誰より“かっこいい家”を目指したら、シンプルな暮らしにたどり着いた｜インタビュー
「賃貸はもったいない」と思い立ち、中古マンションを購入してリノベーションに挑戦したO様。
最初に口にした希望は「とにかく、かっこいい家にしたい」。
けれど完成したのは、背伸びのない“自分らしさ”が息づく空間でした。
“かっこよさ”を突き詰めたその先に見えてきた、本当の心地よさを伺いました。
▼今回のPJメンバー
施主様：O様
クジラディレクター：山根
クジラデザイナー：松尾
目次
住まい選びとコンセプト
―住まい選びのきっかけは？
O様： 「賃貸、もったいないな」って思ったのがきっかけです。新築は嫌で、でも既存の間取りじゃ満足できない。それなら中古を買ってリノベしようと決めました。あとは、場所を決めるだけという状態でしたね。
山根： このお家のコンセプトって、最初からはっきりしてましたか？
O様： どうしようかな？って迷ってたんですけど、結局「かっこいい家がいい」という一言に尽きました。床も黒っぽく、全体的に落ち着いた雰囲気で。打ち合わせでは「こういうのが好き」と伝えると、すぐにイメージを形にしてもらえたので、迷いは少なかったです。
松尾： サンプルやパースを一緒に見ながら、“かっこよさ”の方向性をすり合わせていけたのが良かったですね。O様の中に「好き」の軸があったので、私たちもブレずに進められました。
空間づくりの工夫
―お気に入りのポイントってありますか？
O様： 廊下の洗面スペースです。間接照明の光り方がすごくかっこよくて。「廊下に洗面？」と思うかもしれないけど、朝も夜も使い勝手がよくて、生活に馴染んでいます。
―収納についてはどうでした？
O様：ちょっと余るくらいで、足りないと思ったことはないです。趣味のものも実家に置いてるので、収納が多ければいいってわけでもないなと。
山根： 暮らしを始めるにあたって、インテリアもいろいろ検討されたんですよね？
O様： 引っ越してからゆっくり選びました。ソファも家電も「この空間に合うかどうか」で決めて。夜、照明をつけたときの雰囲気が特に好きです。クジラさんに「こうするともっと良くなる」とアドバイスをもらえたのもありがたかったです。
松尾： 照明は空間の印象を決める大事な要素なので、現場でも光の当たり方を何度も確認しました。完成した空間を見たとき、O様の“かっこよさ”がそのまま形になったと感じましたね。
―普段、リビングではどんなふうに過ごしてますか？
O様： ここに座って、携帯触ったり家電いじったり。猫じゃないけど“定位置”みたいなのができてて。写真とかも撮りたくなる場所です。
山根： “定位置”っていいですね。自然と座りたくなる場所ができるのは、居心地の良さの証拠だと思います。
暮らして感じた変化
―実際に住んでみて、生活に変化はありましたか？
O様： 劇的に何かが変わったわけじゃないけど、帰るのが楽しみになったのは大きいです。照明ひとつでも存在感があって、空間が整っているだけで気持ちが違いますね。
―“かっこいい家”を目指していたO様にとって、今の住まいはどんな存在になりましたか？
O様： 最初は“見た目がかっこいい”ことを考えてたけど、今は“自分にとって心地いい”ことがいちばん大事だなと。無理に飾らず、自分の感覚で選んだものだけが残った。それが一番“かっこいい”のかもしれません。
松尾： その言葉、すごく嬉しいです。O様がずっと“自分の感覚”を大事にしてくれたから、私たちも本質的なデザインを提案できました。
これからリノベに挑戦する人へ
― 最後に、リノベに挑戦したい人へ一言あるとすれば？
O様： とにかく“かっこよければいい”って思ってたんですよ（笑）。でも、突き詰めると「自分が心地いいと思えるか」が答えでした。プロに任せる部分と、自分のこだわりの線引きを決めて、あとは素直に楽しむこと。そうやってできた空間は、毎日帰るたびに“自分らしいな”って思えます。
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