2026.07.27
最終更新日
2026.07.27
施主様インタビュー

火災という「強制終了」から理想の住まいへリスタート | インタビュー

突然の火災による、自宅の半壊。そんな状況を「一旦、強制終了がかかったんだ」と受け止め、家中の内装を一から選び直したD様。

限られた予算の中で鍵となったのは、「何を残し、何を諦めるか」の判断でした。外回りの工事を必要最低限に抑え、その分を内装へ。大好きな「シャビーフレンチ」のデザインを、一つずつ選び抜いていきます。

打ち合わせが週に4回に及んだ日も。火災から引き渡しまでの、家づくりの裏側に迫ります。

▼今回のPJメンバー
施主様:D様
営業ディレクター:山根
デザイナー:髙橋

「なんかアウトドアみたいだね」と、家族で一つのこたつに

クジラ(以下略):D様のリノベーションは、火災がきっかけでしたね。あの時のことを改めてお伺いしてもよろしいでしょうか?

D様: 帰ってきたら煙臭くて。中に入ったら白い煙がバーッと出ていて、その時はまだ火事だと思っていなくて。「誰かサンマ焼きすぎたん?」って(笑)。
でも火は見えないし、煙だけがすごいんです。それで、すぐに消防を呼びました。

山根: 火災の後は、住まいをどうするかより先に、手続きや寝る場所の話が動きますよね。
当日の夜や、その後の生活はどうされていたんですか?

D様: 消防の方が来られた後、役所の方も駆けつけてくださって。近所に寝泊まりできる場所があると案内していただいたので、実は次の日からは普通に仕事に行っていたんです(笑)。 その時に火災後の書類関係や申請手続きについても教えてもらえたので、その辺りはスムーズに進めることができました。

そこから仮住まいへ移られたんですか?

D様: 役所の方から仮住まいの打診もありましたが、当時は娘が大学の近くで一人暮らしをしていたので、いったんそこに身を寄せてから、仮住まいのお家に移りました。
実は火事が起きる前、私自身も家族も日々の忙しさで限界に近い状態だったんです。だから、火事が起きたショックよりも、「私たちの生活に、一旦強制終了がかかったんだ」と思うようにしました。

山根: 「強制終了」ですか。普通なら途方に暮れてしまう状況だと思うのですが、D様は最初お会いした時からすごく前向きで明るかったのが印象的でした。

D様: 泣いていても仕方がないですからね。仮住まいの市営住宅はすきま風だらけで寒かったんですけど、家族で「なんかアウトドアみたいだね」って一つのこたつに入って笑い合ったりして。

子どもたちもある程度大きくなっていましたが、この状況になったからこそ、改めてみんなで顔を合わせて学校のことなどを和気藹々と話せる時間ができたのも、すごく良かったです。

火事で失ったものもありましたが、これを機に得られる新しい家族との時間や、新しい暮らしの方に目を向けようって、完全に再スタートの気持ちでした。

「これならいけるいける」、大工さんのその一言

そこで家を直す会社を探し始めたと思うのですが、なぜクジラを選んでくださったんですか?

D様: ここでもありがたいことに周りの人たちから「紹介しようか?」と言ってくださっていました。でも、知り合いの工務店に頼むと「ああして、こうして」って気を遣って言いづらい気がして。色々ホームページを見ている中で、火事の事例を載せていたのが、当時クジラさんだけだったんです。

山根: 火災の復旧は、燃えた部分より「燃えていないけれど使えない部分」の見極めが難しいんです。
それを口頭で説明しても伝わらないので、初回から大工に同席してもらいました。

D様: それで一度見に来てもらって。他の工務店さんにもパパッと見積もりを出してもらったんですが、クジラさんの方がその後のデザインの融通が利きそうだなと感じたんです。
初回に見に来られたときは、大工さんも同席してくださり、「燃えている木と燃えてない木が混在してるけど、これならいけるいける!」って明るく言ってくださったのにも、すごく安心しましたね。


▲当時の火災直後のリビングとキッチン

予算のバランスと、こだわり抜いたシャビーフレンチ空間

山根: 今回は半壊という状況だったので、すべてを新しくするのではなく、現地で何度も打ち合わせを重ねて「やる工事」と「やらない工事」の取捨選択を行いました。予算のバランスをとるのが一番の鍵でしたね。

