ロフトリノベーションの事例やポイントをご紹介!
こんにちは!クジラ株式会社の高橋です!
ロフトとは、簡単にいうと天井側に作られた、いわゆる「屋根裏部屋」のこと。書斎や収納スペースとして有効活用することができるため、リノベーションをしてロフトを増設する事例が、最近では増えています。それでは、一からロフトを増設しようとする場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。そもそも狭い部屋やマンションにロフトを作るリノベーションは可能なのでしょうか。この記事では、ロフトリノベーションにまつわる疑問について見ていきましょう。
Writer 髙橋桃子 デザイナー WORKS 2016年に入社したスタッフの中で最もクジラ歴の長いメンバー。住宅のみならずオフィスリノベーションも得意としている。趣味は美味しいものを食べること。 CREATOR’s STORY|髙橋 桃子 |
目次
ロフトリノベーションの費用相場
ロフトリノベーションをするにあたり、費用はどのくらいかかるのでしょうか。当然、施工面積や用途、工事の内容によってかかる金額は変わってきますが、だいたいの目安をおさえておくことで、予算繰りがしやすくなります。
一般的な費用の目安
ロフトリノベーション費用は、50~100万円程度です。ただし、かかるのは単純に工事費用だけでない場合も多いです。後に詳しく説明しますが、ロフトは天井に近いために熱がこもりやすく、快適に利用するには、断熱工事や換気対策にかかる費用も考えておいたほうがいいでしょう。例えば換気のための費用として、一般的には、窓の取り付けには5〜10万円、換気扇の取り付けには5万円ほど、屋根や天井の断熱工事には5万円ほどの費用がかかります。
とはいえ、採光や換気の面で基準をクリアしていないロフトは、建築基準法上では、居室扱いにはなりません。そのため、新たに居室を増築するよりも、かなり低コストでリノベーションを実現することができます。小さめの部屋を一つ追加したいというリノベーションプランがある場合は、ロフトリノベーションは、コストをおさえるという意味では、とてもいい選択と言えるでしょう。
ロフトリノベーションのメリット・デメリットは
秘密基地のような感覚もあるロフトに、憧れる人も多いはず。アニメや海外ドラマなどに出てくることも多く、なんだかワクワクする空間ですよね。ロフトリノベーションのメリット・デメリットをよく理解した上で、本当にいまの居住空間にロフトが必要なのかをよく検討してみてください。
メリット
ロフトのメリットとしてまず思い浮かぶのが、収納としてだけでなく、使い方によってはひと部屋として使うこともできるなど、現在の居住スペースをさらに有効活用できることです。ほかの視点で見ても、ロフトのメリットはたくさんあります。
広い収納スペースが手に入る
ロフトの最大のメリットは、やはり収納スペースが広がること。ロフト自体を収納部屋として使う場合も多くあります。例えば掃除道具やスーツケースなどの普段使わないものや、オフシーズンの衣類を収納する場所として使うのもおすすめです。散らかりやすい細々したものを、収納ケースにまとめて置いておくのも便利。書斎として、本や書類を置いておくという活用法もあります。また、急な来客があった際に、隠しておきたいものをさっとしまっておくという使い方もできます。趣味のコレクショングッズやアイテムを保管する場所にするのも、夢がふくらみます。ロフトがあるぶん収納用の家具も不要になるため、メインで過ごすリビングなどのスペースが広くなり、見た目もすっきりします。
ロフトを収納スペースとしてうまく活用するポイントは、使用頻度の高いものを手前に、使用頻度の低いものを奥にしまうこと。居住空間からも見上げることができるロフトは、ただの物置として使うのでは、景観的としても残念です。効率よく出し入れができる収納スペースとして、うまく活用しましょう。またロフトは、住居の外にある倉庫のような収納スペースに比べて、いつでも目に止まる居室と連続するオープンな空間であるため、アクセスしやすく利用頻度が高くなり、より実用的に活用することができます。
そして、ロフトがあることで通常の居住スペースをより広く使うこともできます。天井が高くなっているぶん、背の高い収納家具を置くことができるので、その分フリースペースを確保できます。フリースペースには観葉植物を置いたり、ソファを置いたり。同じ空間でもロフトを設置することで、より広々と快適に過ごす空間を演出することができます。
開放的な空間演出
ロフトのある家は天井が高いため閉塞感がなく、そこまで広い敷地面積がない場合でも入ったときに開放感を感じられます。まるでカフェやアパレルショップのようなおしゃれな空間を実現することも可能です。
