2022.04.09.Sat リノベーションのヒント

契約前に知っておきたい!リフォーム、リノベーションで活用できる減税制度、補助金とは?

リフォームやリノベーションをするにしても、費用をおさえれるなら抑えられるに越したことはないですよね。今回は、リフォーム、リノベーションをする際に使える、減税制度補助金についてご紹介します。自分に合った制度を知る前に、まずは全体像から理解していきましょう!

減税制度と補助金の違いとは?

減税制度と補助金、そのどちらも金銭的な負担を軽減してくれます。
では2つの違いはというと、金銭的負担を軽減する方法が異なるのです。
減税制度は納税すべき税負担額が軽減され補助金は補助対象分の金額が後日入金されるといった仕組みになっています。
細かい部分は制度によって異なりますが、まずはこのことを頭に入れておくとよいでしょう。

減税制度、補助金におけるリフォームとリノベーションの違いは?

一つ一つの制度の説明に入る前に、共通して押さえておきたい点について説明します。
修繕や壁紙の貼り替え、設備の交換など、機能的に建築した時と同程度の性能にするような工事を指すリフォームと、間取りや水回りなどの配管の位置を変更し、今ある住宅の良さ残しつつもこれまでとは違う用途や機能を持たせるなど性能を新築時よりも高める工事を指すリノベーション。減税制度と補助金では、リフォーム、リノベーションという名称ではなく、物件購入の有無や工事の内容によって減税や補助金を受ける条件に該当するかが変わってくるので、その点に注目しましょう。

減税制度を使う上で理解しておきたいリフォーム、リノベーションのローン

リフォーム、リノベーションで活用できるのが所得税固定資産税の減税制度です。
まずは、多くの人が対象となりやすい所得税の減税制度から説明していきます。

所得税の減税制度を知る上で理解しておきたいのが、ローンについてです。リフォーム、リノベーションをするときに借りることができるローンは大きく分けると2種類で、住宅ローンリフォームローンです。

住宅ローン

住宅ローンとは、基本的には住宅を購入する費用に活用できるローンのことを指します。ただ最近では住宅を購入する費用だけでなく、リフォーム、リノベーションにかかる工事費などの費用も借り入れることのできる商品もあります。住宅を購入することを想定されているので、基本的に借入可能額はリフォームローンより高く、30万円以上1億円以内程度です。物件を購入してリフォーム、リノベーションをするときだけでなく、ローン商品の数は多くないですがリフォーム、リノベーション単体で工事をするときも検討していいでしょう。

リフォームローン

一方、リフォームローンとは、リフォーム、リノベーションの工事費用に活用できるローンです。リフォーム工事だけを想定したものなので、借入可能額は住宅ローンより低く、50万円~1,000万円以内のものが多いです。リフォーム、リノベーションの工事をするときだけをするときだけでなく、住宅ローンとあわせて利用すれば物件を購入する際にも活用することもできます。

住宅ローン、リフォームローンの主な違い

住宅ローン、リフォームローンともに、住宅購入とセットでリフォーム、リノベーションをする場合でも、住宅の購入をせずにリフォーム、リノベーションを単体で行う場合でも使うことはできます。それぞれの主な違いをまとめたものが以下の表です。住宅ローンの方が借入可能額が大きく、金利が低いのですが、その分担保が必要で審査もリフォームローンよりも厳しくなっています。

所得税の3つの減税制度

さて、本題である所得税の減税制度ですが、10年以上のローンを利用した場合に適用される住宅ローン控除、5年以上のローンを利用した場合に適用されるローン型減税、ローンを利用した場合、していない場合のどちらでも適用される投資型減税の3つがあります。減税制度を見ていくうえで重要なのは住宅ローン、リフォームローンという名称ではなく、住宅ローンであれリフォームローンであれ、ローンの中身が減税制度の条件に該当しているかどうかを見ることが重要です。

住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)


