べランダ・バルコニーのリフォーム費用相場はどれくらい?注意点も紹介
こんにちは!クジラ株式会社の藤本です。
Writer 藤本恭好 デザイナーWORKS 何事もバランスが大事! を念頭に相談者さまの頭の中を整理するデザイン提案を心がけています。誰かに喜んでいただく事がまわりの人・地域・社会へ伝播することを信じています。 |
最近手がける人が多い、ベランダやバルコニーのリフォーム。家の内側ではないため後回しにしがちなスペースでもありますが、ベランダやバルコニーのリフォームをすることで、想像以上に生活が豊かになります。
リフォームの仕方も、さまざま。防水加工をつけるなど機能面を充実させるリフォームや、増築してベランダを広く活用することだって可能。普段の生活ではベランダやバルコニーをあまり活用していないという人も多いですが、おしゃれに賢くベランダやバルコニーを活用できるライフスタイルを想像すると、思い切ってリフォームに踏み切りたくなるものです。
今回の記事では、ベランダやバルコニーをもっと充実させたくリフォームを考えている人に向けて、どんなパターンのリフォームがあるかやリフォームの費用感をご紹介します。
目次
ベランダ・バルコニーのリフォーム概算費用
まずはじめに各種ベランダ・バルコニーの大まかな費用感は下記の通りです。
工事内容 | 概要費用 |
増築 | 〜100万円 |
防水仕様 | 7〜30万円 |
ウッドデッキの設置 | 〜30万円 |
屋根の設置 | 10〜20万円、40〜70万円(サンルーム) |
素材の変更 | 50〜100万円(木製からアルミ製へ) |
更に詳細な費用の解説を知りたい方は3.ベランダ・バルコニーのリフォームの事例と費用相場を参照ください。それではベランダ・バルコニーのリフォームについて確認していきましょう。
ベランダ・バルコニーのリフォームは必要か
ベランダとバルコニーの違い
「ベランダ」と「バルコニー」は同義で使われがちですが、微妙に違う定義を持ちます。その違いは簡単にいうと、屋根の有無。屋根がないのがバルコニー、屋根があるのがベランダです。
バルコニーは、室外に張り出した「屋根がない」手すり付きの屋外スペースのこと。屋根がないため、日当たり抜群で解放感があります。一方でベランダは、室外に張り出した「屋根がある」手すり付きの屋外スペースのこと。屋根があるため、雨よけになるという利点があります。
また、日本語と英語でも微妙に定義が違います。英語の「balcony」は屋根の有無は関係なく、建物の上の階にある外壁の外に張り出した周りに手すりがある部分のこと。英語の「veranda(verandah)」は、地上階にある建物の前や横にあり、屋根が付いて部分的に囲まれている床が高い部分のことです。
最近では屋根の有無に関わらず、ベランダとバルコニーをあまり区別することなく使われることも多いです。どちらにしてもリフォームの際の注意点は同じですが、屋根の有無で施工の段取りや見積もりが変わってくる場合があります。
洗濯スペースが確保できる
ベランダやバルコニーは、洗濯や布団を干すスペースとして主に活用しているという人が多いでしょう。リフォームすることで毎日の家事がしやすくなれば、より暮らしやすくなりますよね。
例えば洗濯物はなんとか干せるけれど布団が干しづらい仕様のベランダやバルコニーの場合はそれを改善したり、干せるスペースを確保すべく増築して広くしたり。雨が降ると部屋干しにせざるを得ないですが、リフォームで四方をガラス窓に覆われたサンルームにリフォームすれば、天気に関わらず洗濯物を干すことも可能に。サンルームなら、晴れた日も花粉や粉じんを気にすることなく洗濯物を干すことができます。温度が上がりやすいため、雨の日でも洗濯物が乾きやすくなります。洗濯や布団を干すときの使い勝手がよくなると、想像以上に生活しやすさの向上につながるでしょう。
住みやすい空間づくりには欠かせない
ところで、みなさまはベランダやバルコニーをどのように活用していますか? 「家の中にある外」ともいえる、ベランダーやバルコニー。太陽の光をサンサンと浴びられる場所であるにもかかわらず、あまり利用していないという人も多いのではないでしょうか。洗濯物や布団を干す以外にも、ベランダやバルコニーを生活の中に取り入れると、もっと生活が充実したものとなります。
野菜を育てて家庭菜園をはじめてみるのもいいでしょう。ちょっとしたテーブルや椅子を置いて、お酒やフードを楽しむのもいいですね。月が美しい夜には、月見酒したり。気候がよいときなら熱めの風呂にゆっくりと浸かったあと、やわらかな風に吹かれながら外気浴したり。ベランダで外の空気を感じながら音楽を流してチルアウトしたり。「ベランピング」という言葉があるように、ベランダでキャンプ気分を味わうのも楽しそうです。このようにいろいろとベランダやバルコニーでできることを想像すると、リフォームでより使いやすくして活用したくなってきますよね。
またベランダはずっと外にさらされているスペースでもあり、通年雨風や紫外線にさらされていため、思ったよりも劣化が進んでいることも多くあります。柵が錆びてきたりすると見た目の劣化だけではなく、危険なことも。定期的なメンテナンスはもちろんのこと、思い切ってリフォームに踏み切ることで、それを機に生活がグンと豊かになるきっかけを作ってくれるでしょう。
ベランダ・バルコニーのリフォームの事例と費用相場
100万円以内でどこまでできる?
