中古マンション購入時に確認しておきたい管理費・修繕積立金とは
ようやく条件の合う中古マンションに入居したとしても、住み始めてすぐに管理組合から修繕積立金の大幅な増額や一時金の請求がされてはたまりませんよね。
また、月々の住宅ローンの返済などの資金計画にも影響が出てくるかもしれません。
そのような事にならないためにも、マンションの購入時には、毎月の支出である管理費・修繕積立金についても確認しておく必要があります。
今回は、購入前に確認しておきたい長期修繕計画のポイントや大規模修繕について解説していきます。
目次
中古マンションの管理費・修繕積立金とは
管理費と修繕積立金は混同されやすいですが、それぞれの利用目的は異なります。
・管理費
管理費は、エレベーターのメンテナンスやエントランスの清掃など共用部分の管理に利用されます。
・修繕積立金
修繕積立金は、外壁塗装や給排水管の修理など、建物を維持するために利用されます。また、修繕積立金は、長期修繕計画を元に毎月の徴収額が決まります。
長期修繕計画の注意点
長期修繕計画がない中古マンションには要注意
中古マンションを購入する際は、そもそも長期修繕計画があるかどうかを確認しておきましょう。「平成30年度マンション総合調査結果」によると、7%のマンションがいまだに長期修繕計画を作成していない状況にあります。
長期修繕計画がないマンションの場合、行き当たりばったりで工事を行ったり、根拠のない修繕積立を請求されたり、急な一時金を請求されたりする可能性があります。
つまり、長期修繕計画がないマンションは、適切な修繕積立金が徴収されているのか根拠がありません。それだけではなく、管理組合がうまく機能していない場合も多いので、住んでみてから住民トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
修繕積立金は値上げの可能性がある
長期修繕計画は一度作成されて終わりではなく、おおよそ5年ごとに計画の見直しを行います。計画の見直しに併せて、修繕積立金の見直しがされることが一般的です。
購入予定のマンションで、このような見直しが定期的に行われているかどうかや、近々、値上げの予定があるかどうかも確認しておきましょう。ただし、基本的に修繕積立金は段階的に値上げをするマンションが多いので、マンション購入の際は心づもりしておくといいでしょう。
修繕積立金が安い中古マンションにも要注意
築年数が浅いマンションは修繕積立金が安い傾向にありますが、安心してはいけません。築年数が浅いマンションの場合、修繕工事の実施まで余裕があるように思われ、修繕積立金を安く設定していることが多くあります。しかし、計画の見直しがされないまま大規模修繕時期を迎えてしまい、資金が足りないといったケースが実際にあります。
いざ工事を行う時に資金が足りない場合、無理な値上げや一時金の徴収、または管理組合として借入などを行わなければなりません。
例えば、修繕積立金が2倍以上の額になるような大幅な値上げも。また、管理組合が金融機関から借入をしたとしても、完済した頃にまた次の大規模修繕工事が控えているなど悪循環に陥ります。
くれぐれも早い段階から計画的な積立をしている、しっかりとした管理組合のマンションを選ぶようにしましょう。
中古マンション購入時に長期修繕計画で確認するポイント
大規模修繕の内容
国土交通省の指針では大規模修繕は12年周期で行うと良いとされています。
修繕工事項目は屋根・床の防水工事、外壁塗装、給排水設備、ガス設備、空調・換気設備の修繕、共用部の工事など、19項目が挙げられています。
大規模修繕のため、一時金の徴収予定があるか
大規模修繕にともない、月々の修繕積立金以外に一時金を徴収する場合もあります。入居年数は関係ないことが多く、購入のタイミングによっては入居してすぐ、長く住んでいる人と同じ額の一時金を払わなくてはいけない可能性があります。徴収時に慌てないよう、事前に確認しておき、資金の準備をしておきましょう。
修繕は計画通りに進んでいるか
修繕履歴や長期修繕計画はマンション購入前であっても、不動産仲介業者を通じて、マンションの管理会社から取得することができます。修繕履歴と計画を照らし合わせることで、計画通りに進んでいるか確認することができます。
もし、大規模修繕が計画通りに実施されていない場合「修繕積立金の設定が低すぎる」か「長期滞納者が多く、帳簿と実際の残高に解離がある」という場合が考えられます。この場合、現状にあわせて見直しがされていないのであれば、将来、無理な値上げや一時金の請求があるかもしれません。
中古マンションを購入する際は必ず長期修繕計画を確認しよう
長期修繕計画とは、マンションに必要なメンテナンスや修繕工事の計画をたて、それにあわせて、修繕積立金の設定などを行うものです。
マンションが適切なメンテナンスをされているかという点は、マンションの資産価値を維持していく上でも重要なポイントです。
購入前に長期修繕計画や修繕履歴を確認することで、建物の状態はもちろん、管理組合が機能しているか、住民による滞納があるかなど、マンション全体の状況も予想することができますよ。