住宅ローン減税とは、返済期間が10年以上の住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、入居から10年間にわたりローンの年末残高の1%をその年の所得税の額から差し引く制度です。住宅ローン減税は、
・住宅取得とセットでリフォーム、リノベーションをするために借り入れた住宅ローン
・リフォーム、リノベーションだけをするために借り入れた住宅ローン
のいずれの場合でも要件を満たせば控除を受けることができます。

要件はぞれぞれ異なりますが、以下の要件を満たしさえすれば控除を受けられます。気を付けたいのが、中古住宅を購入した際の住宅ローン減税の要件として、建築から20年(マンションなどは25年)を超えている場合に耐震基準適合証明書の発行を受けていることが必要となることです。この耐震基準適合証明書の発行には、耐震診断の実施などが必要となり最低でも1ヵ月かかります。住宅の引渡し前耐震基準適合証明書の取得をするか、耐震基準適合証明書の仮申請書を取得していないと、住宅ローン減税を受けられないということも起こりえますので、この点には注意しましょう。

住宅ローン控除(住宅購入とリフォーム、リノベーションを行う場合)

▼利用者の要件
・床面積が50㎡以上(登記簿上の専有部分の床面積)で、床面積の1/2以上を自らが住むために用いられること
・取得の日から6ヶ月以内に住み始めること
・適用を受ける年の12月31日まで継続して住んでいること
・控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること
・住み始めた年とその前2年、後3年の、合計6年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税特例などの適用を受けていないこと

▼建物の要件
・建築後使用されたものであること
・家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下、もしくは耐震基準適合証明書の発行を受けていること

▼最大控除額
400万円(借入対象限度額4000万×1%×10年)

住宅ローン控除(リフォーム、リノベーション単体で行う場合)

▼利用者の要件
・自らが所有しており、かつ自らが住む建物の増改築等である
・工事費用が100万円を超えており、その1/2以上の金額がを自らが住むための部分に用いられること
・工事の日から6ヶ月以内に住み始めること
・適用を受ける年の12月31日まで継続して住んでいること
・控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること
・住み始めた年とその前2年、後3年の、合計6年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税特例などの適用を受けていないこと

▼対象となる工事
・大規模の修繕又は大規模の模様替えの工事
・マンションなどの区分所有部分の床、階段、または壁の半分を超えた部分について行う修繕・模様替えの工事
・家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関、または廊下の一室の床、壁の全部について行う修繕、模様替えの工事
・耐震改修工事
・バリアフリー改修工事
・省エネ改修工事

▼最大控除額
400万円(借入対象限度額4000万×1%×10年)

ローン型減税(特定増改築等住宅借入金等特別控除)

ローン型減税とは、返済期間が5年以上の住宅ローン、リフォームローンを利用した場合に所得税の控除が5年間にわたり受けられる制度です。対象となる工事が、バリアフリーリフォーム省エネリフォーム同居対応リフォーム長期優良住宅化リフォームと限られており多くの人が該当するわけではありませんが、年間で最大12.5万円(年末時点のローン残高×1~2%)の控除を受けることができるので、これらの工事を行うのであればぜひ相談してみましょう。

投資型減税(住宅特定改修特別税額控除)

投資型減税とは、ローンを利用した場合していない場合のどちらでも、対象となる工事を行えば1年間所得税の控除が受けられる制度です。ローン型減税で対象となっている、バリアフリーリフォーム省エネリフォーム同居対応リフォーム長期優良住宅化リフォームに加え、耐震リフォームも対象となります。控除金額は20万円~50万円と工事によって異なりますが、ローンを利用していなくても活用できるので、対象となる工事を行う際は検討してみましょう。

固定資産税の減税制度

ここまでは所得税の減税制度を紹介してきましたが、固定資産税の減税を受けることのできるリフォームがあります。
減税と対象となるのが、耐震リフォームバリアフリーリフォーム省エネリフォーム長期優良住宅化リフォームです。所得税の減税制度と併用することのできるものもありますので、以下の表を参考にしてみてください。