いずれも面積や施工内容によりますが、一般的なベランダリフォームの価格帯は50万円前後の予算で考えられることが多いようです。ですので予算が100万円以内であれば、かなり希望に沿ったリフォームができると考えていいでしょう。
例えば、ベランダに壁と窓などをつけてサンルームにリフォームする場合、面積によっては100万円以内での施工ができます。面積や使用素材によりますが、新しくベランダを取り付けたり、交換することも可能。交換だけの場合は、軽量で耐久性が高くサビが発生しにくいアルミ製のものにすることもできます。アルミ製のベランダは木製やスチール製に比べて高価になりますが、サビにくいため劣化しにくく、長い目で見るといい買い物といえるでしょう。まずはどんなベランダやバルコニーにしたいか具体的に想像し、リフォーム者に見積もりをお願いしてみましょう。
「増築」の費用相場
ベランダやバルコニーのリフォームで多いのが、「増築」。もともとベランダがなかった窓の部分にベランダやバルコニーを後付けしたり、既存のベランダを広くしたり。ベランダやバルコニーを後付けする場合の費用相場は、設置場所や窓の位置や庭の外構状況など周辺状況や面積、どんな素材を使うか、どんなデザインにするかによっても変わってきますが、たいていの場合50万前後を見ておくといいでしょう。
また、既存のベランダを広くする拡張リフォームの場合は、面積によって見積もりの幅はありますが、100万円以内でできることも多いです。ただし当然面積が広くなると100万円を超えることもあるので、よくリフォーム業者に相談しましょう。
なお、ベランダやバルコニーを増築する場合は、「建築基準法」に適合している必要があります。建築基準法は、建築物の耐震や防火など最低限の安全性を定める法律です。また、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)と、容積率(敷地面積に対する床面積の割合)も考える必要があります。ベランダやバルコニーの場合は、壁から突き出している幅の長さや屋根の有無など細かく設定されています。条件によっては増築自体が難しい場合もあるので、まずは今考えている場所に増築することが可能かどうかを確認することが必要です。
「防水仕様にする」費用相場
ベランダやバルコニーで多いのは、さらに快適に使えるように防水機能を施すリフォーム。防水の種類には、「FRP防水」、「ウレタン防水」、「シート防水」、「アスファルト防水」の4つの工法があります。面積にもよりますが、見積もりはおおよそ下記のようになっています。
工法 | 費用 |
FRP防水 | 10万~15万円 |
ウレタン防水 | 8万~10万円 |
シート防水 | 7万~9万円 |
アスファルト防水 | 20万~30万円 |
最近では新規住宅のベランダやバルコニーは、「FRP防水」と呼ばれる繊維強化プラスチックを使った防水加工をすることが一般的です。FRP防水は非常に高い防水性・水密性があり、バスタブなどにも使われる素材。固くて丈夫な仕上がりになるため耐荷重性・耐摩擦性にも優れており、人や車の往来が多い屋上駐車場にも使用されます。また、工期も短く済ませることができるのも魅力です。
ウレタン防水も、代表的な防水工法の一つ。各工程で乾燥期間が必要となるため、FRP防水と比べると工期がかかります。比較的安価で施工することができますが、また、雨漏れ、劣化、亀裂に弱いため5~6年ごとの定期的な再塗装が必要です。
シート防水は、防水シートを接着剤などで下地に貼り付ける工法です。最初に施工する費用としては安価ですが、防水シートが劣化した場合にシートごと交換しなければならないため費用が高額になる可能性もあります。複雑な形状の場所に施す場合はどうしてもつなぎ目が見えてしまいますが、伸縮性があるため下地の亀裂に柔軟に対応できる利点もあります。
アスファルト防水は、合成繊維不織布にアスファルトを含ませ、コーティングしたシート状のルーフィングを貼り重ねていく防水工法です。高熱でアスファルトを溶かすため工事中に臭いが発生します。費用がかかり工期も比較的長くかかりますが、耐久年数が他の3つの工法より大幅に長い20年であることが最大の特徴です。
「ウッドデッキ」費用相場
