和室リノベーションの費用は?「和モダン」などおしゃれな施工事例をご紹介

こんにちは!クジラ株式会社の藤本です。
![]() | Writer 藤本恭好 デザイナーWORKS 何事もバランスが大事! を念頭に相談者さまの頭の中を整理するデザイン提案を心がけています。誰かに喜んでいただく事がまわりの人・地域・社会へ伝播することを信じています。 |
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日本人のライフスタイルが欧米化していく中で、「和室」の使い方に悩んでいる人も少なからずいるのではないでしょうか?そんなときにおすすめなのが、和室を洋室にしたり、または和モダンな空間に変えたりする「和室リノベーション」です。
この記事では、そんな和室リノベーションの費用・施工事例と、おしゃれな和モダン空間を作るコツについてご紹介します!
目次
和室リノベーションの費用相場
和室リノベーションを検討する上で外せないのが費用のこと。何にどのくらいお金がかかるのか、代表的な内容を一覧表で抑えておきましょう。
【費用一覧表】
リノベーション内容 | 費用相場(施工内容によって変動します) |
畳からフローリングに変更 | 9〜35万円(6〜8畳) |
壁・天井のリフォーム | 10〜20万円(6〜8畳) |
押し入れをクローゼットに変更 | 8〜25万円 |
襖をドアに変更 | 3〜22万円 |
和室全体を洋室に変更 | 25〜100万円(6〜8畳) |
費用概算を頭に入れた上で、ここから具体的な和室のリノベーションについて見ていきましょう。
そもそも「和室」とは?
和室とは、畳や襖・障子などを用いて作られた、日本の伝統的な様式の部屋です。現在に伝わる和室の形式は、鎌倉時代から室町時代にかけて作られたと言われています。
掛け軸を掛けたり生け花を飾ったりする床の間や、柱と柱を水平につなぐ長押(なげし)など、和室特有の要素で構成されています。
和室リノベーションとは?リフォームとの違い
和室リノベーションとは、和室を洋室に生まれ変わらせたり、和の雰囲気を活かした和モダンな空間に作り変えたりするリノベーションを指します。和室のままでは使いづらかった部屋も、リノベーションして寝室や客間にすることで、空間を無駄なく使用することができます。
リフォームは老朽化の改善や、原状回復を目的とした工事を指しますが、リノベーションは住み心地を改善させることを目的とした工事のことをいいます。そのため、和室から洋室、和モダンな空間へと部屋を新しくする施工は、和室リノベーションと呼ぶのが適切でしょう。
和室リノベーションの施工事例
和室から洋室へ
床・壁・天井をリノベーションし和室から洋室に変えました。
元々、木製のサッシだった窓もアルミ製に交換することで雨漏りの心配もなくなります。
建物の魅力であったレトロな雰囲気は残したいとのご要望で、引き戸は既存の木製扉を使用しました。
和室から和モダンな空間へ
元々和室だった部屋に、スクエアの畳を敷きました。
現代の生活でも受け入れやすいスクエアの畳を用いると、ソファと合わせても違和感がなくなります。
また、間接照明と合わせることでより洗練された雰囲気にすることができます。
書斎を和室に
本棚に囲まれた書斎を作ることから始まりましたが、子どもさんも自由に本に手を伸ばしてくれたら良いな!と考え、フリースペースとして書斎を配置。
大きなデスクで作業しても良し。畳の上でゴロゴロしながら本を読んでも良し。
家族の時間が自由に流れる書斎です。
和室リノベーションの費用を抑える方法
費用の一覧表と施工事例から、和室リノベーションにかかる金額が想像できたと思います。でも、できることなら少しでもリノベーションの費用を抑えて、残る資金は家具の購入などにあてたいですよね。そこで、コスト削減のコツを確認しておきましょう。
相見積もりをする
リノベーション業者を検討する際は、複数の業者から見積もりを取り比較することをおすすめします。費用だけでなく、工事の期間や内訳、事前にどのくらい相談できるかなど詳細までしっかりとチェックを。
また、リノベーション業者の中でも施工の得意不得意があるのは事実です。和室リノベーションの実績が複数確認できる業者を選ぶようにしましょう。
建材や素材のグレードを抑える
