2024.05.27
最終更新日
2024.08.20
リノベーションのヒント

快適な睡眠は間取りから。寝室リノベーションの費用相場と施工例をご紹介

リノベーション 寝室

こんにちは!クジラ株式会社の兒島です。

Writer
兒島ゆう子
デザイナー WORKS
大学で建築を学び設計デザイナーとしてクジラに入社。SEKAI HOTEL 高岡のPJにも携わるなど住宅だけでなく幅広くリノベーションの引き出しを持つデザイナー。豊かな感性と視点を持ち、お客様と細かく打ち合わせを重ねてリノベーションを創っていくことが得意。
CREATOR’s STORY|兒島 ゆう子

一日の始まりと終わりを迎える「寝室」。より快適な睡眠環境にするために、寝室のリノベーションを検討している人も少なからずいるのではないでしょうか。

寝室の間取りや方角、壁紙や天井の色などのデザインにより、睡眠の質は大きく変わると言っても過言ではありません。家族構成や生活リズムによってその良し悪しは変わってきます。

この記事では、寝室のリノベーションにかかる費用と失敗しないためのポイント、そしてケースごとの施工例をご紹介します。

寝室リノベーションの費用相場

寝室リノベーション 費用

寝室のリノベーションを検討する際、まず最初に気になるのは「費用」のこと。求める施工内容と実際にかかる費用にギャップが生まれないよう、あらかじめ費用の概算を知っておきましょう。

施工箇所と概算費用

寝室リノベーションにおける、代表的な施工箇所ごとの費用を表にまとめました。あくまで平均的にかかる金額であるため、複数社で相見積もりをすることをおすすめします。

施工箇所費用相場(工事の内容によって変動します)
クロス(壁・天井)の張り替え800〜10,000円/㎡
フローリング(床)の張り替え10,000〜30,000円/㎡
畳をフローリングに変更25〜30万円/6畳
収納スペースの設置5〜15万円
収納スペースの設置(WIC/WTC)35〜80万円
ドアを開き戸・引き戸に変更10〜15万円

【箇所別】リノベーション費用の内訳

続いて、具体的に「何にいくらかかるのか」がわかるよう、箇所別のリノベーション費用の内訳をご紹介します。

クロス(壁・天井)の張り替え

寝室リノベーション 壁紙

寝室リノベーションの中で、もっとも手軽に行えるのが「クロスの張り替え」。壁や天井の汚れが気になるときもそうですが、睡眠に適した色味やデザインに変えたいときに持ってこいです。

クロスの種類は大きく分けて、スタンダードクロスとハイグレードクロスの2つ。前者は多くの住宅で一般的に使用されているシンプルなクロスで、後者はデザイン性に富み、汚れを拭き取りやすいなどの機能性も備えているクロスです。

予算を重視するのか、デザイン性や機能性を重視するのかで決めるといいでしょう。

【主な費用】
スタンダードクロス:1㎡あたり800〜1,000円
ハイグレードクロス:1㎡あたり1,000〜1,500円

フローリング(床)の張り替え

クロスの張り替えと同様、手軽に行えながら部屋の印象を大きく変えることができる「フローリングの張り替え」。使用する床材によって見た目の印象が変わるだけでなく、歩いたときの感触や耐久性も変化します。

フローリングは木材を中心とした材料から作られる床材ですが、プラスチックの一種であるポリ塩化ビニルのタイル、略して塩ビタイルも人気の高い床材の一つ。耐久性や加工性が高く、コストも安価に抑えられるのがメリットですが、フローリングに比べ表面が硬く、冷たくなりやすいというデメリットもあります。

床材の種類・特徴を理解し、予算に合った納得いくものを選ぶようにしましょう。

【主な費用】
塩ビタイル:1㎡あたり7,000〜9,500円
フローリング:1㎡あたり10,000〜30,000円

畳をフローリングに変更

寝室に使用する和室を洋室にリノベーションしたいと考えている人もいると思います。その際に畳の張り替えは必要不可欠です。次に記述するドアのリノベーション費用と一緒に押さえておきましょう。

