノベーションの下地リノベーションの下地

住宅設備工事

キッチン、浴室、トイレ、洗面台などは主に住宅設備機器と総称されています。
メーカーの既製品の場合はメーカーの手配した業者、オリジナル造作品の場合はお客様が依頼された施工業者が施工することが一般的です。
本体費用として金額が一番大きい部分なので、慎重な見当が必要になります。

リノベーションの洗面台

内装仕上げ工事

壁面であれば壁紙や塗装、床であればフローリングやタイルというように見える部分や触れる部分を作る仕上げ工事です。
お客様が選んでいて一番楽しいポイントかもしれませんね。

リノベーションの下地リノベーションの内装仕上げ後

また、一戸建ての場合は躯体そのものを補強する工事も場合によっては必要です。柱や梁を追加することで耐久性を上げることができます。

リフォーム・リノベーション費用400万円以下の事例

水回りはそのままに、空間の表情を変えるリノベーション

お気に入りのロケーションで見つけた中古マンション。そのまま住むことも十分できましたが、これからの生活スタイルをお客様と見つめ直した結果、機能性は大きく変えずとも、部屋の用途によって気持ちが切り替わるようなデザインをプランニングしました。

マンションのリノベーション事例マンションのリノベーション事例マンションのリノベーション事例

予算をかける箇所を限定したリノベーションで、新鮮な気持ちで生活できるだけでなく、仕事部屋とそれ以外の生活空間での“気持ちの切り替え”もオシャレに表現することができました。
リノベーションの図面

「リノベーションに興味があるけど、古すぎる物件はなぁ…」という、築浅の物件購入を検討されている方にもおすすめの予算の使い方かもしれません。

狭小空間の使い方を見つめ直すリノベーション

中古物件の特徴は新築された時代の当たり前に沿って設計・施工されている点です。
リノベーション事例

和室やタイル貼りの浴室が、今では洋室やユニットバスが主流となっているだけでなく、空間の使い方も今の生活スタイルに合わせて見直すべきです。

単身用の物件であれば、水回りをコンパクトにしつつ居室を少しでも広く設計したり、ファミリー向けの物件であれば、押入れや四畳半の和室を解体することで他の用途にリノベーションするというようなリノベーションのアイデアはたくさんあります。

リノベーションの図面

昔は8畳の空間が広いとされてきましたが、今では「リビングは10畳以上の広さがほしい」という人も多いのではないでしょうか?
不動産や建築の知識があまり無い方でも、時代の変化によって住まいへの要求は変わってきています。

壁面を減らすことで可能な低予算リノベーション

様々なリノベーション事例を調べる中で「40㎡程度の単身用物件のリノベーションって500〜600万円は必要なのか…」と思った方も多いのではないでしょうか?近年、中古物件を購入、リノベーションすることで大型1Roomや1LDKに住みたいという方も増えてきました。
マンションリノベーション例えば1LDKに必要な部屋(仕切られた空間)の数は、

1 玄関・廊下部分
2 リビング
3 寝室
4 トイレ
5 脱衣所
6 浴室

というように収納を除いても最低6箇所の部屋(仕切られた空間)が必要となります。

マンションリノベーション

ここから脱衣所とトイレを一緒にしたり、リビング→寝室の境界線を壁面・建具ではなく視線を遮る形にデザインしたりなどの工夫によって、部屋(仕切られた空間)を減らすことで壁面の工事費用や建具の購入費用が削減できるというわけです。

リノベーションの図面

これは冒頭説明した「リノベーション工事の種類」における下地工事、内装工事を大幅に減らす方法になります。
間取りやデザインの好みが分かれそうなリノベーションアイデアではありますが、好きな方にとってはとてもコストパフォーマンスの高いリノベーション予算の使い方でしょう。

リノベーション費用1000万円以下の事例

残す部分を工夫するリノベーション

リノベーションの醍醐味といえば、やはり新旧の調和ではないでしょうか。

取り壊して新しく加えていくばかりのリノベーションではなく、良い部分を生かしつつ、必要な分だけ加えるリノベーションも選択肢に入れていきたいものです。

木造戸建ての古民家リノベーション

歴史ある建物となると、耐久性などについてもプロの知見が必要となります。デザイナーやコーディネーターだけでなく、熟練の職人さんや一級施工管理技士などの木造建築における匠の方達といっしょになって考えることが重要です。

リノベーションの図面

まだまだ新築が主流の住宅業界ではありますが、少し先の未来ではこういった歴史ある住宅は、高いお金を支払っても買うことができないかもしれません。
歴史も引き継ぐことができるリノベーションとはすごく価値があります。