ロフトがあると、空間にレイヤーが生まれスタイリッシュな空間に。1階建てでも2階建てのような、2階建てでも3階建てのような生活空間が生まれます。ロフトの部分に観葉植物やインテリアで演出することで、さらにおしゃれな部屋を彩ることもできます。ロフト部分の壁素材にこだわってみるのもいいかもしれません。
コスパよく子ども部屋の作成も
ロフトは通常のスペースに比べて、天井が低くなることが多いです。ロフトの天井高は1.4メートル以内に規定されているので、立って過ごす用途には向いていません。だからこそ、子ども部屋として、ちょうどいいサイズ感。さらに子どものおもちゃや衣類などは細かいものが多く、リビングなどに置いておくと、どうしてもごちゃごちゃしてしまいがち。ですが、ロフトを子ども部屋として割り切って使うことで、家族が過ごすリビングは清潔感を保ちつつ、子どもが楽しく遊ぶ空間をほかに確保しておくことができます。子どもにとっても秘密基地のような感覚で遊ぶことができ、特別な空間になること間違いなしです。そういった理由で、小さな子どもがいる家庭にもロフトのリノベーションは人気があります。また、ロフトは子ども部屋だけではなく、大人の趣味部屋としてや書斎などにも活用しやすいスペース。一部屋増設するまででもないけれど、ちょっとした「お籠りスペース」としてちょうどいい空間で活用できます。
デメリット
夏は暑くて、全然使わなくなってしまった……など、ネガティブな意見も聞かれることのあるロフト。たくさんのメリットがあるからこそ、デメリットについてもきちんと理解しておくことで、家族や自分のライフスタイルに合致するかを検討する必要があります。
冷暖房が効きづらい
暖かい空気は上の方にのぼり、冷たい空気は下にさがっていくため、ロフトには熱がこもりやすくなります。屋根に近いこともあり暑くなりやすく、エアコンを設置しているのにも関わらずなかなか温度がさがらないというのは、ロフトの最大のデメリットとして、覚えておきたいポイントです。とくに最近の猛暑をしのぐには、ロフトの存在はデメリットとなる可能性も高いです。ロフトを設置する場合は、エアコンの場所や小窓の場所に十分注意したいものです。ちなみに、ロフトの中にはエアコンをつけられない場合も多くあります。施工会社にその旨を相談し、なにか対策を練ってもらうようにしましょう。扇風機やサーキュレーターを導入することで幾分か快適に過ごせる場合もあります。そういったことも考え、ロフト部分の動線のいい場所へのコンセントの設置は必須となります。
天井が低いので使用用途が限られる
ロフトは天井が低いため、背が高いものや重いものは収納することが難しくなります。ロフトにどんなものを置くかについて、あらかじめ想定しておいたほうがいいでしょう。また、ロフトに収納するものをどんなふうにどこで使うか、という動線も考えておいたほうがいいでしょう。ロフトからものを出し入れする際は、はしごを設置して……という場合が多いです。そのため収納が面倒になってしまうことも多く、そうなるとロフトの活用頻度は、どんどん減ってしまいます。
また、単純に物置とする場合は、人が出入りすることがなくなり、ホコリをかぶってしまう場合も多いです。ロフトも定期的に掃除する必要があります。ハシゴの上り下りが必要となり天井が低いロフトは、掃除機の操縦も骨が折れる作業です。とはいえ放置しておくと、カビなどの原因になってしまう場合も。ロフトを掃除する専用の、ハンディクリーナーのようなものを用意しておくといいでしょう。
固定で階段は設置不可
ロフトの設置条件として、「上るためのはしごが固定されていない」ということがあります。ただし、建築段階からロフトの設置を検討する場合は、ロフトへのアプローチとして固定階段を設けることができる場合があります。ロフトへの固定階段を設置することが認められている自治体とそうでない自治体があります。大多数の自治体では固定階段を設置することでロフトとして認められなくなる場合が多く、基準を満たしていなければ、「ロフト」ではなく「階」とみなされる可能性も。リノベーション施工会社に、自治体の規定についても聞いてみるといいでしょう。
どちらにせよ、ロフトリノベーションの場合は後からロフトを増設するので、上るためにセットするはしごの対応となることが多いです。収納スペースとして使う場合は、ものを取り出すたびにはしごをセットすることを考えると、いささか大変な気も……。とはいえ頭で考えるだけではイメージがしづらいので、実際にショールームや住宅見学会などでロフトのある家を見学し、実際にロフトに上がってみるなどして、家族や自分のライフスタイルの中でロフトを最大限に活用できそうか、検討してみるのがいいでしょう。
マンションでロフトのリノベーションは可能?