【主な費用】
畳の撤去:1畳1,000円
フローリングへの張り替え:25,000〜30,000円

ドアを開き戸・引き戸に変更

ドアの開閉音が気になったり、防音性を高めたいという思いから、開き戸から引き戸または逆のリノベーションを検討している人もいるのではないでしょうか。また、和室から洋室へのリノベーションの場合はふすまをドアに変える必要があります。

既存の枠を流用するか、新たな枠に交換するかで費用は変動するため、用途に合わせてどちらがいいか選ぶようにしましょう。

【主な費用】
既存の枠を流用:3〜10万円
新たに枠を交換:12〜15万円

収納スペース

寝室リノベーション 収納

寝室を快適なだけでなく機能的な空間にするために外せないのが、収納スペースのリノベーション。クローゼットを新設する施工や、市販されている家具を壁に埋め込む工事など、その方法は多岐にわたります。オプションの追加費用がかかりますが、クローゼット内にハンガーパイプや造作棚を組み込んで、あらかじめ使いやすいものにすることも可能です。

一定の広さが必要になりますが、ウォークイン/ウォークスルークローゼットを取り入れると、大容量の収納力が得られ、着替えや整理整頓が一箇所で完結することから、生活の利便性を高めることもできますよ。

【主な費用】
クローゼット新設:10〜15万円
オプション(ハンガーパイプや造作棚など)設置:15〜40万円
家具の埋め込み:5〜10万円
ウォークインクローゼット(WIC)の設置(オプション込み):35〜80万円
ウォークスルークローゼット(WTC)の設置(オプション込み):20〜50万円

失敗しないためのポイント

1日の約3分の1の時間を過ごす寝室。リノベーションに失敗して後悔しないためにも、寝室における重要なポイントを確認しておきましょう。

【方角】日差しのことを考えて

寝室リノベーション
日差しは朝の目覚めに大きく影響を与えます。寝室のレイアウトを考える上で、方角を考慮することは外せません。

よい目覚めに最もおすすめの方角は「東向き」です。太陽は東から上るため、朝日が差し込みスッキリと目覚められ、規則的な生活リズムを保てるでしょう。

一方、「西向き」は朝日が差し込まないため、朝になっても部屋が暗いままというデメリットがあります。しかし、夜勤の仕事をしている人など朝方から午後にかけて就寝する人にはおすすめです。

そのほか、「南向き」は一日中安定して日差しが得られ、「北向き」は日差しは得られませんが、一日を通して柔らかい光が入ってくるのが特徴です。

【間取り】騒音や動線に悩まないように

快適な睡眠には「静かな環境」が必要不可欠。家の中からも外からも、音の影響がなるべく少ない間取りを採用しましょう。

家族との生活リズムが異なる場合、寝室がリビングやキッチンと隣り合わないようにすべきです。テレビの音やキッチンを使用する生活音が気になってしまうからです。トイレも同様で、夜中に家族が使用することも考えられるため、水を流す音で目が覚めてしまうかもしれません。

また、寝室が道路や通りに面していると、車の音や人の話し声が気になることも考えられます。屋外からの騒音も考慮した上で間取りを考えるのがベストでしょう。

【デザイン】快適な睡眠のために

寝室はなるべくリラックスできる空間にしたいもの。そのため壁や天井の色やデザインは交感神経を刺激しないような、落ち着いたものを選びましょう。

寝室におすすめの色は「寒色系」「アースカラー」です。青、緑、茶などの色は、海や森、大地などの自然を感じさせるもので、安らぎや癒しの効果があります。

ただし色が濃いほど部屋の圧迫感が増し、狭く感じてしまうこともあるため、注意が必要です。ベージュやオフホワイトなど色が薄く、目に馴染みやすい色も柔らかな雰囲気を作り出してくれるでしょう。

【収納】寝室は貴重な収納スペース

寝室リノベーション
寝室は睡眠をとる生活にとって大切な空間ですが、家具の多いリビングやダイニングに比べるとシンプルでスペースにも余裕があるでしょう。家具がないことで余っている空間は、貴重な収納スペースとして活用したいもの。

