フルリフォームとは?事例や築年数別の相場目安や費用を抑えるコツ
こんにちは!クジラ株式会社の三輪です。
Writer 三輪海斗 ディレクターWORKS 2018年に新卒入社後、住宅・店舗・オフィスなど幅広く担当。住宅ローンの工面など難しい状況でもお客様に寄り添ってサポート。 |
フルリフォーム、いつかしたいなあ。そんなふうに夢見ている人は、多いのではないでしょうか。
戸建てやマンションなどの持ち家はもちろん、フルリフォーム前提で古いマンションを購入するという人も最近では増えています。建物の老朽化で思い切るという人や、家族のライフステージの変化にともないより住まいを暮らしやすくするためにフルリフォームを検討するという人も多いでしょう。フルリフォームをすると、見慣れた住まいが見違えます。落ち着く我が家ながら、まるで引越したかのように家の雰囲気ががらりと変わり、ライフスタイルに新しい変化をもたらしてくれます。
夢を見つつも気になるのは、予算の部分。また、フルリフォームといってもどんな内容でできのか?築年数が古くても可能か?というのも知りたいところ。そこで今回は、フルリフォームの気になるギモンを解決すべく、いろいろと気になる点を見ていきましょう!
目次
フルリフォーム概算費用
まずはじめに、フルリフォーム各種の大まかな費用感は下記の通りです。
工事内容 | 概要費用 |
間取り変更の場合 | 約270~340万円 (マンション)、約390~490万円の(戸建て) |
外壁や屋根を塗り替える場合 | 50万円〜200万円 |
内装を変える場合 | 500万円 |
キッチンやバストイレなど水回り交換の場合 | 30万円~200万円 |
更に詳細な費用の解説を知りたい方は3.フルリフォームにかかる費用を参照ください。それでは、フルリフォームについて見ていきましょう。
フルリフォームとは
戸建てとマンションで内容は異なるのか
全体的に大掛かりな修繕や改修を行うのが、フルリフォーム(全面リフォーム)。最近では「リノベーション」「リノベ」などという言葉もよく耳にします。その2つは微妙に定義が違い、リフォームが老朽化した住まいを新築に近い状態に戻すことを指すのに対し、リノベーションは既存の住まい工事を加えて、新しく付加価値を高めることを指します。が、ほとんど同義で使われることも多いです。
マンションに限らず戸建ての場合も基礎や構造は壊さずに改修工事することがほとんど。内容は間取り変更、外壁や屋根を塗り替える、内装を変える、キッチンやバストイレなどの水周り交換など、いろいろなパターンがあり、コストもさまざま。今回は、これらの代表的なリフォームにかかる費用相場を見ていきましょう。築年数の経った一戸建てであっても、フルリフォームを行えば住み心地が大きく向上し、新築に近い快適な暮らしを実現できるでしょう。
また、戸建てとマンションでも内容が異なってきます。大きく違うのは、外壁などの共有部はマンションの管理に帰属している場合が多いですが、戸建ての場合は外壁の塗装などを塗り替えなども持ち主の負担によるフルリフォームの際に行います。戸建は木造の建築物が多いですが、マンションはRCコンクリートでの構造が主となりリフォームする際に構造部分を改修できる範囲が変わってくるため、マンションの場合はリフォームできる箇所が制約されていることも多くあります。それに付随して、戸建てに比べるとリフォーム費用が安く、工期も短くなるケースが多く見られます。最近では、フルリフォーム(リノベーション)目的で築古のマンションを購入するという人も。
フルリフォームとスケルトンリフォームの違い
フルリフォームと区別されるのが、「スケルトンリフォーム」という、リフォーム方法です。スケルトンという言葉通り、内装、壁、屋根などをすべて取り払い、建物の骨組みだけを残して配管なども含めて全面工事をするリフォームです。フルリフォームよりもさらに大がかりな工事となり、仕上がりは既存の建物とは全くの別物となるといってもいいでしょう。内装や壁、屋根などをすべて取り払い、建物の躯体構造のみ(スケルトン状態)にしてからリノベーションをする「フルリノベーション」も注目されています。
フルリフォームにかかる費用
一言で「フルリフォーム」といっても、間取り変更、外壁や屋根を塗り替える、内装を変える、キッチンやバストイレなど水周り交換などいろいろなパターンがあり、コストもさまざま。フルリフォームのコストの幅として500万~2,000万円を見積もることが一般的なようですが、それぞれに作業内容が異なるため、相場感が難しくもあります。とはいえ相場の一つの目安になるのが、建物の「築年数」「坪数」です。
築年数ごとに変わる
フルリフォームをする場合は、建物の築年数によって大きく費用相場が異なってきます。築年数が古ければ古いほど、当然費用が高くなる傾向にあります。
築年数が5年以下
築年数が5年以下の築浅物件の場合は、フルリフォームというよりは、部分リフォームになることが多いようです。内容は、クリーニングや和室だと畳の表替えなど。クリーニングのみであれば7万円~、表替えで1畳あたり約0.5万円の料金となります。
