見えない部分も安心!室内天井の内部って工法や費用はどうなってる?
リフォーム・リノベーションを検討している方の中には「見えないところってどうなるんだろう…」と不安に思う方も多いはず。
これから何十年も過ごす大切な住まい。
今回はクジラのディレクター堀が、工事途中以外に見ることのない室内天井の内部について、施工管理の西山に聞きます。
堀:N様邸のリビングは床材はこれで、天井のクロスはこれやったな…
堀:よく社内の会議でデザイナーと施工管理が「天井下地は?」っていうやりとりしてるけど、実際室内天井の内部とか“見えない部分”の細かいことは施工管理に任せっきりになってるなぁ。
西山:おつかれでーす。先あがりまーす。
堀:あ、りゅうさん(西山)ちょっと待って!
西山:あ、俺ちょっと忙しいから帰らないと…
堀:どうせ家帰ってもゲームしかしないでしょ!
西山:いや、家事手伝わないと…
堀:絶対やってないでしょ!5分だけ時間くださいよ!
西山:いや、明日も早いし…
堀:とりあえず座りましょう!
西山:う、うん、、
天井下地とは
どの部分?
堀:天井のクロスのこととか考えてたら、「そういえば天井下地のことちゃんと理解してないかも」って思ったんですけど、教えてもらって良いですか?
西山:それってお客さんにとっての「天井下地」ってことでいい?
堀:人によって変わるんですか?
西山:天井作るのって、照明器具とかを除けば
①大工工事
②内装工事(クロスなど)
③ハウスクリーニング
っていう順番になるのはわかるよね?
堀:もちろん分かります!
西山:大工さんの仕事が完了した後に、内装屋さんがクロスを貼ったりするから、内装屋さんがクロスを貼るのに「天井下地」と思ってる箇所は、大工さんからしたら下地ではなく「仕上げ」になるからね。
堀:おおおお。確かに。
西山:だから職人さんといろんな話をしたくて天井下地について詳しく知りたいのか、お客さんに説明するのに天井下地について詳しく知りたいのかで、説明が変わるってことやね!
堀:お客さんによりわかりやすく説明できるように、僕も理解したいっていう目的です!
西山:なるほどね、了解。
どうやって作る?
西山:じゃあ、お客さんに耐久性の視点で説明できるように、天井下地について勉強しようか。
建物によって若干変わるけど、大きくはこの順番で作るよ。
①梁などの躯体
②吊り木
③910mm前後の間隔で下地造作
④303mm前後の間隔で下地造作
↓
ボードなどで仕上げて内装工事へ
▼天井下地を作らずに梁などの躯体を現しにした事例はこちらから!
下地に使われる材料
西山:具体的に使われる材料についても見ていこうか。
堀:見てもよくわからないですね…
西山:それぞれしっかり特徴があるよ!
LVL
西山:LVLっていうのは「単板積層材」って言って、うすーく切った木材を重ね合わせて圧縮して作ってるものね。
堀:断面がウエハースみたいに見えるやつですね!
西山:収縮・反り・割れが少ないのが特徴で、作る側からすると工事の段取りにイレギュラーが発生しづらいのが嬉しいよね。
新築戸建ての建売などの「同じ(ような)ものをたくさん建てる」ときはLVLがいいね。
無垢
西山:リノベーションなど細かい作業を要するなら無垢かな。
堀:大工さんにも「無垢は加工性が高い」って聞いたことあります。
西山:ちゃんと説明すると、「細かく加工した後の耐久性はLVLよりも高い」っていうニュアンスかな。
堀:もともと一本の木から製材されてるからですか?
西山:そうやね。ただ、LVLは工場で作られて出荷されるまでに質が悪いものを選定して製品として出荷されないようにされているけど、無垢は加工して製造されたものでは無くて、木材屋さんで品質チェックしたものが現場に届いた時に再度品質のばらつきをチェックする必要があるね。
堀:費用的にはどうですか?
