2024.07.12
最終更新日
2024.09.13
施主様インタビュー

インタビュー|「このままでは一流を狙えない」街のパン屋さんが決断したリノベーションとは

パン屋リノベーションのインタビュー

創業昭和21年、販促品の企画・開発・販売を行なってきた株式会社丸辰(以下、丸辰)は、新しいチャレンジとして2017年に飲食事業として「jamjamBakery(ジャムジャムベーカリー)」をオープン。

地元の常連客を中心に繁盛していたパン屋さんを、2023年リニューアルすることを決心しました。

今回は、そんな「パン屋さんのリニューアル計画」への想いと、リニューアル後の変化についてクジラPJメンバーがインタビューしてきました。

▼今回のPJメンバー

丸辰:南谷様
クジラ代表・ディレクター:矢野
クジラデザイナー:松尾
クジラデザイナー:菅原
クジラ施工管理:清水

リニューアルを決意した理由

−経営としては上手くいっていたと聞いておりますが、リニューアルを決心した背景を教えて頂けますか?

南谷様:元々は、jamjamBakery(ジャムジャムベーカリー)という名前でパン屋さんをやっていました。リピーターもしっかりいて経営状態としても安定していました。でもなんとなく「これでは先が無いのでは」という違和感がずっとありました。

パン屋リノベーションのインタビュー

南谷様:街のパン屋さんとしてはしっかり愛されているけど、一流は狙えないというか…。場所が良くて、味もそこそこ良いパン屋さんではなくて、しっかり多店舗展開もできるような一流を目指したいと思いました。

−そんな中でクジラにご依頼頂いたわけですね!クジラ(メンバー)の第一印象をお聞かせください。

南谷様:店舗デザインや施工だけでなく、一緒にコンセプトも考えてくれるコンサルのような会社なのかなぁと思いました。

パン屋リノベーションのインタビュー

矢野:最初はパン屋さんの店舗デザインを依頼されたわけですけど、改めて「今回のパン屋さんはお客様にとってどういう存在か?」というところから話させて頂きましたよね。

南谷様:そうですね。

パン屋さんとしてのあり方から見直した

矢野:生活必需品のような立ち位置でいう「毎日食べるパン」ではなくて、「記念日ほどではないけど、今日の自分を甘やかしたい日、褒めてあげたい日に食べるパン」を目指すと良いのでは?という話をしました。

パン屋リノベーションのインタビュー

パン屋リノベーションのインタビュー

矢野:今回のパン屋さんを一言で表現するキャッチコピーのような共通言語を作るために、みんなでひとり30個アイデア出しましょうって宿題出したの覚えてます?

南谷様:覚えてますよ。ものすごく悩みました。笑

でも7年以上営業してきたパン屋さんを「変えたい、一流にしたい」という想いがあったのでそれを軸にアイデアをひねり出しましたね。

たどり着いた「クロワッサンLetter」

パン屋リノベーションのインタビュー

矢野:アイデアを持ち寄って会議する中で、南谷様から「このパンは子どもが母親に『今日、あそこのパン買ってきてほしい!』っておねだりするようなパンなんだ」という話を聞いて、自分を甘やかしたいシーンじゃなくて、「誰かの今日を甘やかしたい、褒めてあげたいシーン」が思い浮かんだのを覚えています。

クロワッサン生地が魅力的なお店のパン=想いを運ぶもの

として、さらに議論を重ねていったことで最後は丸辰(運営会社)スタッフの方から「クロワッサンLetter」という言葉が出てきた時はものすごく嬉しかったですね。

南谷様:クロワッサンLetterという言葉に、ものすごくしっくりきましたし、パン屋が生まれ変わるのがイメージできました。今ではこのお店にとって、お客様にとって、「パンとは何か?」をスタッフにも伝えることができるようにまでなりましたね。

いくつかの商品には、「おはよう」「がんばれ」などの“毎日大切にしてほしい言葉”を使っています。

パン屋リノベーションのインタビュー

コンセプトが伝わる空間づくり

−一方で、リノベーションのデザインを決めていく作業では苦労したと聞いています。

松尾:クロワッサンLetterを受けて、割と早い段階から「郵便局」というキーワードにはたどり着いていました。

パン屋リノベーションのインタビュー

松尾:また、「一流を目指すためにも『格式』『老舗感』を感じるパン屋にしたい」というご要望も聞いていたので、「格式も感じるけど、入りやすいお店」というバランス感が難しかったですね。