築年数が10年
築年数が10年経過すると、いろいろとガタが出てくるもの。戸建ての場合は、外壁や屋根の状態も気になってくるところです。外壁塗装や屋根補修など、外側のリフォームまで行うと少なく見積もっても150万円以上が必要となってきます。
築年数が15年
築年数が15年経った物件では、水回りの経年劣化が進んでいるため、キッチンやバストイレなど水周り交換を検討したほうがいいでしょう。一戸建てのリフォームなら約160~270万円程度、マンションのリフォームでもおよそ60万~150万円ほどの費用が必要です。
築年数が20年
築年数20年が経つと、大規模なリフォーム工事が必要な場合が多いでしょう。20年住み続けるということは家族のライフステージにも変化が現れるくらいの年数です。老朽化とライフステージの変化にて、このタイミングでフルリフォームに踏み切るというパターンも多く見られます。マンションのリフォーム費用総額は約150万~270万円、外壁塗装や屋根補修が必要な一戸建てでは約270~380万円ほどかかります。
坪数ごとに変わる
当然、リフォームする場合は面積=坪数ごとに金額が変わっていきます。10坪・25坪・30坪のそれぞれでかかるフルリフォーム費用の目安は、以下の表のようになります。
坪数 | 一般的なフルリフォーム費用相場 |
10坪 | 400万~800万円 |
20坪 | 1,000万~2,000万円 |
30坪 | 1,200万~2,400万円 |
日本の一戸建て住宅の平均は25~30坪ほど。そのため、一戸建て住宅をフルリフォームする場合、最低でも1,000万円は見ておく必要があるといえます。
ただし、これに限らず、解体箇所が多い場合には廃材処分費、重量がある設備を運ぶ際には人件費や運搬交通費などもかかってくるため、一概には言えない部分があります。フルリフォームを検討する場合は、まずは500〜1,000万円の予算を想定するという人が多いようです。大きな出費とはなりますが2,000万円ほどかけられると、理想のフルリフォームを叶えられる場合が多いでしょう。とはいえ予算の上限はあって当然なので、その上でいろいろなリフォーム会社に見積りを取り優先順位を決め、予算の範囲でどの部分のリフォームが可能かを検討する必要があります。
次からは、代表的にされるフルリフォームの大まかな費用相場を見ていきましょう。
間取り変更の場合
面積にもよりますが、大規模な間取り変更を行う場合、マンションなら約270~340万円、戸建てなら約390~490万円のリフォーム費用が必要です。
ただし、キッチンやお風呂の入れ替え、電気・配管工事が含まれると、最低でも500万円~の費用が必要です。また、建物の工法や構造との相性によっては希望の間取りに変更できないこともあるので、詳しくは事前に業者へ相談してみましょう。
外壁や屋根を塗り替える場合
戸建ての場合は、家の顔とも言える外壁や屋根の状態も気になるところ。補修や張り替えに使う素材や面積によってだいぶ上下はしますが、50万円くらいから検討できる場合も。200万円あれば、満足のいく補修ができるでしょう。耐久性、防水性、耐熱性、遮音性に優れた素材ほど費用が高額ですが、その代わりメンテナンスの頻度が下がるため、長期的にはコスト削減につながります。
内装を変える場合
内装を変えるというのは、壁や天井のクロスを張り替えるリフォームが一般的です。相場は、750〜1,500円/㎡。フローリングなど床材の張り替えを行う場合は、一帖あたり2万~7万円くらいが相場でしょう。一戸建ての内装のみをリフォームする場合、500万円という予算があれば全体のリフォームが可能です。一部だけだと割高になる可能性があるので、できればまとめて工事した方がお得にリフォームを進められます。
キッチンやバストイレなど水周り交換の場合
築年数が15年経った物件では、水回りの経年劣化がかなり進んでいることが考えられます。キッチンやバストイレなど水周り交換を検討したほうがいいでしょう。キッチンは選ぶグレードによって、かなりコストの変動があります。最新なものを導入するほど、当然費用が増加する傾向に。せっかくリフォームするのだから……と最新なものを選びがちですが、本当に今の暮らしに必要なものであるのかどうかをよく検討し、費用をできるだけおさえるのも一つの賢い選択です。
バスやトイレなどの水回りのリフォーム予算は、約30万~200万円です。ごく一般的な節水タンク型トイレ(約10万円~)や、ポピュラーなFRP浴槽の風呂場(約35万円~)なら、リフォーム費用は少額です。タンクレスタイプやトルネード洗浄式のトイレ、浴室換気暖房乾燥機付きの風呂場に改装したい場合は、さらに予算が必要です。住まいを長持ちさせるためには、水回り・内装・外装などの部位を、それぞれ適した時期にリフォームすることが大切です。
フルリフォームの費用を抑えるコツ
依頼する施工会社の選び方