間取り変更をしない箇所を計画するリノベーション

中古戸建のリノベーションの際に賢い予算の使い方として、居室しか無いフロアのリノベーション費用を抑えるという方法があります。

リノベーション事例リノベーション事例リノベーション事例

例えば三階建ての中古戸建てであれば三階に複数の居室があり、水回りやリビングなどは一階・二階部分に設計されている中古戸建が多く見られます。リノベーション費用を考える際に“予算を使わないところ”を計画することで全体のイメージは一新しつつも、施工する面積を減らすことが可能です。
リノベーションの図面

これは冒頭の「リノベーション工事の種類」で説明した、解体工事と下地工事を大幅に減らすことが目的となります。
間取りを変えずにクロスを貼り替えるだけでも印象は変わるので、予算を重点的にかける部分と、そうでない部分を前もって計画できると良いですね。

マンションをフルリノベーション

「中古マンションを購入し、1,000万円以内のリノベーションで、理想の住まいを実現」というのが一番多く見られるリノベーション計画ではないでしょうか。

マンションのリノベーション

60〜70㎡のマンションを購入し、全体をリノベーションするとおよそ1,000万円前後必要となります。居室の数や、収納の位置、浴室や洗面所の大きさから自由に決めることができるので満足度も高いリノベーションとなります。

リノベーションの図面

一度全てを解体し、スケルトン状態からつくりなおすリノベーションの場合、パントリーやクロークなど居室以外の設計に特徴を出すことができます。

マンションのリノベーション

新築マンションの販売チラシでなどでよく見かける間取りではなく、世界に一つだけの間取りをデザインできるのが嬉しいですね。

リノベーション費用2000万円以下の事例

住宅において、2000万円に近いリノベーション費用をかける場合はいくつかのパターンに分かれます。

1 内装だけでなく、屋根や外壁などもリノベーションする場合
2 床面積が100㎡を超える場合
3 土地価格が高い、人気の住宅エリアで中古物件を購入してリノベーションする場合
4 住宅以外の用途と併用する場合

リノベーション事例の中でも特に高額である2000万円以上の費用をかけて、新築ではなくあえて中古リノベーションを選ぶには明確な理由があります。

人気エリアで注文住宅よりも安く

「自由にデザインした住まいに住みたいけど、注文住宅は手が届かない」という方も多いはず。
戸建のリノベーション事例リノベーション事例リノベーション事例

注文住宅となれば、新築するための建築確認申請費用や設計コスト、場合によっては地盤改良コストも必要になることがあります。人気エリアであれば土地価格も高いために、理想の住まいを実現するためのコストはどんどん上がっていきます。
リノベーションの図面

しかし、土地購入+注文住宅という方法だと5000万円を超えるようなエリアでも、中古住宅購入+リノベーションという方法だと4000万円以下で住まいを購入できるというような事例もたくさんあります。

快適に働き、快適に住む併用住宅

最近「自宅の一階で商売したい」という方も増えてきました。

戸建てリノベーション

職場と住まいが同じ建物に共存するからこその使いやすさだけでなく、それぞれの居心地も考えながら作ることでその人らしい“快適”をデザインすることができます。

リノベーションの図面

この場合は、とにかく動線がポイントではないでしょうか。職場と住まいの切り替え部分、来客が多い商売となれば、外部からの動線も大切となります。

リノベーション費用の相場感と上手な予算の使い方:まとめ

リノベーションは新築と違って、解体から工事が始まるところや、お客様によって工事する箇所が違ったりするため、住まい全体をリノベーションする場合を除いて「一坪あたり●●円」というような費用の計算方法が通用しません。

逆に言えば、費用かける箇所・かけない箇所のバランス次第で選択肢が増えるという特徴でもあります。

やりたいことを全てやったらいくらかかるのか?だけでなく、リノベーション計画のバランスにも注目してみましょう。

中古マンション・中古戸建を購入してリノベーションを検討したい方はこちらから!持ち家のマンション・戸建をリノベーションしたい方はこちらから!

WRITERこの記事を書いた人

代表取締役 / プロデューサー

矢野 浩一KOICHI YANO

代表取締役(プロデューサー) / 宮崎県出身 / お客様の“不安”を”安心”に転換できるプロデュース / お客様と一緒にチームを作るのがクジラ流です。とことんこだわりたいお客様から、「どうしていいかわからない」というお客様までクジラスタッフを上手くご利用ください。

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