菅原:松尾と一緒に海外の郵便局の事例やクロワッサンの語源・発祥など調べました。ウイーンがクロワッサンの発祥ということもあり、ウイーンの郵便局からアイデアを膨らませて第一案を提出させていただきました。

パン屋リノベーションのインタビュー

パン屋リノベーションのインタビュー

南谷様:でも、初めてCGパースでデザインイメージを見た時は、正直「よくわからない」という感じで、ピンときていませんでした。

矢野:南谷様からのLINEで「ワクワクしてこないんです」ってもらった時はあせりましたね。笑

パン屋リノベーションのインタビュー

矢野:全体を管理している自分としても、全力でオススメしている状態ではないなと思いました第一印象で「良い!!」と思える何かが足らないと考え、打ち合わせの時間を当初より増やすことを決めました。

「もっと可愛くて、多くの人が素直にクロワッサンLetterというコンセプトを受け取れるようなデザインにたどり着こう」というメッセージを南谷様にも社内にも伝えて、アイデアの数を増やしました。

松尾:そこから何度もデザインの方向性を見直していくことになったのですが、4パターン目くらいを完成させた時にもまだ何かしっくりこなくて。

そんな時に南谷様から「フランスのポストみたいに黄色にしたら?」と提案いただいたことが、デザインに独特の可愛らしさをもたらす最後の決め手となりましたね。

パン屋リノベーションのインタビュー

パン屋リノベーションのインタビュー

松尾:さらに、細かなところで統一感を出さなくてはならないので

郵便局のレターボックスを意識した陳列棚

格式を連想するようなタイルの貼り方(割付)

ヴィンテージ感ある建具の仕上げ

などについて細かく社内で議論・検証し、全体を整えていきました。

パン屋リノベーションのインタビュー

菅原:細部にこだわる上で、実物のポストを探すのにもかなり苦労しました。最終的には国内で良いポストが見つからず、海外から中古品を取り寄せることになりました。

さらに、建物も相当古い木造建築だったので、施工側との擦り合わせも大変だった印象です。

清水:建物としての難易度は相当高かったと思います。築古、連棟(隣接する建物と繋がっている)という状況で、建物の歪みを考慮したり、意匠的なものをしっかり表現するための下地工事も大変でした。

パン屋リノベーションのインタビュー

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矢野:一番大変だったのは、やっぱり吹き抜け部分ですか?

清水:そうですね。一番高いところで7mあるので職人さんと一緒に四苦八苦しました。笑

パン屋リノベーションのインタビュー

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リニューアルを終えた感想

−おおがかりなリニューアルを経て、大変お忙しかったと思いますがご自身の感想やお客様の反応はいかがですか?

南谷様:先ほどの「ピンとこなかった」から、お店が出来上がった時には大きな感動に変わっていました。

パン屋リノベーションのインタビュー

パン屋リノベーションのインタビュー

南谷様:お客様の反応もとても良いです。夜の時間帯に無人販売も始めたのですが、こちらも想定以上に喜ばれています。リニューアルに合わせて採用した新人スタッフも、お店のコンセプトや想いに共感して働いてくれるので非常に助かっています。

矢野:スタッフにも伝わっているってすごく素敵ですね。

南谷様:みんな、本当に優秀です。現場のスタッフからいろんなアイデアが上がってきて実現してきているものもあります。SNSでの集客活動なんかは若いスタッフが試行錯誤しながらがんばってくれるので本当に助かっています。

矢野:これから店舗展開もしていくんですよね?

南谷様:もちろんです。クジラさんにも一緒に手伝ってもらおうと思ってます。

矢野:ますますがんばります、もっとクロワッサンLetterを広げていきましょう!今日はありがとうございました!

▼このリノベーション事例を詳しく知りたい方はコチラ!

パン屋リノベーションのインタビュー

WRITERこの記事を書いた人

代表取締役 / プロデューサー

矢野 浩一KOICHI YANO

代表取締役(プロデューサー) / 宮崎県出身 / お客様の“不安”を”安心”に転換できるプロデュース / お客様と一緒にチームを作るのがクジラ流です。とことんこだわりたいお客様から、「どうしていいかわからない」というお客様までクジラスタッフを上手くご利用ください。

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