2024.03.08
最終更新日
2024.03.08
リノベーションのヒント

リフォームで壁は撤去できる?費用相場と3つの注意点【事例あり】

リフォーム 壁 撤去

「リビングをもっと広く使いたい」「部屋が窮屈に感じる」ため壁を撤去するリフォームをしたいとご相談をよくいただきます。しかし、どのくらい費用がかかるのか、そもそも壁は撤去できるのかなど疑問に思うこともたくさんありますよね。

今回は、壁を撤去するときの費用相場と、3つの注意点をご紹介します!リフォーム事例も交えて、壁を撤去する以外の解決策もご紹介するので、是非参考にしてみてください!

壁を撤去するときの3つの注意点

壁を撤去しても安全面で問題はないのでしょうか?また、壁を撤去することで生じるリフォーム箇所について解説します。

撤去できる壁か確認する

家の構造によっては撤去できない壁もあります。自分でも撤去できる壁の見分け方をご紹介するので参考にしみてください。

建物の骨組みとなる壁は撤去できない

木造戸建の場合「在来工法」と「2×4工法」の2つの建て方があります。
日本で古くからされている在来工法は、柱と梁で組み立てられているため、基本的に間仕切り壁は撤去しても構造的に問題はありません。一方で2×4工法は壁で家全体を支えているため、壁を1箇所でも撤去してしまうと構造のバランスが崩れてしまうため、撤去することができません。

ただし、在来工法であっても、筋交という柱と柱の間に斜めに組まれる構造材がある場合や耐力壁は撤去することができません。
筋交があるか、耐力壁かどうかを自分で判断することは難しいため、施工業者に現地調査をしてもらい確認しましょう。

マンションではほとんどの場合、間仕切り壁を撤去できます。ただし、マンションでも壁式構造という壁で構造を支えている建物では壁を撤去することができません。どちらにしても、プロに確認することが重要です。

また、壁を撤去できても梁は撤去できません。もし梁の下に間仕切り壁がある場合、壁を撤去しても思ったより天井から出た梁が目立つと感じる場合もあります。仕上がりがどのように見えるかも合わせて事前に施工会社に確認しておきましょう。
リノベーション 梁

撤去できる壁の見分け方

簡単な見分け方として、壁をコンコンとノックして音を確かめる方法があります。
ノックした時に、音が軽く、中身が空洞になっているような音の場合は撤去できる壁です。一方で、ゴンゴンと低く、中身が詰まっているような鈍い音がする場合は、コンクリートなどでできた撤去できない構造壁である場合が多いです。

しかし、音だけで判断するのは危険です。音が軽くても筋交が入っていることがあります。ノックした時の音はひとつの判断基準として考え、必ずプロに確かめてもらいましょう。

撤去できない場合は?

「筋交がある場合は壁を撤去することができない」としましたが、厳密には壁を撤去することは可能です。
広く開放感がある部屋にしたいという場合には、筋交だけ残し壁を撤去するという方法があります。
リノベーション 筋交

ソファ手前の黒い金物が筋交(ブレース)

金属の筋交(ブレース)は意外と見た目が気にならず、見通しが良くなるだけで広く感じることができるのでおすすめです。

耐震性が下がる?

壁を撤去してしまうと耐震性が下がると心配される方も多いです。前述したように、戸建てでもマンションでも耐震性に関係している壁でなければ基本的に問題ありません。ただし、家のほとんどの壁を撤去してしまうなど特別な場合には注意が必要です。自分で判断せずプロに確認しましょう。

コンセントなどの配線がないか確認

構造的に撤去できる壁だとしても、コンセントや電気スイッチがある場合や壁の中に配線されている場合は電気工事も必要になります。壁の撤去費用だけでなく、スイッチを移設する作業などで電気工事費用も追加になることを覚えておきましょう。

内装リフォームが必要になる

壁を撤去には解体工事だけでなく、壁が立っていた箇所の天井や床の補修が必要になります。また、部屋をひとつに繋げたのに壁紙の色や柄が違うと気になってしまいますよね。同じ壁紙でも新しい部分と古い部分の境目が目立ってしまうことがほとんどです。そのため、壁撤去に合わせて壁紙やフローリングの貼り替えリフォームをする方も多いです。壁撤去以外にも内装リフォーム費用がかかることを考慮したうえで計画しましょう。

壁撤去にかかるリフォームの費用相場

壁の撤去のみで10万円ほど

リフォーム内容費用相場
壁撤去のみ5~6万円
壁撤去+電気工事10~13万円

壁の撤去リフォームは作業範囲にもよりますが、1日で終わることがほとんどです。費用も5~6万円と意外とリーズナブルに感じる方も多いのではないでしょうか。壁の撤去に加えて、電気工事が必要な場合は追加で5万円ほどかかります。電気工事はコンセントの個数や配線ルートなど状況に応じて価格が大幅に変わるため、相場より高額になることもあります。
壁撤去の見積もりを確認する際は、撤去部分の補修費用や内装リフォーム、電気工事などの費用が含まれているかを必ずチェックしましょう。

壁を撤去して引き戸を設置


壁を撤去しても、状況に応じて部屋を仕切りたいという方は引き戸の設置がおすすめです。例えば、子どもが家を出たので子ども部屋とリビングの間仕切りを解体し、普段はリビングを広く使う、子どもが帰ってきた時は引き戸を閉めて来客用の寝室にするなど、引き戸があることで柔軟な使い方ができ便利です。
引き戸を設置する場合は、追加で15万〜20万円ほど必要になります。

壁撤去を伴うリフォーム事例をご紹介!

「リビングを広くしたい」「開放感がある部屋にしたい」など壁解体を伴うリフォーム工事の事例をご紹介します!部屋の目的に合わせてリフォームの方法を検討しましょう。

壁を撤去し、広々としたLDKに

リフォーム 壁撤去
リビングと和室に分かれていましたが、襖と壁を撤去することでLDKが約6畳分広くなりました。キッチンを囲んでいた壁も撤去することで、より広々とした空間に。

和室の壁を撤去して風通しのいい空間に

リフォーム 壁撤去
リビングにあった和室の壁を撤去し、小上がりの畳スペースに。リビングを広く見せながら、小上がりにすることで空間を自然に分けることができます。洗濯物を畳んだり、ちょっと寝転んで居眠りするスペースに人気のリフォームです。

室内窓を設置して視線が通る書斎に

リフォーム 壁撤去
もともと引き戸だった場所を室内窓付きの壁にリフォームしました。「部屋は仕切りたくても閉塞感があるのが気になる。」というご要望で、壁で部屋が分かれていても室内窓から視線が抜けることで開放感がある部屋に。リモートワークで部屋に引きこもりがちでも、視界が開けていたり、外の景色が見えるだけで気分をリフレッシュできますよ。

リフォームで壁を撤去して快適なお部屋に

壁の撤去リフォームのみでは5〜6万円程度です。しかし、壁の解体工事費用だけでなく、壁紙やフローリングなどの内装工事が必要になるため、見積もりにどのような工事が含まれているかも十分に確認しておきましょう。壁の撤去リフォームは「リビングを広くしたい」という方に特に人気の工事です。家具の配置やエアコンの位置など、自分の生活スタイルも考慮しながら決めましょう。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

菅原 沙絵SAE SUGAHARA

設計 / 大阪府大阪市出身 / 普段からデザインを意識的に見て、自分ならどうするのか考えるようにしてます / インテリア雑貨が好きでナチュラル・シンプルなものを集めることにはまっています

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