住宅リフォームガイドブックより

リフォーム、リノベーションで活用したい給付金・補助金

続いて紹介するのが、リフォーム、リノベーションの補助金です。補助金の対象となる工事は、省エネバリアフリー耐震同居対応と、所得税の減税制度と比べて限られますが、所得税、固定資産税の減税制度とも併用して活用することもできます。リノベーションをする際に省エネや耐震なども考えたいという場合には対象となりそうな工事はないか、以下の説明を参考に確認してみてください。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは、住宅に高性能な断熱材や窓を使ったリフォーム(リノベーション)を行う場合に、国からの補助が受けられる制度です。

▼対象となる製品
・指定の高性能建材(断熱材、窓、ガラス)
・家庭用蓄電システム(高性能建材の改修と同時に行うこと)
・家庭用蓄電設備(高性能建材の改修と同時に行うこと)
・熱交換型換気設備(高性能建材の改修と同時に行うこと)

▼補助限度額
・戸建住宅 1戸あたり 120万円
・集合住宅(マンションなど)1戸あたり 15万円

▼補助率
補助対象経費の1/3

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、住宅の長寿命化や省エネ化などにつながる性能を向上させるリフォームや、子育て世帯向けのリフォームを推進する事業です。

▼対象となる建物
・既存の戸建住宅と集合住宅(マンションなど)

▼対象となる工事
・劣化対策や耐震性、省エネ対策など特定の性能項目を一定の基準まで引き上げる工事
・上記以外の性能向上工事(バリアフリー改修・テレワーク環境の整備、インスペクションで指摘を受けた箇所の補修工事、高齢期に向けた住まいへの改修工事)

▼補助限度額
リフォーム後の住宅性能に応じて、3つの補助限度額が用意されています。
① 長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合100万円/戸(150万円/戸)
② 長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 200万円/戸(250万円/戸)
③ ②のうち、更に省エネルギー性能を高めた場合 250万円/戸(300万円/戸)

※三世代同居対応改修工事を実施する場合、若者・子育て世帯又は既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合はそれぞれ50万円上限があがり、()内の金額になります。

マンガでわかる長期優良住宅化リフォーム推進事業より

▼補助率
補助対象経費の1/3

高齢者住宅改修費用助成制度

高齢者住宅改修費用助成制度とは、要支援・要介護の認定を受けている方が、手すりをつけたり段差をなくしたりなどのバリアフリー化のための工事を実施する場合、工事費用が介護保険より支給される制度です。

▼対象となる条件
・要介護認定で「要支援1〜2」もしくは「要介護1〜5」のいずれかに認定されている
・「介護保険被保険者証」に記載されている住所の建物である(持ち家以外の賃貸住宅も該当します)

▼対象となる工事
・手すりの取付け(転倒防止や移動をスムーズにすることを目的とした工事)
・段差の解消(転倒防止や移動をスムーズにすることを目的とした工事が該当)
・滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更(転倒防止や移動をスムーズにすることを目的とした工事)
・引き戸等への扉の取替え
・洋式便器等への取替え(排泄の際に立ち座りしやすくすることを目的とした工事)
・その他上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

▼補助限度額
18万円(支給限度基準額20万円の9割)

補助限度額はひとりにつき生涯の金額ですので、1回のリフォームで20万円の工事をして補助を受けることもできますし、1回目は10万円の工事、2回目は6万円の工事、3回目は4万円の工事など複数回に工事をわけたとしても、工事費用の合計金額が支給限度基準額の20万円の範囲であれば、補助を受けることができます。

▼補助率
9割

まとめ

数もたくさんあってややこしい印象を受ける減税、補助金の制度ですが、まずは対象となる人の多い所得税の減税制度を軸に考えてみてはいかがでしょうか?
減税、補助金の制度は専門的な内容も多く、年度によって内容が変わることもありますので、わからない点や最新の情報を知りたいという場合にはお気軽にお問い合わせください。

WRITERこの記事を書いた人

経営企画

小林 昂太KOTA KOBAYASHI

経営企画 / 大阪府富田林市出身 / 長期的な幸せにつながることを大切にしています / ラジオに、アカペラ、日本庭園を巡ることが好きです

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