マンションの場合、ロフトリノベーションをするのは難しいと思われがちですが、工夫次第で設置は可能です。建築基準法では、天井高は2.1m以上なくてはならないと定められています。床からロフトまでの距離も2.1mを確保する場合、天井高が3mほどある場合がロフトを設置できる条件となります。マンションにロフトの増設をする場合は、天井高が十分に確保できるメゾネットタイプであれば実現可能であることが多いです。とはいえ、ロフトはマンションの床面積を増やす貴重なアイデアです。ぜひ選択肢の一つとして、検討してみるといいでしょう。
ロフトリノベーションの注意点は
メリットやデメリットを理解したところで、やはりロフトに魅力を感じるという人も多いのではないでしょうか。ロフトリノベーションをするにあたり、注意しなければいけないポイントもおさえておきましょう。
使用用途・目的を明確に
ロフトリノベーションをする際には、どのような目的で使用するのかを具体的に考えておく必要があります。「ただなんとなくよさそうだから」と曖昧な目的でロフトを設置すると、結局使わなかった……ということも多く聞かれます。ロフトを収納場所として使いたいのか、子ども部屋など部屋スペースとして使いたいのか、書斎や趣味スペースなどとして使いたいのか。用途のよって工事内容や工事費用が変わってくることもあります。
収納場所として使う場合は、具体的にどんなものを収納するのかについても考えておくといいでしょう。はしごを設置して上ったり下りたりしてのものの取り出しは、思いのほか面倒で大変なこともあります。とくにロフトは夏の時期にも熱がこもりやすいです。そういったポイントを具体的におさえていくと、より家族や自分にとって必要かどうかをジャッジする材料となります。
断熱と空調に配慮する
ロフトは、とにかく熱や空気がこもりやすいことがデメリットです。部屋として活用するのであれば、適切な断熱と換気が必要となってきます。どのようにロフトを活用するかにもよるので、工事前にロフトをどのように使うか、ある程度考えておきましょう。部屋として使わず収納スペースとして使う場合でも、湿気や高温に弱いものは収納できません。子ども部屋として使う場合はとくに、湿気や換気が適切にできていないと快適に過ごせません。そのための対策が必要となってきます。ロフトをどう活用したいかの具体的イメージを持ちながらリノベーション施工会社に相談しつつ、どんな工事や対策が必要かを相談し、快適にロフトを使える工夫をしましょう。
法律規制を守る
また、ロフトは建築基準法では「高さは1.4mまでで、フロア面積の1/2までしか設けることができない」とされています。床面積が1/2を超え、容積率(土地に対する建築物の延べ面積の割合)の基準を超えてしまうと、違法建築とされることがあります。もし天井高1.4mを超えると、ロフトではなく居室扱いになり、増築に分類されてしまいます。
ロフトリノベーションの増設事例
ロフトリノベーションと一言でいっても、居住空間のなかのどの部屋に増設するのかによって、使い勝手も変わってきます。リノベーション施工会社に相談しつつ工夫した間取りにすることで、居住スペースを圧迫せず、使いやすいロフトを実現させましょう。マンションの場合はロフトを増設することで床面積を増やすことができますし、戸建ての場合はロフトリノベーションにより、居住空間がより充実にするものになるでしょう。
こちらのリノベーション事例では、吹き抜け部分の窓を掃除するためにロフトを設置しました。リビングへの日差しを遮らないようにスノコ状の床になっています。
まとめ
増設の際の注意点さえおさえておけば、さまざまな可能性があるロフト。うまく活用すれば、通常の居住スペースとはまた少し違った趣で特別感を演出でき、さらにスタイリッシュな暮らしにランクアップするでしょう。デメリットや注意すべき点にもしっかりと配慮しつつ、さらに暮らしやすくするために、ロフトリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。まずはぜひ、お気軽に我々にご相談ください。