2026.07.22
最終更新日
2026.07.22
CREATOR's STORY

学生時代の「ものづくり経験」はどう活きる?新卒1年目が語る、リノベーション現場のライブ感

「若手に裁量がある」——就職活動でよく見かける言葉です。
しかし、そう言われるたびに、「自分が求める『裁量』って何だろう?」と、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

こんにちは。クジラ株式会社に新卒入社した営業の山口です。今回は、この春に同期入社した施工管理職の濵野くん(広島大学大学院卒)にインタビューを行いました。

学生時代に空き家改修や家具製作を精力的に実践してきた彼。一見、迷わず突き進んできたように見えますが、実は誰よりも「自分の熱量をどこに向ければいいのか」に悩み、答えを模索していました。彼がなぜ「設計」でも「職人」でもなく、クジラの「施工管理」を選んだのか。プロの現場で見つけた「本当に求めていた裁量」の正体に迫ります。

空き家改修に家具製作。泥臭く手を動かし続けた学生時代

山口:実は、濵野くんと私は、入社前からある建築系のコミュニティを通じて出会っていましたね。どんな、学生生活を送っていたのですか?

濵野: 学生時代は、とにかく現場にいって手を動かし、「世の中で今、何が求められているのか」「ものづくりの本質って何だろう」という問いに、がむしゃらに向き合っていました。
最初に取り組んだのは、学生団体の立ち上げです。不動産価値がないとされていた空き家を10軒以上自分たちで改修して、生活保護受給者の方々が安心して暮らせる住まいとして提供する活動を主導しました。

「現場で経験を積みたい学生」「空き家の使い道に困っているオーナー」「住まいを探しているけれど見つからない社会」という、それぞれの困りごとや想いが重なる点に着目しました。これは学生の今だからこそできる挑戦だと確信していました。

さらに、この経験から木材への興味が深まって。「人間の生活に一番近い『家具』から空間を設計する」という考え方に惹かれ、大学院からは家具工務店での長期インターンに飛び込みました。プロの厳しい現場で技術やものづくりへの姿勢を学ぶなか、8人掛けの大きなデスクの製作では、設計から最後の仕上げまで全工程を任せてもらい、自分の責任でやり遂げることができました。
社会の困りごとを解決する仕組みを考えることと、家具のミリ単位のディテールを自分の手で収めていくこと。 その両方を泥臭く実践しながら、とにかく手を動かし続けた学生生活でしたね。

設計か、職人か。「つくる熱量」の置き場所に迷い、たどり着いた答え

山口: 細部を極める職人の世界から、社会課題の解決まで、ものづくりを通じて様々な方向性に価値を生み出すような、そんな学生生活だったんですね。幅広く、濃い時間を過ごしたからこそ、就職活動は迷いそうです。

濵野: はい、ものすごく迷っていました。「設計士として図面を描くのか」、それとも「職人として現場で手を動かすのか」、どの立場で建築に関わるべきかが見えなくて。
設計士は魅力的ですが図面の上だけで閉じ、実際の現場から遠い気がしていました。かといって職人になると、技術を極める素晴らしさはあれど、プロジェクト全体を動かすことには関われない。どちらの立場も当時の自分にはしっくりこず、熱量を向ける先にずっと悩んでいました。

山口: その葛藤のなかで、なぜ最終的にクジラの「施工管理」を選んだのでしょう。

濵野: 自分の「ものづくりへの純粋な想い」を、一番熱量高く形にできるのが施工管理だと思ったからです。 学生時代に多くの素敵な職人さんに出会いましたが、自分がその技術を極める道は少し違うなと。一方で、大学院で学ぶなかで「実際に空間が立ち上がる瞬間」にこそ、一番の楽しさや感動があることも知っていました。
それなら、職人の手仕事や設計の意図を最大限に活かしながら、自分の手ではなく「プロジェクト全体を動かすことで建築を形にする」という役割が、最も魅力的に映ったんです。

プロの現場で知った自分の未熟さ

山口: 「若手に裁量がある」と聞くと、新卒でも自由に何でも決められるイメージがありますが、実際にクジラの施工管理として携わるプロの現場はいかがですか?

濵野: 毎日が新しい発見ですが、同時に自分の知識不足を痛感することばかりです。 最近も、職人さんに図面の意図や計画の背景を言葉で伝える難しさに直面しました。学生時代の設計課題なら「なんとなく格好いいから」で通ったことも、プロの現場では一切通用しません。「なぜこの収まり(仕上げの接合方法)にしているの?」と質問され、うまく答えられなかったこともあります。

山口: それは焦りますね……。どう乗り越えたのですか?