畳や壁紙、扉に採用するグレードが高ければ高いほど費用も高くなるため、グレードを見直すことでコストも抑えられます。こだわりたい部分にはハイグレードの素材を、こだわりがない部分や見えない部分には一般的な素材を使用するなど、メリハリをつけるのもおすすめです。
和室のメリット・デメリット
和室をリノベーションする前に、和室のメリットとデメリットを確認しておきましょう。和の要素を残すのか、それとも完全な洋室に変えてしまうのか。どちらのほうが求める生活スタイルに合っているか、一つずつチェックしながら想像してみてください。
メリット
①リラックス効果がある
和室といえば畳。その畳に使われているイグサの香りには、科学的にも証明されているリラックス効果があります。寝室に使用するのは安眠効果が期待できますし、家族団らんの空間として和室を使用するのもいいでしょう。
②調湿効果がある
イグサには、湿気を吸収して乾燥時に放出する性質があります。梅雨の時期に活躍するだけでなく、夏は涼しく冬は暖かい環境を作ることが可能です。
③様々な使い方ができる
和室は家族構成やライフスタイルに合わせて様々な使い方ができます。子ども部屋としては、畳の柔らかい質感が転んでも怪我をしにくく、音も吸収するため足音も響きにくいです。寝室では、イグサのリラックス効果と畳の上に布団を敷くことで快適な寝心地を得られるでしょう。
来客用部屋としては、癒しの空間を提供できたり、急な来客時でも布団を敷くだけで宿泊部屋にすることも可能です。また、和室は襖を活用することで、柔軟かつ効果的に空間を区切り、多様な使い方をすることができるといえます。
デメリット
①家具の跡や傷がつきやすい
畳は柔らかい質感のため、重い家具を置くと跡がついてしまうことがあります。机やタンスなどの重い家具からへこみが生じたり、家具の移動時に傷がついてしまったりすることも。これらを防ぐために、和室の家具の配置や種類には注意するようにしましょう。
②メンテナンスが必要
畳はイグサでできているため、長年使用していると変色したり、毛羽たちを起こしたりすることがあります。張り替えるという手もありますが、裏返しや表替えといったメンテナンスを行うことで、新品のような美しさを取り戻すことができます。
③ダニやカビが発生することがある
イグサには調湿効果があるとはいえ、湿度が高い状態が続くとどうしても湿気を帯びてしまい、カビの温床となってしまうことも。また、畳の目にゴミや食べ物のカスが入りやすく、これらがダニの発生を招くことがあります。対処法として、定期的な換気やお掃除が欠かせません。
おしゃれ和モダンな空間にするためのポイント
和室リノベーションを検討する方は、和の雰囲気を残しつつ現代的な空間にする「和モダン」のテイストをイメージする方が多いと思います。和モダンはシンプルながらもセンスが問われるやや上級者のコーディネート。使用する配色や素材のポイントを抑えておきましょう。
①アースカラーをベースに
和室のイメージとなる畳はイグサからできているため、緑やベージュといった色味がほとんど。和モダンのカラーコーディネートをする場合、ベースカラーには白、茶、ベージュ、緑などの自然を感じられるアースカラーを選ぶようにしましょう。
②木材や和紙などの天然素材を
人工的ではない、日本で昔から使用されてきた天然素材は和モダンな印象を高めてくれます。杉・ヒノキなどの木材、和紙の他に籐や竹、漆喰などを取り入れるのがいいでしょう。しかし、たくさん取り入れすぎないことが重要です。なぜなら、モダンの印象から遠ざかったり、素材が乱立してまとまりのない印象になってしまったりするからです。
③シンプルにする
日本建築では光や風が部屋全体に行き渡るシンプルな構造が大切にされています。落ち着いた和モダンの空間にするためにも、モノを配置しすぎず、何もない空間をしっかり残すようにしましょう。家具を置く場合も、低い家具で揃えることで上部がスッキリとし、開放感ある空間にすることができます。
④壁や家具などに和の素材を取り入れる
和モダンな空間を演出する上で、壁や家具の素材選びは非常に重要です。古民家で昔から使われてきた自然素材を取り入れることで、どこか懐かしさを感じる落ち着いた雰囲気を醸し出すことができます。木材や和紙といった天然素材は、現代のインテリアにもなじみやすく、空間に温かみと趣を与えてくれます。ただし、素材をたくさん使いすぎると、モダンな印象が薄れてしまうため、バランスよく取り入れることが大切です。
⑤照明に和のテイストを取り入れる
