2022.01.04
最終更新日
2023.01.19
リノベーションのヒント

旧耐震基準とは?中古マンションを選ぶポイントと購入時のリスク

リノベーション 固定資産税

「できれば物件購入費用を抑えて、リノベーション工事に予算をかけたい!」と考えている方は多いのではないでしょうか?

物件購入からリノベーションを考えている方にとって、築年数が古いマンションには、低価格で好立地と魅力的なポイントがあります。
しかし、中古マンションを購入するときにどうしても気になるのが「耐震性」ですよね。

好条件の中古マンションは、現行の耐震基準より前の旧耐震基準で建てられている可能性があります。
今回は旧耐震基準マンションの見分け方と、メリットやデメリットを解説していきます。

旧耐震基準とは?

旧耐震のマンションの購入ポイント

旧耐震基準と新耐震基準の違い

耐震基準は1981年6月1日に改正され、これ以前を旧耐震基準、これ以降を新耐震基準と呼び分けています。

旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、生活に大きな支障が出ない構造の基準のことを指します。

新耐震基準は、旧基準より厳格化され震度6〜7程度でも大きな被害が生まれないように改正されました。

ただし、耐震基準はあくまでも下限を示すものであり、旧耐震基準で建てられているからといって必ずしもすべての建物の耐震性が低いというわけではありません。実際の耐震性は建物によって異なる点も理解しておきましょう。

耐震基準の確認方法

新耐震基準の施行は1981年6月1日なので、その日より前に建築確認が取得されたものは旧耐震基準のマンションです。

ただし、建築確認日というのは、着工前に法律上の問題がないかなどを行政に確認してもらう日であり、建物が完成した日(竣工日)とは別である点に注意しましょう。

建築確認日は確認済証等の書類にて確認できるため、1981年前後に完成したマンションを購入するときには事前にチェックしておきましょう。

旧耐震基準の中古マンションのメリット

旧耐震のマンションの購入ポイント

物件価格が安い

もっとも大きなメリットは周辺の相場と比較して物件価格が安いことです。物件価格が安ければ、その分をリノベーションに費用をあてることができます。

立地や環境が良い物件が多い

マンションは、一般的に利便性の良い土地に建てられます。そのため、築年数が古いマンションほど、利便性の良い場所にある可能性が高いです。
人気のあるエリアでは、すでに古いマンションで埋まっていて、新築のマンションが建ちづらい傾向があります。人気のエリアや駅近で購入を考えている方は、築古の旧耐震マンションも選択肢に入れても良いかもしれません。

旧耐震基準の中古マンションのデメリット

旧耐震のマンションの購入ポイント

コンクリートや設備の老朽化リスク

旧耐震基準のマンションは建物の老朽化により、コンクリートが劣化している可能性があります。コンクリートにひび割れがあると、雨水が入り、中の鉄筋まで腐食が進んでいることもあります。

住宅ローンや税金関連で不利になりやすい

住宅ローンを借りるときには、購入する物件を担保として設定します。そのため、旧耐震基準の建物は担保評価が低くなるため、住宅ローンの借入額に制限がかかってしまう場合があります。

また、住宅ローンを利用するときに受けられる住宅ローン控除には、建物の築年数や耐震性などの条件が定められています。旧耐震基準で優遇措置を利用する場合は、一定以上の耐震性能を審査で証明する必要があります。

修繕積立金が高額になる場合がある

マンションの修繕に使われる修繕積立金は、毎年固定の金額ではなく、数年おきに金額を見直しする場合がほとんどです。旧耐震基準のマンションは、築年数が古いため、補修箇所が多くなってしまいやすいため、修繕積立金が高額となる傾向があります。

建て替えについてのリスクがある

旧耐震基準のマンションは、建物や設備の寿命を迎えていなくても建て替える場合があります。旧耐震基準のマンションでは、新たな入居者の募集が難しくなるため、30〜40年で建て替えるケースが多くあります。

建て替え自体は入居者の大多数による合意が必要であるものの、建て替えによるトラブルが発生する可能性があることも把握しておきましょう。

旧耐震基準の中古マンションを購入する際のポイント

旧耐震のマンションの購入ポイント
旧耐震基準物件のすべてで耐震性が低いというわけではありません。耐震性に関わる3つのポイントを覚えておきましょう。

建物の形状

一般的に、一階部分に開口部が多い長方形の建物よりも、低層の正方形な建物のほうが地震への耐性が高いとされています。

地盤の強さ

建物の強度はもちろん、地盤の強さも耐震性を左右する重要なポイントです。地盤強度は自治体の防災マップなどで確かめられるので、事前に該当する土地の状態を調べておきましょう。

建物の構造

旧耐震基準のマンションを選ぶときには、壁式構造で建てられているかを確認しましょう。マンションの構造には、柱と梁で骨組みを作るラーメン構造と、壁で面を作る壁式構造があります。壁式構造は築年数の古いマンションに多い工法であり、重心が低いため耐震強度が高いとされています。

旧耐震マンションだから諦めるのはまだ早い

今回は旧耐震マンションのメリット・デメリットや購入する際のポイントについてご紹介しました。

価格や立地について魅力的な旧耐震マンションですが、地震への強度や経年劣化について不安になることもありますよね。しかし、旧耐震だからといって諦めるのではなく、耐震性に関するポイントを理解したうえで見極めてみましょう。

▼マンションを買う前に知っておきたい“見分け方”はコチラ!

WRITERこの記事を書いた人

ライター

本荘 はるなHARUNA HONJO

webライター/大阪府柏原市出身/実家で保護猫2匹を飼っています/冬キャンプが好きで年末に富士山を見ながらキャンプをしました!

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