2021.06.26.Sat コラム

「躯体現し」って?戸建て、マンションの構造別にメリットとデメリットを徹底解説!

こんにちは、KUJIRAデザイナーの辻です!

最近リノベーションのご相談に来られる方の中で、事前にインスタやピンタレストなどから、
お好きなデザインや、間取り、仕上げに使う素材などを調べてお話ししてくださる方が増えているように思います!
その中で、「これってどうなってるんですか?」、「うちでも出来ますか?」と聞かれることが多いのが現し仕上げについてです。

そこで今回は、木造やRC造などの構造別に、現し仕上げを導入する際のメリットや気をつけるべき点について解説していきます!

躯体現しって何?

躯体現しとは通常は隠してしまう、建物を支える骨組みを見せる仕上げにすることを言います。
また、建物の内装仕上げ材、例えば床であればフローリング、壁/天井であれば、壁紙や塗装などを施さずに完成とすることです。

さらに詳しく、躯体って何?

まず、躯体とは建物の構造を支える骨組みのことを言います。鉄筋コンクリート造(RC造)の建物では、「コンクリートを流し込んで作られる部分」など、木造の建物であれば「柱や梁」など、鉄骨造(S造)の建物では、「鉄製の柱や梁」など、これらを躯体と呼びます。

出典:https://polaris-hs.jp/zisyo_syosai/tohshibashira.html

例えば木造をより細分化すると、画像のように建物の中に躯体と呼ばれる部分はたくさんあります。
同じ現し仕上げといっても、「どの躯体を見せるか」によって完成時の印象はまるで違ってきます。どの部分を現す仕上げにするのか、事前の打ち合わせでしっかり話し合っておきましょう。
それではここから構造別にどの部分を現しているのか、事例に沿って見ていきましょう!

RC造(鉄筋コンクリート造)の躯体現しのメリットとデメリット

メリット

(RC造とは多くの場合、マンションリノベーションが対象です。)

コンクリート独特の質感・ラフさを表現できるのが魅力

建物ごとにコンクリートの状態も違い、表情豊かなデザインにできること間違いなしです!
コンクリート柄のシートには出せない、本物の手触り・質感を体感できます。

天井を現しにすれば、天井高が高くなることがある

マンションは天井高が低い場合が多いですが、リビングだけでも天井現しにすることで開放的な空間にすることができます!
お部屋ごとに現しにする箇所は検討できるので、予算と相談しながら検討してみてください。

注意点

マンションの最上階だと、断熱材が躯体に吹き付けられている場合がある

窓上の天井についている黄色いモコモコした様なものが吹き付けの断熱材です。最上階の場合、天井いっぱいに吹き付け断熱されていることが多いため、その場合は天井を現しにすることができません。
ただ、建物が建てられた当時の図面や資料が残っている場合、運良く外断熱と記載があれば、望みはあります!(管理会社か管理人室にある場合が多いです!)絶対に天井を現しにしたい!とお考えの方は、最上階以下を選ばれることをおすすめします。

床を現しに出来ない場合が多い

管理規約によって遮音の規定がある場合、現しにすると音が下の階に響きやすくなるため現しにすることが出来ません。そのためコンクリート調のビニール形のタイルを使ったり、フレキシブルボードというコンクリートの質感に寄せたもので代用しましょう。

外壁面の壁を現しにすると室外と室内の温度差で結露してしまう可能性がある

特にマンションの角部屋など外に面する面積が多いと、寒暖差で結露してしまう可能性があります。
そういった場合は、現しにして上から結露を抑制する効果のある塗料を塗ることをおすすめします。
塗料といっても、静電気を抑制することでホコリやチリがつくのを防いだり、空気をきれいにする効果がある塗料など効果はさまざまです。
塗料の色だけでなく、効果も合わせて確認しておきましょう!

RC造の事例

①天井躯体現し | 仕上げ:素地 | 取り入れやすさ★☆☆

▲思い切って天井一面を現しにし、コンクリートの素地をそのままで仕上げかなりラフな仕上がりです。
古くなったコンクリートの粉や、ほこりが落ちてこないか心配な方は、クリアーを使った防塵塗装をおすすめします!
クリアーの防塵塗装とは、透明のコンクリートのコーティング塗料のことで、劣化を防いだり、チリやホコリなどが付着することを防ぐことができます。
防塵塗料の中には、半透明のブラック色もあるので、それらを使えばよりインダストリアルなカッコいい空間にすることができます!
コンクリートの状態によっては荒々しい印象になり、似合うインテリアも限られてきますので、取り入れやすさは星1つです。。
▶︎施工事例 | アウトドアライフを楽しむ、ライフスタイルから間取りを決める。

②天井躯体現し | 仕上げ:塗装 | 取り入れやすさ★★★

▲①と同じ様に天井一面を現しにした後、白く塗装しています。
塗装仕上げにすることで、インダストリアル過ぎず、少し凹凸があったり、ムラがあったりと綺麗過ぎない、ほど良いラフなデザインになります。
そのため、インダストリアルなデザインから、モダンなインテリアが好きな方にも取り入れやすくなっています。