濵野: ただ「自由にやっていいよ」と仕事を丸投げされる環境だったら、立ち止まっていたはずです。
でもクジラでは新人が現場で一人になることはありません。普段から会社が職人さんとの関係を大切にしているため、現場でも「最近どうや?」と気にかけてもらい、技術を教えてもらうことも多いです。
また、社内の先輩方も必ず相談の時間を割いてくれます。私が拙いながらも「自分なりの仮説」を持っていけば、「それ面白いな、じゃあどう実現しようか」と一緒に考えてフォローしてくれます。 仕事を一人で抱え込むのではなく、「自分なりの仮説を持って、周囲のプロと対話を重ねながら現場を動かしていく」。これこそが、私が求めていた本当の意味での「打席に立つ」ということなのだと分かってきました。

「正解の図面がない」からこそ、手を動かしてきた経験が武器になる

山口: 世間一般の「施工管理」は、図面通りに工程をルーティンとして管理するイメージもありますが、クジラは違いますよね。

濵野: はい、リノベーションの現場には圧倒的なライブ感があります。解体してみて初めて、想定外の壁や配管が出てくることは日常茶飯事です。
先輩方はその想定外をチャンスに変え、「ここを活かしてこんな空間にしませんか?」と現場から新しい提案を発信しています。ただ図面を押し付ける「管理」ではなく、建物のコンディションを見極めながら、その場でクリエイティブに空間を成立させていく面白さがあります。

山口: そのなかで、濵野くんの「自分でつくってきた経験」はどう活きていますか?

濵野: すごく大きな武器になっています。施工管理は設計と職人、理想と現実の「あいだ」に立つ仕事です。 自分で手を動かしてきたからこそ、「職人さんがなぜこだわるのか」「この収まりがどれだけ大変か」が肌感覚で理解できます。だから単なる伝書鳩にならず、「それなら、この手順はどうですか?」と対等にディスカッションができる。設計の想いと職人の技術の「あいだ」を自分のアイデアで繋ぐ、非常にクリエイティブなポジションです。

建築を最もダイレクトに面白がれる、「施工管理」が実は一番クリエイティブな選択肢

山口: アトリエ設計事務所やゼネコンを目指す建築学生も多いなか、あえてクジラのリノベーション施工管理を選んだことについて、今はどう感じていますか?

濵野: 実際に現場を経験してみて、「実はここが一番クリエイティブなんじゃないか」と思っています。
アトリエ設計事務所は現場から遠くなりがちで、大手の施工管理は決められたルーティンをこなす割合が多いかもしれません。その点、リノベーションの施工管理は、設計の意図を汲み、職人さんと空間を作り上げ、暮らす人の顔もすぐ近くで見られます。あらゆる職種の面白い要素を内包しながら、新卒のうちから自分で決定できる機会が一番多い仕事です。

山口: 最後に、これから目指したい将来の施工管理像を教えてください。

濵野: まずは目の前の案件で、培ってきた視点や経験をもとに「自分なりの仮説」を持って現場に挑み続けたいです。 将来的には、淡々と管理するだけの施工管理の枠を完全に飛び越え、図面と現場のあいだでクリエイティビティを発揮する施工管理を目指していきます。

【編集後記】
就活でよく耳にする「裁量」という言葉。それは決して、未熟なまま自由に振る舞えることでも、ただ責任を丸投げされることでもありません。本当の裁量とは、自分の未熟さと向き合いながらも、「自分なりの仮説を持って、主体的に選択と決定を繰り返していける環境」のことではないでしょうか。

もしあなたが今、職種選びや成長環境に迷っているなら。
知名度やイメージだけで選ぶのではなく、「自分が一番熱量を持って打席に立てる場所はどこか」という視点で、もう一度就職活動を見つめてみてください。クジラには、あなたの挑戦を本気で受け止め、共に空間をつくり上げてくれるチームが待っています。

WRITERこの記事を書いた人

ディレクター

山口 ひかるHIKARU YAMAGUCHI

兵庫県神戸市出身/古い建物が新しく生まれ変わる瞬間に魅力を感じ、この世界に飛び込みました。お客様が毎日を笑顔で過ごせるような、心地よい空間づくりに全力で伴走します!

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