髙橋: 高額になりがちな外回りの工事は必要最低限に抑えて、その分、D様のお好きなデザインや内装に予算を回せるように調整しましたよね。

限られた予算の中で「どこを残して、どこを新しくするか」を細かく決めるために、週に4回もお打ち合わせさせていただいた時も(笑)。

D様: そうでしたね! 私も毎晩12時過ぎまで建築に関する動画を見て猛勉強しました。
実は最初、お城みたいな空間に憧れていたんです。でも、いざ自分たちが毎日暮らす家にするにはちょっとゴージャスすぎるかな、と。そこから美容院やカフェの事例もたくさん見て、最終的に少し落ち着いたフレンチ寄りのイメージに辿り着きました。

髙橋: 普段はあまりやらない進め方ですが、一緒にサンゲツのショールームに行きましたよね。
サンプルは小さいので、大きな柄だと実際に壁一面に貼った時の印象が変わってしまうんです。
ダマスク柄を使うと決まってからは、実寸で見ていただける場所へ行こうと思って。

D様: 私が「こういうダマスク柄がいい!」と言ってもすぐには見つからなかったのに、髙橋さんが「このメーカーなら似たようなものがありますよ」って、サンプルをあちこちからかき集めてくれて。一緒に選んでいく過程が本当に楽しかったです!

髙橋: お城のように全体を作り込みすぎると圧迫感が出てしまうので、空間のベースはシンプルに整えて、D様のお好きなデザインをアクセントとして散りばめるバランスをご提案しました。
LDKの壁も、白地にうっすらとグレーのダマスク柄が入っているクロスを選んだので、空間が広く感じられると思います。キャビネット上の白いブリックレンガも同じで、同じ「白」でも違う素材を組み合わせることで、お部屋に立体感や落ち着きが出るように工夫しています。


D様: 逆にトイレは、狭い空間だからこそ大胆な柄物に挑戦して大正解でした!ずっとウィリアムモリスの柄クロスをアクセントとして取り入れたかったんですが、そこに髙橋さんが「それなら、他の壁にはイエローを合わせてみませんか?」と提案してくださって。ここもすごく気に入っています。


片付けが面倒で人を呼べなかった家に、同僚が5人集まるようになった

暮らし始めて、生活はどう変わりましたか?

D様: 会社の同僚を呼ぶようになりました。4、5人で一品ずつ持ち寄って。
前の家では、片付けるのが面倒で人を呼ぶこと自体がなかったんです

山根: ダイニングで事務作業をされていて書類が散らかる、というお話が早い段階で出ていました。
A4が入る既製キャビネットの奥行きを先に決めて、その寸法に合わせて壁を造作しています。

D様: 前はちょっとした収納もなかったんです。40cmずらしてもらっただけで。
収納があるだけで、全然雑然としないんですね

髙橋: 以前は和室がLDKとつながっていましたが、あえて廊下を長くとって独立させました。
面積だけ見れば廊下はもったいない。でもここを削ると、和室が使えない部屋になると考えました。

D様: 和室は、前はリビングの音が気になって落ち着けなかったのが、今はとても静かで。
買い物から帰ってすぐキッチンで手を洗えるのも、毎日効いています。

好きなテイストは全部書き出す!そして削ぎ落としていく

最後に、これからリノベーションや家づくりを考えている読者の方に向けて、出野様からアドバイスをお願いできますか。

D様: まず、火事などの予期せぬ被害に遭われた方には、「失ったものより、新しく得られるプラスの面に目を向けてみてほしい」と伝えたいです。書き出してみると、案外プラスの方が多いことに気づけるはずです。
そして家づくりに関しては、自分が好きなテイストを遠慮せずに全部書き出してみること。お城風でもプリンセス風でも、まずは全部出す。そこからプロの意見を聞きながら現実的でないものを削ぎ落としていって、最終的に「絶対に譲れない軸」を残す。

それが、満足のいくワクワクする家づくりの秘訣だと思います!

▼施工事例 | WORK

WRITERこの記事を書いた人

デザイナー

高橋 桃子MOMOKO TAKAHASHI

和歌山県和歌山市出身 / 実際の現場だけではなく、資料など全ての細部にまでこだわるようにしています。 / 海辺のお家を購入後に自分好みにリノベをして、猫とのんびり住むのが将来の夢の1つです

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