ウッドデッキを敷き詰めたベランダやバルコニーに、憧れを抱くという人も多いでしょう。リビングから見えるベランダやバルコニーがウッドデッキなら、窓を開けたときにもいい雰囲気を感じられることができそうですよね。面積にもよりますが、単純に今ある敷地にウッドデッキを敷き詰めるような工事であれば、30万円程度でのリフォームが可能です。
ウッドタイルやウッドデッキの素材には、天然木と人工木(樹脂製)のものがあります。天然木は、木そのものの風合いを感じられますがきちんとお手入れをしなければ劣化しやすいというデメリットも。木粉と樹脂によって作られている人工木であれば、メンテナンスが簡単です。見た目、メンテナンスのしやすさ、価格を天秤にかけつつ、一番良さそうなのものを選んでいきましょう。
「屋根を設置する」費用相場
屋根のないバルコニーの場合は、洗濯干しスペースの確保などから屋根を設置するリフォームをしたいと考える人も良いでしょう。単純に屋根を設置するのか、四方をガラス面で囲ったサンルームにするかでリフォーム内容やかかる費用が変わってきます。以下がそれぞれの費用相場です。
施工内容 | 費用 |
バルコニーに屋根を設置 | 10万~20万円 |
バルコニーにサンルームを設置 | 40万~70万円 |
面積によっての差はあれど、屋根のないバルコニーに屋根を設置するリフォームは10万円前後と、気軽に試せる内容です。屋根には、「フラット型」と「アール型」との大きく2種類があります。「フラット型」は、その名の通り屋根が真っ直ぐなもの。雨が降った時に吹き込みやすいですが、屋根を高く設定できるため解放感があり、直線的なので最近の洗練されたデザインの建物にはフラット型が合わせられることが多いです。一方で「アール型」は屋根に曲線を帯びているので、やわらかい印象に。雨風が吹き込みにくく雪が降った際も雪落ちがするため、雪が多い地方の住宅は「アール型」が多い傾向にあります。
ベランダやバルコニーをサンルームに変更する場合は、見積もりが面積によって大きく左右します。大体の場合が、100万円以内での施工が可能でしょう。サンルームは、暮らしやすさに大きな変化を与えてくれます。部屋と一体化して使うことができるため空間に広がりをもたらし、これまであまりベランダやバルコニーを使わなかったという家庭でも、積極的に使えるスペースに。ただし、1階や2階に比べて3階は強風にさらされやすいので設置できない場合があったり、建ぺい率や容積率の関係で設置できなかったりと、設置する場合はある程度の条件を確認する必要があります。設置を希望する場合は、リフォーム会社とよく相談する必要があるでしょう。
サンルームに近いもので、ポリカーボネート製のテラスの屋根に囲いをつけたものもあります。サンルームよりも費用が抑えめで工期も短いため、より気軽にリフォームが可能。気密性はあまりないというデメリットもありますが、覚えておいて比較してみるといいでしょう。
また、一般的にマンションの場合は、ベランダやバルコニーはマンション全体の共用スペースに分類されています。サンルームを設置すると避難を妨げることになり安全上も問題があるため、リフォーム工事ができない場合が多くあります。
「素材を変更する」費用相場
ベランダ・バルコニーには種類が多くあります。大きく分けて金属製と木製の2種類があり、それぞれ施工箇所や特徴が異なります。例えば、金属製のベランダやバルコニーを後付けする場合、一般的にスチール製とアルミ製の2種類の素材から選択可能です。ベランダ本体や床材として使用する素材は、大きく分けて金属製と木製があります。木製は外観や耐久性の面で劣化しやすいため、最近では金属製を選ぶことが一般的です。
金属製は一般的にスチール製とアルミ製の2種類の素材があります。アルミ製とスチール製がありますが、50〜100万円の予算では、木製のベランダをアルミ製に交換するリフォームが可能です。スチール製は安価ですがメンテナンスが必要で、アルミ製は高価ですがサビなどが発生しづらく高い耐久性を持ちます。スチール製は安価ではあるものの定期的にサビ止めの塗料を塗る必要があるため、長い目で見るとアルミ製を選ぶという場合も多く見られます。
ベランダ・バルコニーのリフォームでおさえておきたいこと
どれくらい工期が必要?