リフォーム会社を選ぶ際は、まずはホームページを参照。さまざまなリフォーム事例が掲載されており、おおよその費用やリフォーム箇所を調べられるので、希望のリフォームが得意そうなところに連絡をとってみるのもいいでしょう。どうしても見積もりやデザインなどわかりやすい部分で判断してしまいがちですが、過去のリフォーム実績は十分か、設計士がしっかりと設計してくれるか、収納や間取りのプランが豊富か、採光や風通しも計算した設計をしてくれるか、断熱性や耐震性もしっかりしているか、保証制度やアフターサポートはあるか……なども、隠れたチェックポイントです。
いろいろなパターンを手がけているところに一気通貫でお願いするのも、費用を安く抑えるコツでもあります。複数社に見積もりをとっている場合、見積書の中身だけでなくスタッフとの相性も確認しましょう。フルリフォームは、金額がかさむ大事な買い物です。施工からアフターケアまで親身になって相談にのってもらえるほうが、長い目で見てコストダウンもできます。遠慮することなく、コスト軽減プランについても相談してみましょう。
希望箇所の優先順位を明確に
部分リフォームとは違い、大きい金額が動くフルリフォームの場合はとくに、金額感覚が麻痺しがちです。あれもこれも追加するとより暮らしやすくなるというのは、当然の話。何を最優先し、何が不要なのか、自分たちのライフスタイルに具体的に落とし込んで検討する必要があります。事前に家族でもよく話し合い、希望箇所の優先順位を明確にしておくことが大切です。リフォーム計画を「見える化」すれば、あとから工事箇所が増えたり、コンセプトがぶれたりすることもありません。リフォーム事例を多く見ておくことも、勉強のうちの一つ。迷ったら相談できるリフォーム会社を選ぶのも一つの手です。優先順位に応じてグレードやオプションを考えることで、予算を抑えながらも納得感のあるリフォームが可能です。
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ローンや補助金制度の活用
リフォーム費用の支払いには、住宅ローンとリフォームローンの2種類が適応します。住宅ローンはリフォームローンよりも借り入れできる金額が大きく、借入期間は最長35年までです。金利も約0.6~2%と比較的低いですが、その代わり審査基準が厳しいという特徴があります。また、住宅ローンの加入とセットで、団体信用生命保険(団信)への加入が必要です。
一方、リフォームローンはリフォーム・リノベーションの資金捻出を目的としたローンです。借入金の上限は1,000万円と低めです。その代わり、住宅ローンよりも審査基準が緩和されており、住宅ローンが通らない場合でも利用できるケースがあります。住宅ローンとリフォームローンの併用も可能。中長期的な返済シミュレーションを行ったうえで、無理のない範囲で利用しましょう。
また、補助金制度もあります。リフォーム補助金制度やリフォーム減税制度を利用すれば、リフォーム費用を賢く減らせます。工事目的が「耐震改修」「断熱・省エネ」「介護・バリアフリー」のいずれかである場合は、国や自治体から一定額の助成金を受け取れる可能性も。リフォーム補助金制度には期限が設けられていることや着工前の申請が必要である場合があるため、工事スケジュールをよく考える必要があります。また、リフォーム減税制度を利用すれば、所得税・固定資産税・贈与税の3つの税金を減らすことができます。行うリフォームが対象であるかどうかは、リフォーム会社や自治体に相談しましょう。
フルリフォームにかかる工期は?
フルリフォームするというからには、工期もそれなりにかかるはず……と心配する人も多いのではないでしょうか。その場合、仮住まいはどうすれば?など、も心配の一つです。一つの目安として戸建なら工期は1〜6ヶ月くらい、マンションであれば1〜3ヶ月くらいと言われています。そのほかにも、リフォーム会社との打ち合わせなどにかかる準備期間も数ヶ月かかると考えたほうがいいでしょう。大規模な工事の際には騒音や粉塵などが発生しやすいため、工期が長い場合には仮住まいが必要です。リフォーム費用だけでなく、その予算も計画に入れておく必要があります。
見違える!フルリフォームのビフォーアフター
フルリフォームをすると、住まいに新しい可能性が生まれます。ここでは、実際にフルリフォームをした事例をご紹介します。
戸建て|子育てを終えて快適なセカンドライフへ
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▼費用や面積はこちらをチェック!
マンション|子育て世代が暮らしやすい工夫がたくさん!
広々としたLDKから各個室につながる動線にすることで、家族とコミュニケーションがとりやすい間取りに。
▼費用や面積はこちらをチェック!
新しい住宅に住み替えるという選択もあるなかで、あえてフルリフォームする。そのメリットは住み慣れた土地を離れずに馴染んだわが家に暮らし続けつつ、ライフスタイルをアップグレードできるためであるという人が多いようです。どこからリフォームをしたらいいか、プロに相談したい。そんなときは、ワンストップでのサポートが可能な業者に相談してみるのもいいですね。