③梁躯体現し | 仕上げ:左官(コテ抑え) | 取り入れやすさ★★★


▲こちらは梁を現しにしていますが、表面の仕上げは左官(モルタル)で仕上げています。
今回は左官の中でも、つるっとした見た目のコテ抑えという仕上げですが、あえてムラをつけたデザインにすることも可能です。
左官で仕上げると既存の壁面の状態に左右されず、荒さも軽減されるので魅せ方によってはきれいな印象になりインテリアコーディネートの幅を広げることができます!
▶︎施工事例 | 「スマートライフ」を求めて。豊かな暮らしのリノベーション

④壁・梁躯体現し | 仕上げ:素地/左官(コテ抑え) | 取り入れやすさ★★☆


▲③と同様に梁の現しに加えて、壁の一部を現しにし、アクセントとして取り入れている事例です。
写真のように建てられた当時の大工さんの墨出し(墨でつけられた、壁などの基準となる線)の跡や、メモ書きが見えることもあります!
建物ごとにコンクリートの色や墨の残り方も違い、オリジナリティの高い壁面にすることができます。
コンクリート現しにした壁面に絵やタペストリーを飾ることで、さらに個性をいかしたアレンジにすることができます。

木造の躯体現しのメリットとデメリット

木造躯体現しのメリット

開放感と木材の質感や暖かみを感じられる

木質居室ではストレスを軽減することが出来たり、リラックス効果があります!

天井を現しにすると天井高がかなり上がり広々とした空間にできる

通常では大きな梁の下に水平な天井を作る為天井は低くなりますが、現しにする場合、屋根の勾配に合わせて天井を作るので天井の高さは高くなります。
リビングの吹き抜け空間など、特に解放感が欲しいところに取り入れると雰囲気もグッとよくなります。

木造躯体現しの注意点

断熱方法をどうするのか。

通常、断熱材は躯体と内装仕上げの間に詰めています。なので、そのまま現し仕上げにしてしまうと、断熱材が露出してしまうのです。断熱性能を落とさずに、現しにする外断熱など方法は設計者と相談するようにしましょう!
外断熱について詳しく知りたい方は、こちらをご覧下さい!
▶︎コラム | 断熱工事のすゝめ -リノベーションにおける断熱工事工法-

木造の事例

①天井現し(躯体部分:野地板) | 仕上げ:素地 | 取り入れやすさ★☆☆


▲木造現しの中で一番ダイナミックで、解放感のある現し方法です。建てられた当時の躯体を見せることができるのが特徴です。
木材にも良し悪しがあり、いい木材を使って建てられている場合にオススメですが、リノベーションの場合、既存の状態が天井が作られている場合が多いので、
解体してみてからでないといい木材かどうか判断できないことが難点です。また、こういった仕上がりにする場合は天井は外断熱にする必要があります。
綺麗な状態の木材に出会える可能性が低いのと、外断熱と工事の規模が大きくなるので、取り入れやすさは星1つです。。
▶︎施工事例 | 木の暖かみと“遊び”を詰め込んだ木造戸建

②天井現し(躯体部分:梁・小屋束) | 仕上げ:ベニヤ板塗装 | 取り入れやすさ★★★


▲既存の丸太の梁が印象的な空間に仕上がっています。この仕上がりの場合は、梁の色に合わせて薄いベニヤ板を塗装し貼るので、既存の梁にも似合った木の温かみを感じられるお部屋になります。
外断熱をしないでコストを抑えつつ、既存の天井の木材の状態が良くなくても現し仕上げにする方法です。
①と違い荒々しさはかなり軽減され、インテリアにもよく馴染む仕上がりになっています。
▶︎施工事例 | 猫と人が共存できる住まいに

③天井現し(躯体部分:2階床下地) | 仕上げ:塗装 | 取り入れやすさ★★☆


▲1階の天井を現しにし、2階の床組を見せる仕上げです。この仕上げの場合、上2つの仕上がりとは違った印象になっています。
2階の床組を見せる仕上げであれば、屋根裏の断熱方法に関係なく現し仕上げにすることができ、取り入れやすいのが特徴です。

躯体現しのメンテナンス方法

定期的にお掃除は必要です。梁の上などには特に埃がたまりやすいので、年に1度の大掃除の際にはもれなく掃除することをおすすめします!

まとめ

ここまで構造別で現し仕上げについて見てきました!一言で現し仕上げと言っても様々な仕上げの方法・デザインの方法があることを感じていただけたかと思います。
記事内で取り上げた事例はほんの一例なので、お客様の住宅の状態・ご要望に合わせて仕上げ方法もさまざまなバリエーションがあります!
物件購入からリノベーションを考えている方は、建物も検討の条件に入れてみてもいいかもしれません。
こだわりの詰まった住まいにするために、一緒に考えていきましょう!

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

辻 菜穂NAO TSUJI

デザイナー | 大阪府吹田市出身 | ものづくり好きです
▷個性を尊重し、人と関わることがデザインに活かせると考えています。
▷好きなこと→観賞用+食用の植物を育てること・雑貨屋めぐり
▷好きな空間→朝日がよく入る寝室・晴れた日の河川敷・食器にこだわった喫茶店

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