もちろんどんなリフォームをするかによって工期は変わります。例えば、もともとあるベランダの四方をガラス面にするサンルームへのリフォーム工事の場合は、2、3畳程度の部屋にリフォームするのであれば、工期は10日程度で済むことが多いです。ただし、1階にするか2階にするかでも変わってきます。2階のベランダやバルコニーをリフォームする際は、建物の耐震性によっては1階の壁・柱の補強工事も発生する可能性があるため、さらに日数と費用がかかります。構造部分の補強が必要になると1ヵ月以上かかってしまうケースもあります。そのため、場合によっては仮住まいに移った方が良いかもしれません。
どんな業者に依頼する?
バルコニーやベランダのリフォームの場合は、施工事例の多いリフォーム会社に依頼するのが安心です。1階である場合はあまり心配はいりませんが、2階、とくに3階以上など高い場所のベランダやバルコニーをリフォームする場合は足場を組まなくてはいけない場合があります。特にサンルームにリフォームする場合、窓などを外側から取り付けるため、足場設置が必須のことも多いです。見積もりの際は、足場が必要かの確認も必ず忘れないようにしましょう。
また、ベランダやバルコニーは雨風にさらされて劣化がしやすいスペースなので防水加工にすることは必須です。見積もり依頼の際に優先度をつける場合は、防水面については優先度は高くおいておいたほうがよいでしょう。ベランダの防水ができていないと、雨漏りが発生する原因にもなるので、まずは防水工事は万全に施しましょう。
「建築確認申請」が必要な場合も
ベランダやバルコニーの増築をする場合やベランダやバルコニーをサンルームへリフォームする場合は、建築物を増築する場合と同様に、原則として「建築確認申請」が必要です。
その際に確認申請が必要な条件は以下のようになります。
●準防火・防火地域内であれば面積に関わらず確認申請が必要
●準防火・防火地域外の住宅であれば10㎡を超える場合にのみ確認申請が必要
自宅が準防火・防火地域かどうかは各自治体で確認できますが、不安であればまずはリフォーム会社に聞いてみるのもいいでしょう。いずれにせよ建築確認申請を提出する場合、既存建物の確認申請図書や完了検査済証などの書類が必要になるので、リフォーム会社との連携がひつようになります。その手続費用についても確認をしておきましょう。
また、建物の評価額が変わり、固定資産税が増えることも。とはいえサンルーム程度だと増築面積が小さいので、心配するほどの大きな税額アップとはならないでしょう。
日当たりや風当たりの確認
ベランダやバルコニーの増築や屋根のリフォームの場合、日当たりや風当たりが大きく変わることがあります。リフォームしてからはじめて気づくのでは遅いので、リフォーム前にどんなふうに変わる可能性があるかをよくリフォーム会社と相談してリフォームにとりかかる必要があります。日差しの問題が気になる場合、完全に遮らない素材を選択するとよいでしょう。
また、日照権の問題が生じることはほとんどありませんが、道路や近隣への影響がないかも確認しておくと安心です。特に後付けの場合は、近隣の日差しを遮ってしまうとトラブルに発展する恐れもあるので気をつけましょう。
ベランダ・バルコニー以外にも…
いざベランダやバルコニーに着目してみると、意外と生活の中で活用できていないという人も多いのではないでしょうか。住宅の外側にあるとはいえ、大切な生活空間の一部に変わりありません。ベランダやバルコニーを暮らしやすくリフォームするだけで、より充実したライフスタイルのきっかけにもなるかも。プチメンテナンスをするもよし、思いきって大掛かりなリフォームをして「ベランダやバルコニーのある暮らし」を楽しむのも良いですね。
ベランダやバルコニーが狭くて活用できないけど、家庭菜園やお家でちょっとしたピクニック気分を楽しみたい!という方は部屋の一部をサンルームにする方法もあります。
▼マンション|リビングの一角をサンルーム!見せたくない子供のおもちゃ収納や家庭菜園のスペースに
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ぜひ、お気軽にご相談ください!