スイッチ種類|「トグルスイッチ」とは?空間デザインの主役にもなれる!

スイッチは毎日必ず使ううえに、使用頻度が高いために人目につきやすい位置に設置することになります。せっかくインテリアを考えるならスイッチのような細かなところにいいものを、インテリアに合わせたものを使用したいですよね。
そんな気持ちを持つ方にぜひ検討していただきたいのが「トグルスイッチ」です。
おしゃれなスイッチの王道とも言えるトグルスイッチについて今回はインテリアの事例も合わせて解説します。
目次
トグルスイッチとは?
トグルスイッチとはタンブラースイッチと呼ばれる種類の一種で、つまみを上下(左右)に動かすことでオンオフを切り替えられるスイッチです。
小さなつまみ(バット)が突き出した形状が特徴で、もともとは機械などのスイッチに使用されてきましたが、最近では家庭用として使用されることも増えました。
スイッチそのものがインダストリアルやアンティークな雰囲気を持っているので、コンクリート打ちっぱなしの壁や配線をむき出しにしたインテリアにもよく合います。
トグルスイッチの用途
トグルスイッチは、照明のオンオフをはじめ、さまざまな機器の制御に幅広く使われています。もともとは工業用として開発された経緯があり、機械の操作盤や航空機のコックピットなど、信頼性と確実な操作が求められる場所で重宝されてきました。例えば、工場で生産ラインのモーターを始動させたり、緊急停止させたりする際に、トグルスイッチの「カチッ」とした明確な操作感は誤作動を防ぐ上で非常に有効です。また、家庭内でもそのデザイン性の高さから、アンティーク調のライトやインダストリアルデザインの照明器具のスイッチとして人気を集めています。特に、露出配線と組み合わせることで、空間にレトロモダンな雰囲気を演出できます。その他にも、医療機器や音響機器、さらには鉄道模型のポイント切り替えなど、多岐にわたる分野でその使い方に応じた独自の用途を見出しています。そのシンプルながらも高い機能性と耐久性により、多くの場面で活用されているのです。
トグルスイッチの仕組み
トグルスイッチの仕組みは、内部にある可動接点と固定接点の接触によって電気回路の開閉を行う単純ながらも確実な構造をしています。レバーやつまみを「オン」または「オフ」の位置へ操作することで、この可動接点が移動し、固定接点に接触または離れることで電流の流れを制御するのです。この「カチッ」とした明確な操作感は、可動接点が固定接点へ確実に接触する、あるいは完全に離れることで得られるものであり、誤操作を防ぎ信頼性の高い動作を実現しています。構成としては、スイッチ本体の内部に、レバーと連動して動く金属製のバットと呼ばれる部品やスプリング、そして電気のオンオフを切り替える接点部が組み込まれています。
この基本的な構造は、スライドスイッチなど、他の機械的なスイッチとも共通する部分が多く、電気回路の開閉を物理的に行う点で共通点があります。トグルスイッチは、その堅牢な仕組みと確実な操作性から、産業機械や航空機など、高い信頼性が求められる環境で長年活用されてきました。また、そのデザイン性の高さから、近年では家庭用スイッチとしても人気を集めており、レトロな雰囲気やインダストリアルな空間演出に貢献しています。
トグルスイッチの取り付け方法
トグルスイッチの取り付けは、適切な手順を踏めば比較的簡単に行うことができます。安全に作業を行うために、まずは対象機器の電源を必ず遮断し、既存のスイッチがある場合は慎重に取り外してください。新しいトグルスイッチを取り付ける際は、まずパネルに適切な穴を開け、ブッシングと呼ばれる部分を挿入します。この際、スイッチの回転を防ぐためのタブがあれば、パネルにもタブ用の穴を開けるか、へこませるようにしましょう。
次に、スイッチ本体の接続端子に配線を接続します。多くのトグルスイッチには、電源線を接続するためのスイッチ端子があり、ワイヤーカッターやワイヤーストリッパーを使用して配線の準備を行います。配線が完了したら、パネルの表または裏からナットでしっかりと締め付け、スイッチを固定します。ナットの緩みを防ぐために、内歯座金と呼ばれるギザギザの歯がついたワッシャーを挟むのが一般的です。防水タイプのスイッチでは、座金の取り付け方法が異なる場合があるので、製品の取扱説明書を確認することが重要です。最後に、スイッチがテストされ、適切に動作することが確認されたら、緩んだ配線を固定し、設置プロセス中に開いたパネルや筐体を固定して、取り付け作業は完了となります。取り付けに不安がある場合は、専門の電気工事士に依頼することをおすすめします。
「オルタネート」「モーメンタリ」とは
「オルタネート」と「モーメンタリ」は、スイッチの動作方式を表す言葉で、トグルスイッチにおいても重要な区別となります。まず、オルタネート(Alternate)方式は、スイッチのレバーを操作すると、その状態が保持されるタイプのものです。例えば、レバーを「オン」の位置に倒すと、電源がオンになった状態でその位置を保持し、もう一度操作して「オフ」の位置に倒すまでオンの状態が維持されます。身近な例としては、壁の照明スイッチがこれに該当し、一度押すと点灯し、もう一度押すと消灯する仕組みと同じです。これにより、機器を継続的に動作させたい場合に適しています。