西山:販売されているLVLや無垢の大きさも微妙に違うから正確な比較は難しいけど、大量生産されているLVLと比べると、無垢の方が2〜3%高くなるね。
堀:工事全体の費用面から見ると、あまり差を感じない程度かもしれませんね。
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軽天
堀:軽天の天井下地ってあまり見る機会が無いですね。
西山:主に商業施設やオフィスなど住まい以外で使われることが多いからね!
防火・耐火の視点で基準が厳しい建物には下地に軽天を使うことが増える。
堀:木材(LVL・無垢)と違って費用や施工の側面ではどうですか?
西山:費用は軽天の方がやっぱり高いけど、木材と違って収縮・反り・割れの心配も無いから、なんせ施工がスムーズなのは軽天になるね。
堀:リノベーションの内容によって何を使うかしっかり考えていく必要がありますね!
どの下地材を選ぶべき?
西山:もちろん、用途によって使うべき下地材は変わってくるよね。
堀:クジラの天井下地は大体無垢でしたよね?
西山:そう。材料の手配の手間とか、現場に届いた無垢材の中から品質的に天井下地には向いていないを省く手間とか、それに伴う費用も増えるんやけど、30年とか50年渡って暮らすための住まいに使うものとしてはこだわりたいからね。
堀:でもクジラって、工事開始後に現場に届いた無垢材でいくつか天井に使いづらいものが混じっていても、お客さんに追加費用もらってないですよね?
西山:単純にクジラの利益を減らすことになるけど、前述の通り2〜3%の誤差だし、そこまで下地としての精度を必要としない箇所に使ったりして対応してるよ。
堀:「精度を必要としない箇所」ってどんなところですか?
西山:例えば、棚板を壁面に設置する時にビス固定する下地とかであれば全然問題無いし、部分的に下地を補強したい箇所に使うこともある。
堀:新築工事に比べてリノベーションって、ものすごく色んなプロフェッショナルが知恵を振り絞ってできあがるものなんですね。
見えない部分こそ費用だけでなく内容も
西山:2022年に入ってからは、リノベーション契約前の説明時に、ディレクターとデザイナーだけでなく僕ら施工管理も同席して“見えない部分”の説明の時間を設けるようになったよね。
堀:そうですね!見えない部分なんで「プロにおまかせします」という方も多いですけど…
西山:もちろん信頼してくれるのは嬉しいけど、見えない部分の工事内容についても、僕らプロがもっと「わかりやすく」「楽しく」伝えられるように努力し続けないといけないね。
なぜ重要かというと、リフォーム・リノベーションの口コミに良く出てくる「天井クロスに亀裂(線)が入ってきた」とか「棚板が壊れた」は、下地が原因だったりする。
これは下地の施工方法の問題で、躯体が歪んでいることが多いリノベーションは細かな調整を大工さんと施工管理でしっかり打ち合わせして進めないといけない。そして、こういった事はお客様もしっかり把握・理解するべき内容。
堀:リノベーション工事の中間検査で、お客様に説明している内容もそういう部分ってことですか?
西山:その通り。
「この部分は、基本の下地施工に加えて、細かな調整や補強を行なって躯体の歪んでいる部分に対応しています」というような内容やね。
ネットで検索しても見えるところのカッコ良さばかりを主張するような情報も多いけど、実際は見えないところの打ち合わせもすごく大切。
堀:何十年と家族の暮らしを守るのが住まいですからね!いや、本当に、今日はすごくカッコいい話聞けてめっちゃテンション上がりました!
西山:うん。よかった。
堀:いやー、もっといろんな人にクジラのこだわりを知ってほしいですね!
西山:うん。
堀:りゅうさん、もっとそういう話聞かせてくださいよ!
西山:…
堀:もっと聞かせてください!
西山:…
堀:…どうしたんですか?
西山:いや、
堀:はい。
西山:さすがにもう帰っていい?
堀:あ。すみません。お疲れ様でした…
▼見えないところの施工も見れる動画はコチラ!
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