そこで、寝室に使えるさまざまな収納方法について見ていきましょう。

クローゼット収納

家の一番の収納スペースともいえるクローゼット。寝室にない場合は新設したり、既存のクローゼットにハンガーパイプや造作棚を組み込んで使いやすくできるのもリノベーションだからこそ。

収納家具

チェストやタンスなどの目に見える収納家具を取り入れる場合は、寝室を圧迫しないシンプルで背の低いものを選ぶようにしましょう。また、クローゼット内に収納家具を埋め込むというリノベーションもあります。

デッドスペース収納

寝室のデッドスペースといえば、ベッド下。ここをうまく活用できれば、部屋の見た目はそのままに衣類や雑貨などを収納することができます。リノベーションの施工事例としては、ロフトベッドにしてベッド下のスペースをより広い空間にするというものもあります。

ウォークイン/ウォークスルークローゼット

ウォークインクローゼットは、人が中に入って歩けるタイプのクローゼットを指します。大容量の収納力はもちろん、一定の広さがあれば、クローゼット内で着替えることもでき便利。広さゆえ衣類の整理整頓がしやすいのもメリットです。一般的なクローゼットやタンスに衣類を収納すると、季節ごとに衣替えの必要がありますが、ウォークインクローゼットは季節ごとに衣服を分けておくだけで大丈夫です。

一方、ウォークスルークローゼットは、基本的に出入り口が2つあり、クローゼット内を通り抜けできる収納スペースです。ウォークインクローゼットに比べ、効率的な生活動線を作ることができ、扉が2つあることで風通しがよく湿気対策も期待できます。

一般的に衣類の収納スペースは1人あたり1畳分と言われています。無理に設置して収納スペースが足りないとなれば意味がありません。家族の人数に対して十分なスペースが確保できる場合のみ、設置を検討するのがいいでしょう。

ケース別リノベーション事例集

最後に、寝室リノベーションのイメージをより具体的に膨らませられるよう、ケース別に施工事例をご紹介します。家族構成や収納、デザインのこだわりなど、目的に照らし合わせて参考にしてみてください。

寝室にウォークインクローゼット

リノベーション 寝室
アーチ開口が可愛いウォークインクローゼット。アーチ型が部屋のアクセントになって可愛らしい雰囲気になります。

小さい子供のいるファミリー

マンション リノベーション
小さなお子様がいるご家庭では、子供が小さいうちは寝室を同じにする場合も多いです。
マンションの限られたスペースの中でも、収納付きのベットを使って空間を有効活用しましょう。

ホテルライクなこだわりの寝室

リノベーション アクセントクロス 寝室
オーダーメイドのヘットボードや壁のピンクがキュートな空間に。ピンク・グレー・ゴールドがバランス良く、上品な空間を作り出しています。
ベットルームのこだわりは1日のはじめと終わりを彩ります。

和室から洋室へ

中古戸建のリノベーション
和室だった部屋を洋室にリノベーション。
寝室のクローゼットは扉をつけずにオープン収納に。基本的に寝室には来客がなく隠さなくてもいいという人も多くいます。毎日の扉の開け閉めが面倒だと感じる場合は扉をなしにするのもいいですね。
床はカーペットを引いているので裸足でも足触りが良く、冬にヒヤッとすることもなく快適に過ごすことができます。

寝室リノベーションは、家族構成や生活リズムに合ったものを

よい睡眠環境とは、個人によって異なるものであり、誰もが当てはまる快適な睡眠環境はありません。例えば一人暮らしの世帯と4人家族の世帯、朝型の人と夜型の人など、生活スタイルは人によって大きく違いがあります。

自分の生活を振り返り、家族構成や生活リズムに合ったリノベーションをして、気持ちよく一日の始まりと終わりを迎えられる空間を作っていけたらいいですよね。

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

兒島 ゆう子YUKO KOJIMA

デザイナー / 兵庫県豊岡市出身 / 暮らしが好きになるお家づくり / 蚤の市へ行ったり古い家具をもらいに行ったりと、ストーリーを大切にもの選びをしています。

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