2025.11.10
最終更新日
2025.11.10
施主様インタビュー

「いい家やなあ」ずっと褒めていられる「光が差す家」(大阪・富田林市)

リノベーション インタビュー

大阪府富田林市。光と風が心地よく通り抜けるマンションの一室に、⻆本さんご夫妻と高校生の息子さんが暮らしている。

長年、URの賃貸住宅で暮らしてきたが、息子さんの高校入学を機に、住み替えとリノベーションを決意。

「経済的にも、生活の利便性からも、集合住宅に住み続けたいと思っていました。でも、玄関を開けた瞬間に光と風が届くような、開放的な家への憧れは捨てられなくて。URの賃貸だと、大胆な間取り変更はできない」

そう語る奥さまは、リノベーションを始めるまではインテリアにも設計にもそれほど関心がなかったという。 しかし打ち合わせが始まると、プロのデザイナーをも驚かせるほどの熱量とセンスを発揮。

今では「家のことをずっと褒めてる」と笑うほど、住まいへの愛情が溢れるようになった。

息子と暮らす今こそ、“格好いい家”に

⻆本家は、役所に勤める奥さま、サッカークラブのコーチを務めるご主人、そしてサッカーに打ち込む高校1年生の息子さんの3人家族。

「息子と住んでるうちに“格好いい家”にしたかったんです。部活漬けの毎日でも、帰ってくるのが楽しみな家にしたかった。あと数年もしたら、家を出てしまうかもしれないですし」

URの集合住宅は駅近でコンパクト、暮らしやすさは十分あった。ただ、高校生になる息子と3人で暮らすには少し狭く感じること、冬は結露に悩まされていたこと、などの課題も。

また「自分の部屋がほしい」と話していた息子さんの希望もあり、学区を変えずに済む高校入学前のタイミングで、中古マンションのリノベーションを決意した。

リノベーション 中古マンション

「一緒のチームで働きたい」デザイナーをも驚かす熱量

物件選びとリノベーションの条件で、まず奥さまが譲れなかったのは「追い焚き機能」が付けられること。

仕事や部活動の都合で帰宅時間がバラバラな角本家にとって、お風呂は大切な一日のリセット時間。しかし、他社では「この物件には設置できない」と断られてばかりだった。追い焚き機能を付けるには、新たな配管を通すために躯体(建物を支える骨組みや構造体)を工事する必要がある。しかし、マンションの躯体は共用部となり、全体の構造にも関わるため、基本的に工事は禁止されている。

そんなとき、手を挙げたのがクジラだった。KUJIRA AWARD(クジラの社員や施主が集うイベント)に参加したことをきっかけに、同社への依頼を決めたそう。施工管理の西山が物件を調査しに行ったところ、別の配管が通る穴を発見。その配管ルートを変更することで、躯体を工事しなくても、追い焚き機能が設置できると判明したのだ。

「他の会社では何を聞いても教えてもらう感覚でした。でもクジラは違った。いつも同じ目線で考えてくれたんです。社員さんたちがいきいきとしていて、“一緒のチームで働きたい”とまで思えました」

その言葉どおり、隔週の打ち合わせでは奥さまの熱意がどんどん形になっていく。

「僕らが壁材や床材に悩んでいると、毎回すてきなサンプルを持ってきてくださる。一般的に床材として使われるものを壁材にするといった、斬新なセンスに驚かされ、逆に学ぶことも多かったです」とデザイナー・西上。

リノベーション 洗面台
なかでも印象的なのが、洗面台に貼られたアンティーク調の焼物タイル。

「見つけた瞬間、“これしかない”と思いました。1枚1枚がとても重いので、壁に貼るというわがままを叶えてくださって感謝しています」

“見て・触れて”──愛せる空間にするためのこだわり

「リノベを決めてから、モノの見え方が180度変わりました。今まで全く気にしていなかった壁や床、天井を自然と意識するようになって」

奥さまはサンプルだけでは満足せず、実際に“見て・触れる”ことを大切にした。
毎週末ショールームを巡り、クジラが手がけたOurlog Coffeeにも足を運び、素材の質感を確かめていった。

壁は特殊塗装で、左官のような温かみのある仕上がりに。

「現場を見に行くたび、職人さんの手仕事の丁寧さと笑顔に癒されました。技術だけでなく、人の温もりがこの壁に宿っているように感じます」

また、成長期の真っ只中で、毎日4食を食べるという息子さんのため、奥さまはキッチンに立つ時間も長い。

「壁と向き合う時間が長いからこそ、愛着を持てるものにしたかったんです」と語る背後には、緑の濃淡がやさしく心を和らげるタイルが並ぶ。

リノベーション インタビュー

「いい家やなあ」が口癖に。新旧の共存が心地いい

リビングの中心には、結婚当初から愛用しているテーブルが今も健在だ。

「使い心地は変わらず安心しますが、空間が変わるだけで、前よりも輝いて見えるんです」
天井は、既存のEP塗装(室内向けのつや消し水性塗装)や躯体表し(建物の建造材をあえて見せる仕上げ)を残し、壁と同色でまとめている。

「全部塗り替えるか迷ったけど、残してよかった。家具もそうですが、古いものと新しいものが共存している空間って、不思議と落ち着くんですよね」

そして、カーテンはいつも開けっ放し。

「窓から見える光や風の表情が毎日違うんです。まるで生きてる絵画みたい。ボーッと眺めているだけで幸せで、“いい家やなあ”が口癖になりました(笑)」
リノベーション インタビュー

別居の危機を乗り越え、リビングに集う家族の時間

一見、順風満帆に思える⻆本家のリノベーション。しかし、実はそうではなかった。

「別居の危機もあったんです。夫は今後も移動しやすい賃貸暮らしを好んでおり、“一人で賃貸に住む”なんて言ってたくらい」

それでも奥さまは「息子と暮らす今を逃したら、一生できない」と思い、反対を押し切った。

多忙なご主人は、一人暮らしの手続きをする暇もなく、ぶつかり合いながらも、打ち合わせや現場見学を重ねるうちに、その表情も少しずつ明るくなっていった。「家族とリビングで過ごしたい」という思いは、ずっと共通していたのだ。

高校入学まで、父がコーチを務めるチームに所属してきた息子さん。
いつもサッカーが家族をつなぎ、今はリビングで試合を観ながら、束の間の団らんのひとときを過ごしている。
リノベーション 玄関

住まいを変えることは、生き方が広がること

リノベーションを通して、奥さまは自分の中に眠っていた“好き”の感覚を再発見した。

「不器用だから手を動かすのは苦手。でも、頭の中のイメージを形にしてもらうことが、こんなに楽しいなんて。デザイナーの仕事にも興味が湧きました。住まいを変えると、生き方の選択肢が広がることに気づいて」

壁を眺めながら「いい家やなあ」とつぶやくその横顔には、暮らしを通して自分を知っていく確かな手応えがあった。

自分の感性を信じて築いたこの家が、⻆本家の人生──そしてひとりひとりの未来に光を差している。
リノベーション インタビュー

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WRITERこの記事を書いた人

クジラ 編集部

中崎町にあるリノベーション会社です。不動産探し、住宅ローンのお手伝い、設計デザイン、施工、インテリアコーディネートまでワンストップでお手伝いさせていただきます。お客様に最適な暮らし方のご提案をさせていただきます。

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