和モダンな空間を演出するには、照明選びも重要なポイントです。間接照明や和紙を用いたペンダントライトなど、柔らかい光を放つ照明器具を取り入れることで、空間全体に落ち着きと上質さが生まれます。光の色合いや配置を工夫し、陰影の美しさを活かすことで、和の趣をさらに引き立てることができます。
マンションリノベーションの場合
予算相場
マンションの和室をリノベーションする場合、費用の相場は工事内容によって大きく異なります。
6畳から8畳程度の和室全体を洋室にリノベーションする場合、平均的な費用相場は50万円から60万円程度ですが、最低20万円から、高い場合は100万円ほどかかることもあります。
畳からフローリングへの張り替えは、6畳から8畳で約6万円から35万円が目安です。
クッションフロアの場合は、8万円から18万円程度に抑えられます。壁や天井のリフォームは6畳から8畳で約10万円から20万円、押し入れをクローゼットに変更する場合は約8万円から25万円が一般的な費用です。
マンションの和室リノベーションでは、管理規約で防音規定や遮音等級が定められていることが多いため、床材選びには特に注意が必要です。畳は音を吸収しますが、フローリングは音が響きやすいため、遮音性の高い床材を選ぶことが求められます。
時期・工事期間を確認する
マンションの和室リノベーションを検討する際は、工事期間と適切な時期を確認することが重要です。和室から洋室への変更は、畳や襖の撤去、床の段差解消、フローリング施工、クロス貼りなどの工程が必要となり、通常2週間から3週間程度の期間がかかります。断熱材の追加や窓の交換を行う場合は、さらに期間が延びる可能性がありますので注意が必要です。
マンションのフルリノベーションの場合、設計から工事まで含めると、4ヶ月から5ヶ月程度が目安とされています。一方、部分的なリノベーションであれば、畳の張り替えが2日から7日程度、壁紙の張り替えが1日から3日程度で完了します。
マンションの築年数に応じたリノベーションのタイミングとしては、5年から10年で汚れが目立ち始め、小さな破損が出てくる頃に早めのメンテナンスを検討すると良いでしょう。 10年から15年では水回りの劣化が進行し、20年から30年では住宅の構造や外観に大きな問題が発生する可能性があるため、大規模なリノベーションを検討する時期とされています。
工事をスムーズに進めるためには、マンションの管理規約を事前に確認することが大切です。管理規約によっては、使用できる床材や工事内容に制限がある場合がありますので、事前に確認し、必要な手続きを行いましょう。
おしゃれに実現するためのポイント
和室リノベーションでおしゃれな空間を実現するためには、いくつかのポイントがあります。まず、畳や障子といった和の要素を玄関に取り入れて土間を設けることで、空間全体に和の趣を加えることができます。
また、ドアを引き戸に変更すると、開閉スペースが不要になり、空間を広く使えるだけでなく、和の雰囲気を強調できます。落ち着いた色合いを基調とし、壁や家具に木材や和紙などの天然素材を取り入れることで、統一感のある和モダンな空間を演出できます。
さらに、照明器具に和のテイストを取り入れると、温かみのある光が空間に安らぎをもたらします。デザイン実績が豊富なリノベーション会社に相談すると、これらの要素を効果的に取り入れた提案を受けられるでしょう。
和室リノベーションのポイントは、シンプルと天然素材
昔から、イグサの香りに包まれ、静かで落ち着く空間として親しまれてきた和室。より心地いい空間にするための和室リノベーションにおいても、重要なポイントは変わりません。色や素材を多用しすぎずあくまでシンプルに、かつ、人工物ではなく天然素材を使用することで和の温かい雰囲気を壊さずに活かし続けることができるはずです。
まとめ
和室リノベーションは、昔ながらの和室を現代のライフスタイルに合わせた空間に変えるための効果的な方法です。和室を洋室に変更するだけでなく、和の要素を残した和モダンな空間にすることも可能です。
リノベーションの費用は、畳からフローリングへの変更や壁・天井のリフォームなど、施工内容によって変動します。また、複数の業者から相見積もりを取ることや、建材・素材のグレードを見直すことで費用を抑えることが可能です。
和室のメリット・デメリットを理解し、シンプルなデザインや天然素材を取り入れることで、和の温かさを活かしつつ、おしゃれで快適な空間を実現できるでしょう。