一方、モーメンタリ(Momentary)方式は、レバーを操作している間だけ接点が閉じて(または開いて)機能するタイプです。つまり、レバーから手を離すと元の位置に戻り、機能も解除されます。例えば、プッシュボタン式のドアチャイムや、パソコンのキーボードのキーなどがこれに該当します。押している間だけ音が鳴ったり、文字が入力されたりするのと同じ原理です。この方式は、一時的な操作や安全性が求められる場面で活用されることが多いです。
トグルスイッチを選ぶ際には、これらの動作方式が使用目的と合致しているかを確認することが非常に重要です。例えば、照明のオンオフのように状態を保持したい場合はオルタネート式、機械の緊急停止ボタンのように一時的な操作で十分な場合はモーメンタリ式がそれぞれ適しています。用途に合わせた選択をすることで、より快適で安全な操作を実現できます。
トグルスイッチの種類
トグルスイッチは日本で力を入れて展開している会社が少なく、家づくりをしていく中では施主様から相談しない限り、工事業者から提案されることもないかもしれません。
施主支給となることがほとんどで、自分たちで選び、購入しなければならないことも。
ここでは人気なトグルスイッチをいくつか紹介していきます。
Toolbox
出典:https://www.r-toolbox.jp/stories/productstory/1785/
「壁にメカあり」をコンセプトに、工業的デザインのトグルスイッチを展開しています。
産業用のトグルスイッチを家庭向けに設計され、レバー操作にカチッとしっかりした手ごたえがあります。
トグルスイッチを操作した時の音が心地よく響くようにと、スイッチプレートの厚さを3mmに削り出してつくられているところにもこだわりを感じますね。
Forbes & Lomax(イギリス)
出典:https://www.onoffons.com/products
ヨーロッパの高級ホテルなどにも使用されている同社のスイッチ。
インダストリアル感の強いトグルスイッチが多いなかで、こちらのトグルスイッチは高級感があり、ホテルライクなモダンテイストにも合います。
海外製品のため日本のスイッチボックスとサイズが異なるので注意が必要です。リフォーム・リノベーションなどでスイッチボックスの交換が難しい場合にはオーダーメイドも可能なので、相談してみるといいでしょう。
トグルスイッチのメリット・デメリット
トグルスイッチには独自のメリットとデメリットがあり、その意味を理解することが適切な選択につながります。メリットとしては、レバーの位置によってオンオフの状態が視覚的に明確に判断できる点が挙げられます。これにより、消し忘れや操作ミスを減らし、安全な利用にも繋がります。また、ワンクリックで確実にオンオフを切り替えられるため、操作結果が即座に反映され、直感的に使えるという大きな違いがあります。さらに、頑丈な素材とシンプルな設計により高い耐久性を持ち、過酷な環境や頻繁な使用にも耐えうる点も魅力です。簡易的な防水仕様の製品もあるため、設置場所の選択肢が広がるのも利点と言えるでしょう。
一方、デメリットとしては、複数の場所から一つの照明を操作する「2回路スイッチ」や「3回路スイッチ」のような機能がないため、階段の上下や廊下など、複数の場所から一つの照明を操作したい場合には不向きです。このような用途では、アメリカンスイッチなど他の種類のスイッチを使い分ける必要があります。また、デザイン性や操作感に優れる反面、一般的な壁スイッチと比較すると価格が高価になる傾向があります。さらに、海外製品であるトグルスイッチの種類によっては、日本のスイッチボックスのサイズに合わない場合があります。その際にはスイッチボックスの交換や、オーダーメイドでの対応が必要になるケースもあり、リフォームやリノベーションで導入を検討する際は、これらの違いを考慮し、事前の確認が不可欠です。
トグルスイッチを取り入れたリフォーム・リノベーション
トグルスイッチは特徴的な見た目なので、空間デザインにおいてオブジェのようなアクセントになるスイッチです。
取り入れる場所や種類など、実際に取り入れている事例を見てコーディネートの参考にしてください。
こだわりの家具とトグルスイッチの相性
リビングなどの居住スペースだけでなく、トイレや玄関のスイッチにまでこだわると家全体のインテリアがぐんと良く見えます。
特に玄関やトイレのスイッチは人目につく位置に設置することになるので、そういった場所にこそこだわるのもいいですね。
トグルスイッチとアメリカンスイッチをそれぞれのスペースに合わせて選び分けると、どの場所にいてもワクワクした時間を送れそうです。
▼アメリカンスイッチを知りたい方はコチラ!
▼このトグルスイッチを使ったリフォーム・リノベーション事例を知りたい方はコチラ!
ホテルライクな内装にもトグルスイッチ
真鍮のプレートにすれば高級感を演出できます。
お部屋のアクセントになるのでインテリアを引き締めてくれます。
スイッチプレートの真鍮に合わせて家の小物をゴールドに統一するなど、お気に入りのスイッチから家全体のインテリアを考えるのも統一感が出ておすすめです。
▼このトグルスイッチを使ったリフォーム・リノベーション事例を知りたい方はコチラ!
トグルスイッチは難しくない
憧れる人も多いトグルスイッチですが、使い勝手の面や合わせ方の難しさで諦めてしまうということも。設置にもサイズの確認が必要な場合があり、簡単に設置できるわけでないというのも敬遠してしまう原因のひとつです。
設置したいと考えている場合には早めに工事業者へ相談してみましょう。憧れのトグルスイッチで毎日が楽しくなる空間を作ってくださいね。
他にもオシャレなスイッチはたくさんありますので、興味ある方はコチラの記事もオススメです。